都内の賃貸マンション探しガイド|相場・人気エリア・選び方を解説
東京都内で賃貸マンションを探す際、「エリアごとの家賃相場はいくらか」「どのエリアがおすすめなのか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、都内の賃貸マンション市場の現状、エリア別の家賃相場、ライフスタイル別のおすすめエリア、物件選びのポイントを、国土交通省や業界調査レポートの公式情報を元に解説します。
初めて東京で賃貸を探す方でも、自分に合ったエリアと物件を見つけられるようになります。
この記事のポイント
- 2024〜2025年、東京23区全域で賃料が上昇傾向にあり、シングル向き物件は17カ月連続で最高値を更新
- 都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)は単価4,000円/㎡超え、23区平均で1K・1Rは8〜9万円が相場
- 23区内の穴場エリア(練馬・足立・葛飾)は7〜8万円台と比較的手頃
- 家賃予算は手取りの3分の1以下が目安、管理費・共益費を含めた総額で検討
- 繁忙期(1〜3月)を避けて4月以降に探すと、じっくり選べて家賃交渉もしやすい
都内賃貸マンション市場の現状
2024〜2025年の賃料上昇トレンド
東京都内の賃貸マンション市場は、2024年から2025年にかけて賃料上昇が続いています。
三井不動産レジデンシャルリースの調査によると、以下の傾向が見られます。
- 東京23区全域で平均賃料が上昇
- 都心部の再開発と都心回帰の影響
- 単身者向け物件(1K・1R)の需要が特に高い
(出典: 三井不動産レジデンシャルリース)
23区全域で平均賃料が上昇
2024年度下半期の調査では、東京23区全ての区で賃料が上昇しました。
特に都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)では、単価4,000円/㎡を超える水準となっています。
シングル向き物件の高騰(17カ月連続最高値更新)
2025年時点で、シングル向き(1K・1R)物件の賃料は17カ月連続で最高値を更新しています。
この背景には、以下の要因があります。
- リモートワークの定着により、都心回帰が進む
- 新築物件の供給が限られている
- 単身世帯の増加
今後も都心部の賃料は上昇基調が続く見通しです。
エリア別の家賃相場(23区・多摩地域)
都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)の相場
都心5区は、ビジネス街・商業施設が集中するエリアで、家賃相場は都内で最も高い水準です。
| 間取り | 家賃相場(目安) |
|---|---|
| 1K・1R | 10万円〜15万円 |
| 1LDK | 15万円〜25万円 |
| 2LDK | 20万円〜35万円 |
(出典: SUUMO)
都心5区は通勤利便性が高い一方、家賃が高額なため、予算に余裕がある方や職場が近い方に適しています。
23区内の穴場エリア(練馬・足立・葛飾)
23区内でも、練馬区・足立区・葛飾区などは家賃相場が比較的手頃です。
| エリア | 1K・1Rの相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| 練馬区 | 7〜8万円 | 閑静な住宅街、公園が多い |
| 足立区 | 7〜8万円 | 交通利便性向上(つくばエクスプレス) |
| 葛飾区 | 7〜8万円 | 下町情緒、庶民的な雰囲気 |
(出典: PLAZA HOMES)
これらのエリアは、都心と比べて家賃を抑えられる一方、通勤時間がやや長くなる場合があります。
多摩地域の相場
多摩地域(立川・八王子・町田等)は、23区よりも家賃相場が低く、広い物件を探しやすいエリアです。
| 間取り | 家賃相場(目安) |
|---|---|
| 1K・1R | 5〜7万円 |
| 1LDK | 7〜10万円 |
| 2LDK | 9〜14万円 |
多摩地域は、ファミリー世帯や家賃を抑えたい方におすすめです。
間取り別の家賃相場(1K・1LDK・2LDK等)
東京23区の間取り別の家賃相場は以下の通りです。
| 間取り | 23区平均 | 都心5区 | 穴場エリア |
|---|---|---|---|
| 1K・1R | 8〜9万円 | 10〜15万円 | 7〜8万円 |
| 1LDK | 12〜15万円 | 15〜25万円 | 10〜12万円 |
| 2LDK | 16〜20万円 | 20〜35万円 | 12〜16万円 |
(出典: SUUMO)
エリアと間取りにより、家賃相場は大きく異なります。予算と希望条件を明確にして、複数のエリアを比較してください。
ライフスタイル別おすすめエリア
単身者向けエリア(北千住・練馬・町田等)
単身者向けのおすすめエリアは、以下の通りです。
北千住(足立区):
- 家賃相場: 7〜8万円(1K・1R)
- 特徴: 複数路線が利用可能、商業施設が充実
- 通勤: 日比谷線・千代田線で都心へアクセス良好
練馬(練馬区):
- 家賃相場: 7〜8万円(1K・1R)
- 特徴: 閑静な住宅街、緑が多い
- 通勤: 西武池袋線・都営大江戸線で都心へアクセス可能
町田(町田市):
- 家賃相場: 6〜7万円(1K・1R)
- 特徴: 商業施設が充実、駅周辺は栄えている
- 通勤: 小田急線で新宿へ約30分
(出典: HOME'S)
これらのエリアは、治安・アクセス・家賃のバランスが良い穴場エリアです。
ファミリー向けエリア(治安・教育環境重視)
ファミリー世帯には、治安・教育環境が整ったエリアがおすすめです。
