大阪市の中古戸建て市場が注目される理由
大阪市で中古戸建ての購入を検討されている方の中には、「新築との価格差はどれくらいか」「エリアごとの相場はどう違うのか」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
大阪市の中古戸建て市場は、価格相場の上昇やリノベーション済み物件の人気拡大により、注目を集めています。この記事では、大阪市の中古戸建ての価格相場、エリア別比較、購入の流れ、注意点を解説します。初めて中古戸建てを購入する方でも、自分に合った物件選びができるようになります。
この記事のポイント
- 大阪市の中古戸建て平均価格は3,380万円(築10年・100m²)、大阪府平均より約10%高い
- 大阪府の中古戸建て価格は5年で24%上昇しており、2030年まで人口増加が見込まれる
- 平野区・東住吉区・阿倍野区が人気エリアで、物件数が多く価格も比較的手頃
- 購入前にホームインスペクション(5~7万円)を受けると、見えない問題を発見できる
- 新耐震基準(1981年6月以降)、できれば現行基準(2000年6月以降)の物件を選ぶのが安全
(1) 大阪府の中古戸建て価格は5年で24%上昇
大阪府の中古戸建て価格は、近年急速に上昇しています。
価格推移:
- 2020年頃: 平均約2,500万円程度
- 2025年時点: 平均3,080万円(大阪府全体)、3,380万円(大阪市)
- 5年間の上昇率: 約24%
価格上昇の背景には、以下の要因があります。
- 人口増加: 2030年まで大阪市・吹田市・箕面市・茨木市では人口増加が見込まれている
- 新築価格の高騰: 建築資材費・人件費の上昇により、新築との価格差が拡大
- リノベーション市場の成長: 中古住宅をリフォームして住む選択肢が浸透
今後も大阪市の中古戸建て市場は活況が続く可能性があります。
(2) 新築との価格差と子育て世帯のニーズ
新築戸建てと中古戸建ての価格差は、大阪市では約1,000万円~2,000万円程度です。
新築 vs 中古の比較:
| 項目 | 新築戸建て | 中古戸建て |
|---|---|---|
| 平均価格(大阪市) | 4,500万円~6,000万円 | 3,380万円 |
| メリット | 最新設備・保証充実 | 価格が安い・立地選択肢が多い |
| デメリット | 価格が高い・立地が郊外 | 築年数による劣化・修繕費用 |
子育て世帯のニーズ:
- 価格を抑えて広い間取りを確保したい
- 学区や通勤利便性を重視したい
- リノベーション前提で、自分好みにカスタマイズしたい
これらのニーズに中古戸建てが応えるため、子育て世帯の購入が増えています。
(3) リノベーション済み物件の人気拡大(2025年トレンド)
2025年10~11月リフォーム完成の物件が大阪市内で増加しており、リノベーション済み物件の人気が拡大しています。
人気のリノベーション内容:
- 食洗器・浴室乾燥機・床暖房付き
- オープンキッチン・リビング拡張
- 断熱性能向上(省エネ対応)
安心R住宅制度: 国土交通省が創設した「安心R住宅」制度により、インスペクション実施済み・リフォーム済みの中古住宅に「安心Rマーク」が付与されています。この制度により、中古住宅の「不安」「汚い」「わからない」のマイナスイメージが払拭されつつあります。
大阪市の中古戸建て基礎知識|価格相場とエリア比較
(1) 大阪市の平均価格相場:3,380万円(築10年・100m²)
大阪市の中古戸建ての平均価格相場は、築10年・100m²で約3,380万円です。
価格相場の内訳:
- 大阪府全体: 3,080万円
- 大阪市: 3,380万円(大阪府平均より約10%高い)
- 都心エリア(北区・中央区): 4,500万円~6,000万円
- 住宅エリア(平野区・東住吉区): 2,500万円~3,500万円
この相場は、築年数・立地・間取りにより大きく変動します。
(2) エリア別の価格比較:都心エリア vs 住宅エリア
大阪市24区は、都心エリアと住宅エリアに大別されます。
都心エリア(北区・中央区)の特徴:
- 価格帯: 4,500万円~6,000万円(新築並み)
- メリット: 通勤利便性抜群、商業施設充実、資産価値維持
- デメリット: 価格が高い、物件数が少ない、子育て環境は限定的
住宅エリア(平野区・東住吉区・阿倍野区)の特徴:
- 価格帯: 2,500万円~3,500万円
