札幌で戸建て賃貸を探すコツ|家賃相場・エリア選び・注意点
札幌で戸建て賃貸を検討する際、「家賃相場がわからない」「雪かきはどのくらい大変なのか」「暖房費はいくらかかるのか」と不安に感じる方は少なくありません。特に転勤や移住でファミリー層が札幌で戸建てを借りる場合、北海道特有の気候条件に戸惑うこともあります。
この記事では、札幌の戸建て賃貸の家賃相場、人気エリアの特徴、メリット・デメリット、暖房費や雪かきなど北海道特有の注意点を、不動産ポータルサイトのデータや札幌市の統計を元に解説します。
はじめて札幌で戸建て賃貸を探す方でも、適正な相場と注意点を把握し、安心して物件選びができるようになります。
この記事のポイント
- 札幌の戸建て賃貸の家賃相場は平均10.5万円、間取り別では1LDK/2K/2DKが8.42万円、3LDK/4K以上が12.24万円
- 北区、西区、東区に物件が多く、麻生駅・発寒南駅・栄町駅周辺が人気エリア
- 戸建て賃貸は定期借家契約(3-5年で退去)が多く、普通借家契約(2年ごと自動更新)とは異なる
- 北海道の暖房費は全国平均の約4倍で、ガス暖房月8,000-10,000円、プロパンガス最大50,000円
- 戸建ては雪かきが必要で、マンションと異なり除雪作業が居住者の負担になる
戸建て賃貸の基礎知識|マンション・アパートとの違い
(1) 戸建て賃貸とは(独立した建物の賃貸)
戸建て賃貸は、マンション・アパートと異なり独立した一戸建て住宅を賃貸借する形態です。建物全体を借りるため、庭や駐車場が付いている物件が多く、ファミリー層に人気があります。
札幌市では、北区、西区、東区に戸建て賃貸物件が多く、SUUMOだけで2,586件の物件が掲載されています(2025年時点)。
(2) 定期借家契約と普通借家契約の違い
戸建て賃貸は、定期借家契約(3-5年で退去が前提、更新不可)が多い点に注意が必要です。
| 契約形態 | 契約期間 | 更新 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 定期借家契約 | 3-5年 | 不可 | 期間満了で必ず退去 |
| 普通借家契約 | 2年 | 自動更新可 | 借主が希望すれば継続居住可能 |
(国土交通省によると)
契約前に、どちらの形態かを不動産会社や宅地建物取引士に確認しましょう。
(3) 初期費用(敷金・礼金・仲介手数料)
戸建て賃貸の初期費用は、敷金・礼金・仲介手数料・火災保険等が必要です。戸建ては敷金・礼金が比較的高めに設定される傾向があります。
- 敷金: 家賃1-2ヶ月分(退去時に原状回復費用を差し引いて返還)
- 礼金: 家賃0-1ヶ月分(返還されない)
- 仲介手数料: 家賃1ヶ月分+消費税(上限)
- 火災保険: 1-2万円/年
フリーレント物件(契約当初1-2ヶ月の家賃無料)は初期費用を抑えられますが、最低居住期間の縛りがあり、早期退去時に違約金が発生する場合があるため注意しましょう。
札幌の戸建て賃貸の家賃相場とエリア別特徴|北区・西区・東区
(1) 家賃相場(平均10.5万円、間取り別8-12万円)
札幌市の戸建て賃貸の家賃相場は、平均10.5万円です。間取り別では以下のようになります。
| 間取り | 平均家賃 | 備考 |
|---|---|---|
| 1LDK/2K/2DK | 8.42万円 | 単身・カップル向け |
| 3LDK/4K以上 | 12.24万円 | ファミリー向け |
家賃は1.5万円~36万円と幅広く、エリア・築年数・設備により大きく異なります(2025年時点)。
(2) 人気エリア(北区・西区・東区、麻生駅・発寒南駅・栄町駅周辺)
札幌市の戸建て賃貸物件が多いエリアは、北区、西区、東区です。特に以下の駅周辺が人気があります。
- 麻生駅周辺(北区): ファミリー向け2LDK-3LDKが6.5-7万円、地下鉄南北線で札幌駅まで約10分
- 発寒南駅周辺(西区): 住宅街が広がり、落ち着いた環境
- 栄町駅周辺(東区): 地下鉄東豊線で札幌駅まで約15分、比較的価格を抑えられる
- 琴似駅周辺(西区): JR・地下鉄の2路線利用可能、商業施設充実
(3) エリア別の特徴と交通利便性
各エリアの特徴は以下の通りです。
