マンションの風呂リフォーム完全ガイド|費用相場・工事の流れ・失敗しないポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/26

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マンションの風呂リフォームが注目される理由

マンションに長く住んでいると、「浴室のカビが取れない」「タイルが割れている」「設備が古くて使いづらい」と感じることがあります。また、売却前に「リフォームすべきか」「費用はいくらか」と迷う方も少なくありません。

この記事では、マンションの風呂リフォームの費用相場、工事の流れ、管理規約の注意点、売却前リフォームの必要性を、住宅リフォーム推進協議会国土交通省の公式情報を元に解説します。

初めてマンションリフォームを検討する方でも、費用の目安を把握し、失敗しない判断ができるようになります。

この記事のポイント

  • マンション浴室リフォームの費用は80~120万円(ユニットバス交換)、在来浴室からユニットバスへは70~150万円が相場
  • 工期はユニット→ユニット3~4日、在来→ユニット4~7日が目安
  • 管理組合への申請は必須(着工2~3週間前)、申請なしで工事すると中止・原状回復を求められる
  • マンション売却前のリフォームは原則不要(費用対効果が低く、買主の好みと合わないリスクあり)
  • 水回り4点セット(キッチン・浴室・トイレ・洗面)なら100~300万円でセット割引が適用される

(1) 築20年以上のマンションで浴室劣化が顕在化

築20年以上のマンションでは、浴室の劣化が目立ち始めます。

よくある劣化症状:

  • カビ・水アカの蓄積(タイル目地・浴槽周辺)
  • タイル割れ・ひび割れ
  • 換気扇・給湯器の老朽化
  • 排水の流れが悪い

システムバスの寿命は約15年とされており、設置から10~20年が経過するとリフォームのタイミングです。

(2) 2025年のリフォーム市場動向とトレンド

2025年のリフォーム市場には以下のトレンドが見られます。

最新動向(ゼロリノベジャーナル調査):

  • 広いリビング空間が主流: 個室重視から「広いリビングが欲しい」という声が増加
  • 窓辺の居心地の良い空間: 小上がり・ヌック・ワークスペース等を窓辺に設置
  • 洗面化粧台と脱衣室の分離が定着: 家族構成に応じて洗面と脱衣を分けるレイアウトが増加
  • 省エネ・ZEHリフォームの需要急拡大: 2030年までに新築住宅の60%をZEHにする政府目標に伴い、既存住宅の省エネリフォームが増加

中古マンション購入+リフォーム市場が拡大しており、政府の空き家対策・中古住宅市場活性化により、中古購入+リフォームが一般化しています。

(3) 戸建てとマンションのリフォームの違い

マンションと戸建てでは、リフォームの制約が大きく異なります。

項目 マンション 戸建て
リフォーム可能範囲 専有部分のみ 全て可能
管理規約の制約 あり(水回り移動・配管交換等) なし
管理組合への申請 必須 不要
費用相場(浴室) 80~120万円 90~180万円
工期 3~7日 4~10日

マンションは専有部分のみリフォーム可能で、共用部分(玄関ドア・窓・ベランダ・配管縦管)は変更できません。

2. マンション浴室リフォームの基礎知識

(1) 専有部分と共用部分の定義

マンションには「専有部分」と「共用部分」があり、リフォーム可能範囲が異なります。

区分 内容 リフォーム
専有部分 室内(壁・床・天井・設備) 可能
共用部分 玄関ドア・窓・ベランダ・配管縦管(PS内) 不可

注意点:

  • PS(パイプスペース)内の縦管は共用部分で変更不可
  • 配管の横管(専有部分)は交換可能だが、管理規約で制限される場合がある
  • 玄関ドア・窓の変更は管理規約違反

リフォーム前に管理規約を必ず確認してください。

(2) ユニットバスと在来浴室の違い

浴室には「ユニットバス」と「在来浴室」の2種類があります。

項目 ユニットバス 在来浴室
施工方法 工場生産パーツを現場で組み立て タイル・モルタルで現場施工
防水性 高い(一体成型) 低い(目地から水漏れリスク)
工期 短い(3~4日) 長い(4~7日以上)
デザイン自由度 低い(規格品) 高い(自由設計)
費用 80~120万円 70~150万円

現在のマンションはユニットバスが主流です。在来浴室からユニットバスへのリフォームが一般的です。

(3) システムバスの寿命とリフォームのタイミング

システムバスの寿命は約15年です。

リフォームのタイミング:

  • 10~15年: 浴槽・壁の汚れが目立ち始める
  • 15~20年: 設備(換気扇・給湯器)の老朽化が進む
  • 20年以上: カビ・水漏れリスクが高まる

設置から10~20年が経過したら、リフォームを検討するタイミングです。

(4) マンション特有の制約(排水勾配・配管・管理規約)

マンションリフォームには以下の制約があります。

主な制約:

  • 排水勾配の確保: 水回りの移動は配管の勾配確保が必要(床下スペースが不足する場合は不可)
  • 配管交換の制限: PS内の縦管は共用部分で交換不可
  • 分電盤容量の上限: 電気容量の増強は管理規約で制限される場合がある
  • 遮音等級の基準: 床材は遮音等級基準(L-45等)を満たす必要がある

管理規約は物件ごとに異なるため、工事前に管理組合に確認することが必須です。

3. マンション浴室リフォームの費用相場と工期

(1) ユニットバス交換の費用(80~120万円)

ユニットバスからユニットバスへの交換費用は80~120万円が相場です。

内訳 費用
ユニットバス本体 50~80万円
解体・撤去費 10~15万円
組立・設置費 15~20万円
配管・電気工事 5~10万円
合計 80~120万円

(出典: TOTOリモデルライブラリーリショップナビ

費用は設備グレード(スタンダード・ミドル・ハイグレード)により変動します。

(2) 在来浴室からユニットバスへの費用(70~150万円)

在来浴室からユニットバスへのリフォーム費用は70~150万円が相場です。

内訳 費用
解体・撤去費(タイル・モルタル) 20~30万円
ユニットバス本体 50~80万円
下地補修・防水工事 10~20万円
組立・設置費 15~20万円
配管・電気工事 5~10万円
合計 70~150万円

在来浴室は解体・撤去に手間がかかるため、ユニットバス交換よりやや高額になる場合があります。

(3) 浴槽のみ交換の費用(10~50万円)

浴槽のみを交換する場合、10~50万円で1日完了します。

浴槽の種類 費用
FRP浴槽(標準) 10~20万円
ホーロー浴槽 20~30万円
ステンレス浴槽 15~25万円
人工大理石浴槽 30~50万円

浴槽のみ交換は「予算を抑えたい」「浴室全体は劣化していない」場合に適しています。

(4) 水回り4点セット(キッチン・浴室・トイレ・洗面)の費用

水回り4点セット(キッチン・浴室・トイレ・洗面)なら100~300万円で一括リフォームが可能です。

セット内容 費用相場
3点セット(浴室・トイレ・洗面) 70~200万円
4点セット(浴室・トイレ・洗面・キッチン) 100~300万円

(出典: リショップナビ

セットプランは仕入れ値が安くなり、単品でリフォームするよりお得です。

(5) 工期の目安(ユニット→ユニット3~4日、在来→ユニット4~7日)

浴室リフォームの工期は以下の通りです。

リフォーム内容 工期
ユニットバス→ユニットバス 3~4日
在来浴室→ユニットバス 4~7日
浴槽のみ交換 1日

工期中は浴室が使えないため、近隣の銭湯やスポーツジムのシャワーを利用する準備が必要です。

4. マンションリフォームの流れと管理規約の注意点

(1) リフォームの基本ステップ(計画→見積もり→申請→工事)

マンションリフォームの流れは以下の通りです。

ステップ 内容 期間
1. 計画・現地調査 リフォーム会社に現地調査を依頼 1週間
2. 見積もり取得 複数社から相見積もり 1~2週間
3. 管理規約確認 管理組合に規約を確認 1週間
4. 管理組合へ申請 着工2~3週間前に申請書提出 2~3週間
5. 工事実施 解体→設置→仕上げ 3~7日
6. 完了検査 管理組合・施工会社の検査 1日

(出典: 住宅リフォーム推進協議会

管理組合への申請を忘れると、工事中止や原状回復を求められるため注意が必要です。

(2) 管理組合への申請手順(着工2~3週間前)

マンションリフォームでは管理組合への申請が必須です。

申請に必要な書類:

  • 工事内容の詳細(図面・仕様書)
  • 工事期間・施工時間
  • 施工業者の情報(会社名・連絡先)
  • 近隣への説明方法

申請の流れ:

  1. 管理組合に申請書を提出(着工2~3週間前)
  2. 理事長・管理会社が審査
  3. 承認後、着工可能

申請なしで工事を開始すると、管理規約違反となり、工事中止・原状回復を求められます。

(3) 管理規約の確認ポイント(水回り移動・配管交換・遮音等級)

管理規約には以下の制約が記載されています。

確認すべきポイント:

  • 水回り設備の移動禁止: 配管の勾配確保が困難な場合、移動不可
  • 配管交換の制限: PS内の縦管は共用部分で交換不可
  • 分電盤容量の上限: 電気容量の増強が制限される場合がある
  • 遮音等級の基準: 床材は遮音等級基準(L-45等)を満たす必要がある
  • 管理組合指定業者の使用義務: 特定業者の使用を義務づけるケースもある

管理規約は物件ごとに異なるため、工事前に管理組合に確認することが重要です。

(4) 業者選びのポイント(相見積もり・実績・保証)

リフォーム業者は複数社から相見積もりを取ることが重要です。

業者選びのポイント:

  • 相見積もり: 3社以上から見積もりを取る
  • 実績: マンションリフォームの施工実績を確認
  • 保証: 工事保証・アフターサービスの内容を確認
  • 管理規約への対応: 管理組合への申請代行が可能か

