東京ガス・中部ガス不動産事業:概要・物件タイプ・サービス内容を徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/19

エネルギー会社の不動産事業を知る意義

エネルギー事業を展開する企業が不動産事業も手がけているケースがあることをご存知でしょうか。

東京ガスや中部ガスといったエネルギー会社は、長年培ったグループ資産管理のノウハウを活かし、不動産賃貸・売買仲介・街づくり等の事業を展開しています。この記事では、東京ガス不動産および中部ガス不動産(サーラ不動産)の事業内容、物件タイプ、エネルギーサービスとの連携メリットを、各社の公式情報を元に解説します。

企業研究や物件選びの際に、エネルギー会社系列の不動産事業の特徴を理解しておくことで、選択肢が広がります。

この記事のポイント

  • 東京ガス不動産は東京ガスの100%子会社で、70年以上の不動産事業実績を持つ
  • 賃貸住宅「ラティエラ」シリーズ、オフィス・商業ビル賃貸、街づくり、私募REIT、中古マンション買取再販の5つが主要事業
  • 中部ガス不動産(サーラ不動産)は1965年設立、愛知・静岡エリアで不動産事業を展開
  • エネルギーサービスとの連携(CO2排出量実質ゼロの「さすてな電気」等)が特徴だが、料金プランは慎重に比較する必要がある

東京ガス不動産の事業概要と沿革

(1) 会社概要(東京ガス100%子会社、1953年設立)

東京ガス不動産は、東京ガスの100%子会社で、1953年に呉服橋ビルディング株式会社として設立されました。1963年に東京ガス不動産に社名を変更し、東京ガス不動産公式サイトによると、不動産賃貸事業と不動産運営管理事業を主事業としています。

(2) 70年以上の不動産事業実績

1953年の設立以来、東京ガス不動産は新宿パークタワー、田町ステーションタワー、豊洲エリア開発等の大規模プロジェクトに携わってきました。東京ガスグループの一員として、エネルギー供給事業と連携した不動産開発を行っています。

(3) 2024年度の業績(売上高715.2億円、経常利益250.11億円)

2024年度の東京ガス不動産の売上高は715.2億円、経常利益250.11億円です(2025年7月1日時点、従業員数181人)。安定した収益基盤を持つ不動産会社と言えます。

東京ガス不動産のサービス内容(賃貸・オフィス・街づくり・投資運用)

東京ガス不動産の事業案内によると、以下の5つの主要事業を展開しています。

(1) 賃貸住宅事業(ラティエラシリーズ、CO2排出量実質ゼロの「さすてな電気」採用)

1998年に誕生したデザイナーズマンション「ラティエラ」シリーズは、全棟の共用部にCO2排出量実質ゼロの「さすてな電気」を採用しています。環境性能を重視した賃貸住宅として、首都圏を中心に展開中です。

(2) オフィス・商業ビル賃貸(新宿パークタワー、msb田町、GINZAgCUBE等)

東京ガス不動産は、新宿パークタワー、msb田町、GINZAgCUBE、芝パークビル等のオフィス・商業ビルの賃貸事業を首都圏中心に展開しています。

(3) 街づくり(八重洲一丁目北地区、新豊洲エリア等)

八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業、新豊洲エリア等で環境性・レジリエンスを重視した街づくりを行っています。2024年12月には八重洲一丁目北地区の建設工事が開始されました。

(4) 不動産投資運用(私募REIT、2024年3月設立)

2024年3月に東京ガス不動産私募REIT投資法人を設立し、私募REIT運用に参入しました。保有資産を私募REITに組み入れる循環型事業モデルを構築しています。

(5) 中古マンション買取再販事業(2022年7月開始、デジタル技術活用)

2022年7月から中古マンション買取再販事業を開始し、デジタル技術を活用した査定システムとリフォームサービスを提供しています。

(6) 2024年〜2025年の主要プロジェクト(虎ノ門アルシアタワー、西オーストラリア州開発等)

東京ガス不動産のお知らせ一覧によると、2025年2月に「虎ノ門アルシアタワー」「LATIERRA四谷」が竣工しました。また、2024年6月には西オーストラリア州でESG重視の不動産開発プロジェクト「スビアコ開発」に参画し、海外展開を加速しています。

