大手不動産会社の選び方|各社の特徴・強み・比較ポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/19

大手不動産会社とは|全国ネットワークと豊富な実績が強み

不動産の売買や賃貸を検討する際、「大手不動産会社に頼むべきか、地域密着型に頼むべきか」と悩む方は多いでしょう。

この記事では、大手不動産会社の特徴、主要企業のランキング、各社の強み、地域密着型との違いを解説します。複数社を比較して、自分に最適な不動産会社を見つける参考にしてください。

この記事のポイント

  • 大手不動産会社は全国規模のネットワークと豊富な物件情報が強み
  • 2024-2025年のランキングでは三井不動産リアルティ(三井のリハウス)が30年近くNo.1
  • 大手は広範囲の物件探しに適し、地域密着型は特定エリアの詳しい情報に強い
  • 複数の不動産会社(大手1社+地域密着2社など)に並行して相談するのが効果的

(1) 大手不動産会社の定義|全国規模のネットワーク展開

大手不動産会社とは、全国規模でネットワークを展開し、豊富な取引実績を持つ不動産会社を指します。主な特徴は以下の通りです。

  • 全国に多数の店舗を展開
  • 年間の仲介件数・取扱高が大規模
  • 売買仲介・賃貸仲介・不動産管理など幅広い事業展開
  • 社員教育体制が整っており、サービス品質が一定水準以上

代表的な大手不動産会社には、三井不動産リアルティ(三井のリハウス)、東急リバブル、住友不動産販売、野村不動産ソリューションズ(野村の仲介+)などがあります。

(2) 大手上位4社の規模感|取扱高1兆円超え

2024-2025年のランキングでは、上位4社の取扱高は1兆円を超えており、5位以下の企業と大きな差があります。この規模感は、豊富な物件情報と全国ネットワークの広さを示しています。

取扱高とは、不動産会社が仲介した物件の総額のことで、会社規模を測る重要な指標の一つです。

(3) 大手不動産会社の事業内容|売買仲介・賃貸仲介・管理

大手不動産会社の主な事業内容は以下の通りです。

事業内容 内容
売買仲介 マンション・戸建て・土地の売買を仲介
賃貸仲介 賃貸物件の入居者募集・契約手続き
不動産管理 賃貸物件の管理・メンテナンス
その他 リフォーム・リノベーション、不動産投資相談等

売買仲介では、売主と買主の間に立って物件情報の提供、価格交渉、契約手続きをサポートします。

(4) 2024年の市場動向|AI査定・オンライン相談の拡充

2024年には、各社ともAI査定やオンライン相談など独自ノウハウを磨き上げています。コロナ禍以降、非対面での物件相談・内覧・契約手続きが増加し、デジタル技術の活用が進んでいます。

これにより、遠隔地からの物件探しや、忙しい方でもスキマ時間に相談できる環境が整ってきました。

2024-2025年の大手不動産会社ランキング|仲介件数・取扱高トップ企業

不動産会社を選ぶ際、ランキングは信頼性の参考指標の一つになります。ただし、ランキング上位だから必ずしも自分に合うとは限らないため、複数社を比較することが重要です。

(1) 仲介件数ランキング|三井不動産リアルティが30年近くNo.1

2024-2025年の仲介件数ランキングは以下の通りです。

順位 企業名 特徴
1位 三井不動産リアルティ(三井のリハウス) 30年近く仲介件数No.1をキープ
2位 東急リバブル 3年連続で2位、新サービス導入に積極的
3位 住友不動産販売(住友不動産ステップ) 関西圏で絶対的な集客力
4位 野村不動産ソリューションズ(野村の仲介+) ネット集客に注力

仲介件数とは、不動産会社が1年間に仲介した物件の件数です。件数が多いほど、多くの顧客に選ばれている証拠といえます。

(2) 取扱高ランキング|上位4社の顔ぶれ

取扱高ランキングも、仲介件数とほぼ同じ顔ぶれです。上位4社は取扱高1兆円を超えており、5位以下と大きな差があります。

この規模感は、高額物件の取り扱い実績や、全国規模での物件情報の豊富さを示しています。

(3) 店舗数ランキング|全国展開力の比較

店舗数は、全国どこでも対応できるかどうかの指標になります。主要大手の店舗数は以下の通りです。

  • 三井のリハウス:約300店舗(全国47都道府県)
  • 東急リバブル:約180店舗(首都圏・関西圏中心)
  • 住友不動産ステップ:約250店舗(関西圏・首都圏)
  • 野村の仲介+:約90店舗(首都圏中心)

(注:店舗数は2024-2025年時点の公開情報に基づく概算値です)

(4) 2024年の注目動向|東急リバブル3年連続2位

2024年のランキングでは、東急リバブルが2022-2024年の3年連続で2位にランクアップし、住友不動産ステップを抜いたことが注目されています。東急リバブルは、新しい消費者向けサービスをいち早く導入する姿勢が特徴です。

