京都市の土地購入ガイド|相場・エリア選び・規制の注意点を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/6

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京都市の土地購入を検討する前に知るべきこと

京都市で土地を購入する際、「他の都市と同じように探せばいいのか」「京都特有の制約はあるのか」と疑問を持つ方は少なくありません。

この記事では、京都市の土地価格相場、景観規制や用途地域の制限、エリアごとの特徴、土地選びの注意点を、京都市公式サイト国土交通省のデータを元に解説します。

初めて京都市で土地購入を検討する方でも、相場感や規制の理解を深め、適切なエリア選びができるようになります。

この記事のポイント

  • 京都市の平均基準地価は700,420円/㎡で、前年比+5.08%上昇(2025年データ)
  • 景観規制(高さ制限・デザイン規制)が厳格で、建築できる建物の種類や外観が制限される
  • 用途地域は12種類あり、第1種低層住居専用地域など低層住宅環境の保護が厳しい地域がある
  • 駅別では京都河原町駅が最高4,958,250円/㎡、追分駅が最低71,560円/㎡と約69倍の価格差
  • 観光需要と企業進出により、今後も一定の地価上昇が見込まれる

(1) 京都市の地域特性と魅力

京都市は、歴史的な寺社仏閣と現代的な都市機能が共存する都市です。

  • 観光資源: 清水寺、金閣寺、伏見稲荷大社など世界的な観光地
  • 交通利便性: JR・地下鉄・私鉄が充実し、大阪・奈良へのアクセスも良好
  • 文化・教育環境: 京都大学など教育機関が集積し、文化的な雰囲気が魅力

一方で、歴史的景観を保護するため、他の都市にはない厳格な規制が存在します。

(2) 京都特有の景観規制と建築制限

京都市では、京都市都市計画課により、景観規制が厳格に定められています。

主な景観規制:

規制項目 内容
高さ制限 エリアにより10m〜45m(低層住居地域では10mまたは12m)
デザイン規制 外観の色彩・素材・形状に制限がある場合がある
屋外広告物 広告物の設置に制限あり

影響:

  • 建てられる建物の階数が制限される
  • 外観デザインに制約が生じる場合がある
  • 事前に景観課への確認が必要

(出典: 京都市公式サイト

(3) 歴史的環境と都市機能のバランス

京都市は、歴史的環境を守りながら、都市機能を維持するバランスが特徴です。

  • 市街化区域: 14,980ha(都市計画区域の31.2%)で、既に市街地を形成しているか10年以内に優先的に市街化を図る区域
  • 市街化調整区域: 市街化を抑制する区域で、原則として建築制限が厳しい

土地購入時は、この区域区分を確認することが重要です。

(4) 本記事で解説する内容

  • 京都市全体および駅別の土地価格相場
  • 最近の価格推移と地価上昇の要因
  • 人気エリアの特徴と生活環境
  • 用途地域・景観規制の確認方法
  • 土地購入の流れと諸費用

京都市の土地価格相場と最新動向

(1) 京都市全体の平均価格(坪単価・平米単価)

土地代データによると、京都市の平均基準地価は以下の通りです。

指標 価格 変化率
平均基準地価 700,420円/㎡ +5.08%
坪単価換算 約231万円/坪 -

(2025年データ)

また、2024年の地価公示では、以下の通りです。

用途 平均価格
住宅地 153,568円/㎡
商業地 805,047円/㎡

(2) 駅別の価格差(京都河原町駅~追分駅)

駅別の平均価格では、地域差が顕著に現れています。

駅名 平均価格(円/㎡) 坪単価換算
京都河原町駅 4,958,250 約1,639万円/坪
追分駅 71,560 約24万円/坪

価格差: 約69倍

中心部の利便性を重視するか、郊外の広さと静けさを選ぶかで、予算は大きく変わります。

(3) 最近の価格推移(2023~2025年)

京都市の地価は、近年上昇傾向にあります。

  • 2023〜2024年: 年平均2〜3%の上昇率で地価が高止まり
  • 2024〜2025年: 前年比+5.08%の上昇(基準地価ベース)

(出典: ライズ不動産販売

(4) 地価上昇の要因(観光需要・企業進出)

地価上昇の主な要因は以下です。

  • 観光客増加: インバウンド需要による宿泊施設(ホテル・民泊)の建設ラッシュ
  • 企業進出: IT企業やスタートアップの京都進出により、オフィス需要が拡大
  • 再開発: 京都駅周辺の再開発プロジェクトが地価を押し上げ