施工会社ごとに得意分野が異なるため、相見積もりは必須です。

5. マンション売却前のリフォームは必要か

(1) 売却前リフォームが不要な理由(費用対効果・買主の好み)

マンション売却前のリフォームは原則不要です。

不要な理由:

  • 費用を売却価格に転嫁しづらい: リフォーム費用100万円をかけても、売却価格が同額上がるとは限らない
  • 買主の好みと合わないリスク: 買主が自分好みにリフォームしたい場合、リフォーム済み物件は敬遠される
  • リフォーム済み希望の買主は約14%のみ: LIFULL HOME'Sの調査によると、リフォーム済み物件を希望する買主は約14%のみ

売却前は「ハウスクリーニング」で印象を改善する方がコスパが良いとされています。

(2) リフォームが必要なケース(水漏れ・設備故障等)

以下の場合のみ、売却前リフォームを検討します。

リフォームが必要なケース:

  • 水漏れ・配管トラブルがある
  • 浴槽・給湯器が故障している
  • タイル割れ・ひび割れが著しい
  • カビ・悪臭がひどい

これらの問題は買主が購入をためらう原因となるため、最低限の修繕が必要です。

(3) ハウスクリーニングで十分な理由

売却前は「ハウスクリーニング」で印象を改善する方が効果的です。

項目 ハウスクリーニング リフォーム
費用 3~10万円 80~120万円
工期 1~2日 3~7日
効果 印象改善 物理的な改善
費用対効果 高い 低い(売却価格に転嫁困難)

ハウスクリーニングは「安く短期間で印象改善できる」点で、売却前の準備として最適です。

(4) リフォーム済み物件を希望する買主は約14%のみ

LIFULL HOME'Sの調査によると、リフォーム済み物件を希望する買主は約14%のみです。

買主の意向:

  • 86%: リフォームなし・または自分でリフォームしたい
  • 14%: リフォーム済み物件を希望

大多数の買主は「自分好みにリフォームしたい」と考えており、売却前の大規模リフォームは費用対効果が低いとされています。

6. まとめ:状況別のリフォーム判断基準

マンションの風呂リフォームでは、「費用相場の把握」「管理規約の確認」「売却前リフォームの是非」が判断の鍵です。

状況別のリフォーム判断基準:

  • 築20年以上で設備が劣化: ユニットバス交換(80~120万円)を検討
  • 予算を抑えたい: 浴槽のみ交換(10~50万円)または水回り4点セット(100~300万円)
  • 売却前のリフォーム: 原則不要、水漏れ・故障がある場合のみ最低限の修繕
  • マンション特有の制約: 管理組合への申請(着工2~3週間前)、管理規約の確認(水回り移動・配管交換・遮音等級)

次のアクション:

  1. 複数のリフォーム会社から相見積もりを取る(3社以上)
  2. 管理組合に管理規約を確認し、申請手順を把握する
  3. 工事内容・期間を決定し、管理組合へ申請書を提出
  4. 工期中の銭湯・シャワー利用を準備する

信頼できるリフォーム会社や管理組合に相談しながら、無理のない計画を立てましょう。

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よくある質問

Q1マンションの浴室リフォーム費用はいくら?

A1マンションの浴室リフォーム費用は、ユニットバス交換で80~120万円、在来浴室からユニットバスへは70~150万円、浴槽のみ交換なら10~50万円が相場です。水回り4点セット(キッチン・浴室・トイレ・洗面)なら100~300万円でセット割引が適用されます。費用は設備グレード(スタンダード・ミドル・ハイグレード)により変動します。セットプランは仕入れ値が安くなり、単品でリフォームするよりお得です。

Q2工期はどれくらいかかる?

A2マンション浴室リフォームの工期は、ユニットバスからユニットバスへの交換なら3~4日、在来浴室からユニットバスへは4~7日が目安です。浴槽のみ交換なら1日で完了します。工期中は浴室が使えないため、近隣の銭湯やスポーツジムのシャワーを利用する準備が必要です。工事内容や施工会社により工期は変動するため、事前に確認してください。

Q3管理組合への申請は必要?

A3マンションリフォームでは管理組合への申請が必須です。着工2~3週間前に工事内容・期間・業者情報を記載した申請書を提出し、理事長の承認を得る必要があります。申請なしで工事を開始すると管理規約違反となり、工事中止や原状回復を求められます。管理規約は物件ごとに異なるため、工事前に管理組合に確認することが重要です。

Q4マンション売却前にリフォームすべき?

A4マンション売却前のリフォームは原則不要です。リフォーム費用を売却価格に転嫁しづらく、リフォーム済み物件を希望する買主は約14%のみです。買主が自分好みにリフォームしたい場合、リフォーム済み物件は敬遠されます。売却前はハウスクリーニング(3~10万円)で印象改善する方がコスパが良いとされています。水漏れや設備故障がある場合のみ、最低限の修繕を検討してください。

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Room Match編集部

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