平屋一戸建ての特徴とは?メリット・デメリット・費用相場を徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/20

平屋一戸建てとは?人気が高まっている背景と2024年の最新動向

「平屋一戸建てってどうなんだろう?」とマイホーム購入を検討する際に気になる方は多いのではないでしょうか。

この記事では、平屋の特徴、メリット・デメリット、建築費用相場、必要な土地の広さ、間取りの工夫について、ハウスメーカーの公式情報や最新の統計データを元に解説します。

2階建てと比較しながら、あなたのライフステージに合った選択ができるようになります。

この記事のポイント

  • 平屋の着工棟数は2024年に61,338棟、10年で約2倍に増加し木造住宅の約20%(5軒に1軒)が平屋
  • 平屋のメリットはバリアフリー・効率的動線・家族コミュニケーションが取りやすいこと
  • 平屋のデメリットは広い土地が必要・坪単価が2階建てより10〜20%高い・固定資産税が年間3〜4万円高いこと
  • 木造平屋の坪単価は40〜70万円、2LDK〜3LDKで平均2,000万円(土地代除く)が相場
  • 4人家族で25〜35坪の平屋を建てる場合、建ぺい率50%なら50〜70坪の土地が必要

(1) 平屋一戸建ての定義(1階建て住宅の特徴)

平屋(ひらや)とは、1階建ての住宅のことを指します。階段がなく、リビング・ダイニング・寝室・水回りがすべてワンフロアに配置されているため、生活動線がシンプルで効率的です。

近年は「階段の上り下りが不要」「将来のバリアフリー対応」といった理由から、若い世代でも平屋を選ぶケースが増えています。

(2) 2024年の着工棟数:61,338棟(10年で約2倍に増加)

アップルホームによると、2024年の平屋着工棟数は61,338棟で、2023年の57,848棟を上回りました。2014年の32,827棟と比較すると、わずか10年で約2倍に増加しています。

木造住宅全体に占める平屋の割合は約20%で、5軒に1軒が平屋を選んでいる計算です。

(3) 平屋が人気の理由(バリアフリー・若い世代への広がり)

平屋が人気の背景には、以下のような理由があります。

  • バリアフリー設計がしやすい: 階段がないため、高齢期や介護が必要になった際も安心
  • 家事動線が効率的: 洗濯・料理・掃除がワンフロアで完結
  • 家族コミュニケーションが取りやすい: 視線が届きやすく、子供の様子を見守りやすい
  • 耐震性が高い: 構造的に安定しており、地震に強い

若い世代でも「将来を見越して今から平屋を選ぶ」というケースが増えており、ライフステージに関係なく支持されています。

平屋のメリット:バリアフリー・効率的動線・家族コミュニケーション

平屋には、2階建てにはない独自のメリットがあります。ここでは主な5つのメリットを詳しく解説します。

(1) バリアフリー設計(階段がなく老後も安心)

平屋の最大のメリットは、階段がないことです。高齢になると階段の上り下りが負担になり、転倒のリスクも高まります。

平屋であれば、段差を最小限にした完全バリアフリー設計が可能です。車椅子での生活が必要になった場合でも、リフォーム費用を抑えられる点も安心です。

(2) 効率的な家事動線(ワンフロアで生活が完結)

洗濯物を2階に運ぶ、掃除機を持って階段を上り下りする——こうした家事の負担がないのが平屋の魅力です。

洗濯機→物干しスペース→収納まで、すべてワンフロアで完結するため、家事時間を大幅に短縮できます。共働き世帯や子育て中の家庭にとって、タイムパフォーマンスの高い住まいと言えます。

(3) 家族コミュニケーションが取りやすい(視線が届く間取り)

リビングから各部屋への動線がシンプルなため、家族の気配を感じやすく、自然なコミュニケーションが生まれます。

子供が小さいうちは「リビングで遊んでいる様子を見守りながら料理できる」、成長後は「顔を合わせる機会が自然と増える」といったメリットがあります。

(4) 耐震性が高い(構造的に安定)

平屋は建物の高さが低く、重心も低いため、構造的に安定しており地震に強いという特徴があります。

2階建ての場合、2階部分の重さが1階にかかるため、柱や壁の配置に制約がありますが、平屋はその心配がありません。

(5) メンテナンスコストが低い(外壁塗装等の足場不要)

外壁塗装や屋根の点検・修理を行う際、2階建てでは足場の設置が必要ですが、平屋は高さが低いため足場費用を抑えられます。

長期的な維持費を考えると、メンテナンスコストの面でも平屋は有利です。

平屋のデメリット:広い土地が必要・坪単価が高い・プライバシー確保の課題

一方で、平屋にはデメリットも存在します。事前に理解しておくことで、後悔のない選択ができます。

(1) 広い土地が必要(建ぺい率50%で30坪の平屋なら60坪の土地)