今後も一定の価格上昇が見込まれますが、投資目的の場合は慎重な判断が必要です。

(5) 公示地価と実際の取引価格の違い

公示地価実際の取引価格には差があります。

  • 公示地価: 国土交通省が毎年3月に発表する標準地の価格(取引の目安)
  • 基準地価: 都道府県が毎年9月に発表する基準地の価格(公示地価を補完)
  • 実際の取引価格: 個別の条件(立地、形状、接道状況等)により変動

取引価格は公示地価より高くなることも低くなることもあるため、国土交通省の不動産取引価格情報検索で実際の取引事例を確認することを推奨します。

京都市の人気エリアと特徴

(1) 高額住宅地エリア(丸太町・上京区等)

東洋経済オンラインによると、京都市の高額住宅地トップは以下です。

順位 地点 価格(円/㎡) 坪単価
1位 丸太町(上京区) 700,000 約231万円/坪

このエリアは、京都御所に近く、歴史的な雰囲気と高い利便性を兼ね備えています。

(2) 中心部エリア(京都駅・河原町周辺)

  • 特徴: 交通利便性が最高、商業施設が充実
  • 価格: 坪単価200〜500万円程度(立地により大きく変動)
  • 向いている人: 通勤・通学を重視する世帯

(3) 北部エリア(左京区・北区)

  • 特徴: 閑静な住宅街、教育環境が良好(京都大学周辺)
  • 価格: 坪単価100〜200万円程度
  • 向いている人: 子育て世帯、自然環境を重視する人

(4) 南部エリア(伏見区・南区)

  • 特徴: 比較的価格が抑えられる、大阪へのアクセス良好
  • 価格: 坪単価50〜100万円程度
  • 向いている人: 広い土地を確保したい世帯

(5) 各エリアの生活環境とアクセス

各エリアのアクセスと生活環境は以下の通りです。

エリア 主要駅 京都駅まで 大阪駅まで
中心部 京都河原町 10分 50分
北部 北大路 15分 60分
南部 竹田 15分 45分

土地選びのポイントと注意事項

(1) 用途地域と建築制限の確認(12種類の用途地域)

京都市には、京都市都市計画課により12種類の用途地域が指定されています。

主な用途地域:

用途地域 制限内容
第1種低層住居専用地域 低層住宅の環境を保護(高さ10mまたは12m制限)
第1種中高層住居専用地域 中高層住宅の環境を保護
準工業地域 住宅と工場が混在可能

各地域で建築物の用途・容積率・建ぺい率・高さに制限があります。

(2) 景観規制の確認(高さ制限・デザイン規制等)

前述の通り、京都市は景観規制が厳格です。

  • 建物の高さ制限
  • 外観の色彩・素材・形状の制限
  • 屋外広告物の設置制限

土地購入前に、京都市景観課への確認が必須です。

(3) 市街化区域と市街化調整区域の違い

市街化区域:

  • 既に市街地を形成しているか10年以内に優先的に市街化を図る区域
  • 建築が比較的自由

市街化調整区域:

  • 市街化を抑制する区域
  • 原則として建築制限が厳しい(農家住宅や公益施設等の例外あり)

市街化調整区域では、一般住宅の建築が難しい場合があるため注意が必要です。

(4) 建ぺい率・容積率の確認

建ぺい率: 敷地面積に対する建築面積の割合(建物を真上から見た面積÷敷地面積)

容積率: 敷地面積に対する延べ床面積の割合(全フロアの床面積合計÷敷地面積)

例えば、100㎡の土地で建ぺい率60%、容積率200%の場合:

  • 建築面積(1階の面積): 最大60㎡
  • 延べ床面積(全フロア合計): 最大200㎡

これらは用途地域により異なるため、京都市都市計画情報検索ポータルサイトで確認してください。

(5) 埋蔵文化財・地盤のリスク確認

京都市は歴史的な都市のため、埋蔵文化財が出土する可能性があります。

  • 埋蔵文化財包蔵地: 文化財が埋まっている可能性が高い区域(工事前に発掘調査が必要)
  • 地盤リスク: 古い盛土や軟弱地盤のエリアがある(地盤調査を推奨)

埋蔵文化財包蔵地に該当する場合、工事着工までに時間がかかることがあるため、事前に京都市文化財保護課への確認が必要です。

(6) 京都市都市計画情報検索ポータルサイトの活用

京都市都市計画情報検索ポータルサイトでは、以下の情報を検索できます。

  • 用途地域
  • 都市施設
  • 景観保全
  • 指定道路

土地購入前に必ず確認し、建築計画が実現可能かを確かめましょう。

(7) 現地確認の重要性

インターネットの情報だけでなく、実際に現地を訪れて以下を確認してください。

  • 周辺環境(騒音、日当たり、隣地の状況)
  • 接道状況(道路幅、接道義務の充足)
  • 公共交通機関へのアクセス
  • 生活施設(スーパー、病院、学校)の立地

