目黒区が戸建て購入先として人気の理由
東京都内で戸建て住宅を購入する際、「ブランド力があり、住環境も良好なエリア」として目黒区が注目されています。都心へのアクセスが良好で、治安も良く、閑静な住宅街が広がる目黒区は、ファミリー層を中心に根強い人気があります。
この記事では、目黒区の戸建て市場の価格相場、エリア別の特性、物件選びのポイントを、不動産データや地域情報を元に解説します。高額な価格帯の中で、エリアの違いや資産価値を理解し、納得のいく物件選びができるようになります。
この記事のポイント
- 目黒区の戸建ての平均取引価格は約1億1,132万円で、新築は6,000万円〜2億円、中古は4,080万円〜2億9,800万円が相場
- 主要駅（自由が丘、中目黒、学芸大学駅等）から都心へのアクセスが良好で、新宿まで約12分、東京駅まで約20分
- 持ち家率が東京14区で4位、犯罪認知件数が23区中3番目に少ない治安の良さが魅力
- 中古戸建て購入時は新耐震基準（1981年以降）への適合を必ず確認すべき
- 新築戸建て購入には世帯年収1,000万円程度が目安、固定資産税・都市計画税が高額になる可能性がある
目黒区の基本情報とエリア特性
(1) 主要駅と都心アクセス
目黒区の主要駅は東急東横線の自由が丘駅、中目黒駅、学芸大学駅などです。これらの駅から都心へのアクセスは以下の通りです。
| 駅 | 路線 | 新宿までの所要時間 | 東京駅までの所要時間 |
|---|---|---|---|
| 中目黒駅 | 東急東横線・東京メトロ日比谷線 | 約12分 | 約20分 |
| 自由が丘駅 | 東急東横線・東急大井町線 | 約15分 | 約25分 |
| 学芸大学駅 | 東急東横線 | 約17分 | 約27分 |
都心へのアクセスが良好でありながら、低層住宅が並ぶ閑静な住宅街が広がっているのが目黒区の特徴です。
(2) 治安と安全性
目黒区の治安は東京23区の中でも良好です。令和4年の犯罪認知件数は1,327件で23区中3番目に少ない水準です。
さらに、地域住民による24時間365日のパトロール体制が整備されており、安全対策が充実しています。ファミリー層が安心して暮らせる環境が整っています。
(3) 持ち家率と戸建て市場の規模
目黒区の持ち家率は東京14区で4位と高く、戸建て住宅の需要が安定しています。主要不動産ポータルサイト（SUUMO、HOME'S、アットホーム等）では、新築一戸建て132件、中古一戸建て221件が掲載されています（2024年時点）。
戸建て市場の規模が大きく、選択肢が豊富なのも目黒区の魅力です。
戸建ての価格相場と市場動向
(1) 平均取引価格と価格帯
目黒区の戸建ての平均取引価格は約1億1,132万円です（2024年時点）。価格帯は以下の通りです。
| 物件種別 | 価格帯 | 間取りの例 |
|---|---|---|
| 新築戸建て | 6,000万円〜2億円 | 2LDK: 6,000〜7,000万円、3LDK: 8,000〜9,000万円 |
| 中古戸建て | 4,080万円〜2億9,800万円 | 2SLDK: 8,980万円（中町1丁目、81.8㎡） |
（参考: Land Create「東京都目黒区の一戸建ての価格相場はいくら？平均取引価格から相場を解析」）
(2) 新築と中古の価格差
新築戸建ては築年数が浅く設備が最新のため、中古戸建てと比べて価格が高くなります。一方、中古戸建ては築年数により価格が大きく変動します。
- 新築（2024年竣工）: 1億3,980万円〜1億6,790万円（セキュレアシリーズ等）
- 中古（築10〜20年）: 8,000万円〜1億2,000万円程度
- 中古（築20年以上）: 4,000万円〜8,000万円程度
中古戸建ては新耐震基準（1981年6月以降）に適合しているか必ず確認することが重要です。
(3) 2024年の市場動向
2024年の目黒区の平均取引価格は11,528万円で、前年比8.6%下降しました。市場動向は時期により変動するため、執筆時点（2025年）の情報として明記し、最新情報の確認を推奨します。
2024年に竣工した新築戸建て（セキュレアシリーズ等）が1億5,980万円〜1億6,790万円で販売されており、高級住宅地としての需要が続いています。
エリア別の特徴と人気の差
(1) 自由が丘エリア
自由が丘は東急東横線・東急大井町線の交差駅で、都心へのアクセスが良好です。駅周辺には商業施設やカフェが集中し、おしゃれな街として知られています。
低層住宅が並ぶ閑静な住宅街が広がり、ファミリー層に人気のエリアです。ただし、人気が高いため物件価格は高めです。
(2) 中目黒エリア
中目黒は東急東横線・東京メトロ日比谷線の交差駅で、新宿まで約12分という都心への近さが魅力です。目黒川沿いの桜並木が有名で、春には花見客で賑わいます。
駅周辺は商業施設が充実しており、生活利便性が高いエリアです。戸建て物件は駅から少し離れた静かな住宅街に多く見られます。
(3) 学芸大学駅周辺エリア
学芸大学駅周辺は東急東横線沿線で、閑静な住宅街が広がっています。商店街が充実しており、日常の買い物に便利です。
自由が丘や中目黒と比べると物件価格がやや抑えられる傾向があり、コストパフォーマンスを重視する方に向いています。
物件選びのポイントと注意点
(1) 新耐震基準の確認
中古戸建て購入時は、新耐震基準（1981年6月以降の建築確認）に適合しているかを必ず確認してください。新耐震基準を満たしていない物件は、地震時の倒壊リスクが高くなります。
インスペクション（住宅診断）を受け、耐震性能や修繕箇所を把握することが重要です。診断費用は5〜10万円程度ですが、購入後の安心につながります。
(2) 必要な世帯年収の目安
目黒区で新築戸建てを購入する場合、世帯年収1,000万円程度が目安とされています。住宅ローンの借入可能額は年収の5〜7倍程度が一般的です。
| 物件価格 | 必要な世帯年収（目安） | 自己資金（頭金20%） |
|---|---|---|
| 6,000万円 | 800〜1,000万円 | 1,200万円 |
| 8,000万円 | 1,100〜1,400万円 | 1,600万円 |
| 1億円 | 1,400〜2,000万円 | 2,000万円 |
詳細は金融機関やファイナンシャルプランナーに相談してください。
(3) 固定資産税・都市計画税の負担
目黒区は高級住宅地として知られるため、固定資産税・都市計画税が高額になる可能性があります。
- 固定資産税: 固定資産税評価額 × 1.4%（標準税率）
- 都市計画税: 固定資産税評価額 × 0.3%（最高税率）
物件購入時は、購入価格だけでなく、毎年の税負担も含めた資金計画を立てることが重要です。
まとめ：目黒区の戸建て購入の判断基準
目黒区の戸建ては、都心アクセスと閑静な住環境のバランスが取れたエリアとして、ファミリー層を中心に人気があります。平均取引価格は約1億1,132万円で、新築は6,000万円〜2億円、中古は4,080万円〜2億9,800万円が相場です。
治安が良く、持ち家率が高く、子育て支援施設も充実しているため、長期的に安心して暮らせる環境が整っています。
物件選びの際は、新耐震基準の確認、必要な世帯年収の目安、固定資産税・都市計画税の負担を把握し、複数の不動産ポータルサイトで比較検討してください。信頼できる不動産会社や専門家（ファイナンシャルプランナー、税理士等）に相談しながら、無理のない資金計画を立てましょう。