不動産会社選びが重要な理由とは？
不動産の売却・購入を検討する際、「大手の不動産会社が良いのか、地域密着型が良いのか」「どの会社が信頼できるのか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、地域密着型不動産会社の特徴と選び方について、大手との違い・メリット・デメリット・チェックポイントを詳しく解説します。
不動産業界の専門情報（不動産流通推進センター、スマイティ）を元に、不動産会社選びで失敗しないための実用的な情報を提供します。
この記事のポイント
- 不動産会社は「管理会社」と「仲介会社」に分かれ、仲介会社の方が幅広い物件を提案できる
- 大手と地域密着型で物件情報量に差はない（REINSで同じ情報にアクセス可能）
- 大手はブランド力・サービス標準化、地域密着型は地元情報・柔軟対応が強み
- 信頼できる不動産会社の選び方は、良い点・悪い点の両方を説明してくれるか、担当者との相性、免許証番号の確認等がポイント
- 口コミは複数サイトで確認し、具体的な内容を重視する必要がある
(1) 不動産取引の特性（高額・複雑・一生に一度）
不動産取引は、数千万円～数億円の高額取引であり、契約内容も複雑です。多くの人にとって一生に一度の大きな買い物・売却であるため、不動産会社選びが取引結果を大きく左右します。
(2) 担当者の質が取引結果を左右する理由
良い不動産屋の選び方によると、担当者の質が取引結果に直結します。良い担当者は、物件の良い点だけでなく悪い点も説明し、顧客の状況に合った提案をしてくれます。
不動産会社の種類と役割の違い
(1) 管理会社と仲介会社の違い
ビリーフ株式会社によると、不動産会社は「管理会社」と「仲介会社」に分かれます。
| 種類 | 役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| 管理会社 | 物件所有者（オーナー）から管理を委託 | 自社管理物件を優先的に紹介 |
| 仲介会社 | 借主・買主と貸主・売主の仲介を専門 | 幅広い物件を提案 |
用語解説:
- 管理会社: 物件所有者（オーナー）から管理を委託され、自社管理物件を優先的に紹介する不動産会社
- 仲介会社: 借主・買主と貸主・売主の仲介を専門とし、幅広い物件を提案する不動産会社
(2) それぞれの得意分野と提案スタイル
管理会社は、自社が管理する物件の情報に詳しく、物件の状態やオーナーの意向を把握しています。一方、仲介会社は、複数のオーナー・物件を扱うため、選択肢が多い傾向があります。
判断ポイント: 幅広い選択肢から選びたい場合は仲介会社、特定の物件に興味がある場合はその物件の管理会社に相談するのも一つの方法です。
(3) REINS（レインズ）による物件情報共有の仕組み
スマイティによると、全ての不動産会社はREINS（レインズ）というデータベースで同じ物件情報にアクセスできます。REINSは、不動産流通標準情報システムの略称で、全国の不動産会社が物件情報を共有する仕組みです。
重要: 大手と地域密着型で物件情報量に差はありません。どの不動産会社もREINSを通じて同じ物件情報にアクセスできます。
大手vs地域密着型：それぞれの特徴とメリット・デメリット
(1) 大手不動産会社の特徴（全国展開、ブランド力、サービス標準化）
大手不動産会社のメリット:
- 全国展開しており、ブランド力がある
- サービスが標準化されており、どの店舗でも一定の品質
- 社内研修が充実しており、担当者の基礎知識が安定
- 広告宣伝力があり、物件の露出が多い
大手不動産会社のデメリット:
- 担当者が転勤等で変わる可能性がある
- エリア特有の細かい情報には弱い場合がある
- サービスがマニュアル化されており、柔軟な対応が難しい場合がある
(2) 地域密着型不動産会社の特徴（地元情報、柔軟対応、エリア専門性）
地域密着型不動産会社のメリット:
- 地元の情報に詳しく、エリア特有の情報を提供できる
- 柔軟な対応が可能で、顧客の個別事情に合わせた提案ができる
- 地元の不動産業者・職人とのネットワークがあり、リフォーム等の相談もしやすい
- 担当者が長期間同じで、継続的な関係を築きやすい
地域密着型不動産会社のデメリット:
- ブランド力が大手に劣る場合がある
- 広告宣伝力が大手に比べて弱い場合がある
- 担当者の質が会社により大きく異なる
(3) 物件情報量の違いはあるか（REINSで共有のため差はない）
スマイティによると、全ての不動産会社はREINSで同じ物件情報にアクセスできるため、大手と地域密着型で物件情報量に差はありません。
重要: 物件情報量ではなく、サービス内容・担当者の質で判断しましょう。
(4) どちらを選ぶべきか（サービス内容・担当者で判断）
大手が向いているケース:
- ブランド力・信頼性を重視する
- 初めての不動産取引で、標準化されたサービスを求める
- 転勤等で全国展開の会社が便利
地域密着型が向いているケース:
- 地元の詳しい情報を知りたい
