住友不動産渋谷タワー(Abema Towers)が注目される理由
渋谷エリアで「Abema Towers」という名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。正式名称は「住友不動産渋谷タワー」で、2019年に竣工した地上21階建ての複合ビルです。サイバーエージェント本社が入居し、AbemaTVの番組制作拠点となっていることから、渋谷の新たなランドマークとして注目を集めています。
この記事では、住友不動産渋谷タワー(Abema Towers)の建物概要、アクセス・立地、オフィス・住居部分の設備、そして物件選びのポイントを解説します。渋谷エリアでオフィスや住居を検討している方が、正確な情報をもとに判断できるようになります。
この記事のポイント
- 正式名称は「住友不動産渋谷タワー」、通称「Abema Towers」、住居部分は「ラ・トゥール渋谷宇田川」
- 地上21階・地下2階、高さ111.45m、延床面積37,942㎡の大規模複合ビル
- オフィス部分(4-16階)はサイバーエージェントが全フロア賃貸、一般募集なし
- 住居部分(18-21階)は高級賃貸マンション「ラ・トゥール渋谷宇田川」として一般賃貸募集あり
- 渋谷駅から徒歩8分、神泉駅から徒歩6分、井の頭通り沿いの好立地
(1) 正式名称と通称の違い
「住友不動産渋谷タワー」「Abema Towers」「ラ・トゥール渋谷宇田川」という3つの名前が使われることがあり、混乱しやすいため整理します。
| 名称 | 説明 |
|---|---|
| 住友不動産渋谷タワー | 正式名称(デベロッパー:住友不動産) |
| Abema Towers(アベマタワーズ) | 通称(サイバーエージェントが命名) |
| ラ・トゥール渋谷宇田川 | 住居部分(18-21階)のマンション名称 |
サイバーエージェントが2019年3月に本社を移転した際、自社のビル名称として「Abema Towers」と命名したことから、この通称が広まりました。オフィス部分を指す場合は「Abema Towers」、住居部分を指す場合は「ラ・トゥール渋谷宇田川」と呼ばれることが一般的です。
(2) 渋谷エリアの複合ビルとしての特徴
住友不動産渋谷タワーは、オフィス・住居・商業施設が一体となった複合ビルです。以下の特徴があります。
- 大規模オフィスビル: 基準階面積450坪超(約1,485㎡)の大型フロア
- 高級賃貸マンション: 18-21階に「ラ・トゥール」ブランドの住居部分
- 公開スタジオ: 1階に「UDAGAWA BASE」を開設、AbemaTVの番組制作拠点
- 環境認証: DBJ Green Building認証取得、環境・社会への配慮を評価
渋谷駅周辺の再開発エリアに位置し、オフィスワーカーや都心居住希望者にとって利便性の高い立地となっています。
建物の概要とフロア構成
(1) 建物の規模とスペック
住友不動産渋谷タワーは、2019年2月28日に竣工した大規模複合ビルです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都渋谷区宇田川町40-1 |
| 階数 | 地上21階・地下2階 |
| 高さ | 111.45m |
| 延床面積 | 37,942㎡(約11,477坪) |
| 構造 | 中間層免震構造、直接基礎 |
| 竣工年月日 | 2019年2月28日 |
| 設計 | 久米設計 |
| 施工 | 西松建設 |
中間層免震構造を採用しているため、地震の揺れを吸収し、上層階の揺れを軽減できる設計となっています。
(2) フロア構成(オフィス・住居・商業)
フロアは以下のように構成されています。
| フロア | 用途 | 詳細 |
|---|---|---|
| 地下2階〜地下1階 | 駐車場・設備 | - |
| 1階 | 商業施設 | 公開スタジオ「UDAGAWA BASE」、エントランス |
| 2〜3階 | 共用部・設備 | 会議室、カフェテリア等 |
| 4〜16階 | オフィス | サイバーエージェント本社(全フロア賃貸) |
| 17階 | 設備階 | 中間層免震装置 |
