台東区の土地購入が注目される理由
台東区は上野や浅草といった観光地を抱えつつ、都心へのアクセスが優れているため、土地購入を検討する方が増えています。
この記事のポイント
- 台東区の公示地価は2025年平均で667万円/坪(前年比+14.25%)
- 浅草エリアは商業地上昇率23区トップ(+27.4%)でインバウンド需要が地価を牽引
- 上野駅・浅草橋駅周辺の再整備、蔵前・谷中のまちづくりで地域ブランド価値が向上中
- 2,000㎡以上の土地取引は台東区への届出が必須、500㎡以上の開発は区長の許可が必要
- エリア別では京成上野駅周辺が最高値(609万円/㎡)、南千住駅周辺が最低値(69万円/㎡)
(1) 都心アクセスの良さと生活利便性
台東区はJR山手線、東京メトロ銀座線・日比谷線、つくばエクスプレス等が通り、都心主要駅へのアクセスが優れています。上野駅から東京駅まで約7分、浅草駅から日本橋駅まで約10分と、ビジネス・商業エリアへの通勤が便利です。
また、区内には上野公園、アメ横、浅草寺、かっぱ橋道具街等の観光・商業施設が集積し、生活利便性と観光資源を両立しています。
(2) インバウンド需要による地価上昇の実態
2025年の台東区の公示地価は前年比+14.25%上昇しており、東京23区内でも高い伸び率を記録しています。特に浅草エリアはインバウンド観光客の増加により、ホテル・店舗需要が拡大し、商業地の上昇率が+27.4%と23区トップを記録しました。
浅草1丁目、西浅草2丁目が特に高い上昇率を示しており、観光需要が地価を牽引している状況です。
台東区の土地価格相場と市場動向
(1) 2025年の公示地価と坪単価
tochidai.infoによると、2025年の台東区の公示地価平均は201万8,188円/㎡(667万円/坪)です。前年比+14.25%上昇と、東京23区内でも高い伸び率を維持しています。
| 項目 | 2025年平均 | 前年比 |
|---|---|---|
| 全体平均 | 201万8,188円/㎡ | +14.25% |
| 住宅地 | 非公表 | +10.15% |
| 商業地 | 非公表 | +14.77% |
(出典: tochidai.info)
(2) 住宅地・商業地別の価格推移
住宅地の上昇率は+10.15%、商業地の上昇率は+14.77%と、いずれもプラス成長を続けています。商業地は観光需要の拡大により、住宅地を上回る上昇率を記録しました。
(3) 直近5年間の地価上昇率と今後の見通し
ie-and-life.comによると、直近5年間(2019年→2024年)で住宅地は+20.3%、商業地は+26.7%上昇しています。上野駅・浅草橋駅前の再整備、蔵前・谷エリアのまちづくりが地価上昇を牽引しており、今後も地域ブランド価値の向上が期待されます。
ただし、インバウンド需要や市場環境により変動するため、最新の情報は台東区公式サイトや専門家への相談を推奨します。
エリア別の価格相場と立地特性
(1) 浅草エリア:観光需要と商業地の急騰
浅草エリアは浅草寺、仲見世通り等の観光資源を抱え、インバウンド観光客が多く訪れます。2025年の商業地上昇率は+27.4%と東京23区トップを記録し、ホテル・店舗需要が地価を押し上げています。
浅草1丁目、西浅草2丁目が特に高い上昇率を示しており、観光地としてのブランド価値が不動産市場に反映されています。
(2) 上野エリア:最高額地点と交通利便性
上野エリアは東京23区内でも屈指の交通利便性を誇ります。tochi-value.comによると、台東区の最高額地点は上野6-14-7で1,230万円/㎡、京成上野駅周辺は平均609万円/㎡と、区内でも特に高額なエリアです。
JR山手線・京浜東北線、東京メトロ銀座線・日比谷線、京成本線が集まり、上野公園、アメ横等の商業・文化施設が充実しています。
(3) 蔵前・谷中エリア:まちづくりと地域ブランド
蔵前・谷中エリアは下町情緒を残しつつ、クリエイティブな店舗やカフェが増え、若い世代の移住が進んでいます。上野駅・浅草橋駅周辺の再整備、蔵前・谷エリアのまちづくりにより、地域ブランド価値が向上中です。
