用賀エリアが戸建て購入で選ばれる理由
東京都世田谷区の用賀エリアで戸建て購入を検討されている方は、「価格相場はどれくらいか」「どんな住環境なのか」と情報収集されていることでしょう。
用賀は東急田園都市線で渋谷・大手町へ直通アクセス可能な立地でありながら、砧公園や馬事公苑など緑豊かな環境を兼ね備えた高級住宅地として人気を集めています。この記事では、用賀の戸建て価格相場、エリアの特性、購入の流れを、国土交通省の取引価格データや世田谷区の公式情報を元に解説します。
初めて戸建てを購入する方でも、エリアの選び方や購入手続きの全体像を理解できるようになります。
この記事のポイント
- 用賀の新築戸建ては8,000万円〜1.5億円、中古戸建ては1億円〜2億円台が相場で、坪単価は約300万円前後
- 田園都市線で渋谷・大手町へ直通アクセス可能で通勤利便性が高く、ファミリー層に人気
- 2025年公示地価は平均81万6,400円/㎡(前年比+7.06%)と上昇継続、直近3年で54.3%上昇
- 用途地域や風致地区による建築制限、セットバックの有無を事前確認必須
- 旧耐震基準(1981年以前)の中古物件は耐震診断・補強費用を考慮する必要がある
(1) 田園都市線で渋谷・大手町へ直通アクセス
用賀駅は東急田園都市線で渋谷駅まで約12分、大手町駅まで約25分の直通アクセスが可能です。半蔵門線への直通運転により、都心の主要オフィス街へのアクセスが良好で、通勤利便性が高いエリアです。
| 主要駅 | 所要時間 | 乗り換え |
|---|---|---|
| 渋谷 | 約12分 | なし |
| 大手町 | 約25分 | なし(半蔵門線直通) |
| 表参道 | 約9分 | なし(半蔵門線直通) |
この交通利便性が、用賀エリアの住宅需要を安定的に支えています。
(2) 砧公園・馬事公苑など緑豊かな住環境
用賀駅から徒歩圏内には、都内有数の広さを誇る砧公園や、かつての馬事公苑跡地があり、緑豊かな住環境が整っています。砧公園は約39万㎡の広大な敷地を持ち、週末の家族のレジャーやジョギング、散歩に最適です。
世田谷区内でも第一種低層住居専用地域が多く指定されており、低層住宅の良好な住環境が保たれています。用賀商店街も整備されており、生活利便性と自然環境を兼ね備えた希少なエリアといえます。
(3) 子育て世代に人気の教育環境と治安
用賀エリアは治安が良好で、子育て世代に人気があります。世田谷区は子育て支援制度が充実しており、公立・私立の小中学校や高校が多く、教育環境も整っています。
駅周辺には病院・クリニック・スーパーマーケット・飲食店が充実しており、日常生活に必要な施設が徒歩圏内に揃います。碁盤の目のように整備された道路も、子育て世代には安全で便利な環境です。
用賀の戸建て価格相場と地価動向
(1) 新築戸建ての価格帯(8,000万円〜1.5億円)
用賀エリアの新築戸建ては、坪単価約300万円前後で、総額8,000万円〜1.5億円が価格帯の中心です。駅徒歩圏内の物件は希少性が高く、1億円を超える物件も多く見られます。
国土交通省の不動産取引価格情報によると、用賀駅周辺の戸建て取引価格は、土地面積・建物仕様により大きく変動します。駅徒歩10分以内の物件は、利便性が高く資産価値も安定しています。
(2) 中古戸建ての価格帯(1億円〜2億円台)
中古戸建ては、築年数・立地・建物の状態により価格が大きく異なります。築10年以内の比較的新しい物件は1億円〜1.5億円、築20年以上の物件でも1億円前後の相場です。
駅徒歩圏内の中古物件は希少性が高く、築年数が経過していても高値で取引されることが多い傾向です。ただし、1981年以前に建築された物件は旧耐震基準のため、耐震診断・補強費用を考慮する必要があります。
(3) 坪単価と公示地価の推移(2025年データ)
2025年の公示地価は平均81万6,400円/㎡(前年比+7.06%)と上昇が続いています。直近3年間で54.3%上昇しており、用賀エリアの土地需要の高さを示しています。
| 年度 | 公示地価(円/㎡) | 前年比 |
