不動産会社のトラブル事例と避けるべき業者の見分け方

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/30

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「危ない不動産会社」を見分ける重要性とリスク

不動産売買や賃貸を検討する際、「この不動産会社は信頼できるのか」「悪質業者とのトラブルを避けるにはどうすればいいのか」と不安を感じる方は少なくありません。

この記事では、行政処分を受けた業者を公式に確認できる国土交通省ネガティブ情報検索サイトの活用方法、悪徳不動産会社の手口、信頼できる業者を選ぶポイント、トラブル時の相談先を解説します。

特定業者のリストではなく、消費者自身が判断できる「見分け方」と「確認方法」を、公的データベースを中心に提供します。

この記事のポイント

  • 国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」で行政処分を受けた業者を公式に確認できる(平成18年12月19日以降の処分が対象)
  • 悪徳業者の手口として、おとり広告、契約の強引な勧誘、高額査定による囲い込み、重要事項説明の省略等がある
  • 信頼できる業者の特徴は、デメリット・リスクを正直に伝える、重要事項説明を丁寧に行う、契約を急がせないこと
  • トラブル時は国民生活センター(消費者ホットライン188)、全国宅地建物取引業協会連合会、各都道府県の宅建協会に相談可能
  • 口コミ評価だけでなく、複数の情報源を確認して総合的に判断することが重要

(1) 不動産トラブルの実態と金銭リスク

不動産取引は高額な取引であるため、トラブルが発生すると大きな金銭的損失が生じる可能性があります。

主なトラブル事例:

  • おとり広告: 実際には募集していない好条件の物件で集客し、来店後に別物件を提案
  • 敷金トラブル: 退去時に原状回復費を水増し請求される
  • 囲い込み: 高額査定で媒介契約を結んだ後、大幅値下げを要求される
  • 重要事項説明の省略: 契約後に不利な条件が判明する

これらのトラブルを避けるためには、事前に業者の信頼性を確認することが重要です。

(2) 公的リストと民間口コミの違い

不動産会社の信頼性を確認する方法には、公的リストと民間口コミの2種類があります。

公的リスト(ネガティブ情報検索サイト):

  • 国土交通省が運営する公式サイト
  • 行政処分を受けた業者を検索可能
  • 客観的な事実に基づいた情報

民間口コミ(Google、不動産ポータルサイト等):

  • 実際の利用者の評価
  • 主観的な意見が含まれる
  • 極端に悪い評価がないかを確認

両方を併せて確認することで、より正確な判断が可能になります。

(3) 特定業者名ではなく「見分け方」が重要な理由

特定の業者名を挙げた批判は、名誉毀損リスクがあります。また、行政処分を受けた会社でも処分後に改善している場合もあれば、処分を受けていない会社でも問題がある場合もあります。

そのため、特定業者のリストに頼るのではなく、消費者自身が「見分け方」を習得し、個別に判断することが重要です。

国土交通省ネガティブ情報検索サイトの活用方法

(1) ネガティブ情報検索サイトとは何か

ネガティブ情報等検索サイトは、国土交通省が運営する、行政処分を受けた宅地建物取引業者を検索できる公式サイトです。

(出典: 国土交通省 ネガティブ情報等検索サイト

対象:

  • 国土交通大臣が行政処分を行った宅地建物取引業者
  • 平成18年12月19日以降の処分が検索可能

(2) 検索方法と検索できる情報

検索項目:

  • 処分日
  • 業者免許番号
  • 商号(会社名)
  • 本店所在地
  • 処分内容(免許取消・業務停止・指示)

検索方法は簡単で、会社名や免許番号を入力するだけで、過去の行政処分歴を確認できます。

(3) 行政処分の3種類(免許取消・業務停止・指示)

行政処分には、重い順に3種類があります。

処分種類 内容 重大度
免許取消 宅地建物取引業の免許を剥奪(営業不可) 最も重い
業務停止 一定期間(1ヶ月~1年)業務を停止 重い
指示 業務改善の指示(営業は継続可能) 比較的軽い

免許取消や業務停止の処分を受けた業者は、重大な違反があったと判断できます。

(4) 検索の限界と注意点

ネガティブ情報検索サイトの限界:

  • 都道府県知事の処分は対象外: 国土交通大臣の処分のみが対象(各都道府県のサイトで別途確認が必要)
  • 平成18年12月19日以降のみ: それ以前の処分は検索できない
  • 処分後の改善は反映されない: 処分後に改善している可能性もある

