築年数とマンション売却の税金・タイミングの正解

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公開日: 2026/1/15

結論:築年数による売却タイミングの3分判定

マンション売却を検討する際、「築年数が古いと売れないのでは」「今売ると損をするのでは」と不安を感じる方は多いでしょう。しかし、実は税制上の判定基準は「築年数」ではなく「所有期間」であり、この違いを理解することが売却タイミングの見極めに直結します。

所有期間が5年超かどうかで税率が大きく変わるため、まずはこの判定軸を把握することが重要です。ただし、5年以内の売却でも3,000万円特別控除などの特例を活用すれば税負担を大幅に軽減できるケースが多く、必ずしも「5年待つべき」とは限りません。

まずは結論:5年超なら税率優遇、5年以内でも特例適用で負担軽減可能

マンション売却時の譲渡所得税は、売却した年の1月1日時点の所有期間に基づいて計算されます。5年を超える場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」に分類され、税率が以下のように変わります。

  • 長期譲渡所得(所有期間5年超): 所得税15.315%+住民税5%=約20%
  • 短期譲渡所得(所有期間5年以内): 所得税30.630%+住民税9%=約40%

一見すると、短期譲渡は税率が倍近く高く見えます。しかし、マイホームとして居住していた不動産を売却する場合、「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用されるため、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最大3,000万円の控除が受けられます。つまり、売却益が3,000万円以下であれば、5年以内の売却でも税金はかからないケースが多いのです。

5年以内のマンション売却は不利とされることがありますが、自宅の売却であれば3,000万円控除が適用されるため、売却益が多額でない場合は譲渡所得税がかからないケースが一般的です。また、そもそも売却益が発生しない場合は譲渡所得税が課税されないため、必ずしも損するわけではありません。

判定の前提:売却した年の1月1日時点の所有期間が基準

「築年数」と「所有期間」は混同されやすいですが、税制上の判定は「所有期間」で行われます。築年数は建物が完成してからの年数ですが、所有期間は購入してから売却するまでの年数です。

重要なのは、購入日と売却日の差ではなく、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかどうかで判定される点です。例えば、2019年12月に購入したマンションを2024年12月に売却する場合、実際の所有期間は5年ですが、売却年(2024年)の1月1日時点では所有期間は4年1ヶ月となり、短期譲渡所得に分類されます。このため、「もう少し待てば長期譲渡になる」というケースでは、売却時期を数ヶ月ずらすだけで税率が大きく変わる可能性があります。

築年数が古いからといって税率が高くなるわけではなく、あくまで所有期間が判定基準であることを押さえておきましょう。

かんたん条件診断

税制上の優遇措置を受けられるかどうかは、物件の用途や所有期間によって決まります。ここでは、勘違いされやすい条件を整理し、自分が特例対象かを自己判定できるようにします。

必須っぽく見える条件:自宅として居住していたか

3,000万円特別控除の対象となるのは「居住用財産」、つまりマイホームとして居住していた不動産です。この特例は所有期間の長短に関係なく適用でき、5年以内の売却でも利用できます。

一方、投資用マンションやセカンドハウスは対象外です。セカンドハウスや投資目的で購入したマンションは、3,000万円特別控除の対象外であり、短期売却時は高い税率が適用されます。例えば、賃貸に出していたマンションを5年以内に売却すると、約40%の短期譲渡税率が適用され、税負担が大きくなります。

マイホーム特例の適用条件は以下の通りです。

  • 自己が居住していた住宅であること
  • 居住しなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 親子や配偶者など特別な関係にある者への譲渡ではないこと

これらの条件を満たせば、所有期間に関係なく3,000万円控除が適用され、税負担を大幅に軽減できます。

よくある勘違い条件:5年以内は必ず損するわけではない

「5年以内に売却すると税金が高い」というイメージが強いですが、これは必ずしも正しくありません。

まず、売却益が発生しない場合は譲渡所得税が課税されません。譲渡所得は「売却価格−(取得費+譲渡費用)」で計算されるため、購入時より安く売却した場合や、諸経費を差し引くと利益が出ない場合は課税されません。

次に、3,000万円控除が適用されれば、多くのケースで税負担はゼロになります。売却益が3,000万円以下であれば、短期譲渡でも長期譲渡でも税金はかかりません。このため、売却益が多額でない場合は、所有年数の長短による税額の違いが発生しない可能性があり、特例適用の有無が大きなファクターとなります。