- メリット: 価格が手頃、物件数が多い、子育て環境充実
- デメリット: 都心への通勤時間が長い、駅から遠い物件もある
エリア選びのポイント:
- 通勤重視 → 都心エリア(北区・中央区)
- 子育て重視 → 住宅エリア(平野区・東住吉区・阿倍野区)
(3) 人気エリアの特徴(平野区・東住吉区・阿倍野区)
SUUMOによると、大阪市では平野区・東住吉区・阿倍野区が人気エリアです。
平野区の特徴:
- 物件数が多い(大阪市内で最も広い区)
- 価格が比較的手頃(2,500万円~3,000万円程度)
- 地下鉄谷町線・JR関西本線が利用可能
東住吉区の特徴:
- 子育て環境充実(公園・学校が多い)
- 地下鉄御堂筋線・谷町線が利用可能
- 価格帯は平野区と同程度
阿倍野区の特徴:
- 都心に近く、通勤利便性が高い
- 再開発により商業施設充実(あべのハルカス等)
- 価格はやや高め(3,000万円~4,000万円程度)
(4) 築年数と価格の関係
築年数は価格に大きく影響します。
築年数別の価格目安:
| 築年数 | 価格目安(100m²) | 特徴 |
|---|---|---|
| 築5年以内 | 4,000万円~5,000万円 | 新築並みの設備、保証が残っている |
| 築10年 | 3,000万円~3,500万円 | 設備はやや古いが使用可能 |
| 築20年 | 2,000万円~2,500万円 | リノベーション前提、耐震性要確認 |
| 築30年以上 | 1,500万円~2,000万円 | 大規模修繕・建て替え検討が必要 |
注意点:
- 築年数が古いほど安いが、修繕費用がかかる可能性がある
- 新耐震基準(1981年6月以降)、できれば現行基準(2000年6月以降)の物件を選ぶのが安全
(5) 物件検索サイトの活用法(SUUMO、HOME'S、アットホーム)
物件検索サイトを活用することで、大阪市の中古戸建て物件を効率的に探せます。
主要な検索サイト:
| サイト | 特徴 | 掲載件数(大阪市) |
|---|---|---|
| SUUMO | 物件数が多い、詳細条件検索 | 2,706件 |
| HOME'S | 沿線・駅別検索が便利 | 5,541件(大阪府全体) |
| アットホーム | 地域密着型の物件情報 | - |
活用のポイント:
- 複数のサイトを横断検索して、相場感を掴む
- 価格・間取り・築年数で絞り込み検索
- 気になる物件は「お気に入り登録」して比較
中古戸建て購入の流れとステップ
(1) 予算設定と住宅ローン事前審査
中古戸建て購入の第一歩は、予算設定と住宅ローン事前審査です。
予算設定のポイント:
- 物件価格だけでなく、諸費用(物件価格の6~8%)を見込む
- 月々の返済額は手取り収入の25%以内が目安
- 頭金は物件価格の10~20%程度が一般的
住宅ローン事前審査:
- 銀行や信用金庫に事前審査を申し込む(所要期間: 3~7日程度)
- 年収・勤続年数・他のローン残高等を確認
- 事前審査通過後、物件探しを本格化
(2) 物件探しと内覧のポイント
物件探しは、検索サイトや不動産会社を活用します。
物件探しの方法:
- SUUMO、HOME'S等の検索サイトで条件を絞り込む
- 不動産会社に希望条件を伝え、未公開物件を紹介してもらう
- 複数の不動産会社を併用する(選択肢を広げる)
内覧のチェックポイント:
- 建物の外観(ひび割れ、傾き等)
- 水回り(キッチン、浴室、トイレの状態)
- 床・壁の痛み、シミ
- 周辺環境(騒音、日当たり、近隣施設)
(3) ホームインスペクション(住宅診断)の実施
ホームインスペクションは、購入前に建物の状態を専門家が診断する制度です。
ホームインスペクションの概要:
- 国土交通省の定める講習を修了した建築士が実施
- 費用: 5~7万円
- 所要時間: 2~3時間
- 診断箇所: 水回り、屋根の水漏れ、床の痛み、シロアリ被害等
実施のメリット:
- 見えない問題を発見でき、購入後の高額修繕を防げる
- 診断結果を売主との価格交渉材料にできる
- 安心して購入できる
注意点:
- 法的義務ではないが、実施を強く推奨
- 診断結果が悪い場合は、購入を見送る選択肢も検討
(4) 購入申込みと売買契約
気に入った物件が見つかったら、購入申込みを行います。
購入申込み:
- 購入申込書(買付証明書)を不動産会社に提出
- 価格交渉(ホームインスペクション結果等を材料に)