このような市場の変化は、各社のサービス向上競争が進んでいることを示しています。

主要大手不動産会社の特徴と強み|三井・東急・住友・野村を比較

大手不動産会社は各社で強みやサービスが異なります。以下に主要4社の特徴を紹介します。

(1) 三井のリハウス(三井不動産リアルティ)|業界No.1の仲介実績

三井のリハウスは、30年近く仲介件数No.1をキープしている業界最大手です。

強み:

  • 全国47都道府県に約300店舗を展開する圧倒的なネットワーク
  • 豊富な仲介実績による信頼性
  • 高額物件の取り扱い実績が多い

適した利用シーン:

  • 全国規模で物件を探す場合
  • 初めての不動産売買で信頼性を重視する場合
  • 高額物件の売却・購入

(2) 東急リバブル|新サービス導入でシェア拡大

東急リバブルは、2022-2024年の3年連続で2位にランクアップした大手です。

強み:

  • 新しい消費者向けサービスをいち早く導入
  • 東急沿線エリア(首都圏)に強いネットワーク
  • デジタル技術の活用に積極的

適した利用シーン:

  • 東急沿線エリアで物件を探す場合
  • 最新のサービス(AI査定、オンライン相談等)を活用したい場合

(3) 住友不動産ステップ|関西圏で絶対的な集客力

住友不動産販売(住友不動産ステップ)は、関西圏で絶対的な集客力を持つ大手です。

強み:

  • 関西圏(大阪・京都・兵庫等)でのネットワークが強い
  • 関西圏の物件情報が豊富
  • 地域密着型のサポート体制

適した利用シーン:

  • 関西圏で物件を探す場合
  • 関西圏の地域情報を詳しく知りたい場合

(4) 野村の仲介+|ネット集客に注力

野村不動産ソリューションズ(野村の仲介+)は、ネット集客に最も力を入れている大手です。

強み:

  • オンライン相談・AI査定などデジタル技術の活用
  • 首都圏の高級住宅に強い
  • 野村不動産グループのネットワーク

適した利用シーン:

  • デジタル技術を活用した効率的な物件探し
  • 首都圏の高級住宅の売買

(5) その他大手|三井住友トラスト不動産・三菱地所ハウスネット等

これら以外にも、三井住友トラスト不動産、三菱地所ハウスネット、みずほ不動産販売など、大手金融グループ系の不動産会社も多数あります。各社で得意エリアや強みが異なるため、複数社を比較することが重要です。

大手不動産会社のメリット・デメリット|地域密着型との違い

大手不動産会社と地域密着型不動産会社の違いを理解することで、自分に最適な選択ができます。

(1) 大手のメリット|豊富な物件情報・全国ネットワーク・サービス品質

大手不動産会社の主なメリットは以下の通りです。

  • 豊富な物件情報: 全国規模のネットワークで幅広い物件にアクセスできる
  • サービス品質: 社員教育がしっかりしており、接客態度や不動産知識の水準が高い
  • 利便性: クレジットカード払い、Tポイント提携など、支払い方法が多様
  • 安心感: 大手ブランドによる信頼性、契約トラブルへの対応力
  • 広範囲の物件探し: 複数エリアにまたがる物件探しに適している

(2) 大手のデメリット|画一的な対応・ノルマによる強引な営業

一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • 画一的な対応: マニュアル重視で、柔軟な対応が難しい場合がある
  • ノルマによる強引な営業: ノルマが厳しく、強引な営業になる可能性がある
  • 手数料: 割引サービスが少なく、法定上限(物件価格×3%+6万円+消費税)が基本
  • 地域情報の深さ: 特定エリアの細かい情報は地域密着型に劣る場合がある

(3) 地域密着型のメリット|地域情報の深さ・掘り出し物件・柔軟な対応

地域密着型不動産会社の主なメリットは以下の通りです。

  • 地域情報の深さ: 特定エリアの物件情報や市場動向に非常に詳しい
  • 掘り出し物件: 大手が把握していない未公開物件を紹介してくれる可能性がある
  • 柔軟な対応: 大家との長い付き合いがあるため、家賃交渉がしやすい場合がある
  • きめ細かいサービス: 地域特有のニーズに合わせたサポート

(4) 地域密着型のデメリット|対応エリアの限定・情報量の限界

一方で、以下のようなデメリットもあります。

  • 対応エリアの限定: 広範囲の物件探しには不向き
  • 情報量の限界: 他エリアの物件情報は少ない
  • サービス品質のばらつき: 担当者により知識・対応の質が大きく異なる場合がある

(5) 比較表|大手 vs 地域密着型の特徴整理

項目 大手不動産会社 地域密着型
対応エリア 全国規模 特定エリア限定
物件情報量 豊富(全国) 限定的(特定エリア)
地域情報の深さ 一般的 非常に詳しい
サービス品質 一定水準以上 担当者により差が大きい
柔軟性 マニュアル重視 柔軟な対応
手数料 法定上限が基本 割引交渉の余地あり
未公開物件 少ない 多い場合がある