平屋は横に広がる構造のため、2階建てと同じ延床面積を確保するには、より広い土地が必要です。

トヨタホームによると、建ぺい率50%の土地に30坪の平屋を建てる場合、60坪の土地が必要になります。

建ぺい率は地域により30〜80%と大きく異なるため、土地購入前に自治体の都市計画課で必ず確認してください。

(2) 坪単価が2階建てより10〜20%高い(基礎・屋根の面積が広い)

トヨタホームによると、平屋は2階建てより坪単価が10〜20%割高になります。

その理由は、同じ延床面積の場合、平屋の方が基礎と屋根の面積が広くなるためです。基礎と屋根は建築費用の中でも特にコストがかかる部分です。

(3) 固定資産税が年間3〜4万円高い(同じ延床面積の場合)

LIFULL HOME'Sによると、同じ延床面積で比較した場合、平屋の方が固定資産税が年間3〜4万円程度高くなる傾向があります。

これは、広い土地と多くの建材(基礎・屋根)が必要になるためです。長期的なコスト比較を行う際は、固定資産税も含めて検討しましょう。

(4) プライバシー確保が難しい(リビングと寝室が近い)

ワンフロアで完結する平屋は、家族の距離が近くなる反面、プライバシーの確保が課題になる場合があります。

特に在宅ワークやオンライン会議が多い場合、リビングと仕事部屋・寝室の距離感を工夫する必要があります。

(5) 日当たり・通風が悪くなるケース(周辺建物の影響)

周辺に2階建てや3階建ての建物がある場合、平屋は高さが低いため日当たりや通風が悪くなる可能性があります。

土地購入時には、周辺建物の高さや配置、方角をよく確認し、敷地条件が平屋に適しているかを見極めることが重要です。

平屋の建築費用相場:坪単価40〜70万円、総額2,000万円前後の内訳

平屋を建てる際に最も気になるのが費用です。ここでは、坪単価と総額の目安、2階建てとの比較、コスト削減のポイントを解説します。

(1) 木造平屋の坪単価:40〜70万円が相場

三都の森によると、木造平屋の坪単価は40〜70万円が一般的です。

ただし、こだわりの構造や設備(高性能断熱材、太陽光発電、オール電化等)を採用する場合、坪単価は50〜80万円以上になることもあります。

(2) 2LDK〜3LDKの平均建築費用:約2,000万円(土地代除く)

トヨタホームによると、2LDK〜3LDKの平屋で平均2,000万円(土地代除く)が目安です。

間取り 延床面積 坪単価 建築費用目安
2LDK 25〜30坪 40〜70万円 1,000〜2,100万円
3LDK 30〜35坪 40〜70万円 1,200〜2,450万円
4LDK 35〜40坪 40〜70万円 1,400〜2,800万円

※ハウスメーカー、仕様、地域により変動します。

(3) 2階建てとの比較:2階建てより10〜20%割高

同じ延床面積で比較すると、2階建ての方が建築費は10〜20%安くなります。

例えば、延床面積30坪の住宅を建てる場合:

  • 平屋: 2,100万円(坪単価70万円)
  • 2階建て: 1,800万円(坪単価60万円)
  • 差額: 約300万円(約14%の差)

ただし、平屋はバリアフリーやメンテナンスコスト削減のメリットがあるため、長期的な視点での比較が重要です。

(4) コスト削減のポイント(シンプルな外観・部屋数を抑える・木造で建てる)

三都の森によると、以下の工夫でコストを抑えられます。

  • シンプルな外観: 凹凸を少なくし、直線的なデザインにする
  • 部屋数を抑える: 個室を最小限にし、広いLDKを中心とした間取りにする
  • 木造で建てる: 鉄骨造やRC造より建築費を抑えられる
  • 勾配天井や大きな窓で開放感を演出: 限られた坪数でも快適な空間を実現

価格相場は地域・ハウスメーカー・仕様により大きく異なるため、複数社への見積もり依頼を推奨します。

平屋に必要な土地の広さと間取りの工夫:建ぺい率・家族人数別の目安

平屋を建てる際、「どのくらいの土地が必要なのか」「間取りをどう工夫すればいいのか」は重要なポイントです。

(1) 家族人数別の必要坪数(2人:20〜30坪、4人:25〜35坪)

お家のいろはによると、家族人数別の平屋の目安は以下の通りです。

家族人数 必要な延床面積 間取り例
1〜2人 20〜30坪 1LDK〜2LDK
3〜4人 25〜35坪 2LDK〜3LDK
4〜5人 35〜40坪 3LDK〜4LDK

(2) 建ぺい率による土地面積の計算(建ぺい率50%なら60坪)

