小樽市の土地購入が注目される理由
小樽市で土地購入を検討する際、「価格相場はどのくらいか」「北海道ならではの注意点は何か」といった疑問を持つ方は少なくありません。
北海道小樽市は、観光地として人気がある一方、土地価格は全国平均より低く、手頃な価格帯で土地を購入できる魅力があります。2025年の公示地価は平均3.95万円/㎡(13.0万円/坪)で、前年比+0.63%と上昇傾向にあります。
この記事では、小樽市の土地価格相場、エリア別の特性、北海道特有の雪対策を、国土交通省や小樽市公式サイトの公式情報を元に解説します。
この記事のポイント
- 小樽市の2025年公示地価は平均3.95万円/㎡(前年比+0.63%)で全国平均より低い
- 南小樽駅周辺が市内で最も地価が高く、郊外では価格が抑えられる
- 北海道特有の雪対策(除雪費用年5〜30万円)を考慮した資金計画が必須
- 小樽市公式サイト「でじ樽なび」で用途地域をオンライン確認可能
(1) 全国平均より低い土地価格
土地代データによると、小樽市の2025年公示地価平均は3.95万円/㎡(13.0万円/坪)で、全国平均と比較すると低い価格帯です。
住宅地は1.81万円/㎡(5.97万円/坪)、商業地は9.71万円/㎡(32.1万円/坪)と、用途別でも手頃な価格となっています。全国の主要都市と比べると、土地購入のハードルが低く、広い土地を確保しやすい点が魅力です。
(2) 観光地としての魅力と住環境
小樽市は、小樽運河や歴史的建造物が残る観光地として全国的に知名度が高く、住環境としても魅力があります。海と山に囲まれた自然豊かなエリアで、札幌市へのアクセスも良好です。
一方で、人口減少が進んでおり、住宅地の地価は-0.64%と下落傾向にあります(後述)。観光需要により商業地は+2.37%と上昇していますが、住宅地の資産価値には注意が必要です。
小樽市の土地価格相場と推移
(1) 2025年の公示地価(平均3.95万円/㎡、前年比+0.63%)
土地代データによると、小樽市の2025年公示地価平均は3.95万円/㎡(13.0万円/坪)で、前年比+0.63%と上昇しています。
ただし、用途別に見ると、住宅地は-0.64%と下落、商業地は+2.37%と上昇、工業地は+6.02%と大幅上昇しており、二極化が進行しています。
(2) 用途別の価格(住宅地1.81万円/㎡、商業地9.71万円/㎡)
用途別の公示地価は以下の通りです。
| 用途 | 公示地価(㎡単価) | 公示地価(坪単価) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 住宅地 | 1.81万円/㎡ | 5.97万円/坪 | -0.64% |
| 商業地 | 9.71万円/㎡ | 32.1万円/坪 | +2.37% |
| 工業地 | 1.18万円/㎡ | 3.90万円/坪 | +6.02% |
住宅地は人口減少の影響で下落傾向ですが、商業地は観光需要により上昇しています。
(3) 実際の取引価格(2024年Q1:5.26万円/坪)
SUUMOによると、2024年第1四半期の実際の取引価格は5.26万円/坪で、前年比-34.22%と大幅に下落しています。
これは、取引された物件の立地や面積が前年と異なるため、一概に比較できませんが、公示地価よりも低い価格帯で取引される物件もあることを示しています。SUUMOの報告では、坪単価平均は6.9万円です。
エリア別価格動向と特性
(1) 南小樽駅周辺(市内で最も地価が高い5.64万円/㎡)
南小樽駅周辺は、小樽市内で最も地価が高いエリアで、公示地価は5.64万円/㎡(約18.6万円/坪)です。
南小樽駅は、JR函館本線が通る主要駅で、札幌駅まで約40分とアクセスが良好です。駅周辺には商業施設や飲食店が揃っており、日常生活の利便性が高い点が人気の理由です。
(2) 小樽駅周辺
小樽駅は、観光の中心地で、小樽運河や歴史的建造物が近く、商業地として発展しています。駅周辺の商業地は地価が高めですが、住宅地は駅から離れると価格が抑えられる傾向があります。
(3) 朝里・手宮エリア
朝里エリアは、小樽市の東部に位置し、朝里川温泉やスキー場が近く、自然豊かな環境が魅力です。手宮エリアは、小樽港に近く、歴史的な町並みが残るエリアです。
これらのエリアは、駅から離れているため、地価は市内平均より低めですが、静かな住環境を求める方に適しています。
(4) 郊外エリア(蘭島駅周辺等)
蘭島駅周辺等の郊外エリアは、小樽市内で最も地価が低いエリアです。利便性は劣りますが、広い土地を低価格で確保できる点が魅力です。