| 18〜21階 | 住居 | ラ・トゥール渋谷宇田川(高級賃貸マンション) |
オフィス部分は基準階面積450坪超の大型フロアで、サイバーエージェントが全フロア(4〜16階)を賃貸しています。住居部分は18〜21階の4フロアで、1R〜2LDKの間取りが用意されています。
(3) 構造の特徴(中間層免震構造)
中間層免震構造とは、建物の途中階(この場合は17階)に免震装置を設置する構造です。地震の揺れを吸収し、上層階の揺れを軽減する効果があります。
メリット:
- 地震時の揺れを大幅に軽減
- 上層階の住居部分の安全性・快適性を向上
- オフィス部分の什器・設備の損傷リスクを低減
免震構造は、一般的な耐震構造に比べて建設コストは高くなりますが、地震の多い日本では高い評価を受ける設計手法です。
アクセス・立地の特徴
(1) 最寄り駅と所要時間
住友不動産渋谷タワーは、複数の駅からアクセス可能です。
| 駅 | 路線 | 徒歩所要時間 |
|---|---|---|
| 渋谷駅 | JR山手線・埼京線、東京メトロ各線、東急各線、京王井の頭線 | 徒歩8分 |
| 神泉駅 | 京王井の頭線 | 徒歩6分 |
渋谷駅は複数路線が乗り入れる大規模ターミナル駅で、都心各所へのアクセスが便利です。神泉駅は渋谷駅の隣駅で、井の頭線利用時の最寄り駅となります。
(2) 周辺環境(井の頭通り沿い、宇田川町エリア)
住友不動産渋谷タワーは、井の頭通り沿いの宇田川町エリアに立地しています。
周辺の特徴:
- 商業施設: 渋谷109、パルコ、渋谷スクランブルスクエア等が徒歩圏内
- 飲食店: カフェ、レストラン、居酒屋等が多数
- 公園: 代々木公園が徒歩圏内(約1.5km)
- 繁華街: 宇田川町は渋谷の中心部に位置し、人通りが多いエリア
利便性は高い一方、繁華街に位置するため、周辺環境(騒音・治安等)については内見時に必ず確認することが重要です。
(3) 渋谷駅からの徒歩ルート
渋谷駅から住友不動産渋谷タワーまでの主要ルートは以下の通りです。
- 渋谷駅ハチ公口を出る
- 渋谷109方面へ進む
- 井の頭通りを神泉駅方面へ直進(約8分)
- 左手に「住友不動産渋谷タワー」が見える
井の頭通り沿いのため、初めての方でもわかりやすいルートです。
オフィス・住居部分の設備と仕様
(1) オフィス部分の設備(基準階面積450坪超、個別空調、BCP対応)
オフィス部分(4〜16階)は、サイバーエージェントが全フロア賃貸していますが、一般的なビルスペックとして以下の設備が整っています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 基準階面積 | 450坪超(約1,485㎡) |
| 天井高 | 2.8m(一般的なオフィスビル) |
| 空調 | 個別空調(フロアごとに調整可能) |
| BCP対応 | 非常用発電設備、防災備蓄倉庫完備 |
| 通信設備 | 高速インターネット回線対応 |
| エレベーター | 高速エレベーター複数基 |
基準階面積450坪超は、大規模オフィスフロアとして十分な広さです。サイバーエージェントのような成長企業が全フロア賃貸していることから、オフィスビルとしての性能の高さが伺えます。
(2) 住居部分「ラ・トゥール渋谷宇田川」の特徴(間取り、コンシェルジュサービス)
住居部分(18〜21階)は、住友不動産が展開する高級賃貸マンションブランド「ラ・トゥール」の一つです。
主な設備・サービス:
- 間取り: 1R〜2LDK(単身者〜カップル・小家族向け)
- コンシェルジュサービス: 荷物の預かり、クリーニング取次、タクシー手配等
- 24時間有人管理: 防犯・安全性を確保
- 高度な入館チェック体制: オートロック、防犯カメラ、セキュリティゲート
- 内装: 高級仕様(システムキッチン、浴室乾燥機、床暖房等)
高級賃貸マンションのため、家賃・管理費は周辺相場より高めですが、セキュリティとサービスの充実度が特徴です。
(3) DBJ Green Building認証
住友不動産渋谷タワーは、日本政策投資銀行(DBJ)による「DBJ Green Building認証」を取得しています。