「5年待たないと損をする」と思い込んで売却を先延ばしにすると、市況悪化や管理コストの増加で結果的に損をするリスクもあります。所有期間だけでなく、市場動向や自身の状況を総合的に判断することが重要です。

条件別のおすすめパターン

所有期間や目的、地域によって最適な売却タイミングは異なります。ここでは、読者の状況に応じた具体的な判断材料を提示します。

所有期間5年以内で急いで売却したい場合

転勤や離婚、資金調達などの事情で5年以内に売却せざるを得ない場合、まず確認すべきはマイホーム特例の適用可否です。自宅として居住していた期間があれば、3,000万円特別控除が適用され、売却益が3,000万円以下なら税金はかかりません。

また、売却益が小さければ税負担も小さくなります。例えば、売却益が500万円の場合、短期譲渡税率(約40%)で約200万円の税金がかかりますが、長期譲渡税率(約20%)なら約100万円です。差額は100万円程度であり、5年待つことで失う市況のメリットや管理コストと比較して判断する余地があります。

短期譲渡でも、特例を活用すれば税負担を抑えられるケースが多いため、「5年待たないと絶対に損」というわけではありません。

所有期間10年超で軽減税率を狙う場合

所有期間が10年を超える居住用財産を売却する場合、3,000万円特別控除と軽減税率の特例を併用できます。これにより、控除後の譲渡所得6,000万円までは税率が約14%に軽減され、長期譲渡の約20%よりさらに有利になります。

例えば、売却益が5,000万円の場合、3,000万円控除を適用すると課税対象は2,000万円になります。この2,000万円に対して軽減税率14%が適用されると、税額は約280万円です。通常の長期譲渡税率20%なら約400万円なので、120万円の節税効果があります。

10年超の所有であれば、税制上の優遇措置を最大限に活用できるため、売却タイミングとして有利です。

相続物件を3年以内に売却する場合

相続した不動産を売却する場合、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却することで、相続税額の一部を取得費に加算できる特例が適用されます。これにより、譲渡所得が圧縮され、税負担を軽減できます。

また、被相続人が居住していた空き家を一定の条件下で売却すると、最大3,000万円(相続人が3人以上の場合は2,000万円)の特例控除が受けられる場合もあります。相続物件は管理負担や固定資産税の負担が大きいため、早期売却を検討する際はこれらの特例を活用することで税負担を抑えられます。

相続不動産の売却では、所有期間は被相続人の取得時から引き継がれるため、短期譲渡・長期譲渡の判定も有利になるケースが多いです。

地域別の売り時目安:東京は築10年以内、神奈川・埼玉・千葉は築15年以内

税制とは別の観点として、市場価値の面からも売却タイミングを考える必要があります。東京都では築10年以内、神奈川県・埼玉県・千葉県では築15年以内が売り時といわれています。これは、築年数が経過すると市場での評価が下がり、売却価格が低下する傾向があるためです。

税率優遇を待って5年超まで保有した結果、市況悪化で売却価格が下がってしまっては本末転倒です。地域ごとの市況や築年数の影響を考慮し、税制メリットと市場価値のバランスを見極めることが重要です。

当てはまらない場合の代替案

特例が適用されない、または5年待てない場合でも、損失を軽減する選択肢があります。

直接代替:買い替え時の譲渡損失の損益通算

マイホームを買い替える際に譲渡損失が発生した場合、所有期間が5年を超える資産であれば「譲渡損失の損益通算及び繰越控除特例」が適用できます。これにより、他の所得(給与所得など)と損益通算し、税負担を軽減できます。さらに、その年で控除しきれなかった損失は翌年以降3年間繰り越すことが可能です。

ただし、この特例は所有期間5年超が要件であり、5年以内の所有では適用できません。買い替えを検討している場合は、この特例を活用できるタイミングを見極めることが重要です。

間接代替:5年待たずに売却して特例を活用

5年待たずに売却する場合でも、3,000万円特別控除を活用すれば税負担を抑えられます。売却益が少額であれば、短期譲渡と長期譲渡の税額差は小さくなります。例えば、売却益が1,000万円の場合、短期譲渡なら約400万円、長期譲渡なら約200万円の税負担ですが、3,000万円控除を適用すれば両方ともゼロです。

