なぜ静岡市の不動産市場が注目されるのか
静岡市での不動産購入や売却を検討する際、「価格相場はどのくらいか」「葵区・駿河区・清水区のどのエリアが適しているか」と悩む方は多いでしょう。
この記事では、静岡市の不動産価格相場、3つの行政区別の特徴、物件種別ごとの価格動向を、公示地価データや実際の取引データを元に解説します。
移住、Uターン、住み替えなど、目的に合った不動産選びができるようになります。
この記事のポイント
- 静岡市の2025年公示地価は平均163,236円/m²(坪単価539,626円)で、前年比+0.81%上昇
- 実際の取引価格は121,420円/m²(坪単価401,388円)で、前年比+8.68%と大幅上昇
- 公示地価と実際の取引価格には約26%の差があり、両方を参考にする必要がある
- 静岡市の不動産売却期間は42.9%が1年と最も多く、余裕を持った計画が必要
- 33.3%の売主が5社以上に査定依頼をしており、複数社比較が一般的
静岡市の不動産市場の基礎知識
(1) 土地価格の相場と推移(2025年+0.81%上昇)
国土交通省の地価公示によると、静岡市の土地価格は、2025年に前年比+0.81%上昇しています。
公示地価(2025年1月1日時点)
- 平均価格: 163,236円/m²(坪単価539,626円)
- 前年比: +0.81%上昇
公示地価とは、国土交通省が毎年1月1日時点で調査・公表する土地の標準価格で、不動産取引や資産評価の指標となります。
基準地価(2024年7月1日時点)
- 平均価格: 171,022円/m²(坪単価565,361円)
- 前年比: +0.71%上昇
基準地価とは、都道府県が毎年7月1日時点で調査・公表する土地の標準価格で、公示地価を補完する役割を果たします。
(2) 公示地価と実際の取引価格の違い(約26%の差)
公示地価と実際の取引価格(実勢価格)には、大きな差があります。
実際の取引価格(2024年第1四半期)
- 平均価格: 121,420円/m²(坪単価401,388円)
- 前年比: +8.68%上昇
公示地価との比較
- 公示地価: 163,236円/m²
- 実際の取引価格: 121,420円/m²
- 差額: 約26%(公示地価の方が高い)
実勢価格とは、実際に不動産市場で取引される価格です。公示地価や基準地価とは異なる場合が多く、両方を参考にすることで、より正確な相場を把握できます。
注目ポイント
- 公示地価の上昇率は+0.81%だが、実際の取引価格は+8.68%と約10倍以上の上昇率
- 購入需要が高まっており、市場が活発化している可能性がある
(3) 用途別の価格差(住宅地・商業地)
静岡市の土地価格は、用途により大きく異なります。
用途別地価(静岡市、2025年)
| 用途 | 平均価格(円/m²) | 坪単価(円) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 住宅地 | 115,624 | 382,230 | +0.56% |
| 商業地 | 305,000 | 1,008,264 | +0.98% |
注目ポイント
- 商業地は住宅地の約2.6倍の価格
- 商業地の上昇率が+0.98%と住宅地(+0.56%)を上回る
用途別地価とは、住宅地・商業地・工業地など、土地の用途に応じて区分された地価です。購入目的に応じて、適切な用途の土地を選ぶことが重要です。
エリア別の価格相場と特徴(葵区・駿河区・清水区)
静岡市は、葵区・駿河区・清水区の3つの行政区に分かれています。
(1) 葵区:県庁所在地の中心部、利便性と価格
葵区は静岡市の中心部で、県庁や市役所が所在するエリアです。
葵区の特徴
- 静岡駅周辺に商業施設が集中
- 県庁、市役所、教育機関が充実
- 利便性が高い分、価格は高め
アクセス
- 東海道新幹線で東京まで約1時間
- 東名高速道路のICへのアクセスが良好
(2) 駿河区:商業施設が充実、住環境のバランス
駿河区は商業施設が充実し、住環境とのバランスが良いエリアです。
駿河区の特徴
- 大型商業施設が多数立地
- 住宅地も豊富で、ファミリー層に人気
- 葵区と比較すると価格は手頃
住環境
- 静岡大学等の教育機関が所在
- 公園や緑地が多い
