マンション間取り図の見方と物件選びのポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/24

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マンション間取り図とは?見方の基本

マンションの購入や賃貸を検討する際、間取り図を見ても「S」「PS」「MB」などの記号の意味が分からず、図面から実際の住み心地をイメージできないと感じる方は多いのではないでしょうか。

この記事では、間取り図の基本的な見方、記号・用語の意味、物件選びで確認すべきポイントを解説します。間取り図を正確に読み解くことで、生活動線や採光・収納など、実際の住み心地を事前に把握できるようになります。

この記事のポイント

  • 間取り図の方位記号「N」で北の方角を確認し、バルコニーの向きから日当たりを判断できる
  • 壁芯計算により壁の厚みも含めて面積が表記されるため、実際の使用可能面積より広く見える
  • S(サービスルーム)は採光・換気基準を満たさない部屋で、居室として表記できない
  • 水回り(トイレ、風呂、洗面所、キッチン)がまとまっていると家事動線がスムーズになる
  • 間取り図だけでは採光・通風・眺望は判断できないため、必ず現地見学で確認が必要

間取り図の役割と表記ルール

間取り図とは、マンションの部屋の配置、広さ、設備の位置などを平面的に示した図面です。不動産広告の表示ルール(不動産公正取引協議会の規約)に基づいて作成されており、記号や用語には一定の基準があります。

方位記号「N」の確認(北の方角)

間取り図には必ず方位記号「N」が記載されており、これが北の方角を示します。図面の上側が必ず北とは限らないため、方位記号を確認しましょう。一般的に、バルコニーがある方角が部屋の向きとされ、南向きは日当たりが良好、北向きは日当たりが少ない傾向にあります。

壁・窓・扉の表記の読み方

間取り図では以下のように表記されます。

  • : 太い線で表記
  • : 二重線で表記(開閉方向が矢印で示される)
  • : 扉の開き方を示す弧線で表記

窓の位置を確認することで、採光・通風の良し悪しを判断できます。

壁芯計算の注意点(実際の広さとの違い)

間取り図の面積は「壁芯計算」で表記されることが多く、壁の中心から測定するため、壁の厚みも含まれます。実際の使用可能面積(内法面積)より広く表記されるため、図面上の広さと実際の広さが異なることに注意が必要です。

間取り図の記号と用語(S・PS・MB等)

間取り図には、さまざまな記号や略語が使われています。これらの意味を理解することで、図面を正確に読み解けます。

S(サービスルーム):採光・換気基準を満たさない部屋

「S」はサービスルームの略で、建築基準法上の採光・換気基準を満たさない部屋を指します。窓がない、または窓が小さいため、居室として表記できません。納戸、書斎、収納スペースとして使用されることが多いです。

PS(パイプスペース):給排水管のスペース

「PS」はパイプスペースの略で、給排水管が通っているスペースです。メンテナンス用のスペースであり、使用できる空間ではありません。

MB(メーターボックス):メーター設置場所

「MB」はメーターボックスの略で、電気・ガス・水道のメーターが設置されている場所です。玄関脇に配置されることが多いです。

LDK表記の意味(1LDK/2LDK/3LDK)

LDKは、Living(リビング)、Dining(ダイニング)、Kitchen(キッチン)の略です。数字は居室の数を示します。

間取り 構成 適した家族構成
1LDK 1つの居室+LDK 1人暮らし、2人暮らし
2LDK 2つの居室+LDK 2人暮らし、3人家族
3LDK 3つの居室+LDK 3-4人家族

電気コンセント・スイッチの記号

間取り図には、電気コンセントやスイッチの位置も記載されています。

  • コンセント: 「○」や「⊕」で表記
  • スイッチ: 「S」や「SW」で表記
  • ダウンライト: 「◎」で表記

コンセントの位置を確認することで、家具の配置や家電の設置場所を事前に計画できます。

間取り図で確認すべき5つのポイント

間取り図を見る際、以下の5つのポイントを確認することで、実際の住み心地をイメージできます。

方位と日当たり(バルコニーの向き)

方位記号で北の方角を確認し、バルコニーの向きから日当たりを判断しましょう。

バルコニーの向き 日当たり メリット デメリット
南向き 良好 冬暖かい、洗濯物が乾きやすい 夏は暑い
東向き 午前中◎ 朝日が入る 午後は暗い
西向き 午後◎ 午後の日差しが入る 夏の西日が暑い
北向き 少ない 安定した光、夏涼しい 冬寒い、洗濯物が乾きにくい

ただし、都市部では建物が密集しているため、間取り図だけでは実際の日当たりは判断できません。必ず現地見学で確認しましょう。

家事動線(水回りの配置)

水回り(トイレ、風呂、洗面所、キッチン)がまとまっていると、家事動線がスムーズになります。キッチンから洗濯機、バルコニーへの動線が短いと、料理しながら洗濯を干すなど、効率的な家事が可能です。

収納スペースの位置と広さ

収納スペースの位置と広さを確認しましょう。

  • ウォークインクローゼット(WIC): 中に人が入れる広さの収納
  • クローゼット(CL): 奥行きのある収納
  • 押入れ: 布団などを収納できる和室の収納

収納が少ない場合、家具で補う必要があり、居住スペースが狭くなります。

採光・通風(各部屋の窓の配置)