建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。一般的な住宅地では30〜80%で、地域により異なります。

トヨタホームによると、建ぺい率50%の土地に30坪の平屋を建てる場合、60坪の土地が必要になります。

計算式:

必要な土地面積 = 建築面積(平屋の延床面積)÷ 建ぺい率

例)30坪の平屋を建ぺい率50%の土地に建てる場合:

30坪 ÷ 0.5 = 60坪

建ぺい率は自治体の都市計画により定められているため、土地購入前に必ず確認してください。

(3) 間取りの工夫(高い天井・大きな窓・こもり場・ウェルビーイング設計)

お家のいろはによると、2024年の平屋トレンドには以下のような工夫があります。

  • 勾配天井: 屋根の傾斜を活かした高い天井で開放感を演出
  • 大きな窓: 採光と通風を確保し、明るく風通しの良い空間を実現
  • 「こもり場」: 書斎や趣味スペースなど、小さな専用スペースを設ける
  • ウェルビーイング設計: 自然光・通風・温湿度を考慮した心地よい空間設計
  • タイムパフォーマンス重視の動線: 家事時間を最小限にする効率的な配置

こうした工夫により、限られた坪数でも快適で魅力的な住まいを実現できます。

(4) 敷地条件の確認(日当たり・通風・周辺建物の高さ)

平屋は高さが低いため、周辺に2階建てや3階建ての建物がある場合、日当たりや通風が悪くなる可能性があります。

土地購入時には、以下の点を必ず確認してください。

  • 周辺建物の高さと配置: 南側に高い建物がないか
  • 方角: 南向きの土地が理想(日当たりを確保)
  • 敷地の形状: 長方形や正方形の整形地が間取りに活かしやすい

敷地条件が平屋に適しているかを見極めることが、快適な住まいを実現する鍵です。

まとめ:平屋と2階建ての比較、ライフステージ別の選び方

平屋の建築費用は2LDK〜3LDKで約2,000万円(土地代除く)、坪単価は40〜70万円が相場です。2階建てより10〜20%割高で、固定資産税も年間3〜4万円高い傾向がありますが、バリアフリー設計や効率的な家事動線、メンテナンスコスト削減といったメリットがあります。

あなたのライフステージや家族構成、将来の生活スタイルを考えながら、平屋と2階建てを比較検討しましょう。

信頼できるハウスメーカーや工務店に相談し、複数社から見積もりを取ることで、納得のいく選択ができます。

よくある質問

Q1平屋の建築費用はいくらですか?

A12LDK〜3LDKの木造平屋で平均2,000万円(土地代除く)が目安です。坪単価は40〜70万円が相場で、2階建てより10〜20%割高になります。基礎と屋根の面積が広いことが理由です。また、固定資産税も同じ延床面積の2階建てと比べて年間3〜4万円程度高い傾向があります。コストを抑えるには、シンプルな外観、部屋数を抑える、木造で建てるといった工夫が効果的です。

Q2平屋はなぜ人気なのですか?

A2平屋の着工棟数は2014年の32,827棟から2024年は61,338棟と10年で約2倍に増加しました。人気の理由は、階段がなくバリアフリー設計がしやすいこと、家事がワンフロアで完結し効率的であること、家族の気配を感じやすくコミュニケーションが取りやすいことです。高齢期だけでなく、若い世代でも将来を見越して平屋を選ぶケースが増えています。

Q3平屋に必要な土地の広さはどれくらいですか?

A34人家族で25〜35坪の平屋を建てる場合、建ぺい率50%なら50〜70坪の土地が必要です。建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合で、一般的な住宅地では30〜80%と地域により異なります。例えば建ぺい率50%の土地に30坪の平屋を建てる場合、60坪の土地が必要です。土地購入前に自治体の都市計画課で建ぺい率を必ず確認してください。

Q4平屋と2階建てはどちらが安いですか?

A42階建ての方が建築費は10〜20%安く、固定資産税も年間3〜4万円低い傾向です。同じ延床面積30坪で比較すると、平屋が約2,100万円に対し、2階建ては約1,800万円で、約300万円の差があります。ただし、平屋はバリアフリー設計、効率的な家事動線、メンテナンスコスト削減といったメリットがあるため、長期的な視点で比較検討することが重要です。

Q5平屋のコストを抑えるポイントは?

A5コスト削減のポイントは、シンプルな外観(凹凸を少なく直線的なデザイン)、部屋数を抑える(個室を最小限にし広いLDKを中心とした間取り)、木造で建てる(鉄骨造やRC造より費用を抑えられる)ことです。また、勾配天井や大きな窓で開放感を演出することで、限られた坪数でも快適な空間を実現できます。複数のハウスメーカーから見積もりを取り、比較検討することも大切です。

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Room Match編集部

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