谷中2丁目、池之端1・2丁目の一部は土砂災害警戒区域に指定されているため、ハザードマップでの事前確認が必要です。
(4) 南千住エリア:比較的低価格帯の住宅地
南千住エリアは台東区内では比較的低価格帯で、tochi-value.comによると平均69万円/㎡と、京成上野駅周辺の約1/9の水準です。つくばエクスプレスが通り、秋葉原駅まで約3分と都心アクセスが良好です。
台東区で土地を購入する流れと必要手続き
(1) 土地探しから契約までのステップ
台東区で土地を購入する際は、以下のステップで進めます。
- 予算設定: 土地価格+建築費+諸費用の総額を算出
- エリア選定: 通勤・通学、生活利便性、地価動向を考慮
- 物件探し: SUUMO等のポータルサイトや不動産会社を活用
- 現地確認: 用途地域、建築制限、周辺環境を確認
- 契約: 重要事項説明を受け、売買契約を締結
- 決済・引渡: 残代金支払い、登記手続き
(2) 建築条件付土地の契約条件
建築条件付土地は、一定期間内(一般的に3ヶ月以内)に特定の建築会社と建築契約を結ぶことを条件とした土地です。契約が不成立の場合は土地契約も白紙になるため、事前に建築プランと総費用を確認することが重要です。
(3) 必要書類と諸費用の目安
土地購入時の諸費用は、土地価格の5-10%が目安です。
| 項目 | 内容 | 目安額 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 土地価格の3%+6万円+消費税 | 土地価格による |
| 登記費用 | 登録免許税、司法書士報酬 | 10-30万円 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼付 | 1-3万円 |
| 不動産取得税 | 固定資産税評価額の3%(軽減措置あり) | 土地評価額による |
購入時の注意点と法規制
(1) 2,000㎡以上の土地取引における届出義務
台東区公式サイトによると、2,000㎡以上の土地取引は契約日から2週間以内に台東区への届出が必要です。違反すると罰則対象となるため、事前に区役所都市計画課へ確認してください。
(2) 宅地造成工事規制区域と開発許可
台東区全域が宅地造成工事規制区域に指定されており、500㎡以上の開発行為には区長の許可が必要です。宅地造成に伴う災害防止のため、工事計画の届出と審査が必須となります。
(3) 土砂災害警戒区域のリスク確認
谷中2丁目、池之端1・2丁目の一部は土砂災害警戒区域・特別警戒区域に指定されています。購入前に東京都都市整備局のハザードマップで災害リスクを確認することを推奨します。
(4) 用途地域と建築制限の確認ポイント
用途地域により建築可能な建物の種類や高さ、容積率が制限されます。購入前に台東区公式サイトで用途地域、建蔽率、容積率、高度地区等を確認してください。
台東区の土地購入で重視すべきポイント
台東区で土地を購入する際は、以下のポイントを重視しましょう。
- 都心アクセス: 上野駅・浅草駅周辺は交通利便性が高く、通勤・通学に便利
- 観光需要: 浅草エリアは観光地としてのブランド価値が高く、商業地の地価が急騰中
- 再開発動向: 上野駅・浅草橋駅周辺の再整備、蔵前・谷エリアのまちづくりが進行中
- 法規制: 2,000㎡以上の土地取引は届出義務、500㎡以上の開発は区長の許可が必要
- 災害リスク: 土砂災害警戒区域の物件は事前にハザードマップで確認
まとめ
台東区の土地価格は2025年平均で667万円/坪(前年比+14.25%)と、東京23区内でも高い伸び率を記録しています。浅草エリアは商業地上昇率23区トップ(+27.4%)で、インバウンド需要が地価を牽引しています。
エリア別では京成上野駅周辺が最高値(609万円/㎡)、南千住駅周辺が最低値(69万円/㎡)と、都心アクセスや観光資源の有無で価格差が大きくなっています。
2,000㎡以上の土地取引は台東区への届出が必須、500㎡以上の開発は区長の許可が必要です。また、谷中2丁目、池之端1・2丁目の一部は土砂災害警戒区域に指定されているため、購入前にハザードマップで確認してください。
信頼できる不動産会社や宅地建物取引士に相談しながら、最適な土地選びを進めましょう。