各部屋に窓があるか、窓の配置が適切かを確認しましょう。窓が一方向のみの場合、通風が悪くなります。対角線上に窓がある間取りは、風通しが良好です。

プライバシー(玄関と居室の位置関係)

玄関から居室が直接見えない配置か確認しましょう。玄関を開けたときにリビングや寝室が見えると、プライバシーが保ちにくくなります。

家族構成別の間取り選びのポイント

家族構成やライフスタイルに応じた間取り選びが重要です。

1人暮らし:1LDK/1DKが主流

1人暮らしは1LDKまたは1DKが主流です。在宅勤務スペースが必要な場合は、1LDKで居室を仕事部屋にする、またはサービスルーム(S)付きの物件を選ぶとよいでしょう。

2人暮らし:1LDK/2LDKが人気

2人暮らしは1LDKまたは2LDKが人気です。寝室を分けたい場合は2LDK、リビングを広く使いたい場合は1LDKが適しています。

4人家族:3LDKが90%以上(2LDKもトレンド)

4人家族の90%以上が3LDKを選択しています。子ども部屋を2つ確保でき、親の寝室も独立させられます。近年は、広めのLDKとサービスルーム付きの2LDKもトレンドとなっています。

将来の家族構成の変化を考慮(子どもの成長、在宅勤務等)

現在の家族構成だけでなく、将来の変化も考慮しましょう。

  • 子どもの成長(個室が必要になる)
  • 在宅勤務スペースの確保
  • 親の同居(バリアフリー化)

田の字型の間取りの特徴(無駄なスペースが少ない)

「田の字型」は、居室が「田」の字のように配置された間取りです。無駄なスペースが少なく、各部屋に窓があり採光・通風が良好です。資産価値が落ちにくい間取りとされています。

高級マンションの間取りの特徴

高級マンションは、一般的なマンションとは異なる特徴があります。

広さの違い(一般3LDK80㎡ vs 高級200㎡超)

一般的な3LDKマンションの面積は80㎡程度ですが、高級マンションでは200㎡を超える物件も存在します。

リビング20畳以上・主寝室10畳以上

高級マンションの特徴として、リビングが20畳以上、主寝室が10畳以上と、各部屋が広く設計されています。

アイランドキッチン等の設備

アイランドキッチン、床暖房、浴室テレビなど、高級設備が標準装備されています。

2024年東京23区の価格帯(新築2LDK: 5,000万円〜2億9,000万円)

2024年8月時点で、東京23区の新築2LDKの価格帯は5,000万円〜2億9,000万円です。新築マンション供給戸数は前年比59.8%減の345戸と、市場が縮小傾向にあります。

まとめ:間取り図から住み心地をイメージする

間取り図を正確に読み解くためには、方位記号、記号・用語(S、PS、MB等)、壁芯計算の仕組みを理解することが重要です。

物件選びでは、方位と日当たり、家事動線、収納スペース、採光・通風、プライバシーの5つのポイントを確認しましょう。家族構成やライフスタイルに応じた間取りを選び、将来の家族の変化も考慮することで、長く快適に住める物件を見つけることができます。

間取り図だけでは実際の採光・通風・眺望は判断できません。必ず現地見学で実際の住環境を確認し、不動産業者や建築士に相談しながら、納得のいく物件選びを進めましょう。

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よくある質問

Q1間取り図の「S」「PS」「MB」とは?

A1「S」はサービスルームの略で、建築基準法上の採光・換気基準を満たさない部屋を指します。納戸や書斎として使用可能ですが、居室として表記できません。「PS」はパイプスペースの略で、給排水管が通っているメンテナンス用のスペースです。「MB」はメーターボックスの略で、電気・ガス・水道のメーターが設置されている場所です。

Q21帖(畳)の広さは?

A2不動産表示ルールで1帖は1.62㎡以上と定められています。約0.5坪に相当します。ただし、地域により畳のサイズが異なる場合があるため、㎡表記で確認することを推奨します。間取り図の面積は壁芯計算で表記されることが多く、実際の使用可能面積(内法面積)より広く表記されるため注意が必要です。

Q3間取り図の上側が必ず北ですか?

A3いいえ、間取り図の上側が必ず北とは限りません。間取り図には必ず方位記号「N」が記載されており、これが北の方角を示します。方位記号を確認し、バルコニーの向きから日当たりを判断しましょう。一般的に、南向きは日当たりが良好で冬暖かく、北向きは日当たりが少なく冬寒い傾向にあります。

Q4壁芯計算とは?

A4壁芯計算とは、壁の中心から測定する方法で、壁の厚みも含めて面積を計算します。不動産広告では壁芯計算で面積を表記することが多く、実際の使用可能面積(内法面積)より広く表記されるため注意が必要です。例えば、図面上80㎡の物件でも、実際の居住スペースは70㎡程度になる場合があります。現地見学で実際の広さを確認することを推奨します。

Q5間取り図だけで物件を決めても大丈夫?

A5いいえ、間取り図だけでは採光・通風・眺望は判断できません。都市部では建物が密集しているため、南向きでも日当たりが悪い場合があります。また、騒音や周辺環境、共用部分の状態なども図面からは分かりません。必ず現地見学で実際の住環境を確認し、不動産業者や建築士に相談しながら物件を選びましょう。

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Room Match編集部

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