|---|---|---|
| 2023年 | 約53万円 | — |
| 2024年 | 約76万円 | +43% |
| 2025年 | 81万6,400円 | +7.06% |
地価の上昇は、交通利便性・住環境の良さ・世田谷区の人気が反映されています。今後も金利動向や市場環境により変動する可能性があります。
用賀の住環境とエリア特性
(1) 用賀商店街と生活利便性
用賀駅周辺には、用賀商店街や大型スーパーマーケット、飲食店、医療機関が充実しており、日常の買い物に便利です。碁盤の目のように整備された道路は、車での移動もしやすく、子育て世代には安心です。
駅直結の「用賀プロムナード」には、カフェやレストランが並び、都心にいながら落ち着いた雰囲気を楽しめます。
(2) 駅徒歩圏の希少性と駅距離による価格差
用賀駅徒歩10分以内の戸建ては希少性が高く、価格も高めです。徒歩15分以上離れると価格は割安になりますが、バス利用や自転車通勤が必要になる場合があります。
駅距離による価格差は、徒歩10分以内と15分以上で数千万円の差が出ることもあります。通勤利便性と価格のバランスを考慮して、ご自身のライフスタイルに合った立地を選ぶことが重要です。
(3) 環状8号線・国道246号沿いの騒音リスク
用賀エリアは全体として静かな住環境ですが、環状8号線や国道246号沿いの物件は、交通量が多く騒音が気になる可能性があります。
物件選びの際は、実際に現地を訪れ、時間帯を変えて騒音・交通量を確認することを強く推奨します。静かな環境を重視する方は、幹線道路から離れた住宅地エリアを選ぶと良いでしょう。
戸建て購入の流れと物件選びのポイント
(1) 物件探しから契約までのステップ
戸建て購入の流れは以下の通りです。
- 予算と希望条件の整理: 土地代金+建物代金+諸費用を含めた総額を試算
- エリアの絞り込み: 交通、教育、商業施設、用途地域を確認
- 物件情報の収集: 不動産ポータルサイト、不動産会社への相談
- 内覧・現地調査: 建物状態、駅距離、日当たり、周辺環境を確認
- 購入申し込み: 買付証明書の提出(法的拘束力なし)
- 重要事項説明: 宅地建物取引士による説明、用途地域・建築制限を確認
- 売買契約: 手付金(物件価格の10%程度)を支払い
- 住宅ローン審査: 金融機関への申し込み、本審査
- 決済・引き渡し: 残代金の支払い、所有権移転登記
(2) 新築と中古の選択基準(築年数・耐震基準)
新築と中古のどちらを選ぶかは、予算・ライフスタイル・リフォーム意欲により異なります。
新築のメリット:
- 最新の耐震基準・省エネ基準に適合
- 住宅ローン控除や減税制度の適用条件が有利
- 設備が新しく、当面の修繕費が不要
中古のメリット:
- 価格の割安感がある
- 実際の住環境・周辺状況を事前に確認できる
- リフォーム・リノベーションで自由にカスタマイズ可能
注意点:
- 1981年以前に建築された中古物件は旧耐震基準のため、耐震診断・補強費用を考慮
- 築年数が古いと住宅ローン控除の適用条件が厳しくなる場合がある
(3) 用途地域と建築制限の確認方法
世田谷区の公式サイトで、用賀エリアの用途地域・建ぺい率・容積率を確認できます。
用途地域により制限される主な内容:
- 建築可能な建物の用途(住宅専用、商業施設可など)
- 建物の高さ制限(第一種低層住居専用地域は10mまたは12m)
- 建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)
- 容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)
風致地区や緑化地域に指定されているエリアでは、建築時に一定の緑化が求められる場合があります。購入前に必ず確認しましょう。
(4) セットバックと建築面積への影響
セットバックとは、建築基準法上の道路幅員を確保するため、敷地を後退させることです。狭小地では、セットバックにより建築可能な面積が制限される場合があります。
セットバックが必要な場合:
- 敷地が幅員4m未満の道路に接している場合
- 道路中心線から2m後退する必要がある
セットバック部分は建築面積に算入されず、建ぺい率・容積率の計算から除外されます。購入前に、セットバックの有無と建築可能な面積を確認することが重要です。
諸費用・税金と購入時の注意点
(1) 戸建て購入時にかかる諸費用の内訳
戸建て購入時には、物件価格以外に以下の諸費用がかかります。
| 項目 | 内容 | 目安額 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格の3%+6万円+消費税 | 物件価格1億円の場合:約336万円 |
| 登記費用 | 所有権移転登記、抵当権設定登記、登録免許税 | 30万円〜60万円 |
| 印紙税 | 売買契約書・住宅ローン契約書に貼付 | 3万円〜6万円 |
| 不動産取得税 | 土地・建物の固定資産税評価額×3%(軽減措置あり) | 50万円〜150万円 |
| 火災保険・地震保険 | 10年一括払い | 30万円〜60万円 |
| その他 | 引越し費用、家具購入費 | 50万円〜100万円 |
諸費用は、基本的に住宅ローンに含められないため、自己資金で用意する必要があります。
(2) 不動産取得税と固定資産税の計算
不動産取得税(2025年時点):
- 土地・建物の固定資産税評価額×3%
- 宅地の場合、固定資産税評価額を2分の1に軽減する特例あり(2027年3月31日まで)
- 新築住宅の場合、建物評価額から1,200万円控除(条件あり)
固定資産税:
- 毎年1月1日時点の所有者に課税
- 固定資産税評価額×1.4%(標準税率)
- 小規模住宅用地(200㎡以下)は評価額が6分の1に軽減
- 一般住宅用地(200㎡超)は評価額が3分の1に軽減
税率や軽減措置は変更される場合があるため、詳細は世田谷区や国税庁の公式サイトでご確認ください。
(3) 住宅ローン控除と減税制度の活用
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンの年末残高の一定割合を所得税から控除できる制度です(2025年時点)。
適用条件(主なもの):
- 自己居住用の住宅であること
- 床面積が50㎡以上(新築の場合、合計所得金額1,000万円以下なら40㎡以上)
- 借入期間が10年以上
- 合計所得金額が2,000万円以下(新築認定住宅等は3,000万円以下)
新築住宅の場合、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅であれば、控除限度額が引き上げられます。中古住宅の場合、築年数により適用条件が異なるため、注意が必要です。
(4) 旧耐震基準物件の耐震診断・補強費用
1981年(昭和56年)5月以前に建築された物件は、旧耐震基準で建てられています。旧耐震基準の物件は、大規模地震時の倒壊リスクが高いため、購入前に耐震診断を受けることを強く推奨します。
耐震診断・補強費用の目安:
- 耐震診断費用: 10万円〜30万円
- 耐震補強工事費用: 100万円〜300万円(建物の状態により大きく変動)
住宅ローン控除の適用には、耐震基準適合証明書が必要な場合があります。中古物件を購入する際は、築年数と耐震基準を必ず確認しましょう。
まとめ:用賀で理想の戸建てを見つけるために
用賀エリアの戸建て価格相場は、新築で8,000万円〜1.5億円、中古で1億円〜2億円台です。坪単価は約300万円前後で、駅徒歩圏内の物件は希少性が高く、価格も上昇傾向にあります。
田園都市線で渋谷・大手町へ直通アクセス可能な交通利便性と、砧公園や用賀商店街など生活利便性・自然環境を兼ね備えた住環境が、用賀の人気を支えています。用途地域や風致地区による建築制限、セットバックの有無、旧耐震基準物件の耐震診断・補強費用を事前に確認することが重要です。
購入前に世田谷区の公式サイトで用途地域を確認し、宅地建物取引士の重要事項説明を受け、不明点は専門家に相談することで、後悔のない戸建て購入ができます。