特例適用の有無が大きな分岐点であり、「5年待たなければ損」という固定観念にとらわれず、自身の状況に応じて柔軟に判断することが重要です。

現状維持が合理的なケース:値上がり期待と税率優遇のバランス

5年超まで待つことで税率優遇を受けられる一方、市況悪化リスクや管理コストも考慮する必要があります。不動産市場が上昇傾向にあり、5年待つことで売却価格が上がる見込みがある場合は、税率差と合わせて待つメリットがあります。

一方、管理費や固定資産税、修繕費などの維持コストが年間数十万円かかる場合、5年待つことで累計数百万円のコストが発生します。税率差で節約できる金額と比較し、トータルで損益を判断する必要があります。

市況や個別事情を総合的に考慮し、「待つべきか、今売るべきか」を慎重に見極めましょう。

注意点:変動する要素と確認すべき事項

税制は年度ごとに改正される可能性があり、特例の適用条件や控除額が変わることがあります。また、個別の事情(共有名義、相続、贈与など)によって適用できる特例が異なるため、専門家への相談を推奨します。

特に、以下のような場合は税理士や不動産会社に相談することで、最適な売却タイミングや節税対策を見極められます。

  • 売却益が高額で複数の特例を併用したい場合
  • 相続や贈与が絡む場合
  • 共有名義で持分売却を検討している場合
  • 投資用物件を売却する場合

また、不動産の売却価格は市況や物件状態によって大きく変動します。複数の不動産会社に査定を依頼し、適正価格を把握することが重要です。

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まとめ:あなたの次の一手

マンション売却のタイミングは、所有期間5年超か以内か、マイホームか投資用かで大きく分岐します。

  • 5年超のマイホーム: 長期譲渡税率(約20%)+3,000万円控除で税負担が最も軽い。さらに10年超なら軽減税率で14%に。
  • 5年以内のマイホーム: 短期譲渡税率(約40%)だが、3,000万円控除で多くのケースは税負担ゼロ。売却益が少額なら税額差も小さい。
  • 投資用・セカンドハウス: 3,000万円控除なし。5年以内の売却は高税率で不利。
  • 相続物件: 3年10ヶ月以内の売却で取得費加算特例あり。空き家特例も検討。

税制メリットだけでなく、市況や管理コスト、自身の状況を総合的に判断することが重要です。まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、売却価格の相場感をつかむことから始めましょう。

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よくある質問

Q1築年数と所有期間の違いは何ですか?

A1築年数は建物が完成してからの年数ですが、所有期間は購入してから売却するまでの年数です。税制上の判定は所有期間で行われ、売却した年の1月1日時点で5年超か以内かで税率が変わります。築年数が古くても、所有期間が短ければ短期譲渡となり税率が高くなります。

Q25年以内に売却すると必ず損をしますか?

A2いいえ、必ずしも損をするわけではありません。マイホームとして居住していた場合は3,000万円特別控除が適用され、売却益が3,000万円以下なら税金はかかりません。また、売却益が発生しない場合も課税されません。売却益が少額であれば、短期譲渡と長期譲渡の税額差も小さくなります。

Q3投資用マンションも3,000万円特別控除は使えますか?

A3いいえ、投資用マンションやセカンドハウスは3,000万円特別控除の対象外です。この特例は居住用財産(マイホーム)が対象であり、自己が居住していた住宅であることが条件です。投資用物件を5年以内に売却すると、約40%の短期譲渡税率が適用され、税負担が大きくなります。

Q4相続したマンションを売却する場合の税金はどうなりますか?

A4相続開始から3年10ヶ月以内に売却すれば、相続税の一部を取得費に加算できる特例があり、譲渡所得を圧縮できます。また、被相続人が居住していた空き家を一定条件下で売却すると、最大3,000万円(相続人が3人以上の場合は2,000万円)の特例控除が受けられる場合もあります。所有期間は被相続人の取得時から引き継がれるため、短期譲渡・長期譲渡の判定でも有利になることが多いです。

Q5所有期間10年超のメリットは何ですか?

A5所有期間10年超の居住用財産は、3,000万円特別控除と軽減税率の特例を併用できます。控除後の譲渡所得6,000万円までは税率が約14%に軽減され、通常の長期譲渡税率20%よりさらに有利です。例えば、控除後の譲渡所得が2,000万円の場合、軽減税率なら約280万円、通常なら約400万円の税額となり、120万円の節税効果があります。