戸建てのシロアリ対策にかかる費用とは
戸建て住宅を所有していると、「シロアリ対策にいくらかかるのか」「予防と駆除で費用は違うのか」と気になる方は少なくありません。
この記事では、戸建てのシロアリ対策費用について、相場・工法別の特徴・節約のコツを解説します。公益社団法人日本しろあり対策協会の情報や業界の一般的な相場を参考に、適切な対策費用の目安を把握できるようになります。
この記事のポイント
- 戸建てのシロアリ対策費用は1㎡あたり1,150〜3,000円が相場（30坪で10〜20万円が目安）
- バリア工法とベイト工法で費用が異なり、工法選びが重要
- 予防施工と駆除施工では費用・対応内容が異なる
- 複数業者から見積もりを取り、価格だけでなく施工内容・保証内容を比較することが重要
戸建てオーナーにシロアリ対策が重要な理由
シロアリは木材を主食とし、住宅の構造部分（土台・柱・床組み等）を内部から食害します。被害が進行すると、住宅の耐震性が低下し、最悪の場合は建物が傾くこともあります。
特に戸建て住宅は木造が多く、地面から近い床下部分がシロアリの侵入経路となりやすいため、定期的な点検と予防措置が欠かせません。
被害が発生してからの駆除は、予防に比べて費用が高くなる傾向があります。早めの対策が結果的にコスト削減につながります。
シロアリ対策の基礎知識（予防と駆除の違い）
予防施工と駆除施工の違い
シロアリ対策には「予防」と「駆除」の2種類があります。
| 区分 | 内容 | 対象 | 費用傾向 |
|---|---|---|---|
| 予防施工 | シロアリ被害が発生していない段階で行う対策 | 新築・被害未発生の住宅 | 駆除より若干安い |
| 駆除施工 | シロアリ被害が発生した後に行う対策 | 被害発生中の住宅 | 被害状況により補修費用が別途必要 |
予防施工は5年程度で薬剤効果が切れるため、定期的な再施工が推奨されます。
5年保証の仕組みと注意点
シロアリ対策業者の多くは、施工後5年間の保証を提供しています。保証期間中にシロアリ被害が発生した場合、無償で再施工を行う内容が一般的です。
ただし、保証の適用には条件がある場合も多く、定期点検を受けていないと保証対象外となるケースもあります。契約前に保証範囲・条件を必ず確認しましょう。
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シロアリ対策の費用相場と計算方法
坪数別の費用相場（20坪〜50坪）
2025年時点のシロアリ対策費用の相場は以下の通りです。
| 坪数 | 費用相場（税込） |
|---|---|
| 20坪 | 約8万〜20万円 |
| 30坪 | 約10〜20万円 |
| 40坪 | 約15〜30万円 |
| 50坪 | 約20〜37万円 |
費用は業者規模によっても異なります。
- 地方業者：約4,000円/坪
- 中堅業者：約6,000円/坪
- 大手業者：約10,000円/坪
安すぎる業者は施工不良や追加請求のリスクがあるため、価格だけでなく施工内容・保証内容を総合的に判断することが重要です。
1階床面積での計算方法
シロアリ駆除費用は、延床面積ではなく「1階床面積」で計算されます。これはシロアリが地中から侵入するため、床下に接する1階部分が対策対象となるためです。
例えば、2階建て住宅で1階30坪・2階20坪の場合、費用は1階の30坪で計算されます。
工法別の特徴と費用比較
バリア工法の特徴と費用
バリア工法は、床下や壁内に薬剤を散布してシロアリの侵入を防ぐ工法です。
特徴:
- 即効性がある（施工後すぐに効果発揮）
- 費用が比較的安い
- 薬剤の効果は5年程度で切れる
費用目安: 6,200〜8,300円/坪
ベイト工法の特徴と費用
ベイト工法は、建物周囲に設置したベイト剤（毒餌）でシロアリを駆除する工法です。
特徴:
- 環境への影響が少ない
- コロニー全体を駆除できる可能性がある
- 効果発揮まで時間がかかる
費用目安: 9,300〜12,000円/坪
| 工法 | 即効性 | 環境負荷 | 費用 |
|---|---|---|---|
| バリア工法 | 高い | やや高い | 6,200〜8,300円/坪 |
| ベイト工法 | 低い（時間がかかる） | 低い | 9,300〜12,000円/坪 |
住宅の状況や希望に応じて、適切な工法を選択しましょう。
失敗しない業者選びと費用を抑えるコツ
信頼できる業者の見分け方
信頼できるシロアリ対策業者を選ぶポイントは以下の通りです。
- 日本しろあり対策協会への加盟: 業界基準を守る業者の目安
- しろあり防除施工士の資格保有: 日本しろあり対策協会が検定・管理する施工者資格
- 調査結果の丁寧な説明と写真提供: 床下の状況を具体的に説明してくれる
- 見積書の明細が明確: 施工内容・使用薬剤・保証内容が明記されている
悪徳業者の手口として、突然訪問・不安を煽る・即決を迫る等があります。焦って契約せず、複数業者から見積もりを取りましょう。
DIY対策の可否とリスク
「自分でシロアリ対策ができないか」と考える方もいますが、本格的な駆除・予防施工は専門業者への依頼を推奨します。
DIY対策のリスク:
- 健康リスク: 薬剤取り扱いによる健康被害の可能性
- 転倒リスク: 床下作業での事故リスク
- 不完全処理: 100L以上の薬剤散布が必要で、手動では現実的でない
- 専門知識不足: 未処理箇所からシロアリが侵入し続けるリスク
予防的な簡易対策（床下の換気改善、湿気対策等）は自分でも可能ですが、本格的な施工はプロに依頼しましょう。
まとめ：状況別の最適なシロアリ対策
戸建てのシロアリ対策費用は、30坪の住宅で10〜20万円が相場です。バリア工法とベイト工法で費用が異なり、業者規模によっても価格差があります。
費用を抑えるポイントは以下の通りです。
- 複数業者から見積もりを取り、比較検討する
- 安すぎる業者は避け、施工内容・保証内容を確認する
- 予防施工を定期的に行い、被害発生を防ぐ
シロアリ被害が疑われる場合は、多くの業者が無料で診断・調査を行っています。早めにプロに相談し、適切な対策を講じましょう。
詳細は日本しろあり対策協会の公式サイトや、信頼できる専門業者にご相談ください。