土地代の相場の調べ方と適正価格を見極めるポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/27

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

なぜ土地代の相場を調べることが重要なのか

土地購入を検討する際、「この土地の価格は適正なのか」「相場よりも高いのではないか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、土地代の相場を調べる公的データの活用法、坪単価の計算方法、価格が決まる要因、適正価格の見極め方と価格交渉のポイントを、国土交通省や国税庁の公式情報を元に解説します。

初めて土地購入をする方でも、公的データを活用して相場を把握し、適正価格で購入できるようになります。

この記事のポイント

  • 土地の相場は国土交通省「不動産情報ライブラリ」で実際の取引価格を確認するのが最も実用的
  • 坪単価は「土地価格(円)÷土地面積(坪)」で計算、平米単価から換算する場合は「平米単価×3.3」
  • 2025年の全国平均土地価格は23万3296円/m²(坪単価77万1228円)で前年から+2.17%上昇
  • 土地の価格は立地条件、形状(整形地・不整形地・旗竿地)、方角、接道状況で大きく変動
  • 公示地価と実際の取引価格を比較し、複数の公的データを組み合わせて適正価格を見極める

適正価格の把握と過払い防止

土地代の相場を調べることは、以下の理由で重要です。

  • 過払い防止:相場を知らずに購入すると、本来の価値よりも高い価格で購入してしまうリスクがあります。
  • 価格交渉の根拠:相場データを持つことで、売主との価格交渉で具体的な根拠を示せます。
  • 資産価値の維持:将来売却する際、相場を踏まえて購入していれば、資産価値の大幅な目減りを避けやすくなります。

土地は高額な買い物であるため、事前に公的データを活用して相場を把握することが、失敗しない土地購入の第一歩です。

2025年の土地価格動向(全国平均+2.17%上昇)

2025年の土地価格の最新動向は以下の通りです。

  • 全国平均土地価格(公示地価・基準地価):23万3296円/m²(坪単価77万1228円)
  • 前年からの変動率:+2.17%上昇
  • 三大都市圏と地方都市(東京・大阪・名古屋・札幌・仙台・広島・福岡):上昇傾向
  • その他の地方:下落傾向

(出典: 土地価格相場が分かる土地代データ|公示地価・基準地価・地価マップ・推移

2025年は日銀のマイナス金利政策終了により金利が上昇していますが、不動産市場への影響は限定的で、価格は引き続き上昇する見通しです。ただし、地域差があるため、購入を検討するエリアの動向を確認することが重要です。

土地代相場を調べる公的データの活用法

不動産情報ライブラリ(旧・土地総合情報システム)の使い方

土地の相場を調べる最も実用的な方法は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」(旧・土地総合情報システム)で実際の取引価格を確認することです。

不動産情報ライブラリでできること

  • 実際の不動産取引価格の検索(アンケート調査に基づく)
  • 公示地価、都道府県地価調査の閲覧
  • 地図から探して詳細な取引事例を確認

使い方の手順

  1. 不動産情報ライブラリにアクセス
  2. 「地図から探す」または「条件を指定して検索」を選択
  3. 調べたいエリア、取引時期、土地面積等の条件を入力
  4. 実際の取引価格、坪単価、土地面積、駅距離等の詳細情報を確認

注意点

  • 物件の地番やマンション名は表示されない(プライバシー保護のため)
  • アンケート調査に基づくため、全ての取引が掲載されているわけではない
  • 無料で利用可能、スマートフォンでも同じインターフェースで利用可能(2024年3月に名称変更)

実際の取引価格を確認することで、相場感を掴みやすくなります。

全国地価マップ(固定資産税路線価、相続税路線価、地価公示、都道府県地価調査)

全国地価マップでは、以下の4つの公的土地評価情報が無料で閲覧可能です。

種類 内容 公表機関 公表時期
固定資産税路線価 固定資産税の計算基準 市区町村 3年ごと
相続税路線価 相続税・贈与税の計算基準 国税庁 毎年7月
地価公示価格 土地売買の参考価格 国土交通省 毎年3月
都道府県地価調査価格 地価公示を補完 都道府県 毎年9月

(出典: 全国地価マップ

使い方の手順

  1. 全国地価マップにアクセス
  2. 調べたい情報の種類(固定資産税路線価、相続税路線価等)を選択
  3. 地図上で調べたいエリアを表示
  4. 路線価や公示地価を確認

複数の公的データを組み合わせることで、より正確な相場把握が可能になります。

公示地価・基準地価・路線価の違いと調べ方

土地価格には複数の種類があり、それぞれ目的が異なります。

種類 目的 公表機関 調査時点 目安
公示地価 土地売買の参考 国土交通省 毎年1月1日 実勢価格の目安
基準地価 公示地価を補完 都道府県 毎年7月1日 実勢価格の目安
路線価 相続税・贈与税の計算 国税庁 毎年1月1日 公示地価の約8割
実勢価格 実際の取引価格 - 取引時点 変動幅が大きい

