不動産業界のアルバイトとは
不動産業界で働くことに興味があるが、未経験から始められるのか不安に感じる方は少なくありません。実は、不動産業界のアルバイトは未経験者でも応募可能な求人が多く、学生やフリーター、転職を検討している方にも適した働き方です。
この記事のポイント
- 不動産アルバイトは未経験歓迎の求人が多く、宅地建物取引士等の資格がなくても始められる
- 時給は比較的高めで、東京都平均1,596円、大阪府平均1,283円（2024年時点）
- 仕事内容は事務作業が中心で、営業職と違いノルマがないためプレッシャーが少ない
- 水曜定休が多く、週末休みが少ない点や顧客クレーム対応がある点に注意
- 宅地建物取引士の資格を取得すれば、資格手当や将来のキャリアアップに繋がる
(1) 未経験でも応募可能な理由
日本中央住販によると、不動産アルバイトの多くは資格や業界知識がなくても応募可能です。基本的に営業職の事務作業をサポートする業務が中心のため、未経験者でも無理なく始められます。
求人サイトでは「未経験歓迎」の文言が多く見られ、求人ボックスによると、東京都だけで42,810件の未経験歓迎求人があります（2024年時点）。
(2) 営業職との違い（事務作業が中心）
不動産業界と聞くと「営業ノルマが厳しい」というイメージを持つ方もいますが、アルバイトの多くは事務職であり、営業職とは異なります。営業職のように物件を売り込むノルマはなく、データ入力や書類作成といった事務作業が中心です。
そのため、営業が苦手な方でも働きやすい環境です。
仕事内容の種類
不動産アルバイトの仕事内容は多岐にわたりますが、基本的には事務作業が中心です。以下に代表的な業務を紹介します。
(1) データ入力・Excel書類作成
不動産人材.comでは、Excel書類作成やデータ入力が主な業務として紹介されています。テンプレートが用意されている場合が多く、未経験者でも取り組みやすい作業です。
物件情報の登録、顧客データベースの更新、売上データの集計等が含まれます。
(2) 契約書類のサポート（重要事項説明書・売買契約書等）
重要事項説明書や売買契約書等の不動産書類の作成をサポートします。不動産人材.comによると、テンプレートに沿って記入する作業が中心のため、専門知識がなくても対応可能です。
ただし、契約書類は小さなミスが大きな損害につながるため、正確性が求められます。
(3) 書類のスキャン・保存・ファイリング
契約書や物件資料をスキャンしてデータ化し、適切に保存・ファイリングします。紙の書類を整理する作業も含まれ、事務作業の基本的なスキルが活かせます。
(4) 電話対応・受付業務
顧客からの問い合わせに対応したり、来店されたお客様を受付したりする業務です。コミュニケーション能力が求められますが、マニュアルが用意されている場合が多く、未経験者でも徐々に慣れることができます。
(5) 物件撮影（スマートフォン撮影）
近年増加しているのが、スマートフォンで物件の外観・内観を撮影する物件撮影アルバイトです。車両やスクーターが貸与される場合が多く、外回りが好きな方に適しています。
時給相場と待遇
不動産アルバイトの時給は、他の業種と比べて比較的高めです。ただし、地域や企業により異なります。
(1) 地域別時給相場（東京・大阪・その他）
バイトルによると、2024年時点の東京都の平均時給は1,596円、大阪府は1,283円です。
地方都市ではこれよりやや低くなる傾向がありますが、それでも他の事務職と比較して高時給の求人が多いです。
| 地域 | 平均時給 | 備考 |
|---|---|---|
| 東京都 | 1,596円 | 2024年時点（バイトル調べ） |
| 大阪府 | 1,283円 | 2024年時点（バイトル調べ） |
| その他地方都市 | 1,100円～1,300円 | 地域により異なる |
(2) 宅地建物取引士の資格手当
宅地建物取引士（宅建士）の資格を持っていれば、資格手当が支給される場合があります。手当の金額は企業により異なりますが、月額1万円～3万円程度が一般的です。
