町田市の土地購入を検討するあなたへ
東京都町田市で土地の購入を考えているけれど、「価格相場はどのくらいか」「どのエリアが良いのか」「がけ条例など特有の注意点はあるか」と疑問に感じている方は少なくありません。
この記事では、町田市の土地価格相場、エリア別の特徴、がけ条例や建築条件など購入時の注意点を、2025年の最新データを元に解説します。
国土交通省の不動産取引価格情報や町田市公式の土地利用規制情報を参照し、土地購入の判断材料となる情報を提供します。
この記事のポイント
- 町田市の平均公示地価は26.84万円/m²(88.72万円/坪)で、前年比+2.77%上昇中(2025年)
- 駅徒歩10分以内は21.0万円/m²、徒歩20分超は13.9万円/m²と約1.5倍の価格差がある
- 町田駅周辺は「西の渋谷」と呼ばれる商業エリアで地価が高い
- がけ条例の適用対象となる土地があり、購入前に町田市役所で建築可否を確認することが必須
- 2014年から上昇トレンドが続いており、駅近エリアは堅調な需要が見込まれる
町田市の土地購入が注目される理由
町田市は東京都の南西部に位置し、小田急線・JR横浜線の2路線が利用できるアクセスの良さが魅力です。また、神奈川県に隣接しており、横浜方面へのアクセスも便利なことから、東京と神奈川の両方に通勤・通学する方にとって利便性が高いエリアです。
(1) 「西の渋谷」と呼ばれる多摩地域の商都
町田駅周辺は「西の渋谷」と呼ばれるほど商業施設が充実しており、多摩地域でも有数の商業エリアとして知られています。大型百貨店、家電量販店、飲食店などが駅周辺に集中しており、日常の買い物に困りません。
この利便性の高さが、土地の需要を支えています。
(2) 2014年から続く地価上昇トレンド
町田市の地価は1988年にバブル期のピーク(69.47万円/m²)をつけた後、長期下落が続きましたが、2014年から上昇トレンドに転じています。2025年時点では前年比+2.77%の上昇を記録しており、駅近エリアを中心に堅調な需要が続いています。
ただし、現在の水準はバブル期の3分の1程度にとどまっているため、過度な期待は禁物です。
町田市の土地価格相場の基礎知識
町田市の土地価格相場について、2025年の最新データを確認していきましょう。
(1) 2025年の公示地価と坪単価
2025年の町田市の平均公示地価は26.84万円/m²(88.72万円/坪)です。用途地域別では、住宅地は16.66万円/m²、商業地は80.43万円/m²と大きな価格差があります。
前年比では全体で+2.77%、住宅地+2.46%、商業地+4.69%と、いずれも上昇しています。特に商業地の上昇率が高く、駅周辺の商業エリアでの需要が強いことが伺えます。
(2) 駅からの距離による価格差
町田市の土地価格は駅からの距離で大きく変動します。2024年Q1のデータでは、駅徒歩10分以内の土地は21.0万円/m²、徒歩20分超の土地は13.9万円/m²と、約1.5倍の価格差があります。
駅近は利便性が高い一方、価格も高額です。予算と用途に応じて、適切な距離を選びましょう。
(3) 住宅地と商業地の価格差
住宅地の平均公示地価は16.66万円/m²、商業地は80.43万円/m²と、商業地は住宅地の約4.8倍の価格です。駅周辺の商業エリアでは土地価格が非常に高くなるため、住宅用地を探す場合は駅からやや離れたエリアを検討すると価格を抑えられます。
エリア別の土地価格と特徴
町田市内のエリア別に、土地価格と特徴を見ていきましょう。
(1) 町田駅周辺:商業エリアの高額地
町田駅周辺は町田市内で最も地価が高いエリアで、坪単価は93.5万円です。最高値地点(原町田6-3-9)では297万円/m²と非常に高額です。
駅周辺は商業施設が充実しており、事業用地としての需要が高い一方、住宅用地としては価格が高すぎる傾向があります。
(2) 成瀬・鶴川:住宅地として人気のエリア