2024年11月には、Bloombergが報じたように、アクティビスト投資家エリオット・インベストメント・マネジメントが東京ガス株式の5%を取得したことで、東京ガス不動産の不動産資産の価値評価が注目されています。

中部ガス不動産(サーラ不動産)の事業概要

(1) 会社概要(1965年設立、中部ガスグループの資産管理会社が前身)

サーラ不動産(旧: 中部ガス不動産)は1965年設立、中部ガスグループの資産管理会社が前身です。本社は愛知県豊橋市、資本金9,000万円、従業員138人です。

(2) 愛知・静岡エリアでの不動産事業(売買・賃貸仲介、マンション販売、ビル・マンション・駐車場管理)

愛知・静岡エリアで不動産売買・賃貸仲介、マンション販売、ビル・マンション・駐車場管理を展開しています。

項目 内容
会社名 サーラ不動産株式会社(旧: 中部ガス不動産)
設立 1965年
本社 愛知県豊橋市
資本金 9,000万円
従業員数 138人
事業内容 不動産売買・賃貸仲介、マンション販売、ビル・マンション・駐車場管理

(出典: サーラ不動産

エネルギー会社と不動産会社の関係(電力サービス連携)

(1) 不動産会社による電力サービス紹介の仕組み

エネチェンジによると、不動産会社は物件案内時に電気サービスを代理店として紹介することができます。ENECHANGE等の電気比較サービスが不動産仲介・管理会社と多数提携しています。

(2) エネルギーサービス連携のメリットと注意点(料金プラン比較の重要性)

東京ガス不動産の「ラティエラ」シリーズは、CO2排出量実質ゼロの「さすてな電気」を全棟共用部に採用しており、環境性能を重視しています。ただし、不動産会社から新電力を紹介されても、単身世帯では従来の電力会社より料金が高くなるケースがあるため、料金プランを慎重に比較することが重要です。

まとめ:エネルギー会社系不動産事業の特徴と選択のポイント

東京ガス不動産は東京ガスの100%子会社で、70年以上の不動産事業実績を持ち、賃貸住宅、オフィス・商業ビル賃貸、街づくり、私募REIT、中古マンション買取再販の5つの主要事業を展開しています。中部ガス不動産(サーラ不動産)は愛知・静岡エリアで不動産事業を行っています。

エネルギー会社系列の不動産事業は、エネルギーサービスとの連携(「さすてな電気」等)が特徴ですが、料金プランは慎重に比較する必要があります。

企業研究や物件選びの際には、各社の公式サイトで最新のサービス内容を確認することをおすすめします。

よくある質問

Q1東京ガス不動産とはどんな会社ですか?

A1東京ガスの100%子会社で、1953年に呉服橋ビルディング株式会社として設立されました。1963年に東京ガス不動産に社名を変更し、不動産賃貸事業と不動産運営管理事業を主事業としています。70年以上の実績があり、2024年度の売上高は715.2億円、経常利益250.11億円です(2025年7月1日時点、従業員数181人)。

Q2東京ガス不動産のサービス内容は何ですか?

A2賃貸住宅「ラティエラ」シリーズ(1998年誕生、CO2排出量実質ゼロの「さすてな電気」採用)、オフィス・商業ビル賃貸(新宿パークタワー、msb田町、GINZAgCUBE等)、街づくり(八重洲一丁目北地区、新豊洲エリア等)、不動産投資運用(私募REIT、2024年3月設立)、中古マンション買取再販事業(2022年7月開始、デジタル技術活用)の5つが主要事業です。

Q3他のガス会社も不動産事業を行っていますか?

A3中部ガス不動産(サーラ不動産)は1965年設立、中部ガスグループの資産管理会社が前身です。本社は愛知県豊橋市、資本金9,000万円、従業員138人で、愛知・静岡エリアで不動産売買・賃貸仲介、マンション販売、ビル・マンション・駐車場管理を展開しています。

Q4エネルギー会社の不動産事業の特徴は何ですか?

A4東京ガス不動産の「ラティエラ」シリーズは、CO2排出量実質ゼロの「さすてな電気」を全棟共用部に採用しており、環境性能を重視しています。エネルギーサービスとの連携がある場合がありますが、不動産会社から新電力を紹介されても、単身世帯では従来の電力会社より料金が高くなるケースがあるため、料金プランを慎重に比較することが重要です。

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Room Match編集部

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