住友不動産ステップ(旧:住友不動産販売)の営業職とは
「住友不動産販売の営業はきつい」という評判を耳にしたことがある方も多いかもしれません。就職・転職を検討する際、実際の労働環境や仕事内容を理解しておくことは重要です。
この記事では、住友不動産ステップ(2025年4月より社名変更)の営業職について、仕事内容、「きつい」と言われる理由、労働環境、待遇、社員の口コミ傾向を分析し、向いている人・向いていない人の特徴を解説します。
不動産営業職への就職・転職を検討している方が、自分の適性を判断できるようになります。
この記事のポイント
- 2025年4月1日、住友不動産販売は「住友不動産ステップ」に社名変更、デジタル化を推進中
- 「きつい」理由は厳しいノルマ、土日祝休みの取りにくさ、長時間労働、事務作業の多さ等
- 営業スタッフの半数以上が年収900万円超、トップパフォーマーは2,000万円超も可能
- 成果主義の報酬制度で年齢・性別・学歴に関わらず公平な評価がなされる
- 向いている人はコミュニケーション能力が高く精神的にタフ、向いていない人はノルマのプレッシャーに弱い
(1) 2025年4月に社名変更:住友不動産販売から住友不動産ステップへ
2025年4月1日、住友不動産販売株式会社は「住友不動産ステップ株式会社」に社名変更しました。
社名変更の背景
- ブランド統一: 「すみふの仲介ステップ」として統一ブランド化
- デジタル化推進: アナログ広告(チラシ・登記情報DM等)からデジタル広告へ移行
- 透明性の向上: 「ステップオークション」という顧客獲得システムを導入
(参考: R.E.port - 住友不動産ステップへ社名変更)
本記事では、社名変更後の「住友不動産ステップ」として解説しますが、口コミ等は旧社名「住友不動産販売」時代のものを含みます。
(2) 会社概要:1975年設立、不動産仲介専門会社として進化
住友不動産ステップの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設立 | 1975年 |
| 本社 | 東京都新宿区 |
| 事業内容 | 不動産売買の仲介 |
| 親会社 | 住友不動産株式会社(東証プライム上場) |
| 従業員数 | 約5,000名(グループ全体) |
| 店舗数 | 全国約280店舗 |
住友不動産ステップは、1975年にマンション・住宅地分譲販売会社として設立され、その後不動産仲介専門会社へと進化しました。親会社の住友不動産は2025年3月期に過去最高業績(売上1兆142億円、営業利益2,715億円)を達成しており、グループ全体の安定性は高いです。
(参考: 不動産ばやく - 住友不動産2025年3月期業績)
(3) デジタル化への移行:アナログ広告からの転換
従来の不動産営業は、チラシ配布や登記情報DMなどアナログ広告が中心でした。しかし、住友不動産ステップは以下のようなデジタル化を推進しています。
デジタル化の具体例
- ステップオークション: 透明性の高い顧客獲得システム
- オンライン接客: Zoomやビデオ通話での物件案内
- デジタル広告: SNS・Web広告の活用
こうした取り組みにより、従来の「紙ベースの事務作業が多い」という課題が改善される可能性があります。
住友不動産ステップの営業職の仕事内容
営業職の具体的な業務を理解しましょう。
(1) 主な業務:物件の売却・購入の仲介、顧客対応、契約業務
不動産仲介営業の主な業務
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 物件の売却仲介 | 売主から物件を預かり、買主を見つける |
| 物件の購入仲介 | 買主の希望に合う物件を提案し、購入をサポート |
| 顧客対応 | 電話・メール・来店対応、物件案内 |
| 契約業務 | 重要事項説明、契約書作成、決済立会い |
| 営業活動 | 新規顧客開拓、チラシ配布、DM送付、Web集客 |
| 事務作業 | 物件情報登録、顧客データ管理、報告書作成 |
不動産仲介営業は、売主と買主の両方に対応するため、幅広いスキルが求められます。
(2) 1日の流れ:営業活動・事務作業・顧客対応
典型的な1日のスケジュール(例)
| 時間 | 業務 |
|---|---|
| 9:00 | 出勤、朝礼、メール確認 |
| 10:00 | 顧客への電話営業、物件情報登録 |
| 12:00 | 昼休憩 |
| 13:00 | 物件案内(顧客を現地へ案内) |