(3) 清水区:港町の特色、価格帯の魅力
清水区は港町の特色があり、比較的手頃な価格帯が魅力です。
清水区の特徴
- 清水港を擁する港町
- サッカー(清水エスパルス)の本拠地
- 葵区・駿河区と比較すると価格は手頃
注意点
- 海側エリアは津波ハザードマップの確認が必要
- 山側エリアは土砂災害リスクの確認が必要
各区で商業施設の配置や住環境が異なるため、予算と利便性のバランスで選択するのが推奨されます。
物件種別ごとの購入・売却のポイント
(1) 戸建て:購入・売却のポイント
戸建ての供給状況(2025年)
- 静岡県不動産取引業協会運営の「しずなび」で多数の戸建て物件を掲載
- 地元の不動産会社の加盟店情報を提供
戸建て購入のポイント
- 土地の広さ、日当たり、周辺環境を確認
- 災害リスク(津波、土砂災害)をハザードマップで確認
(2) マンション:価格動向(前年比+2.63%)
マンションの価格動向
- 前年比+2.63%上昇
- 購入需要が高まっている
マンションの供給実績(2025年3月時点)
- 静鉄不動産が新築マンション72棟4,657戸を販売
マンション購入のポイント
- 管理費・修繕積立金の確認
- 駅からの距離、周辺施設の利便性
(3) 土地:価格動向(前年比+2.21%)
土地の価格動向
- 前年比+2.21%上昇
- 購入需要が高まっている
土地の供給状況(2025年)
- SUUMOで425件の土地物件を掲載
- しずなびで369件の土地を掲載
土地購入のポイント
- 建築条件の有無を確認
- 用途地域、建蔽率、容積率を確認
- 災害リスクをハザードマップで確認
静岡市の不動産会社の選び方
(1) 複数査定の重要性(33.3%が5社以上に査定依頼)
静岡市では、33.3%の売主が5社以上に査定依頼をしています。
複数査定のメリット
- 相場感を正確に掴める
- 各社の販売戦略を比較できる
- 査定額の妥当性を判断できる
査定依頼時のポイント
- 3社以上(できれば5社以上)に依頼
- 査定根拠を明確に説明してもらう
- 販売戦略(広告方法、価格設定)を確認
(2) 媒介契約の種類(専属専任・専任・一般)
静岡市では、42.9%が専属専任媒介契約を選択しています。
媒介契約の種類
| 契約種類 | 特徴 | 複数社契約 | 自己発見取引 | 報告義務 |
|---|---|---|---|---|
| 専属専任 | 1社専任・自己発見取引不可 | 不可 | 不可 | 1週間に1回以上 |
| 専任 | 1社専任・自己発見取引可 | 不可 | 可 | 2週間に1回以上 |
| 一般 | 複数社と契約可能 | 可 | 可 | 義務なし |
専属専任媒介契約とは、1社のみに売却を依頼し、自己発見取引も禁止される媒介契約です。不動産会社は5日以内にREINS登録し、1週間に1回以上報告義務があります。
(3) 地元密着型不動産会社の強み(25年以上の実績)
静岡市では、地元密着型の不動産会社が強みを発揮します。
地元密着型不動産会社の特徴
- 静岡市のエリア特性を熟知
- 25年以上の実績(不動産買取売却センター静岡等)
- 静岡県不動産取引業協会加盟
老舗不動産会社の実績
- 静鉄不動産:1963年創業、60周年を迎える
- 2025年3月時点で新築マンション72棟4,657戸、新規住宅開発147件4,410区画を販売
地元密着型の不動産会社は、災害リスク(津波、土砂災害)や地域の慣習など、地域特有の情報を提供できる点が強みです。
まとめ:静岡市の不動産取引の判断ポイント
静岡市の不動産価格は、2025年公示地価平均163,236円/m²(坪単価539,626円)で、前年比+0.81%上昇しています。
実際の取引価格は121,420円/m²(坪単価401,388円)で、前年比+8.68%と大幅上昇しており、購入需要が高まっています。
静岡市は葵区・駿河区・清水区の3つの行政区に分かれており、各区で利便性や価格帯が異なります。
不動産売却期間は42.9%が1年かかるため、余裕を持った計画が必要です。33.3%の売主が5社以上に査定依頼をしており、複数社比較が一般的です。
地元密着型の不動産会社(25年以上の実績、静岡県不動産取引業協会加盟等)に相談し、複数の査定サービスで相場を確認しながら、目的に合った不動産を選びましょう。