行政処分を受けた会社でも、処分後に営業を続けている場合があるため、口コミ等も併せて確認することが推奨されます。

悪徳不動産会社の9つの手口とトラブル事例

(1) おとり広告(釣り物件)

手口:

  • 実際には募集していない好条件の物件を広告
  • 問い合わせ後「その物件は埋まった」と言い、別物件を提案

見抜き方:

  • 相場より著しく安い物件は要注意
  • 複数の不動産サイトで同じ物件があるか確認
  • 問い合わせ時に「今すぐ内見できるか」を確認

(2) 契約の強引な勧誘

手口:

  • 「今日中に決めないと他の人に取られる」と契約を急がせる
  • 検討時間を与えず、その場で契約を迫る

見抜き方:

  • 検討時間を与えてくれるか確認
  • 「一度持ち帰って検討したい」と伝えた際の反応を見る

(3) 高額査定による囲い込み

手口:

  • 相場より高い査定額を提示して媒介契約を獲得
  • 契約後に「この価格では売れない」と大幅値下げを要求
  • 売主・買主双方から仲介手数料を得るため、他社への情報提供を拒否

見抜き方:

  • 複数社に査定を依頼し、相場を把握
  • 著しく高い査定額を提示する業者は要注意
  • 一般媒介契約(複数社に依頼可能)も検討

(4) 重要事項説明の省略・不十分な説明

手口:

  • 重要事項説明を形式的にしか行わない
  • 不利な条件(特約事項等)を説明しない
  • 契約後に「説明した」と主張

見抜き方:

  • 重要事項説明書を事前に受け取り、隅々まで確認
  • 不明点を質問し、丁寧に回答してくれるか確認
  • 宅地建物取引士の資格証を確認(重要事項説明は宅建士が行うことが法律で義務付けられている)

(5) 敷金・申込金トラブル

手口:

  • 退去時に原状回復費を水増し請求
  • 申込金を支払わせた後、返金を拒否

見抜き方:

  • 契約前に原状回復範囲を明確に確認
  • 申込金は契約不成立時に返金されることを書面で確認
  • 退去時の費用負担について事前に説明があるか確認

(6) その他の悪徳手口(原状回復費の水増し請求等)

その他にも、以下のような手口が報告されています。

  • 礼金・更新料の過大請求: 相場より高額な初期費用を請求
  • 契約書の改ざん: 口頭で約束した内容と契約書の内容が異なる
  • 物件の瑕疵を隠す: 雨漏り、騒音等の問題を説明しない

信頼できる不動産会社を選ぶ5つのポイント

(1) デメリット・リスクを正直に伝えるか

信頼できる業者は、物件のメリットだけでなく、デメリット・リスクも正直に伝えます。

確認ポイント:

  • 物件の欠点(築年数、設備の古さ、騒音等)を説明するか
  • 周辺環境のリスク(治安、災害リスク等)を説明するか
  • 契約上の注意点(特約事項、更新料、退去時費用等)を説明するか

デメリットを自発的に伝える担当者は、信頼性が高いと判断できます。

(2) 重要事項説明を丁寧に行うか

重要事項説明は、宅地建物取引業法第35条で義務付けられています。

確認ポイント:

  • 重要事項説明書を事前に受け取れるか
  • 説明時間を十分に確保しているか(1時間以上が目安)
  • 不明点を質問しやすい雰囲気か
  • 書面の隅々まで確認させてくれるか

形式的な説明だけで済ませる業者は要注意です。

(3) 契約を急がせず、検討時間を与えるか

信頼できる業者は、顧客に十分な検討時間を与えます。

確認ポイント:

  • 「今日中に決めないと」と契約を急がせないか
  • 「一度持ち帰って検討したい」と伝えた際、快く応じてくれるか
  • 複数物件を比較する時間を与えてくれるか

契約を急がせる業者は、後からトラブルが発生する可能性があります。

(4) 口コミ評価を複数サイトで確認する

口コミ評価は、実際の利用者の声を知る有効な手段です。

確認ポイント:

  • Google口コミ、不動産ポータルサイト、SNS等で複数サイトを確認
  • 極端に悪い評価(詐欺、トラブル等)がないか
  • 良い評価・悪い評価の両方を読み、総合的に判断

注意点: 口コミは主観的な意見が含まれるため、担当者によって対応が異なる場合があることを認識しておく必要があります。

(5) 宅建協会加入や業界認定の有無

宅建協会への加入や業界認定は、一定の信頼性の目安になります。

確認ポイント:

  • 全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)への加入
  • HOME'S優良店認定、オリコン顧客満足度調査等の業界評価
  • 宅地建物取引士の資格者が在籍しているか