不動産会社の選び方|大手と地域密着型の使い分け

大手と地域密着型のどちらを選ぶべきかは、物件探しの目的やエリアにより異なります。

(1) 広範囲で物件を探す場合|大手が有利

転勤や引越しで、複数エリアにまたがって物件を探す場合は、大手不動産会社が有利です。全国規模のネットワークを活用して、幅広い選択肢を提示してくれます。

(2) 特定エリアに絞って探す場合|地域密着型が有利

すでに住みたいエリアが明確に決まっている場合は、地域密着型が有利です。そのエリアの詳しい情報や、大手が把握していない未公開物件を紹介してくれる可能性があります。

(3) 初めての不動産売買|大手のサポート体制が安心

初めて不動産を売買する場合、大手のサポート体制が安心です。契約手続きや税金の説明、トラブル対応など、手厚いサポートを受けられます。

(4) 複数の不動産会社を併用する方法|大手1社+地域密着2社

最も効果的な方法は、複数の不動産会社(大手1社+地域密着2社など)に並行して相談することです。

メリット:

  • 大手の豊富な物件情報と、地域密着型の詳しい地域情報の両方を得られる
  • 複数社を比較することで、相場感を掴みやすい
  • 担当者の質や対応を比較できる

注意点:

  • 同じ物件を複数の不動産会社から紹介される可能性がある
  • それぞれの不動産会社と適切にコミュニケーションを取る必要がある

(5) 担当者の質を見極めるポイント

不動産会社よりも、担当者の質が重要です。以下のポイントで見極めましょう。

  • 専門知識: 不動産取引、税金、ローン等の知識が豊富か
  • 対応の丁寧さ: 質問に対して丁寧に回答してくれるか
  • レスポンスの速さ: メール・電話の返信が迅速か
  • 強引さがないか: 無理に契約を急がせないか

担当者の質に不満がある場合は、担当者変更を依頼するか、別の不動産会社に切り替えることも検討しましょう。宅地建物取引士の資格を持つ担当者であれば、専門知識が確保されています。

まとめ|複数社を比較して最適な不動産会社を見つける

大手不動産会社は、全国規模のネットワークと豊富な物件情報が強みです。2024-2025年のランキングでは、三井不動産リアルティ(三井のリハウス)が30年近くNo.1をキープしています。

大手は広範囲の物件探しや初めての不動産売買に適していますが、特定エリアの詳しい情報や掘り出し物件を探す場合は地域密着型が有利です。

複数の不動産会社(大手1社+地域密着2社など)に並行して相談し、担当者の質や対応を比較することで、自分に最適な不動産会社を見つけましょう。詳細は宅地建物取引士にご相談ください。

よくある質問

Q1大手不動産会社のランキング上位はどこですか?

A12024-2025年のランキングでは、仲介件数で三井不動産リアルティ(三井のリハウス)が30年近くNo.1をキープしています。2位は東急リバブル(3年連続)、3位は住友不動産販売(住友不動産ステップ)、4位は野村不動産ソリューションズ(野村の仲介+)です。上位4社は取扱高1兆円を超えており、5位以下と大きな差があります。ランキングは時期やデータソースにより変動するため、最新情報を確認してください。

Q2大手不動産会社のメリットは何ですか?

A2大手不動産会社の主なメリットは、①全国規模のネットワークで豊富な物件情報にアクセスできる、②社員教育がしっかりしておりサービス品質が高い、③クレジットカード払いなど利便性が高い、④広範囲の物件探しに適している、という点です。特に、初めての不動産売買や、複数エリアにまたがる物件探しでは、大手のサポート体制が安心です。

Q3大手と地域密着型はどちらがいいですか?

A3目的により異なります。広範囲で物件を探す場合や、初めての売買で手厚いサポートが欲しい場合は大手が有利です。特定エリアに絞って詳しい情報や掘り出し物件を探す場合は地域密着型が有利です。最も効果的な方法は、複数の不動産会社(大手1社+地域密着2社など)に並行して相談することです。複数社を比較することで、相場感を掴みやすく、担当者の質や対応も比較できます。

Q4三井のリハウスと東急リバブルの違いは何ですか?

A4三井のリハウスは30年近く仲介件数No.1で業界最大手、全国47都道府県に約300店舗を展開する圧倒的なネットワークが強みです。東急リバブルは2022-2024年の3年連続で2位にランクアップし、新しい消費者向けサービス(AI査定、オンライン相談等)をいち早く導入する姿勢が特徴です。どちらも取扱高1兆円超えの大手企業で、サービス品質は高水準です。複数社を比較して、自分に合った会社を選びましょう。

Q5大手不動産会社の仲介手数料はいくらですか?

A5仲介手数料は法律で上限が定められており、物件価格×3%+6万円+消費税が上限です(大手・中小とも同じ)。例えば3,000万円の物件なら最大105.6万円(消費税込)です。ただし、一部の会社では割引サービスがある場合もあるため、複数社を比較しましょう。詳細は宅地建物取引士にご相談ください。

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Room Match編集部

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