導入
相続した土地を売却する際、「登記はどうすればいいのか」「相続登記をせずに売却できるのか」といった疑問を持つ方は少なくありません。特に、相続登記の義務化により、売却前の登記手続きが必須となりました。
本記事では、相続売却土地の登記・名義変更について、法務省や国税庁の資料を基に基礎から実践まで解説します。
この記事でわかること
- 相続した土地を売却する際の登記手続き
- 相続登記から売却登記までの流れ
- 相続税と譲渡所得税の関係
- 取得費加算の特例(相続開始から3年10ヶ月以内)
- 遺産分割協議と売却の関係
1. 相続した土地を売却する際の登記
(1) 相続登記が必須
相続した土地を売却するには、まず相続登記を行い、相続人名義に変更する必要があります。相続登記を行わずに直接買主に売却することはできません。
(2) 相続登記の義務化
2024年4月から相続登記が義務化され、相続開始から3年以内に登記を行う必要があります。売却を検討している場合でも、まず相続登記を済ませることが重要です。
2. 相続登記から売却登記までの流れ
(1) ステップ1: 相続登記
遺産分割協議→相続登記→相続人名義に変更(1〜2週間)
(2) ステップ2: 売却登記
売買契約締結→決済・引渡し→所有権移転登記→買主名義に変更(1〜2週間)
3. 相続税と譲渡所得税の関係
(1) 相続税の申告
相続税は、相続開始から10か月以内に申告・納付が必要です。基礎控除額を超える場合に課税されます。
(2) 譲渡所得税の申告
土地を売却した場合、譲渡所得税が課税されます。申告期限は、売却した年の翌年2月16日から3月15日までです。
4. 取得費加算の特例
(1) 特例の概要
相続した不動産を相続開始から3年10ヶ月以内に売却する場合、相続税の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」が適用できます。
(2) 節税効果
この特例により、譲渡所得税を軽減できる可能性があります。相続税と譲渡所得税の二重課税を緩和する制度です。
まとめ
相続した土地を売却する際は、まず相続登記を行い、相続人名義に変更することが必須です。取得費加算の特例は、相続開始から3年10ヶ月以内の売却が条件となるため、早期の売却検討が有利です。
よくある質問(FAQ)
Q1: 相続登記をせずに土地を売却できますか?
A: できません。相続した土地を売却するには、まず相続登記を行い、相続人名義に変更する必要があります。相続登記を行わずに直接買主に売却することはできません。
Q2: 取得費加算の特例とは何ですか?
A: 相続した不動産を相続開始から3年10ヶ月以内に売却する場合、相続税の一部を取得費に加算できる特例です。これにより、譲渡所得税を軽減できる可能性があります。
Q3: 遺産分割協議が成立しない場合でも売却できますか?
A: 遺産分割協議が成立しない場合、法定相続分による共有登記を行い、共有者全員の同意を得て売却することができます。ただし、手続きが複雑になるため、早期の遺産分割が推奨されます。