山梨県で土地購入を検討するメリットと基礎知識
山梨県で土地購入を検討する際、「どのエリアが人気なのか」「相場はどのくらいなのか」と疑問を持つ方は多いでしょう。
この記事では、山梨県の土地市場の特徴、エリア別の価格相場、用途別の土地選びのポイントを、国土交通省の不動産取引価格情報や山梨県の公式情報を元に解説します。
移住、別荘購入、住宅建築など、さまざまな目的で山梨県の土地を検討している方が、エリア選びと購入手続きに必要な情報を把握できるようになります。
この記事のポイント
- 2024年の公示地価は平均4.3万円/㎡（坪約14万円）で、全国38位と比較的手頃
- 昭和町・甲府市が県内最高値、早川町が最安値で約13倍の価格差がある
- 2027年リニア中央新幹線駅開業で東京へのアクセスが改善する見込み
- 一定規模以上の土地取引には国土利用計画法に基づく届出が必要
山梨県の土地市場の基礎知識
山梨県は首都圏からのアクセスが良く、移住や別荘需要がある地域です。富士山や南アルプスなどの自然環境も魅力で、近年は移住先としても注目されています。
公示地価・基準地価と実勢価格の違い
土地価格を理解する上で、公示地価と実勢価格（実際の取引価格）の違いを把握しておくことが重要です。
| 指標 | 概要 | 2024年の山梨県平均 |
|---|---|---|
| 公示地価 | 国土交通省が毎年1月1日時点で公表 | 約4.3万円/㎡ |
| 基準地価 | 都道府県が毎年7月1日時点で公表 | 公示地価を補完 |
| 実勢価格 | 実際の売買取引価格 | 約2.6万円/㎡ |
実際の取引価格は公示地価より低い傾向にあります。2023年第1四半期のデータでは約2.6万円/㎡で、前年比+11.09%と上昇傾向が見られます。
宅地・商業地の価格差
山梨県内でも用途により価格差があります。2024年のデータでは、宅地が平均3.5万円/㎡、商業地が平均5.9万円/㎡となっています。住宅用の土地を探す場合は、駅から少し離れたエリアで比較的手頃な価格の物件が見つかる可能性があります。
リニア中央新幹線開業の影響
2027年にリニア中央新幹線の山梨県駅が開業予定です。東京へのアクセスが大幅に改善されることで、土地需要に変化が生じる可能性があります。ただし、価格変動の程度は現時点では不透明です。
甲斐市西八幡地区では2025年12月に18区画の大型分譲地が完成予定など、リニア開業を見据えた開発も進んでいます。
エリア別の価格相場と特徴
山梨県内でもエリアにより価格帯が大きく異なります。
昭和町・甲府市（県内最高値）
昭和町が県内最高値で約4.6万円/㎡（坪約15万円）、甲府市がそれに次ぐ価格帯です。
甲府市周辺では100〜200㎡台の土地が数百万円から1,000万円台で取引されています。商業施設や医療機関が充実しており、利便性を重視する方に適しています。
都留市・富士吉田市の特徴
都留市や富士吉田市は、富士山に近く自然環境が豊かなエリアです。別荘やリゾート物件を探す方にも人気があります。東京から約1時間のアクセスで、週末の利用にも適しています。
早川町など郊外エリア（最安値）
早川町は県内最安値で約3,600円/㎡と、昭和町と比較して約13倍の価格差があります。
郊外エリアは価格が抑えられている反面、交通の便や生活インフラの整備状況を確認する必要があります。
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用途別の土地選び
土地購入の目的によって、選ぶべきエリアや確認事項が異なります。
住宅用地の選び方
住宅用地を探す場合は、以下のポイントを確認しましょう。
- 用途地域: 住居系の用途地域かどうか
- 建築条件: 建築条件付きか建築条件なしか
- 周辺環境: 通勤・通学の利便性、買い物施設の有無
- 災害リスク: ハザードマップでの確認
SUUMOやアットホームなどの複数の不動産ポータルサイトで物件を比較し、相場感を掴むことをおすすめします。
別荘・リゾート物件のポイント
別荘目的の場合は、北杜市や南都留郡などでリゾート物件が見つかります。
- 管理組合や管理費の有無を確認
- 冬季の凍結対策や維持費を考慮
- 年間の利用頻度と費用対効果を検討
農地転用の手続き
農地を宅地として利用する場合は、農地転用の許可が必要です。農業委員会への申請など、手続きに時間がかかるため、事前に確認しておきましょう。
土地購入時の届出義務と注意点
山梨県で土地を購入する際の手続きと注意点を整理します。
国土利用計画法による届出
一定規模以上の土地取引には、山梨県の国土利用計画法に基づく届出が必要です。取引価格と土地利用目的を県知事に届け出る義務があります。
届出が必要な面積基準は区域により異なるため、不動産会社や専門家に確認することをおすすめします。
造成費用と地盤調査
山梨県は山地が多い地形のため、傾斜地や不整形地も多く見られます。このような土地では、建築可能な状態にするための造成費用が別途必要になるケースがあります。
地盤調査も含め、土地価格以外の費用を予算に織り込んでおきましょう。
建築条件付きと建築条件なしの違い
土地には以下の2種類があります。
- 建築条件付き土地: 指定された建築会社で一定期間内に建築することが条件
- 建築条件なし土地: 建築会社を自由に選べる
自由に建築会社を選びたい場合は、建築条件なしの土地を探しましょう。SUUMOでは建築条件なし物件の絞り込み検索が可能です。
まとめ
山梨県は首都圏からのアクセスが良く、土地価格も全国38位と比較的手頃なエリアです。2027年のリニア中央新幹線開業により、さらにアクセスが改善される見込みです。
土地購入を検討する際は、用途に応じたエリア選び、価格相場の確認、届出義務の有無など、事前に情報を整理しておくことが大切です。
造成費用や地盤調査など、土地価格以外の費用も含めた総予算で判断し、必要に応じて宅地建物取引士や行政書士などの専門家にご相談ください。