多摩市の戸建て市場:なぜ注目されるのか
多摩市で戸建て購入を検討する際、「価格相場はどれくらいか」「子育て環境は整っているのか」といった疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、多摩市の戸建て価格相場、エリア別の特徴、住環境・子育て支援、購入時のポイントを、最新の市場データ(2025年時点)を元に解説します。
多摩ニュータウンの再開発動向や、聖蹟桜ヶ丘・多摩センター駅周辺の特性を理解することで、ファミリー層が納得のいく物件選びができるようになります。
この記事のポイント
- 多摩市の新築戸建ては3,000-6,500万円、中古平均4,111万円、土地81.1万円/坪(2025年時点)
- 子育てランキング18位(東京圏)、待機児童ほぼゼロ、医療費無料(小学生未満)と子育て環境が充実
- 聖蹟桜ヶ丘駅から新宿まで約31分、京王線・小田急多摩線が利用可能でアクセス良好
- 駅からの距離により価格差が大きい(多摩センター駅周辺28.5万円/m²、大塚・帝京大学駅周辺14.3万円/m²)
- 人口減少傾向(年間約90人減)、公示地価と実勢価格の乖離に注意が必要
多摩市の戸建て価格相場:新築・中古・土地
多摩市の戸建て価格は、物件種別や駅からの距離により大きく変動します。以下、2025年時点の最新データを元に相場を解説します。
(1) 新築戸建ての価格帯(3,000-6,500万円)
多摩市の新築戸建ては、間取りや立地により価格帯が異なります。SUUMOによると、2025年時点で51件の新築戸建てが掲載されています。
| 間取り | 価格帯 |
|---|---|
| 2LDK | 3,000-5,500万円 |
| 3-4LDK | 2,500-6,500万円 |
2025年完成予定の物件例として、豊ヶ丘1丁目では6,490-7,490万円、永山6丁目・南野2丁目でも新築物件が複数供給されています。
2025年4月の省エネ基準義務化により建築コストが上昇しているため、新築価格は今後も高止まりする可能性があります。
(2) 中古戸建ての価格動向(平均4,111万円)
多摩エリアの中古戸建て平均価格は4,111万円(2022年12月時点)です。ただし、2024年Q1の実勢価格は前年比-18.55%と下落傾向にあり、公示地価と乖離が見られます。
SUUMOによると、2025年時点で64件の中古戸建てが掲載されており、築年数や立地により価格が大きく異なります。
(3) 土地価格と坪単価(81.1万円/坪)
多摩市の土地価格平均は81.1万円/坪(2025年時点)です。用途地域別の坪単価は以下の通りです。
| 用途地域 | 坪単価 | 前年比 |
|---|---|---|
| 住宅地 | 65.2万円/坪 | +2.61% |
| 商業地 | 157.6万円/坪 | +6.56% |
駅からの距離により価格差が大きく、多摩センター駅周辺が最高価格(28.5万円/m²)、大塚・帝京大学駅周辺が最安値(14.3万円/m²)となっています。
(4) 公示地価の推移(11年連続上昇)
多摩市の公示地価は11年連続で上昇しています。2025年の公示地価は以下の通りです。
- 平均: 23.6万円/m²(前年比+3.16%)
- 住宅地: 19.7万円/m²(前年比+2.61%)
- 商業地: 47.7万円/m²(前年比+6.56%)
ただし、実勢価格は17.0万円/m²(2024年Q1、前年比-18.55%)と、公示地価と乖離がある点に注意が必要です。購入時は最新の取引事例を不動産会社に確認することを推奨します。
エリア別の特徴と価格動向
多摩市は、駅や地域により住環境・価格が大きく異なります。主要エリアの特徴を解説します。
(1) 多摩センター駅周辺(最高価格28.5万円/m²)
多摩センター駅は、京王線・小田急多摩線が利用可能で、都心へのアクセスが良好です。駅周辺には商業施設が集まり、利便性が高いエリアです。