(出典: 公示地価・基準地価・路線価の違いや調べ方をわかりやすく解説!【2025年最新】 | SUUMO

調べ方

公示地価や路線価はあくまで参考値であり、実際の取引価格とは異なる場合があります。複数のデータを組み合わせて相場を把握することが重要です。

坪単価の計算方法と相場の見方

坪単価の計算式(土地価格÷土地面積)

坪単価は、土地の1坪あたりの価格を表す指標です。

坪単価の計算式

坪単価 = 土地価格(円) ÷ 土地面積(坪)

  • 土地価格:3,000万円
  • 土地面積:50坪
  • 坪単価:3,000万円 ÷ 50坪 = 60万円/坪

(出典: 土地の坪単価とは?相場の考え方や計算方法について解説! | イエイ

坪単価を知ることで、同じエリアの土地と価格を比較しやすくなります。

平米単価から坪単価への換算(平米単価×3.3)

公的データでは平米単価(m²単価)で表示されることが多いため、坪単価への換算方法を知っておくと便利です。

換算式

坪単価 = 平米単価 × 3.3

  • 平米単価:20万円/m²
  • 坪単価:20万円 × 3.3 = 66万円/坪

参考

  • 1坪 = 約3.3平方メートル(畳約2枚分の広さ)
  • 1平方メートル = 約0.3025坪

逆に坪単価から平米単価を計算する場合は、坪単価を3.3で割ります。

公示価格を使った土地価格の目安計算

公示地価を使って、土地価格の目安を計算することができます。

計算式

土地価格の目安 = 公示価格 × 3.3(坪単価に変換) × 土地面積(坪) × 1.1

  • 公示価格:20万円/m²
  • 土地面積:50坪
  • 計算:20万円 × 3.3 × 50坪 × 1.1 = 3,630万円

1.1を掛ける理由: 実勢価格は公示地価よりも1割程度高いことが多いため、1.1を掛けて目安を算出します。ただし、これはあくまで目安であり、実際の取引価格は立地条件や土地の形状、売主の急ぎ度合い等により変動します。

土地の価格が決まる要因

立地条件(駅距離、周辺環境、商業施設)

土地の価格を最も大きく左右するのは立地条件です。

駅距離

  • 駅徒歩10分以内:価格が高い
  • 駅徒歩10分超:距離が遠くなるほど価格が下がる
  • 都市部では駅距離の影響が大きい、地方では車社会のため影響が小さい場合も

周辺環境

  • スーパー、病院、学校、公園等の生活利便施設が近い:価格が高い
  • 静かな住環境、治安の良さ:価格にプラス評価
  • 騒音、悪臭、治安の悪さ:価格にマイナス評価

商業施設

  • 商業施設が充実しているエリア:価格が高い
  • 将来の再開発計画があるエリア:価格上昇の可能性

(出典: 土地の査定額が決まる10のポイント!プロの解説とおすすめの査定サイト | HOME4U

立地条件は後から変えることができないため、購入前に十分に確認することが重要です。

土地の形状(整形地・不整形地・旗竿地・角地)

土地の形状は価格に大きく影響します。

形状 特徴 価格への影響
整形地 長方形に近い形状 建物を建てやすく、価格が高い
不整形地 形がいびつ 建物の設計に制約があり、価格が下がる
旗竿地 道路に接する出入口が細く、奥が広い 接道義務を満たすための通路部分があり、価格が下がる
角地 2つの道路に接している 視認性が高く、日照・通風に優れるため価値が高い

(出典: 土地の査定額が決まる10のポイント!プロの解説とおすすめの査定サイト | HOME4U

整形地のメリット

  • 建物の設計自由度が高い
  • 敷地を有効活用できる
  • 将来売却しやすい

不整形地・旗竿地の注意点

  • 建物の設計に制約がある
  • 建築費が高くなる場合がある
  • 価格は安いが、将来売却時に買い手が見つかりにくい可能性

形状が価格に与える影響を理解した上で、総合的に判断することが重要です。

その他の要因(方角、接道状況、法的規制)

方角

  • 南向きの土地:日照時間が長く、人気が高いため価格が高い
  • 北向きの土地:日照が少ないため価格が下がる傾向

接道状況

  • 道路に2m以上接している:建築基準法の接道義務を満たし、建物を建てられる
  • 接道していない、または2m未満:建物を建てられない、または建築に制約があり価格が大幅に下がる

法的規制

  • 用途地域(住居系、商業系、工業系等):建物の用途や高さに制限がある
  • 建ぺい率・容積率:敷地に対して建てられる建物の面積が制限される
  • 地区計画、景観条例:建物のデザインや色に制限がある場合も

法的規制は購入前に必ず確認する必要があります。宅地建物取引士に相談し、希望する建物が建てられるかを確認しましょう。

適正価格の見極め方と価格交渉のポイント

実際の取引事例と公示地価の比較

適正価格を見極めるには、実際の取引事例と公示地価を比較することが重要です。

手順

  1. 不動産情報ライブラリで実際の取引事例を確認
  2. 同じエリア、同じ土地面積、同じ駅距離の取引事例を複数ピックアップ
  3. 坪単価を計算し、平均値を算出
  4. 全国地価マップで公示地価を確認
  5. 実際の取引価格と公示地価を比較し、乖離がないかチェック