- 柔軟な対応・個別事情への配慮を求める
- 長期的な関係を築きたい
結論: どちらが良いかは一概に言えません。複数社で相談し、担当者の誠実さ・相性で判断することが重要です。
信頼できる不動産会社の選び方：7つのチェックポイント
(1) 良い点・悪い点の両方を説明してくれるか
良い不動産屋の選び方によると、信頼できる不動産会社は、物件の良い点だけでなく悪い点も説明してくれます。
チェック方法:
- 物件のデメリット（駅距離、築年数、周辺環境等）も説明してくれるか
- 契約時のリスク（手数料、諸費用、解約条件等）を明確に説明してくれるか
(2) 担当者との相性・話しやすさ
良い不動産屋の選び方によると、担当者との話しやすさも重要な選定ポイントです。
チェック方法:
- 質問に対して丁寧に答えてくれるか
- 専門用語をわかりやすく説明してくれるか
- 顧客の状況・予算に合わせた提案をしてくれるか
(3) 宅地建物取引業免許証番号の確認（数字が大きいほど営業歴が長い）
全国おうち売却相談窓口によると、宅地建物取引業免許証番号の数字が大きいほど営業歴が長く、信頼性の目安になります。
用語解説:
- 宅地建物取引業免許証番号: 不動産会社が国土交通大臣または都道府県知事から取得する免許番号。カッコ内の数字が大きいほど営業歴が長い（例：「国土交通大臣(5)第〇〇号」の「(5)」は5回目の更新を意味し、営業歴約20年以上）
確認方法:
- 不動産会社の公式サイトや店舗に掲示されている免許証番号をチェック
- 国土交通省「宅地建物取引業者検索システム」で免許番号を検索
(4) 複数社での比較検討
不動産会社は1社だけでなく、複数社で相談することが重要です。
メリット:
- サービス内容・手数料を比較できる
- 担当者の対応・提案内容を比較できる
- 適正価格・相場感を把握できる
推奨: 大手1-2社、地域密着型1-2社で相談し、合計3-4社で比較検討しましょう。
(5) 専門性・得意分野の確認
不動産会社により、得意分野が異なります。
確認ポイント:
- 売却が得意か、購入が得意か
- マンションが得意か、戸建て・土地が得意か
- エリア・沿線の専門性
(6) 契約内容・手数料の明確さ
不動産取引では、仲介手数料・諸費用が発生します。
仲介手数料の上限: 物件価格の3%+6万円+消費税（宅地建物取引業法による）
確認ポイント:
- 手数料・諸費用の内訳を明確に説明してくれるか
- 契約書の内容を丁寧に説明してくれるか
- 不明点を質問できる雰囲気があるか
(7) アフターフォロー体制
不動産取引は、契約後もトラブルが発生する場合があります。
確認ポイント:
- 契約後のフォロー体制があるか
- トラブル時の対応方針を説明してくれるか
- 長期的な相談窓口があるか
不動産会社の評判・口コミの正しい見方
(1) 口コミの信頼性と限界（件数が少ない、運営側の調整可能性）
不動産会社の口コミは参考にならない？によると、不動産関連サイトの口コミは運営側が調整している場合もあり、必ずしも正しい評価とは限りません。
また、不動産売却の頻度が少ないため、口コミの件数自体が少なく、飲食店レビューほどの客観性は期待できません。
(2) 複数サイトでの確認（おうちの語り部、ふどサーチ、Google口コミ等）
不動産会社の口コミは参考にならない？によると、複数サイトやGoogle口コミなど中立性の高い口コミをチェックすべきです。
推奨サイト:
- おうちの語り部
- ふどサーチ
- Google口コミ
- その他第三者の口コミサイト
(3) 具体的な口コミ内容を重視（担当者の対応、サポートの手厚さ等）
全国おうち売却相談窓口によると、口コミ内容が具体的かどうかに注目する必要があります。
良い口コミ例:
- 「担当者の〇〇さんが、物件のデメリットも含めて丁寧に説明してくれた」
- 「売却の流れを段階ごとに説明してくれて、安心できた」
- 「契約後もフォローがあり、トラブル時に迅速に対応してくれた」
悪い口コミ例（具体性がない）:
- 「良かった」「悪かった」だけの短文
- 「最高」「最悪」等の極端な評価のみ
(4) 口コミだけで判断しない
口コミは参考情報の一つですが、最終的には実際に相談して判断することが重要です。
推奨: 複数社で実際に相談し、担当者の対応・提案内容を直接確認しましょう。
まとめ：あなたに合った不動産会社の選び方
不動産会社選びは、取引結果を大きく左右する重要な判断です。大手と地域密着型で物件情報量に差はなく（REINSで同じ情報にアクセス可能）、サービス内容・担当者の質で選ぶことが重要です。
信頼できる不動産会社の選び方は、良い点・悪い点の両方を説明してくれるか、担当者との相性、宅地建物取引業免許証番号の確認、複数社での比較検討等がポイントです。
口コミは複数サイトで確認し、具体的な内容を重視する必要がありますが、口コミだけで判断せず、実際に相談して担当者の対応を確認しましょう。
信頼できる不動産会社や宅地建物取引士に相談しながら、あなたの状況・目的に合った不動産会社を選びましょう。