| 15:00 | 契約業務(重要事項説明、契約書作成) |
| 17:00 | 事務作業(報告書作成、データ入力) |
| 19:00 | 顧客対応(夜間の問い合わせ対応) |
| 21:00 | 退勤 |
顧客の都合に合わせるため、夜間や休日の対応が発生することもあります。
(3) 求められるスキル:宅建資格、コミュニケーション能力
不動産営業に必要なスキル
- 宅地建物取引士(宅建)資格: 不動産取引の専門家資格。不動産会社では一定数以上の有資格者が必要
- コミュニケーション能力: 顧客との信頼関係構築、ニーズの聞き取り
- 精神的タフネス: ノルマのプレッシャー、顧客からのクレーム対応
- 情報収集能力: 物件情報、市場動向、法律・税制の最新情報を把握
- 事務処理能力: 契約書類作成、データ管理、正確性が求められる
新入社員は宅建試験の勉強と業務習得を同時に進める必要があり、特に負担が大きいです。
「きつい」と言われる6つの理由
住友不動産ステップの営業が「きつい」と言われる理由を整理します。
(1) 厳しいノルマ設定と上司からのプレッシャー
不動産営業職には厳しいノルマが設定されます。
ノルマの特徴
- 月次・四半期・年次目標: 売上・契約件数に対するノルマ
- 達成できない場合: 上司からのプレッシャー、詰めの会議、叱責
- 高額商材: 1件の契約金額が数千万円規模のため、契約が取りにくい
(参考: 不動産売買の歩き方 - 住友不動産ステップの営業がきつい理由)
ノルマのプレッシャーは、精神的にタフでないと耐えられない可能性があります。
(2) 土日祝休みが取りにくい(火曜・水曜休み)
不動産業界は火曜・水曜休みが一般的です。
休日の特徴
- 完全週休2日制: 毎週2日休みがあるが、土日祝ではない
- 顧客対応優先: 土日祝は顧客が物件を見に来る繁忙日
- 友人・家族との予定が合わない: 一般企業の友人と休みが合わず、プライベートに影響
土日祝休みを重視する方には、不動産営業は向いていません。
(3) 長時間労働が常態化しやすい(残業・休日出勤)
不動産営業は長時間労働になりやすい傾向があります。
長時間労働の原因
- 顧客の都合に合わせる: 夜間・休日の物件案内、契約業務
- 事務作業の多さ: 営業活動後に事務作業(報告書作成、データ入力)が発生
- ノルマ達成のプレッシャー: 自主的に残業・休日出勤してでも営業活動を行う雰囲気
(参考: 住まキャリ - 不動産営業がきつい理由)
ワークライフバランスを重視する方には負担が大きいです。
(4) 事務作業が多く紙ベースの作業が残る
不動産業界は、契約書類・重要事項説明書など法定書類が多く、まだ紙ベースの作業が残っています。
事務作業の負担
- 契約書類作成: 重要事項説明書、契約書、各種同意書等の作成
- データ入力: 顧客情報、物件情報のシステム登録
- 紙ベースの作業: 書類の印刷・製本・押印・郵送
(参考: Withマーケブログ - 住友不動産の営業がきつい理由)
住友不動産ステップはデジタル化を推進中ですが、完全移行にはまだ時間がかかる可能性があります。
(5) 新入社員は宅建試験と業務習得の同時進行が必須
新入社員は、宅建試験の勉強と業務習得を同時に進める必要があります。
新入社員の負担
- 宅建試験: 10月に実施、合格率15~18%程度の難関資格
- 業務習得: 物件案内、顧客対応、契約業務の習得
- 同時進行: 仕事をしながら試験勉強をする必要があり、特にきつい
宅建試験に不合格の場合、翌年も受験が必要で、プレッシャーが続きます。
(6) 高額商材のため契約が取りにくい
不動産は数千万円規模の高額商材のため、契約が取りにくいです。
契約の難しさ
- 顧客の検討期間が長い: 数ヶ月~1年以上かかることも
- 競合が多い: 他の不動産会社との競争が激しい
- 契約に至らないケース: 何度も物件案内したのに契約に至らず、時間と労力が無駄になる
ノルマ達成のために多くの顧客と接触し続ける必要があり、精神的・体力的に消耗します。
実際の労働環境と待遇:年収・休日・福利厚生
一方で、住友不動産ステップには魅力的な待遇もあります。
(1) 年収:営業スタッフの半数以上が年収900万円超、トップパフォーマーは2,000万円超
住友不動産ステップの営業職は高収入を狙える職種です。
年収の実例
| 年齢・役職 | 年収 |
|---|---|
| 27歳 | 957万円 |
| 32歳 | 1,501万円 |
| 35歳 | 1,629万円 |
| トップパフォーマー | 2,000万円超 |