資格取得支援制度を設けている企業もあり、働きながら資格を取得できる環境が整っている場合もあります。
(3) 勤務時間とシフトの柔軟性
求人ボックスによると、10時～18時の勤務時間で残業少なめの求人が多く見られます。週末のみ勤務可能な求人もあり、学生や主婦にも適しています。
シフトの柔軟性は企業により異なるため、面接時に確認することをおすすめします。
(4) 休日（水曜定休が多い）
不動産業界では水曜日を定休日とする企業が多く、火水休み、日水休み等が一般的です。土日は来店客が多いため、週末休みを希望する方には不向きな場合があります。
ただし、週末のみ勤務可能な求人もあるため、ライフスタイルに合わせて選ぶことができます。
必要なスキルと資格
不動産アルバイトに必要なスキルと資格は、以下の通りです。
(1) 宅地建物取引士資格（必須ではないがあると有利）
宅地建物取引士資格は、不動産取引の専門家資格です。必須ではありませんが、資格を持っていると時給アップや将来のキャリアアップに繋がります。
資格取得支援制度がある企業では、働きながら資格を取得できます。
(2) コミュニケーション能力
日本中央住販では、コミュニケーション能力が重視されると説明されています。電話対応や受付業務があるため、基本的な対人スキルが求められます。
(3) 細かい作業への正確性
契約書類や数値のチェック等、小さなミスが大きな損害につながる細かい作業が多いです。正確性を重視し、丁寧に作業できる方に向いています。
(4) Excel等の基本的なPCスキル
Excel書類作成やデータ入力があるため、基本的なPCスキル（Excel、Word等）があると有利です。ただし、高度なスキルは不要で、テンプレートに沿って入力できれば十分です。
求人の探し方と注意点
不動産アルバイトの求人を探す際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
(1) 主要求人サイト（バイトル・タウンワーク・求人ボックス等）
主要な求人サイトとしては、以下が挙げられます。
これらのサイトで「不動産 アルバイト 未経験」等のキーワードで検索すると、多数の求人が見つかります。
(2) きついと言われる理由（顧客クレーム・細かい作業・週末休み少ない）
宅建Jobマガジンでは、不動産事務が「きつい・辛い・忙しい」と表現されることがあると説明されています。
理由としては以下が挙げられます。
- 顧客クレームがメンタル的に負担: 不動産取引は高額で長期の支払いとなるため、顧客のクレームが厳しい場合があります。
- 細かい作業でミスが許されない: 契約書類や数値のチェック等、小さなミスが大きな損害につながります。
- 週末休みが少ない: 水曜定休が多く、土日休みではないため、一般的な休日カレンダーとは異なります。
(3) ブラック企業の見分け方
不動産業界は離職率が高く、いわゆる「ブラック企業」が存在する可能性もあります。以下のポイントで見分けましょう。
- 求人情報に「残業時間」「休日日数」が明記されているか
- 面接時に「労働条件」を詳しく説明してくれるか
- 口コミサイト（OpenWork、転職会議等）で評判を確認する
(4) 面接時の確認ポイント
面接時には、以下の点を確認することをおすすめします。
- 残業時間・残業代の有無
- シフトの柔軟性（希望休の取りやすさ）
- 宅地建物取引士の資格取得支援制度の有無
- 研修制度・マニュアルの充実度
まとめ：不動産アルバイトに向いている人
不動産アルバイトは、未経験者でも応募可能で、比較的高時給の求人が多い魅力的な働き方です。事務作業が中心のため、営業が苦手な方でも働きやすい環境です。
ただし、顧客クレーム対応や細かい作業への正確性が求められる点、週末休みが少ない点には注意が必要です。面接時に労働条件をしっかり確認し、自分に合った職場を選びましょう。
宅地建物取引士の資格を取得すれば、資格手当や将来のキャリアアップに繋がります。不動産業界でキャリアを築きたい方は、アルバイトから始めてみるのも良い選択肢です。