注意点

  • 公示地価はあくまで目安であり、実際の取引価格は立地条件や形状により変動
  • 取引事例が少ないエリアでは、相場把握が難しい場合も
  • 売主の急ぎ度合いにより、相場よりも安く取引されるケースもある

複数のデータを組み合わせることで、より正確な相場把握が可能になります。

複数の公的データを組み合わせた評価

適正価格を見極めるには、以下のような複数の公的データを組み合わせることが重要です。

組み合わせ例

  • 不動産情報ライブラリ:実際の取引価格(直近1年以内)
  • 全国地価マップ:公示地価、路線価
  • 各自治体のハザードマップ:浸水想定区域、土砂災害警戒区域等のリスク
  • 用途地域マップ:建物の用途や高さ制限

これらのデータを総合的に評価することで、適正価格の範囲を把握できます。

価格交渉のタイミングと根拠の提示方法

価格交渉を成功させるには、タイミングと根拠の提示が重要です。

交渉のタイミング

  • 売主が早く売りたい事情がある場合(転勤、相続、資金繰り等)
  • 物件が長期間売れ残っている場合
  • 年度末や決算期(不動産会社が売上を確保したい時期)

根拠の提示方法

  • 公示地価や実際の取引事例を示す
  • 土地の形状や接道状況等のマイナス要因を指摘
  • 周辺環境の変化(交通量増加、騒音等)を理由にする

交渉例: 「近隣の同じ広さの土地が坪単価60万円で取引されており(不動産情報ライブラリで確認)、この土地は旗竿地で接道部分が狭いため、坪単価55万円程度が適正と考えます。」

価格交渉では、感情的にならず、客観的なデータを基に論理的に説明することが成功のカギです。

まとめ:土地代の相場を調べて賢く購入するステップ

公的データを活用した相場調査の流れ

土地代の相場を調べて賢く購入するためには、以下のステップを踏みましょう。

相場調査の流れ

  1. 不動産情報ライブラリで実際の取引事例を確認
  2. 全国地価マップで公示地価、路線価を閲覧
  3. 坪単価を計算し、エリアの相場感を掴む
  4. 複数の物件を比較し、立地条件・形状・接道状況を評価
  5. 適正価格の範囲を見極め、価格交渉の根拠を準備
  6. 宅地建物取引士や不動産鑑定士に相談し、客観的なアドバイスを受ける

専門家(宅建士、不動産鑑定士)への相談の重要性

土地購入は高額な買い物であり、専門知識が必要です。以下の理由から、専門家への相談が重要です。

宅地建物取引士への相談

  • 土地の価格が適正かどうかの評価
  • 法的規制(用途地域、建ぺい率、容積率等)の確認
  • 契約内容の確認、重要事項説明

不動産鑑定士への相談

  • より詳細な土地評価(鑑定評価書の作成)
  • 価格交渉の根拠資料の作成

公的データを活用して相場を把握した上で、専門家に相談することで、安心して土地購入を進められます。

土地購入を検討する際は、複数の公的データを組み合わせて相場を把握し、適正価格で購入しましょう。

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

広告

よくある質問

Q1土地の相場はどうやって調べるのですか?

A1国土交通省の「不動産情報ライブラリ」(旧・土地総合情報システム)で実際の取引価格を確認するのが最も実用的です。また、全国地価マップで公示地価、路線価を閲覧することもできます。複数のデータを組み合わせて相場を把握することが重要です。不動産情報ライブラリでは、地図から探して詳細な取引事例(坪単価、土地面積、駅距離等)を確認できます。

Q2坪単価とは何ですか?どのように計算しますか?

A2坪単価は土地の1坪あたりの価格を表す指標です。計算式は「土地価格(円)÷土地面積(坪)」です。1坪は約3.3平方メートル(畳約2枚分の広さ)です。平米単価から坪単価への換算は「平米単価×3.3」で可能です。例えば、土地価格が3,000万円、土地面積が50坪の場合、坪単価は60万円/坪となります。

Q3公示地価と路線価の違いは何ですか?

A3公示地価は国土交通省が毎年1月1日に調査する土地売買の参考価格で、3月下旬に公表されます。路線価は国税庁が毎年7月1日に公表する相続税・贈与税の計算基準で、公示地価の約8割が目安となります。基準地価は都道府県が毎年7月1日時点で調査する公示地価を補完する価格です。実際の取引価格(実勢価格)はこれらとは異なり、立地や形状、売主の急ぎ度合いなどで変動します。

Q4土地の価格はどのような要因で決まりますか?

A4土地の価格は、駅距離・周辺環境・商業施設等の立地条件、土地の形状(整形地・不整形地・旗竿地・角地)、方角(南向きが高い)、接道状況(2m以上接道が必要)、法的規制(用途地域、建ぺい率、容積率)等が影響します。整形地は価格が高く、不整形地や旗竿地は価格が下がる傾向があります。角地は視認性が高く、日照・通風に優れるため価値が高いです。

R

Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

関連記事