土地価格は多摩市内で最も高く、28.5万円/m²(2025年時点)となっています。新築戸建ての価格も高額ですが、交通利便性を重視する層には魅力的なエリアです。
(2) 聖蹟桜ヶ丘駅周辺(アクセス良好、商業施設充実)
聖蹟桜ヶ丘駅は、京王線で新宿まで約31分と都心へのアクセスが良好です。駅前には大型ショッピングモール、スーパー、銀行、病院が集まり、生活利便性が高いエリアです。
アニメ映画「耳をすませば」の舞台としても知られ、文化的な魅力もあります。
(3) その他エリア(大塚・帝京大学駅周辺等)
大塚・帝京大学駅周辺は、土地価格が14.3万円/m²と多摩市内で最も安価なエリアです。駅からの距離が遠い物件も多く、車を持つ世帯向けと言えます。
郊外エリアは価格が抑えられる一方、交通利便性は劣るため、ライフスタイルに応じた選択が求められます。
多摩市の住環境と子育て支援
多摩市は、ファミリー層に人気のエリアです。子育て環境、交通アクセス、自然環境の3点から住みやすさを解説します。
(1) 子育て環境(ランキング18位、待機児童ほぼゼロ)
多摩市は、東洋経済「住みよさランキング2022」子育て編で東京圏18位にランクインしています。主な子育て支援制度は以下の通りです。
| 支援制度 | 内容 |
|---|---|
| 待機児童 | 実質4人のみ(0-5歳合計87人、空き186、2024年4月時点) |
| 医療費助成 | 小学生未満無料、小学生以上も入院無料・通院200円上限 |
| 子育て支援施設 | たまっこ等の支援施設が充実 |
車道と歩道が完全分離されたエリアも多く、子どもの安全性が高い点も評価されています。
(2) 交通アクセス(新宿まで約31分)
聖蹟桜ヶ丘駅から新宿まで約31分、多摩センター駅からも京王線・小田急多摩線が利用可能です。都心へのアクセスが良好で、通勤・通学に便利なエリアです。
(3) 自然環境と治安(市内半分以上が緑地・公園)
多摩市は市内の半分以上が緑地・公園・河川で構成されており、自然が豊富です。公園が多数あり、子どもが遊べる環境が整っています。
治安も良好で、安心して暮らせるエリアと評価されています。
戸建て購入のポイントと注意点
多摩市で戸建てを購入する際のポイントと、注意すべきリスクを解説します。
(1) 物件選びのポイント(駅距離、間取り、築年数)
物件選びの際は、以下の3点を重視することを推奨します。
- 駅からの距離: 駅近は価格が高いが、資産価値が維持されやすい
- 間取り: ファミリー層は3-4LDKが主流。ライフスタイルに合った間取りを選ぶ
- 築年数: 新築は省エネ基準義務化でコスト増、中古はリフォーム費用を考慮
(2) 住宅ローンと諸費用の準備
住宅ローンの借入可能額は、年収の5-6倍が目安です。諸費用(仲介手数料、登記費用、火災保険等)は物件価格の5-10%程度を別途用意する必要があります。
金融機関や不動産会社に相談し、無理のない資金計画を立てましょう。
(3) 購入時の注意点(人口減少傾向、公示地価と実勢価格の乖離)
多摩市は過去5年間で年間約90人のペースで人口が減少しています。長期的な資産価値への影響を考慮し、専門家(不動産会社、ファイナンシャルプランナー等)への相談を推奨します。
また、公示地価と実勢価格に乖離がある(2024年Q1で実勢価格-18.55%)ため、購入時は最新の取引事例を確認することが重要です。
まとめ:多摩市で戸建てを探すステップ
多摩市の戸建て価格は、新築3,000-6,500万円、中古平均4,111万円、土地81.1万円/坪(2025年時点)が目安です。子育て環境が充実し、新宿まで約31分とアクセスも良好で、ファミリー層に人気のエリアです。
駅からの距離により価格差が大きいため、予算とライフスタイルに合ったエリアを選ぶことが重要です。人口減少傾向や公示地価と実勢価格の乖離にも注意が必要です。
信頼できる不動産会社や金融機関に相談しながら、複数物件を比較検討し、納得のいく物件選びを進めましょう。