自然豊かな環境で、別荘や移住を検討する方に選ばれています。ただし、冬季の除雪や買い物の利便性を考慮する必要があります。
土地購入の流れと注意点
(1) 土地購入の基本的な流れ
土地購入の基本的な流れは以下の通りです。
- 予算と希望条件の整理: 自己資金、住宅ローン借入額、希望エリアを明確化
- 物件探し: 不動産業者、ポータルサイト等で候補を絞る
- 現地確認: 実際に現地を訪問し、周辺環境・インフラを確認
- 重要事項説明: 宅建士から法規制、取引条件の説明を受ける
- 売買契約: 契約書の内容を確認し、手付金を支払う
- 決済・引渡し: 残代金を支払い、所有権移転登記を行う
(2) 用途地域の確認(でじ樽なび活用)
小樽市公式サイトによると、小樽市の用途地域は「でじ樽なび」というGIS(地理情報システム)でオンライン確認できます。
用途地域とは、都市計画法で定められた土地利用の区分で、住居系・商業系・工業系等があり、建築できる建物の種類や規模が制限されます。購入前に希望する建物が建てられるか必ず確認してください。
小樽市は札幌圏都市計画区域に含まれており、用途地域の詳細は小樽市公式サイトで確認できます。
(3) 現地確認のチェックポイント
土地購入前には、必ず現地確認を行うことを推奨します。以下のポイントをチェックしてください。
- 地盤の状態: 軟弱地盤の場合、地盤改良費用が必要
- 道路との接道: 建築基準法上の道路に2m以上接しているか(接道義務)
- 高低差: 擁壁工事や造成費用が発生する可能性
- 上下水道・ガス: インフラが整備されているか、引き込み費用の確認
- 日当たり・風通し: 周辺建物の影響を確認
- 積雪状況: 冬季の雪の量、雪捨て場の確保(北海道特有)
(4) 積雪状況の確認(冬の視察)
北海道の土地購入では、積雪状況の確認が重要です。秋・春の土地視察が推奨されますが、積雪状況を確認したい場合は、冬の現地確認も重要です。
雪の量、道路の除雪状況、雪捨て場の確保状況を実際に確認することで、冬季のランニングコストを把握できます。
北海道特有の雪対策と費用
(1) 除雪費用(年5〜30万円)
不動産連合隊ジャーナルによると、北海道の除雪費用は年5〜30万円が目安です。
自力で除雪する場合はコストを抑えられますが、体力的な負担が大きく、高齢者や共働き世帯では業者に依頼するケースが多いです。業者に依頼する場合、降雪量により費用が変動します。
(2) 雪捨て場の確保
除雪した雪を捨てる場所(雪捨て場)の確保が重要です。敷地内に雪捨て場を確保できない場合は、雪の運搬費用が別途発生します。
土地選びの際、敷地の広さと形状を考慮し、雪捨て場を確保できるかどうか確認してください。狭小地や変形地では、雪捨て場の確保が難しい場合があります。
(3) ロードヒーティング(初期・運用コスト)
ロードヒーティングとは、道路を加熱して雪を溶かすシステムです。除雪の手間が省けますが、初期費用(設置費用)と運用コスト(電気代・灯油代)が高額です。
北海道除雪費用の失敗事例によると、運用コストは年20〜30万円にのぼる場合があります。設置を検討する場合は、ランニングコストを含めた資金計画が必要です。
(4) 土地選びのポイント(雪対策の観点)
雪対策の観点から、土地選びのポイントは以下の通りです。
- 敷地の広さ: 雪捨て場を確保できる広さがあるか
- 道路との位置関係: 除雪車が通る道路に面しているか
- 日当たり: 南向きで日当たりが良いと、自然に雪が溶けやすい
- 駅や商業施設への距離: 冬季の移動を考慮し、除雪された道路で移動しやすいか
北海道での土地購入では、温暖地域出身者が見落としがちなコストです。雪対策のランニングコストを含めた資金計画を立ててください。
まとめ:小樽市での土地購入判断ポイント
小樽市の土地価格は、2025年公示地価平均3.95万円/㎡(前年比+0.63%)で、全国平均より低い価格帯です。住宅地は1.81万円/㎡(前年比-0.64%)と下落傾向ですが、商業地は9.71万円/㎡(前年比+2.37%)と上昇しています。
南小樽駅周辺が市内で最も地価が高く、郊外では価格が抑えられます。利便性重視なら駅近、コスト重視なら郊外が選択肢です。
北海道特有の雪対策(除雪費用年5〜30万円、雪捨て場の確保)を考慮した資金計画が必須です。小樽市公式サイト「でじ樽なび」で用途地域を確認し、専門家(宅建士、土地家屋調査士等)に相談しながら慎重に検討することを推奨します。
