不動産事務の仕事内容|業務の流れ・必要スキル・資格・キャリア

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/25

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

不動産事務とは|業界における役割と重要性

不動産業界への転職・就職を検討する際、「不動産事務」という職種を目にする機会があります。しかし、具体的にどのような業務を担当するのか、未経験でも応募できるのか、資格は必要なのかといった疑問を持つ方は少なくありません。

この記事では、不動産事務の仕事内容、必要なスキル、役立つ資格、キャリアパスを、業界の求人情報や統計データを元に解説します。

不動産事務の全体像を理解することで、自分に合った職種かどうかを判断できるようになります。

この記事のポイント

  • 不動産事務とは、顧客対応・契約書類作成・物件情報管理・営業サポート等を行う事務職
  • 賃貸と売買で業務内容が異なり、応募前に確認が重要
  • 未経験歓迎の求人が多く、30代未経験でも転職可能(人材ニーズが高い)
  • 宅地建物取引士(宅建士)の資格は必須ではないが、月1~5万円の資格手当が付与される企業が多い
  • 平均年収は384~428万円(地域差あり)で、資格取得・業務範囲の拡大でキャリアアップが可能

不動産事務の仕事内容|賃貸・売買での業務の違い

(1) 顧客対応・来客対応

不動産事務の主な業務の一つが、顧客対応です。

具体的な業務:

  • 来店されたお客様の受付・案内
  • 電話・メール対応
  • 問い合わせへの回答
  • 契約手続きの説明

不動産は高額な取引を扱うため、正確で丁寧な対応が求められます。

(2) 契約書類作成・書類管理

契約書類の作成と管理も、不動産事務の重要な業務です。

具体的な業務:

  • 賃貸借契約書、売買契約書の作成
  • 重要事項説明書の準備
  • 契約書類のファイリング・管理
  • 関係書類の整理・保管

契約書類は法的な効力を持つため、ミスが許されず、正確性とスピードが求められます。

(3) 物件情報管理・データ入力

物件情報の管理とデータ入力も日常業務に含まれます。

具体的な業務:

  • REINS(レインズ)への物件情報登録
  • 社内システムへのデータ入力
  • 物件情報の更新・削除
  • 顧客データの管理

**REINS(レインズ)**とは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)のことで、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する物件情報データベースです。

(4) 営業スタッフのサポート

不動産事務は、営業スタッフのサポート業務も担当します。

具体的な業務:

  • 営業資料の作成
  • 物件案内の予約調整
  • 顧客情報の共有
  • スケジュール管理

営業スタッフが円滑に業務を進められるよう、事務面からサポートします。

(5) 賃貸と売買での業務内容の違い

不動産事務は、賃貸と売買で業務内容が異なります。

項目 賃貸 売買
契約書類 賃貸借契約書、更新契約書 売買契約書、重要事項説明書
取引頻度 比較的短期間で成約 長期的な商談が多い
取引金額 家賃数万~数十万円 数百万~数千万円
専門知識 賃貸借に関する法令 売買・税金・登記に関する法令

賃貸と売買では扱う書類や専門知識が異なるため、応募前に業務内容を確認することが重要です。

(出典: 宅建Jobマガジン「不動産事務で働くのはやめたほうがいい? 仕事内容や向いてる人の特徴を解説!」

不動産事務に必要なスキル|求められる能力とコミュニケーション力

(1) コミュニケーション能力

不動産事務では、顧客や営業スタッフとのコミュニケーションが日常的に発生します。

求められる能力:

  • お客様への丁寧な対応
  • 営業スタッフとの円滑な情報共有
  • 電話・メールでの適切な言葉遣い

未経験でも応募できる企業が多く、大切なのは仕事に対する姿勢やコミュニケーション能力です。

(出典: 不動産人材.com「未経験OK!不動産業界の事務職について解説します」

(2) 正確性とスピード|高額取引を扱うためミスが許されない

不動産は高額な取引を扱うため、正確性とスピードが求められます。

求められる能力:

  • 契約書類の正確な作成
  • データ入力のミス防止
  • 期限を守った業務遂行

一つのミスが大きなトラブルにつながる可能性があるため、細心の注意が必要です。

(3) 基本的なPC操作スキル

不動産事務では、Word、Excel、PowerPointなどの基本的なPC操作スキルが求められます。

求められるスキル:

  • Word: 契約書類の作成
  • Excel: 顧客データの管理、物件情報の整理
  • PowerPoint: 営業資料の作成

高度なスキルは不要ですが、基本操作ができることが前提です。

(4) 専門知識の習得意欲

不動産事務は、一般事務と比べて専門知識の習得が必要です。

学習が必要な知識:

  • 賃貸借契約・売買契約に関する法令
  • 仲介手数料の計算方法
  • 宅地建物取引業法の基礎
  • 2024年施行の法改正(相続登記の義務化、働き方改革関連法等)

(出典: 東洋経済オンライン「2024年、不動産関連"知っておきたい"法改正5つ」

専門知識の習得が必要なため、一般事務より学習負担が大きいですが、未経験からでも学べる環境がある企業が多いです。

不動産事務で役立つ資格|宅建士・その他の資格

(1) 宅地建物取引士(宅建士)|設置義務と資格手当

**宅地建物取引士(宅建士)**とは、不動産取引の専門家資格です。

宅建士の設置義務: 宅地建物取引業法により、不動産会社は従業員5人につき1人以上の宅建士を配置する義務があります。

(出典: スタディングキャリア「不動産業界で役立つ資格7選!事務職にも資格は必要?」

資格手当の相場:

  • 月1~5万円が一般的
  • 企業によっては3万円程度

(出典: LEC東京リーガルマインド「不動産業界で役立つ資格は?<10選>宅建や国家資格の難易度・メリット」

資格取得は必須ではありませんが、月1~5万円程度の資格手当が付与される企業が多いです。

(2) その他の役立つ資格|簿記・ビジネス実務法務等

宅建士以外にも、以下の資格が役立ちます。

資格名 内容 メリット
日商簿記検定 会計・経理の知識 財務関連業務に役立つ
ビジネス実務法務検定 法律の基礎知識 契約書類の理解に役立つ
ファイナンシャルプランナー(FP) 住宅ローン・税金の知識 顧客相談に役立つ

これらの資格は必須ではありませんが、業務の幅を広げることができます。

(3) 資格がないと携われない業務の範囲

宅建士の資格がないと、以下の業務には携われません。

宅建士の独占業務:

  1. 重要事項の説明
  2. 重要事項説明書への記名・押印
  3. 契約書への記名・押印

(出典: スタディングキャリア「不動産業界で役立つ資格7選!事務職にも資格は必要?」

資格がないと一部の業務に携われないため、業務範囲が制限される可能性があります。

(4) 資格取得のメリット|昇進・給与面での優遇

長期的なキャリアを考えるなら資格取得は推奨されます

メリット:

  • 資格手当(月1~5万円)が支給される
  • 昇進や給与面で優遇されやすい
  • 業務範囲が広がる
  • 転職時に有利

(出典: LEC東京リーガルマインド「不動産業界で役立つ資格は?<10選>宅建や国家資格の難易度・メリット」

不動産事務のキャリアパス|年収・未経験からのステップアップ

(1) 平均年収|384~428万円(地域差あり)

不動産事務の平均年収は、調査により差がありますが、以下のデータが報告されています。

項目 金額
平均年収 384~428万円
月給換算 約36万円
初任給 約22万円
平均時給(派遣) 1,494円

(出典: 給料ナビ「不動産事務の仕事の平均年収は428万円/平均時給は1,178円!」

地域差:

  • 関西地方(滋賀県): 418万円(高め)
  • 宮崎県: 298万円(低め)

(出典: 住宅・不動産お仕事ナビ「不動産事務の年収は?職種別の給与相場と転職後の仕事内容を徹底解説」

不動産業界全体の平均年収は514万円ですが、これは営業職のインセンティブが平均を引き上げているためです。

(2) 未経験からの転職可否|人材ニーズが高い

30代未経験でも不動産業界の事務職への転職は可能です。

未経験歓迎の理由:

  • 人員拡大が進んでおり人材ニーズが高い
  • 大切なのは仕事に対する姿勢やコミュニケーション能力
  • 資格取得も必須ではない

(出典: スタディングキャリア「不動産業界で役立つ資格7選!事務職にも資格は必要?」

求人サイト(エン転職等)では、未経験歓迎の求人が豊富に掲載されています。

(3) キャリアアップの方法|資格取得・業務範囲の拡大

不動産事務からキャリアアップする方法は、以下の通りです。

キャリアアップの方法:

  1. 宅建士の資格取得: 月1~5万円の資格手当、業務範囲の拡大
  2. 業務範囲の拡大: 契約書類作成から重要事項説明まで担当
  3. 専門知識の習得: 2024年施行の法改正(相続登記の義務化等)を学ぶ
  4. 営業職への転向: インセンティブで年収アップの可能性

(4) 不動産事務がきついと言われる理由とメリット

きついと言われる理由:

  • クレーム対応がある
  • 繁忙期(3~4月、9~10月)は忙しい
  • 高額取引を扱うためミスが許されない
  • 専門知識の習得が必要

メリット:

  • ノルマがない(営業職と比べて精神的負担が少ない)
  • 未経験歓迎の求人が多い
  • 資格取得で年収アップが可能
  • 専門性が身につく

(出典: 宅建Jobマガジン「不動産事務で働くのはやめたほうがいい? 仕事内容や向いてる人の特徴を解説!」

まとめ|不動産事務への就職・転職を検討する際のポイント

不動産事務とは、顧客対応・契約書類作成・物件情報管理・営業サポート等を行う事務職です。賃貸と売買で業務内容が異なるため、応募前に確認することが重要です。

未経験歓迎の求人が多く、30代未経験でも転職可能です。宅地建物取引士(宅建士)の資格は必須ではありませんが、月1~5万円の資格手当が付与される企業が多く、長期的なキャリアを考えるなら取得が推奨されます。

平均年収は384~428万円(地域差あり)で、資格取得・業務範囲の拡大でキャリアアップが可能です。

不動産事務への就職・転職を検討する際は、賃貸か売買か、未経験歓迎か、資格取得のサポートがあるかを確認し、自分に合った企業を選びましょう。

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

広告

よくある質問

Q1不動産事務は未経験でも応募できますか?

A1はい、未経験歓迎の求人は多く、30代未経験でも転職可能です。不動産業界は人員拡大が進んでおり人材ニーズが高く、大切なのは仕事に対する姿勢やコミュニケーション能力です。基本的なPC操作スキル(Word・Excel)があれば、専門知識は入社後に学べる環境がある企業が多いです。求人サイト(エン転職等)では未経験歓迎の求人が豊富に掲載されています。

Q2不動産事務に資格は必要ですか?

A2資格取得は必須ではありませんが、宅地建物取引士(宅建士)があると有利です。資格手当は月1~5万円程度が一般的で、企業によって異なります。宅地建物取引業法により、不動産会社は従業員5人につき1人以上の宅建士を配置する義務があります。長期的なキャリアを考えるなら、資格取得は推奨されます。資格がないと重要事項説明等の一部業務に携われないため、業務範囲が制限される可能性があります。

Q3不動産事務の平均年収はいくらですか?

A3平均年収は384~428万円で、調査によって差があります。月給換算で約36万円、初任給は22万円程度です。地域差があり、関西地方(滋賀県418万円)が高め、宮崎県(298万円)が低めです。派遣の場合は平均時給1,494円程度です。資格取得(宅建士の資格手当で月1~5万円)や業務範囲の拡大でキャリアアップが可能です。不動産業界全体の平均年収は514万円ですが、これは営業職のインセンティブが平均を引き上げているためです。

Q4営業事務と不動産事務の違いは何ですか?

A4不動産事務は不動産業界に特化し、契約書類作成(賃貸借契約書、売買契約書)、物件情報管理(REINSへの登録)、顧客対応、営業サポート等の専門業務を担います。営業事務は一般的な営業サポート業務(見積書作成、顧客管理等)を行います。不動産事務は高額取引を扱うため正確性が重視され、専門知識(宅地建物取引業法、2024年施行の法改正等)の習得が必要です。一般事務より学習負担が大きいですが、専門性が身につくメリットがあります。

R

Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

関連記事