文京区:
- 教育施設が充実(大学・高校が多い)
- 治安が良い
- 家賃相場はやや高め(2LDKで18〜25万円)
世田谷区:
- 閑静な住宅街、公園が多い
- ファミリー層に人気
- 家賃相場は中程度(2LDKで16〜22万円)
杉並区:
- 教育環境が良い
- 治安が良い
- 家賃相場は中程度(2LDKで14〜20万円)
ファミリー世帯は、学校や公園の立地、治安を重視してエリアを選んでください。
通勤利便性重視のエリア選び
通勤時間を短くしたい方は、職場の最寄り駅から直通でアクセスできるエリアを優先してください。
主要ターミナル駅と沿線:
- 新宿方面: 中央線(吉祥寺・中野)、京王線(調布・府中)
- 渋谷方面: 東急東横線(自由が丘・武蔵小杉)、田園都市線(二子玉川・溝の口)
- 東京駅方面: 総武線(錦糸町・小岩)、中央線(御茶ノ水・四ツ谷)
通勤時間が30分以内であれば、生活の質が大きく向上します。
賃貸物件選びのポイント
家賃予算は手取りの3分の1以下が目安
家賃予算は、手取り収入の3分の1以下が目安です。
例:
- 手取り月収30万円の場合 → 家賃10万円以下
- 手取り月収24万円の場合 → 家賃8万円以下
家賃には、管理費・共益費も含めて計算してください。家賃が予算を超えると、生活費が圧迫されるため注意が必要です。
繁忙期(1〜3月)と閑散期(4月以降)の違い
賃貸物件を探す時期により、物件の選びやすさが異なります。
| 時期 | 物件数 | 競争率 | 家賃交渉 |
|---|---|---|---|
| 繁忙期(1〜3月) | 多い | 高い | 難しい |
| 閑散期(4月以降) | やや少ない | 低い | しやすい |
繁忙期は新生活の需要が高く、物件数は多いですが競争率も高いため、家賃交渉が難しくなります。
閑散期は物件数はやや減りますが、じっくり選べて家賃交渉もしやすい傾向があります。
内見で確認すべきポイント(日当たり・水回り・周辺環境)
内見は必ず行い、以下のポイントを確認してください。
室内:
- 日当たり(南向きが理想)
- 収納スペース(クローゼット・下駄箱)
- 水回り(キッチン・浴室・トイレ)
- コンセントの位置と数
- 防音性(壁を軽く叩いて確認)
周辺環境:
- 駅からの距離・徒歩時間
- 周辺の騒音(線路・幹線道路)
- スーパー・コンビニの有無
- 夜間の治安
内見は平日と休日、昼と夜の両方で行うと、より正確に判断できます。
複数サイト(SUUMO・HOME'S・アットホーム)で相場確認
物件を探す際は、複数の不動産サイトを活用して相場感を把握してください。
主要な不動産サイト:
同じ物件でも、サイトにより情報の詳細度が異なる場合があります。複数サイトで比較することをおすすめします。
契約時の注意点と初期費用
初期費用の内訳(敷金・礼金・仲介手数料)
賃貸契約時の初期費用は、以下の項目で構成されます。
| 項目 | 金額の目安 | 説明 |
|---|---|---|
| 敷金 | 家賃の1〜2ヶ月分 | 退去時の原状回復費用に充当 |
| 礼金 | 家賃の1〜2ヶ月分 | 大家への謝礼(返金なし) |
| 仲介手数料 | 家賃の1ヶ月分+消費税 | 不動産会社への手数料 |
| 前家賃 | 家賃の1ヶ月分 | 初月分の家賃 |
| 火災保険 | 1〜2万円 | 2年分の保険料 |
| 保証会社利用料 | 家賃の50〜100% | 保証会社を利用する場合 |
合計: 家賃の4〜6ヶ月分
例: 家賃10万円の物件の場合、初期費用は40〜60万円が目安です。
敷金礼金ゼロ物件の注意点
敷金礼金ゼロ物件は、初期費用を抑えられるメリットがありますが、以下の点に注意してください。
- 退去時費用: 敷金がない分、退去時にクリーニング費用を請求される場合がある
- 家賃がやや高め: 敷金礼金ゼロの代わりに、家賃が相場より高めに設定されている場合がある
- 短期解約違約金: 1年未満で解約すると違約金が発生する条件がある場合がある
契約前に、総額で判断してください。
更新料・保証会社利用の確認
契約時には、以下の点を確認してください。
更新料:
- 関東圏では、2年ごとの契約更新時に家賃の1ヶ月分が一般的
- 関西圏では更新料がない場合が多い
保証会社利用:
- 連帯保証人を立てられない場合、保証会社の利用が必須
- 初回は家賃の50〜100%、更新時は1〜2万円が相場
これらの費用は物件により異なるため、契約前に必ず確認してください。
おとり物件に注意(極端に安い物件は慎重に)
おとり物件とは、実際には契約できない物件を広告に使用する違法行為です。
以下のような物件には注意してください。
- 周辺相場より極端に安い
- 問い合わせると「すでに契約済み」と言われる
- 別の物件を強く勧められる
おとり物件を使用している不動産会社は避け、信頼できる業者を選んでください。
まとめ:都内賃貸マンション探しの成功のコツ
東京都内の賃貸マンション市場は、2024〜2025年にかけて賃料が上昇傾向にあります。都心5区は家賃が高額ですが、練馬・足立・葛飾などの穴場エリアは7〜8万円台と比較的手頃です。
家賃予算は手取りの3分の1以下を目安にし、管理費・共益費を含めた総額で検討してください。繁忙期(1〜3月)を避けて4月以降に探すと、じっくり選べて家賃交渉もしやすくなります。
内見では日当たり・水回り・周辺環境を必ず確認し、複数の不動産サイト(SUUMO・HOME'S・アットホーム)で相場感を把握してください。
初期費用は家賃の4〜6ヶ月分が目安です。契約前に更新料・保証会社利用・退去時費用の条件を確認し、おとり物件に注意しながら、あなたに合った物件を見つけてください。
