買い替え購入戸建ての流れ・スケジュール|5~10ヶ月完全ガイド

公開日: 2025/10/14

戸建て買い替えの流れ:スケジュールを理解しよう

戸建ての買い替えでは、既存物件の売却と新居の購入を並行して進めるため、通常の購入よりもスケジュール管理が重要です。売り先行・買い先行・同時決済のどのパターンを選ぶかによって、資金計画や引越しのタイミングが大きく変わります。本記事では、戸建て買い替えの全体の流れ、各フェーズの所要期間、パターン別の注意点を解説します。

この記事でわかること

  • 買い替え完了までの全体スケジュール(5~10ヶ月)
  • 売却準備・購入準備を並行して進める方法
  • 売り先行・買い先行・同時決済の違いと選び方
  • 売買契約・住宅ローン審査・決済の流れ
  • 買い替えで失敗しないタイミング調整のポイント

1. 戸建て買い替えスケジュール|全体の流れ

(1) 買い替え完了までの期間(5~10ヶ月)

戸建ての買い替えは、準備から新居への入居まで5~10ヶ月程度が目安です。売却と購入を並行して進めるため、通常の購入よりも長期間を要します。

全体スケジュールの目安

フェーズ 期間 主な内容
購入準備と売却準備の並行 1~2ヶ月 旧居査定、資金計画、事前審査
売却活動と購入物件探し 2~4ヶ月 旧居売却、新居探し
売買契約と住宅ローン審査 1~2ヶ月 売買契約、本審査
決済・引渡しと引越し 1~2ヶ月 旧居引渡し、新居決済、引越し
合計 5~10ヶ月 -

売却と購入がスムーズに進めば5~6ヶ月で完了しますが、売却が長期化する場合は10ヶ月以上かかることもあります。

(2) 各フェーズの所要期間

各フェーズの所要期間は、以下の要因により変動します。

所要期間に影響する要因

  • 旧居の売却価格:希望価格で売れない場合、売却が長期化
  • 新居の希望条件:条件が厳しいと物件探しが長期化
  • 買い替えパターン:売り先行・買い先行・同時決済で期間が変動
  • 住宅ローン審査:既存ローンの残債状況により審査期間が変動

買い替えでは、売却と購入のタイミング調整が最も重要です。

(3) 売り先行・買い先行・同時決済の違い

買い替えには3つのパターンがあり、それぞれメリット・デメリットがあります。

買い替えパターンの比較

パターン メリット デメリット
売り先行 資金が確定し安心、二重ローン不要 仮住まいが必要、引越し2回
買い先行 引越し1回、じっくり新居探し可能 二重ローンのリスク、資金余裕必要
同時決済 仮住まい不要、引越し1回 タイミング調整が難しい

資金に余裕がない場合は売り先行、資金に余裕があれば買い先行が選択されることが多いです。

2. 購入準備と売却準備の並行(1~2ヶ月)

(1) 旧居の査定と売却戦略

買い替えの第一歩は、現在の戸建ての査定です。査定により売却可能価格を把握し、新居の購入予算を決定します。

旧居査定の流れ

  1. 複数の不動産会社に査定依頼:一括査定サイトを活用
  2. 訪問査定の実施:実際に物件を見てもらい正確な査定額を取得
  3. 売却価格の設定:査定額を参考に、売出価格を決定
  4. 媒介契約の締結:不動産会社と専任媒介または一般媒介契約

売却戦略のポイント

  • 相場より高すぎる価格設定は売却長期化のリスク
  • 売り急ぎによる安売りを避けるため、余裕を持ったスケジュール設定
  • 住宅ローン残債を確認し、売却価格が残債を上回るか確認

(2) 新居の資金計画と希望条件整理

旧居の売却可能価格を把握したら、新居の資金計画を立てます。

資金計画の立て方

項目 内容
旧居売却代金 査定額から仲介手数料・諸費用を差し引いた金額
旧居ローン残債 売却代金から返済する金額
手元資金 売却代金-ローン残債
新居購入予算 手元資金+新規住宅ローン借入額
諸費用 購入価格の5~10%(登記費用・仲介手数料など)

新居の希望条件整理

  • 立地(通勤・通学の利便性、周辺環境)
  • 間取り(家族構成に応じた部屋数)
  • 予算(旧居売却代金+住宅ローン)
  • 築年数(新築・築浅・中古のいずれか)

(3) 買い替えローンの事前審査

新居購入の住宅ローンは、旧居の売却前に事前審査を受けることができます(金融庁「住宅ローンの基本」)。

買い替えローンの審査ポイント

  • 現在の住宅ローン残債の状況
  • 旧居の売却予定価格
  • 新居の購入予定価格
  • 年収・勤続年数・信用情報

旧居のローン残債がある場合、二重ローンのリスクを金融機関が審査します。売り先行の場合、旧居売却後に新規ローンを借りるため審査は比較的通りやすいです。

3. 売却活動と購入物件探し(2~4ヶ月)

(1) 旧居の売却活動(2~3ヶ月)