DBJ Green Building認証とは:
- 環境・社会への配慮を評価する認証制度
- 省エネ性能、耐震性、快適性、防災対応等を総合評価
- 経済面以外の不動産価値を評価する指標
この認証は、テナント企業にとっても、環境配慮型ビルで事業を行うというブランド価値につながります。
サイバーエージェント本社と公開スタジオ
(1) サイバーエージェント本社の入居状況
サイバーエージェントは、2019年3月に本社を「住友不動産渋谷タワー」に移転し、オフィス部分(4〜16階)の全フロアを賃貸しています。
入居の背景:
- 従業員数の増加に伴う大規模オフィスの必要性
- 渋谷駅周辺の再開発エリアへの集約
- AbemaTV等の事業拡大に対応
現在(2025年時点)も全フロアをサイバーエージェントが使用しているため、オフィス部分の一般賃貸募集はありません。
(2) 公開スタジオ「UDAGAWA BASE」の概要
1階には、AbemaTVの公開スタジオ「UDAGAWA BASE」が開設されています(2019年4月〜)。
主な特徴:
- 公開スタジオ: 一部の番組収録を公開で実施
- イベントスペース: ファンミーティング、トークイベント等を開催
- 渋谷の新たなランドマーク: 通行人が中の様子を見られる開放的な設計
AbemaTVの番組制作拠点として、渋谷の街に活気を生み出す施設となっています。
(3) 入居の経緯と時期
サイバーエージェントの本社移転の経緯は以下の通りです。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2019年2月28日 | 住友不動産渋谷タワー竣工 |
| 2019年3月 | サイバーエージェント本社移転 |
| 2019年4月 | 公開スタジオ「UDAGAWA BASE」開設 |
移転から約6年が経過した現在(2025年)も、サイバーエージェントは引き続き同ビルで事業を展開しています。
まとめ:渋谷エリアでの物件選びのポイント
住友不動産渋谷タワー(Abema Towers)は、渋谷駅徒歩8分の好立地に位置する大規模複合ビルです。オフィス部分はサイバーエージェントが全フロア賃貸中、住居部分は高級賃貸マンション「ラ・トゥール渋谷宇田川」として一般募集があります。
(1) オフィス物件を検討する場合
現状:
- オフィス部分(4〜16階)はサイバーエージェントが全フロア賃貸中
- 一般賃貸募集は行っていません(2025年時点)
代替案:
- 住友不動産が渋谷エリアで開発している他の賃貸オフィスビルを検討
- 住友不動産の賃貸オフィス公式サイトで渋谷エリアの空室情報を確認
(2) 住居物件を検討する場合
ラ・トゥール渋谷宇田川が向いている人:
- 渋谷駅周辺で高級賃貸マンションを探している
- コンシェルジュサービス・24時間有人管理を重視する
- セキュリティの高さを優先したい
確認すべきポイント:
- 家賃・管理費: 高級賃貸のため、周辺相場より高額(最新情報は不動産会社に確認)
- 審査基準: 収入証明、保証会社等の要件を事前確認
- 周辺環境: 繁華街エリアのため、内見時に騒音・治安を確認
(3) 物件選びで確認すべきポイント
渋谷エリアで物件を選ぶ際は、以下の点を必ず確認しましょう。
必須確認事項:
- アクセス: 最寄り駅からの所要時間、複数路線の利用可否
- 設備: エレベーター、セキュリティ、BCP対応等
- 周辺環境: 商業施設、飲食店、公園等の利便性、騒音・治安
- 賃料: 家賃・管理費・修繕積立金の合計額
内見時のチェックポイント:
- 駅からの実際の徒歩時間(坂道や信号待ちも考慮)
- 共用部分(エントランス、廊下)の清掃状態・雰囲気
- 周辺の騒音レベル(日中・夜間で異なる場合がある)
住友不動産渋谷タワーは、渋谷エリアの代表的な複合ビルとして、オフィス・住居の両面で高い性能を誇ります。オフィス物件は現在一般募集がありませんが、住居部分は高級賃貸マンションとして空室がある場合があります。信頼できる不動産会社に相談し、最新の空室情報・賃料を確認しながら、納得のいく物件を見つけましょう。