- 売主が承諾したら、売買契約へ進む
売買契約:
- 不動産会社で重要事項説明を受ける(宅建士が説明)
- 売買契約書に署名・押印
- 手付金を支払う(物件価格の5~10%程度)
注意点:
- 重要事項説明は慎重に確認(不明点は必ず質問)
- 契約後のキャンセルは手付金が返還されない場合がある
(5) 住宅ローン本審査と決済・引き渡し
売買契約後、住宅ローン本審査を申し込みます。
住宅ローン本審査:
- 金融機関に本審査を申し込む(所要期間: 1~2週間程度)
- 売買契約書、重要事項説明書等の書類を提出
- 本審査通過後、金銭消費貸借契約(ローン契約)を締結
決済・引き渡し:
- 決済日に残金を支払い、物件の所有権が移転
- 登記手続き(所有権移転登記)を司法書士が行う
- 鍵の引き渡しを受け、入居可能に
諸費用・税金の詳細と税制優遇
(1) 諸費用の内訳(物件価格の6~8%)
中古戸建て購入時には、物件価格以外に諸費用がかかります。
諸費用の内訳:
| 項目 | 金額 | 説明 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格の3%+6万円+消費税 | 不動産会社に支払う手数料 |
| 登記費用 | 10万円~20万円 | 所有権移転登記、抵当権設定登記の費用 |
| 不動産取得税 | 固定資産税評価額の3% | 都道府県に納める税金 |
| 印紙税 | 1万円~3万円 | 売買契約書・ローン契約書に貼付 |
| 住宅ローン保証料 | 借入金額の2%程度 | 保証会社に支払う費用 |
| 火災保険 | 10万円~20万円 | 10年一括払いの場合 |
合計: 物件価格の6~8%程度(3,000万円の物件で180万円~240万円)
(2) 仲介手数料の計算方法
仲介手数料は、物件価格の3%+6万円+消費税が上限です。
計算例(物件価格3,000万円の場合):
- (3,000万円 × 3% + 6万円) × 1.1(消費税) = 105.6万円
(3) 登記費用と不動産取得税
登記費用:
- 所有権移転登記: 固定資産税評価額 × 2%(令和9年3月31日まで軽減措置)
- 抵当権設定登記: 借入金額 × 0.4%(令和9年3月31日まで軽減措置)
- 司法書士報酬: 5万円~10万円程度
不動産取得税:
- 税率: 固定資産税評価額 × 3%(令和9年3月31日まで軽減措置)
- 軽減措置: 一定要件を満たすと控除あり(築年数・床面積等)
(4) 住宅ローン控除(10年間で最大210万円)
住宅ローン控除は、年末のローン残高の0.7%を10年間にわたり所得税等から控除する制度です。
控除額の計算:
- 年末ローン残高 × 0.7% × 10年間
- 中古住宅では最大210万円の控除が可能
適用要件:
- 1981年6月以降の新耐震基準を満たす住宅、または耐震基準適合証明書を取得
- 床面積50m²以上
- 住宅ローンの返済期間が10年以上
詳細は税理士や税務署にご確認ください。
(5) 子育てエコホーム支援事業等の補助金制度
2024年時点で、以下の補助金制度があります。
子育てエコホーム支援事業:
- 対象: 子育て世帯(18歳未満の子供を持つ世帯)
- 補助額: リフォーム工事費用の一部を補助
- 申請: 施工業者が代理申請
注意点:
- 補助金制度は年度により変更される可能性がある
- 最新情報は国土交通省の公式サイトで確認を推奨
中古戸建て購入の注意点とよくある失敗
(1) 耐震性の確認:新耐震基準(1981年6月以降)と現行基準(2000年6月以降)
耐震性は、中古戸建て購入時の最重要チェックポイントです。
新耐震基準(1981年6月以降):
- 震度5強で損傷せず、震度6~7でも倒壊しない設計
- 旧耐震基準(1981年5月以前)は大規模地震で倒壊リスクあり
現行耐震基準(2000年6月以降):
- 新耐震基準よりも厳格な基準(地盤調査、接合部の金物使用等)
- できれば2000年6月以降の物件を選ぶのが安全
確認方法:
- 建築確認申請日を確認(不動産会社に問い合わせ)
- 旧耐震基準の場合は、耐震診断・耐震補強を検討
(2) 再建築不可物件の回避:接道義務の確認
再建築不可物件は、建て替えができず資産価値が大幅に低下します。
接道義務:
- 都市計画区域内では、幅4m以上の道路に2m以上接する必要がある
- 接道義務を満たしていない物件は、建て替えができない