成瀬駅や鶴川駅周辺は、町田駅に比べて地価が手頃で、住宅地として人気のエリアです。小田急線で新宿方面へのアクセスも良く、静かな住環境を求める方に適しています。
駅周辺の商業施設は町田駅ほど充実していませんが、日常の買い物には困らない程度の店舗があります。
(3) 最高値エリアと最低値エリアの比較
町田市内の最高値エリアは原町田6-3-9(297万円/m²)、最低値エリアは相原町(0.243万円/m²)と、約1,200倍の価格差があります。これは、駅からの距離や用途地域の違いによるものです。
予算と用途に応じて、適切なエリアを選ぶことが重要です。
町田市で土地を選ぶポイント
町田市で土地を選ぶ際のポイントを確認しましょう。
(1) 用途に応じた立地選び
事業用地として利用する場合は、駅近の商業エリアが適していますが、価格は高額です。住宅用地として利用する場合は、駅からやや離れた住宅地エリアを検討すると価格を抑えられます。
通勤・通学の頻度や家族構成を考慮して、適切な立地を選びましょう。
(2) 建築条件の有無を確認
建築条件付土地は、土地購入後3ヶ月以内に指定業者と建築請負契約を締結する必要があります。自由な設計ができない制約があるため、建築プランが既に決まっている場合は条件なしの土地を選ぶことをお勧めします。
建築条件の有無は、土地の価格にも影響します。条件付きの土地は、条件なしの土地に比べて安価な傾向があります。
(3) 将来の資産価値と流動性
駅から離れるほど価格が下がる一方、将来の資産価値や売却時の流動性も低下する傾向があります。長期的に保有する予定の場合は、駅からの距離と価格のバランスを慎重に検討しましょう。
駅徒歩10分圏内の土地は、価格が高めですが資産価値が安定しやすい傾向があります。
土地購入時の注意点とリスク
町田市で土地を購入する際には、以下の点に特に注意しましょう。
(1) がけ条例(崖地条例)の適用確認
町田市では「がけ条例(崖地条例)」が適用される土地があります。がけ条例とは、崖地の近くの土地に建築制限をかける条例で、安全確保のため、がけの高さや角度により建築が制限されます。
購入を検討する土地ががけ条例の適用対象となるかを、町田市役所土地利用調整課(市役所8階)で事前に確認することが必須です。建築不可となるケースもあるため、契約前に必ず確認しましょう。
(2) 建ぺい率・容積率の制限
建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合、容積率は敷地面積に対する延べ床面積の割合を制限する指標です。これらの制限により、建築できる建物の規模や階数が決まります。
購入前に、該当エリアの建ぺい率・容積率を確認し、希望する建物が建築可能かを確認しましょう。
(3) 購入前に専門家への相談を
土地購入は高額な投資であり、専門的な知識が必要です。不動産鑑定士、宅地建物取引士、建築士などの専門家に相談し、がけ条例の適用可能性、建築条件、建ぺい率・容積率を総合的に検討することをお勧めします。
特に、がけ条例の適用対象となる土地では、建築士による現地調査が重要です。
まとめ:町田市の土地購入で成功するために
町田市で土地を購入する際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 価格相場: 平均公示地価26.84万円/m²(88.72万円/坪)、駅徒歩10分以内21.0万円/m²、徒歩20分超13.9万円/m²
- エリア選び: 町田駅周辺(商業エリア・高額)、成瀬・鶴川(住宅地・手頃)
- 建築条件: 条件付き土地は3ヶ月以内に建築請負契約が必要
- がけ条例: 町田市役所土地利用調整課で建築可否を事前確認(必須)
- 専門家相談: 不動産鑑定士、宅建士、建築士への相談を推奨
町田市の地価は2014年から上昇トレンドが続いており、駅近エリアは堅調な需要が見込まれます。ただし、がけ条例の適用可能性や建築条件の有無を十分に確認した上で、専門家に相談しながら慎重に土地を選ぶことが、満足のいく土地購入につながります。