- 北区: 北海道大学があり、教育環境が整っている。地下鉄南北線・東豊線が利用可能
- 西区: 住宅街が多く、ファミリー層に人気。JR函館本線・地下鉄東西線が利用可能
- 東区: 比較的家賃を抑えられるエリア。地下鉄東豊線で札幌駅・大通駅へアクセス良好
戸建て賃貸のメリット・デメリット|庭・駐車場・ペット可物件
(1) メリット(騒音を気にせず生活、庭・駐車場付き、ペット可物件が多い)
戸建て賃貸の主なメリットは以下の通りです。
- 騒音を気にせず生活できる: 階下への騒音を気にする必要がなく、子育てに適している
- 庭・駐車場付き物件が多い: 家庭菜園、子供の遊び場、車の保管が可能
- ペット可物件が多い: マンション・アパートと比べてペット飼育可能な物件が見つかりやすい
- プライバシーが保たれる: 隣家との距離があり、独立した生活空間
(2) デメリット(雪かきが必要、維持管理の手間、定期借家契約が多い)
一方で、以下のデメリットもあります。
- 雪かきが必要: マンションと異なり除雪作業が居住者の負担になる
- 維持管理の手間: 庭の草刈り、外壁・屋根のメンテナンス等
- 定期借家契約が多い: 3-5年後に必ず退去する必要がある物件が多い
- 暖房費が高額: 戸建ては断熱性能が低い物件もあり、暖房費が高くなる可能性
(3) ファミリー層に適した理由(子育て環境)
戸建て賃貸は、騒音を気にせず子育てができるため、ファミリー層に適しています。庭で子供を遊ばせたり、ペットを飼ったりできる点も大きなメリットです。
ただし、雪かきや維持管理の手間を考慮し、契約形態(定期借家契約か普通借家契約か)を事前に確認することが重要です。
北海道特有の注意点|暖房費・雪かき・冬の厳しさ
(1) 暖房費の実態(全国平均の約4倍、ガス月8,000-10,000円、プロパン最大50,000円)
北海道の暖房費は全国平均の約4倍で、冬(1-3月)は夏場の1.8倍の光熱費がかかります。
暖房種別による月額の目安は以下の通りです。
- ガス暖房(都市ガス): 月8,000-10,000円
- プロパンガス: 最大50,000円に達するケースも
- 灯油暖房: 月5,000-8,000円(灯油価格の変動に注意)
- 電気暖房: 月10,000-15,000円
物件選びの際は、暖房種別(ガス・灯油・電気)と都市ガス/プロパンガスの確認が必須です。
(2) 暖房費を抑える物件選び(南向き・鉄筋コンクリート・都市ガス)
暖房費を抑えるには、以下のポイントで物件を選びましょう。
- 南向きの物件: 日当たりが良く、暖房効率が高い
- 鉄筋コンクリート造: 断熱性能が高く、暖房費を抑えられる
- 都市ガス物件: プロパンガスより安価
- 窓の断熱対策: 気泡緩衝材、窓パネル、隙間テープで熱の逃げを防ぐ
内見時に、窓の大きさ・断熱性能、暖房設備の種類を確認することをおすすめします。
(3) 雪かき・冬の厳しさ(-10度以下、吹雪、路面凍結)
札幌の冬は-10度以下が当たり前で、吹雪で前が見えなくなる日もあります。路面凍結によるスリップ事故のリスクもあるため、冬用タイヤや滑り止めの準備が必要です。
戸建ては、玄関前や駐車場の雪かきが居住者の負担になります。マンションでは管理組合が除雪するため、雪かきの手間を避けたい場合はマンション・アパートも検討しましょう。
移住前に、冬の札幌を実際に訪れて厳しさを体感することを推奨します。
まとめ|札幌の戸建て賃貸選びのポイントと契約前の確認事項
札幌の戸建て賃貸の家賃相場は平均10.5万円で、間取り別では1LDK/2K/2DKが8.42万円、3LDK/4K以上が12.24万円です。北区、西区、東区に物件が多く、麻生駅・発寒南駅・栄町駅周辺が人気エリアです。
戸建て賃貸は、騒音を気にせず生活でき、庭・駐車場・ペット可物件が多いメリットがある一方で、雪かきが必要、暖房費が高額(全国平均の約4倍)、定期借家契約が多いというデメリットもあります。
物件選びでは、暖房種別(都市ガス推奨)、南向き・鉄筋コンクリート造の物件、契約形態(定期借家契約か普通借家契約か)を重点的にチェックしましょう。移住前に冬の札幌を下見し、厳しさを体感することをおすすめします。信頼できる不動産会社や宅地建物取引士に相談しながら、無理のない物件選びを進めましょう。