不動産会社と媒介契約を締結後、売却活動を開始します。この工程が最も時間がかかります。

売却活動の流れ

  1. 物件情報の公開:不動産ポータルサイトに掲載
  2. 内覧対応:購入希望者に物件を見せる
  3. 価格交渉:購入希望者から価格交渉があれば対応
  4. 購入申込の受領:購入希望者から購入申込書を受領

内覧対応のポイント

  • 整理整頓・清掃を徹底し、好印象を与える
  • 設備の不具合は事前に修繕または告知
  • 内覧希望者のスケジュールに柔軟に対応

売却活動中も新居探しを並行して進めます。

(2) 新居の物件探しと内見(1~2ヶ月)

希望条件に合う戸建てを探し、実際に内見します。

物件探しの方法

  1. 不動産ポータルサイト:SUUMO、LIFULL HOME'Sなどで検索
  2. 不動産会社への相談:希望条件を伝え、非公開物件も紹介してもらう
  3. 内見:気になる物件は実際に訪問し、周辺環境も確認

内見時のチェックポイント

  • 間取りと日当たり
  • 設備の状態(キッチン、浴室、トイレなど)
  • 周辺環境(学校、スーパー、公園など)
  • 交通の便(最寄り駅、バス停までの距離)

(3) 売却・購入のタイミング調整

買い替えで最も重要なのが、売却と購入のタイミング調整です。

タイミング調整のポイント

  • 売り先行:旧居が売れてから新居を本格的に探す。売却資金が確定するまで購入契約を待つ
  • 買い先行:新居を先に購入し、その後旧居を売却。二重ローンの期間を最小限にする
  • 同時決済:旧居の引渡しと新居の決済を同日に行う。不動産会社と綿密に調整

売り先行の場合、仮住まいの準備が必要です。買い先行の場合、二重ローンの返済能力を金融機関が審査します。

4. 売買契約と住宅ローン審査(1~2ヶ月)

(1) 旧居の売買契約(手付金受領)

購入希望者が見つかったら、売買契約を締結します。

売買契約時の流れ

項目 内容
契約書の署名・押印 売主・買主双方が契約書に署名・押印
手付金の受領 売却価格の5~10%程度を現金で受領
引渡し日の設定 決済・引渡し日を確定(通常1~2ヶ月後)
ローン特約の確認 買主のローンが通らなかった場合の解除条件を確認

手付金は売却代金の一部として充当されます。引渡し日までに旧居を引き払う準備を進めます。

(2) 新居の売買契約(手付金支払い)

購入したい戸建てが見つかったら、売買契約を締結します。

購入契約時の流れ

  1. 購入申込書の提出:購入意思を売主に伝える
  2. 重要事項説明:宅地建物取引士から物件の詳細説明を受ける
  3. 売買契約:契約書に署名・押印、手付金を支払い
  4. 引渡し日の設定:旧居の引渡しとタイミングを調整

売り先行の場合、旧居の売却が確定してから新居の契約を行います。買い先行の場合、新居の契約を先に行い、その後旧居を売却します。

(3) 住宅ローン本審査(2~3週間)

新居の売買契約締結後、住宅ローンの本審査を申し込みます(住宅金融支援機構「フラット35」)。

本審査の必要書類

  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 収入証明書類(源泉徴収票、確定申告書など)
  • 物件関連書類(売買契約書、重要事項説明書など)
  • 旧居の売買契約書(売却予定価格の証明)
  • 旧居のローン残高証明書

買い替えの場合、旧居の売却予定価格と残債を考慮して審査されます。売り先行の場合、旧居売却後に新規ローンを借りるため審査は比較的スムーズです。

5. 決済・引渡しと引越し(1~2ヶ月)

(1) 旧居の決済・引渡し

引渡し日当日、旧居の残金決済と引渡しを行います(法務局「不動産登記の申請手続」)。

旧居の決済・引渡しの流れ

  1. 残代金の受領:買主から残代金を受け取る
  2. ローンの一括返済:受領した代金で旧居のローンを完済
  3. 抵当権抹消登記:司法書士が抵当権抹消登記を申請
  4. 所有権移転登記:買主への所有権移転登記
  5. 鍵の引渡し:買主に鍵を引渡し

旧居の売却代金は、ローン返済後の残額が手元に残ります。この資金を新居の購入資金に充当します。

(2) 新居の決済・引渡し

新居の引渡し日当日、残金決済と引渡しを行います。

新居の決済・引渡しの流れ

  1. 融資実行:金融機関から住宅ローンが実行され、買主の口座に入金
  2. 残代金の支払い:買主が売主に残代金を支払い
  3. 所有権移転登記:司法書士が法務局に登記申請
  4. 抵当権設定登記:金融機関の抵当権を設定
  5. 鍵の引渡し:売主から鍵を受け取り

同時決済の場合、旧居の引渡しと新居の決済を同日に行います。

(3) 引越しとタイミング調整

売り先行・買い先行・同時決済で引越しのタイミングが異なります。

パターン別の引越しタイミング

パターン 引越しのタイミング
売り先行 旧居引渡し前に仮住まいへ引越し→新居完成後に本引越し(計2回)
買い先行 新居決済後に旧居から新居へ直接引越し(1回)
同時決済 旧居引渡しと新居決済を同日に行い、直接引越し(1回)