(参考: 不動産転職コラム - 住友不動産販売の年収)
ポイント
- 営業スタッフの半数以上が年収900万円超を稼いでいる
- 成果主義のため、個人差は大きい
- 誰もが高年収を得られるわけではない
(2) 成果主義の報酬制度:年齢・性別・学歴に関わらず公平な評価
住友不動産ステップは成果主義を採用しています。
成果主義のメリット
- 年齢・性別・学歴に関わらず評価: 若手でも高収入を狙える
- 頑張った分だけ報酬に反映: インセンティブ制度が充実
- キャリアアップが早い: 成果を出せば役職が上がる
デメリット
- 成果を出せないと低収入: ノルマ未達の場合は給与が上がらない
- プレッシャーが大きい: 常に成果を求められる
高収入を目指す方には魅力的ですが、安定志向の方には向いていません。
(3) 休日・残業:完全週休2日制(火曜・水曜)、長時間労働の実態
休日制度
- 完全週休2日制: 毎週2日休みがある
- 火曜・水曜休み: 土日祝は顧客対応のため出勤
- 年間休日: 約120日程度(一般企業並み)
残業の実態
- 平均残業時間: 月30~50時間程度(口コミより推定)
- 繁忙期: 月末・四半期末は残業が増える
- 休日出勤: 顧客対応のため発生することもある
長時間労働が常態化しやすい環境ですが、成果を出すためには避けられない側面もあります。
(4) 福利厚生・研修制度
福利厚生
- 社会保険完備(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)
- 退職金制度
- 住宅手当・家族手当(条件あり)
- 社員割引(住友不動産グループ物件の購入・賃貸)
研修制度
- 新入社員研修(宅建試験対策含む)
- 定期的なスキルアップ研修
- OJT(先輩社員による実務指導)
大手企業ならではの充実した研修・福利厚生が整っています。
不動産営業に向いている人・向いていない人
自分の適性を判断しましょう。
(1) 向いている人:コミュニケーション能力が高い、精神的にタフ、成長志向が強い、高収入を目指す
不動産営業に向いている人の特徴
- コミュニケーション能力が高い: 顧客との信頼関係を構築できる
- 精神的にタフ: ノルマのプレッシャー、クレーム対応に耐えられる
- 成長志向が強い: 自己成長のために努力を惜しまない
- 情報収集能力が高い: 市場動向、法律・税制を常にキャッチアップできる
- 高収入を目指す: 年収1,000万円以上を稼ぎたい
- 土日祝休みにこだわらない: 火曜・水曜休みでも問題ない
(参考: 住まキャリ - 不動産営業に向いている人)
(2) 向いていない人:ノルマのプレッシャーに弱い、ワークライフバランス重視、土日祝休みを求める
不動産営業に向いていない人の特徴
- ノルマのプレッシャーに弱い: 目標未達時のプレッシャーに耐えられない
- ワークライフバランス重視: 残業・休日出勤を避けたい
- 土日祝休みを求める: 家族・友人と休みを合わせたい
- 安定志向: 成果主義ではなく年功序列を好む
- 事務作業が苦手: 契約書類作成・データ入力が負担
- 高額商材の営業に抵抗がある: 数千万円の契約を取る自信がない
自分の性格・価値観を整理し、不動産営業が本当に自分に合っているか慎重に判断しましょう。
まとめ:住友不動産ステップの営業職を選ぶべきか
住友不動産ステップ(旧:住友不動産販売)の営業職は、「きつい」と言われる理由が多数ありますが、一方で高収入を狙えるやりがいのある仕事でもあります。
「きつい」理由
- 厳しいノルマ設定と上司からのプレッシャー
- 土日祝休みが取りにくい(火曜・水曜休み)
- 長時間労働が常態化しやすい
- 事務作業が多く紙ベースの作業が残る
- 新入社員は宅建試験と業務習得の同時進行が必須
- 高額商材のため契約が取りにくい
魅力的な待遇
- 営業スタッフの半数以上が年収900万円超
- トップパフォーマーは年収2,000万円超も可能
- 成果主義で年齢・性別・学歴に関わらず公平な評価
- 大手企業ならではの充実した研修・福利厚生
判断のポイント
- 高収入を目指し、成長志向が強い方には魅力的
- ノルマのプレッシャーに弱い、ワークライフバランス重視の方には向いていない
- 実際の環境は配属先・上司により大きく異なるため、口コミは参考程度に
転職・就職判断は、キャリアコンサルタント等の専門家に相談しながら慎重に行いましょう。住友不動産ステップの公式採用サイトや会社説明会で、実際の働き方を確認することをおすすめします。