これらの認定を受けている業者は、業界基準を満たしていると判断できます。

トラブルに遭った場合の相談先と対処法

(1) 国民生活センター(消費者ホットライン188)

国民生活センターは、消費者トラブルの無料相談窓口です。

連絡先: 消費者ホットライン「188」(全国共通番号)

相談内容:

  • 欠陥住宅
  • 契約・退去時の金銭トラブル
  • リフォーム詐欺
  • その他の不動産トラブル

(出典: 国民生活センター 土地・住宅・賃貸住宅・住宅修理

(2) 全国宅地建物取引業協会連合会の無料相談

**全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)**は、宅地建物取引業者が加入する業界団体で、不動産トラブルの無料相談・苦情解決サービスを提供しています。

(出典: 全宅連 無料相談

(3) 各都道府県の宅建協会

各都道府県にも宅建協会があり、地域の不動産トラブルに対応しています。

管轄の宅建協会に連絡することで、具体的なアドバイスや仲裁サービスを受けられる場合があります。

(4) 弁護士への相談(法的対応が必要な場合)

金銭トラブルが深刻な場合や、訴訟を検討する場合は、弁護士への相談が必要です。

相談方法:

  • 法テラス(日本司法支援センター)の無料法律相談
  • 不動産トラブルに詳しい弁護士を探す
  • 初回相談無料の法律事務所を活用

まとめ:安全な不動産取引のための自衛策

不動産取引でトラブルを避けるためには、事前に業者の信頼性を確認することが重要です。

国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」で行政処分を受けた業者を公式に確認できます(平成18年12月19日以降の処分が対象)。ただし、都道府県知事の処分は対象外のため、各都道府県のサイトで別途確認が必要です。

悪徳業者の手口として、おとり広告、契約の強引な勧誘、高額査定による囲い込み、重要事項説明の省略等があります。これらの手口を事前に知っておくことで、被害を防ぐことができます。

信頼できる業者の特徴は、デメリット・リスクを正直に伝える、重要事項説明を丁寧に行う、契約を急がせないことです。口コミ評価を複数サイトで確認し、宅建協会加入や業界認定の有無も判断材料になります。

トラブルに遭った場合は、国民生活センター(消費者ホットライン188)、全国宅地建物取引業協会連合会、各都道府県の宅建協会に相談できます。法的対応が必要な場合は弁護士への相談も検討しましょう。

特定業者のリストに頼るのではなく、消費者自身が「見分け方」を習得し、複数の情報源を確認して総合的に判断することが、安全な不動産取引の鍵です。

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よくある質問

Q1「危ない不動産会社リスト」は公式に存在しますか?

A1国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」で行政処分を受けた業者を検索できます(平成18年12月19日以降の処分が対象)。ただし、国土交通大臣の処分のみが対象で、都道府県知事の処分は各都道府県のサイトで別途確認が必要です。また、処分後も営業を続けている場合があるため、口コミ等も併せて確認することを推奨します。行政処分の種類は、免許取消(最も重い)、業務停止(重い)、指示(比較的軽い)の3種類があります。

Q2おとり広告(釣り物件)を見抜く方法は?

A2相場より著しく安い物件は要注意です。問い合わせ後「その物件は埋まった」と言われ別物件を勧められる場合は典型的なおとり広告です。複数の不動産サイトで同じ物件があるか確認すること、問い合わせ時に「今すぐ内見できるか」を確認することが有効です。おとり広告は宅地建物取引業法で禁止されており、発覚すると行政処分の対象になります。

Q3契約前に必ず確認すべきことは?

A3重要事項説明を丁寧に受ける(1時間以上が目安)、デメリット・リスクの説明があるか、契約を急がせないか(「今日中に決めないと」等の発言がないか)、書面の隅々まで確認できるか、初期費用の内訳(敷金・礼金・仲介手数料・保証料等)が明確かをチェックしてください。重要事項説明は宅地建物取引士が行うことが法律で義務付けられているため、資格証を確認することも重要です。不安があれば専門家(弁護士・宅建士)への相談を推奨します。

Q4不動産トラブルに遭った場合、どこに相談すればよいですか?

A4国民生活センター(消費者ホットライン188)、全国宅地建物取引業協会連合会の無料相談、各都道府県の宅建協会が主な相談窓口です。これらは無料で相談できます。金銭トラブルが深刻な場合や訴訟を検討する場合は、弁護士への相談が必要です。法テラス(日本司法支援センター)の無料法律相談や、不動産トラブルに詳しい弁護士を探すことをおすすめします。

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Room Match編集部

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