売り先行の場合、仮住まいの賃貸契約や引越し費用が余分にかかります。買い先行・同時決済の場合、引越しは1回で済みます。

6. 買い替えパターン別のスケジュール調整

(1) 売り先行(資金確定、仮住まい必要)

売り先行は、旧居を先に売却してから新居を購入するパターンです。

売り先行のメリット

  • 売却資金が確定するため、購入予算が明確
  • 二重ローンのリスクがない
  • 住宅ローン審査が通りやすい

売り先行のデメリット

  • 仮住まいが必要(賃貸契約・引越し費用が余分にかかる)
  • 引越しが2回必要(旧居→仮住まい→新居)
  • 仮住まい期間中の家賃負担

スケジュール例

時期 内容
1~2ヶ月目 旧居査定、売却活動開始
3~4ヶ月目 旧居売買契約、仮住まい探し
5ヶ月目 旧居引渡し、仮住まいへ引越し
5~7ヶ月目 新居探し、売買契約
8~9ヶ月目 住宅ローン審査、新居決済
9~10ヶ月目 新居へ引越し

(2) 買い先行(二重ローン、資金余裕必要)

買い先行は、新居を先に購入してから旧居を売却するパターンです。

買い先行のメリット

  • 引越しが1回で済む
  • じっくり新居を探せる
  • 仮住まいが不要

買い先行のデメリット

  • 二重ローンの期間が発生(旧居ローン+新居ローン)
  • 資金に余裕が必要
  • 住宅ローン審査が厳しくなる

スケジュール例

時期 内容
1~2ヶ月目 新居探し、売買契約
3~4ヶ月目 住宅ローン審査、新居決済
4~5ヶ月目 新居へ引越し、旧居売却活動開始
6~8ヶ月目 旧居売買契約、引渡し
8ヶ月目 旧居ローン完済

買い先行の場合、旧居が売れるまで二重ローンの返済が続くため、資金に余裕が必要です。

(3) 同時決済(理想だが難易度高い)

同時決済は、旧居の引渡しと新居の決済を同日に行うパターンです。

同時決済のメリット

  • 仮住まい不要
  • 引越しが1回で済む
  • 二重ローン期間がない

同時決済のデメリット

  • タイミング調整が非常に難しい
  • 売主・買主双方のスケジュール調整が必要
  • 不動産会社の高い調整力が求められる

実現のポイント

  • 旧居の買主と新居の売主の都合を合わせる
  • 不動産会社に同時決済の希望を事前に伝える
  • 決済日の変更リスクを考慮し、柔軟に対応

同時決済は理想的ですが、実現できるケースは少ないため、売り先行または買い先行を選ぶのが現実的です。

まとめ

戸建ての買い替えは、準備から新居入居まで5~10ヶ月程度が目安です。売却準備と購入準備を並行して進め、売却活動2~4ヶ月、契約・審査1~2ヶ月、決済・引越し1~2ヶ月の流れで進みます。

買い替えには売り先行・買い先行・同時決済の3パターンがあります。売り先行は資金が確定し安心ですが仮住まいが必要、買い先行は引越し1回で済みますが二重ローンのリスクがあります。同時決済は理想的ですがタイミング調整が難しいです。

資金に余裕がない場合は売り先行、余裕があれば買い先行がおすすめです。不動産会社と綿密に相談し、自分に合ったパターンを選びましょう。

よくある質問

Q1戸建ての買い替えにはどのくらいの期間がかかりますか?

A1買い替え完了まで5~10ヶ月程度が目安です。売却活動2~3ヶ月、購入物件探し1~2ヶ月、契約・ローン審査1~2ヶ月、決済・引越し1~2ヶ月が標準的な流れです。売り先行か買い先行かで期間が変動し、旧居の売却が長期化する場合は10ヶ月以上かかることもあります。

Q2売り先行と買い先行、どちらがおすすめですか?

A2資金に余裕がない場合は売り先行、余裕があれば買い先行がおすすめです。売り先行は売却資金が確定し安心ですが、仮住まいが必要で引越しが2回になります。買い先行は引越しが1回で済みますが、二重ローンのリスクがあり、資金に余裕が必要です。自分の資金状況と優先事項に応じて選択しましょう。

Q3買い替えで同時決済は可能ですか?

A3同時決済は理想的ですが、実現は難しいです。旧居の引渡しと新居の決済を同日に行う必要があり、売主・買主双方のスケジュール調整が必要です。不動産会社の高い調整力が求められ、実現できるケースは少ないため、売り先行または買い先行を選ぶのが現実的です。

Q4買い替えで最も時間がかかる工程は何ですか?

A4旧居の売却活動が最も時間がかかる工程で、2~3ヶ月程度が目安です。希望価格で売れない場合はさらに長期化します。新居探しも1~2ヶ月かかるため、売却活動と並行して進めることが重要です。売却が長期化すると全体スケジュールに影響するため、相場に合った売出価格設定が重要です。

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