確認方法:
- 購入前に自治体窓口で接道状況を確認
- 重要事項説明で「再建築可能か」を必ず確認
再建築不可物件のリスク:
- 住宅ローンが組めない場合がある
- 資産価値が大幅に低下
- 将来的に売却が困難
(3) ホームインスペクションの重要性(5~7万円)
ホームインスペクションは、購入後の高額修繕を防ぐために重要です。
診断内容:
- 水回り(キッチン、浴室、トイレ)の水漏れ
- 屋根の水漏れ、雨樋の破損
- 床・壁のひび割れ、傾き
- シロアリ被害、腐食
費用: 5~7万円(診断時間2~3時間)
実施のメリット:
- 購入後の修繕費用を予測できる
- 診断結果を価格交渉材料にできる
(4) 地盤と浸水リスクの事前確認(ハザードマップ、ジオダス)
地盤の強度や浸水リスクは、購入前に必ず確認してください。
確認方法:
- 国土交通省のハザードマップで浸水リスクを確認
- ジオダス(住宅地盤情報提供システム)で地盤の強度を確認
- KuniJiban(国土地盤情報検索サイト)で液状化リスクを確認
地盤が弱い土地のリスク:
- 地盤沈下により建物が傾く
- 地震時に液状化が発生
- 地盤改良工事(100万円~300万円)が必要
(5) 安心R住宅制度の活用
安心R住宅は、国土交通省が創設した制度で、インスペクション実施済み・リフォーム済みの中古住宅に「安心Rマーク」が付与されます。
安心R住宅のメリット:
- インスペクション済みで安心
- リフォーム済みで入居後すぐに住める
- 既存住宅売買瑕疵保険付きの物件が多い
(6) 既存住宅売買瑕疵保険の検討
既存住宅売買瑕疵保険は、購入後に瑕疵(欠陥)が見つかった場合の保険です。
保険の概要:
- 保険期間: 1年または5年
- 保険料: 5万円~10万円程度
- 保険金: 修繕費用の一部を補償
加入のメリット:
- 購入後の修繕費用リスクを軽減
- 住宅ローン控除の要件を満たす(1981年6月以前の物件でも適用可能)
まとめ:状況別の中古戸建て選び方
(1) 子育て世帯向け:住宅エリア(平野区・東住吉区)の選び方
子育て世帯には、平野区・東住吉区などの住宅エリアがおすすめです。
おすすめポイント:
- 価格が手頃(2,500万円~3,500万円)
- 子育て環境充実(公園・学校が多い)
- 物件数が多く、選択肢が豊富
選び方のコツ:
- 小学校・中学校の学区を確認
- 公園や病院が近いか確認
- 地域の治安を確認(地域の口コミサイト等を活用)
(2) 通勤重視:都心エリア(北区・中央区)の選び方
通勤を重視する場合は、都心エリア(北区・中央区)がおすすめです。
おすすめポイント:
- 通勤利便性抜群(梅田・本町等へのアクセス良好)
- 商業施設充実
- 資産価値が維持されやすい
選び方のコツ:
- 駅徒歩10分以内の物件を優先
- 築年数が古くても立地が良い物件を検討
- リノベーション前提で、築古物件も視野に入れる
(3) リノベーション前提:築古物件の選び方
リノベーション前提なら、築古物件で価格を抑えることができます。
おすすめポイント:
- 価格が安い(1,500万円~2,000万円程度)
- 自分好みにカスタマイズできる
- 立地が良い物件を選べる
選び方のコツ:
- 耐震性を最優先(新耐震基準以降、できれば現行基準)
- 再建築可能か確認
- リノベーション費用を見込んで予算設定(500万円~1,000万円程度)
(4) 次のアクション:専門家への相談ポイント
中古戸建て購入は高額な買い物のため、専門家への相談を推奨します。
相談すべき専門家:
- 宅建士(不動産会社): 物件探し、売買契約のサポート
- 建築士(ホームインスペクター): 建物の診断、耐震性の確認
- 税理士: 住宅ローン控除、税金の相談
- ファイナンシャルプランナー: 資金計画、住宅ローンの選び方
大阪市の中古戸建て市場は、価格相場の上昇やリノベーション済み物件の人気拡大により、注目を集めています。平均価格は3,380万円で、平野区・東住吉区・阿倍野区が人気エリアです。購入前にホームインスペクションを受け、新耐震基準(1981年6月以降)、できれば現行基準(2000年6月以降)の物件を選ぶことが重要です。
諸費用(物件価格の6~8%)を見込み、住宅ローン控除や補助金制度を活用することで、負担を軽減できます。再建築不可物件や地盤の弱い土地は避け、専門家(宅建士、建築士、税理士等)への相談を推奨します。