土地購入の流れと諸費用

(1) 土地購入の7ステップ(エリア決定~引き渡し)

土地購入は、以下のステップで進みます。

  1. エリア決定: 予算・通勤・生活環境から候補エリアを絞る
  2. 物件検索: 不動産ポータルサイト・不動産会社で物件を探す
  3. 現地見学: 実際に土地を訪れ、周辺環境を確認
  4. 買付証明書提出: 購入意思を示す書面を提出
  5. 住宅ローン事前審査: 金融機関で借入可能額を確認
  6. 売買契約: 重要事項説明を受け、契約書に署名・捺印
  7. 決済・引き渡し: 残金を支払い、所有権を移転

(2) 買付証明書と住宅ローン事前審査

買付証明書: 購入意思を示す書面(法的拘束力はない)

住宅ローン事前審査: 金融機関が借入可能額を審査(本審査前の簡易審査)

事前審査に通過した上で、売買契約を進めることが一般的です。

(3) 売買契約と重要事項説明

重要事項説明: 宅地建物取引士が、土地の権利関係・都市計画・建築制限等を説明

売買契約: 売主・買主が契約書に署名・捺印し、手付金(通常は売買価格の5〜10%)を支払う

契約後は、原則としてキャンセルに違約金が発生するため、慎重に判断してください。

(4) 諸費用の詳細(仲介手数料・手付金・不動産取得税・登録免許税等)

土地購入時には、以下の諸費用がかかります。

項目 内容 目安額(3,000万円の土地の場合)
仲介手数料 物件価格×3%+6万円+消費税 約105万円
手付金 売買価格の5〜10% 150〜300万円
不動産取得税 固定資産税評価額×3% 30〜50万円
登録免許税 固定資産税評価額×2% 20〜30万円
司法書士報酬 登記手続きの代行費用 5〜10万円

(出典: 国税庁

諸費用は、土地価格の5〜10%が目安です。

まとめ:京都市での土地購入を成功させるために

(1) 複数の情報源で相場を確認する

京都市の土地価格は、公示地価・基準地価・実際の取引価格で異なります。

これらを組み合わせて、正確な相場を把握しましょう。

(2) 景観規制・用途地域を必ず事前確認

京都市は景観規制が厳格で、建築できる建物に制限があります。

  • 高さ制限
  • デザイン規制
  • 用途地域の建築制限

土地購入前に、京都市都市計画課や景観課に確認し、希望の建物が建築可能かを確かめてください。

(3) 地価上昇傾向を踏まえた購入タイミングの検討

京都市の地価は、2023〜2025年で年平均2〜5%上昇しています。

  • 観光需要と企業進出により、今後も一定の上昇が見込まれる
  • 投資目的の場合は、将来の価格変動リスクも考慮

購入タイミングは、自身のライフプランと市場動向を総合的に判断してください。

(4) 次のアクション:不動産会社相談・現地見学・都市計画課での確認

信頼できる不動産会社に相談し、以下を実行しましょう。

  • 複数の物件を現地見学
  • 京都市都市計画課・景観課で規制を確認
  • 宅地建物取引士や建築士に相談

無理のない資金計画を立て、納得のいく土地選びを進めてください。

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よくある質問

Q1京都市の土地価格相場はどれくらいですか?

A1京都市の平均基準地価は700,420円/㎡(坪単価約231万円)で、前年比+5.08%上昇しています(2025年データ)。駅別では京都河原町駅が最高4,958,250円/㎡、追分駅が最低71,560円/㎡と約69倍の価格差があります。中心部の利便性を重視するか、郊外の広さと静けさを選ぶかで予算は大きく変わります。詳細は国土交通省の不動産取引価格情報検索でご確認ください。

Q2京都市の地価が高騰している理由は何ですか?

A2主な要因は、観光客増加による宿泊施設需要の拡大と企業進出です。インバウンド需要によるホテル・民泊の建設ラッシュ、IT企業やスタートアップの京都進出によるオフィス需要の拡大、京都駅周辺の再開発プロジェクトが地価を押し上げています。2023〜2024年は年平均2〜3%の上昇率で地価が高止まりしており、今後も一定の上昇が見込まれますが、投資目的の場合は慎重な判断が必要です。

Q3京都特有の景観規制とは何ですか?

A3京都市では、歴史的景観を保護するため、建物の高さ制限(エリアにより10m〜45m)やデザイン規制(外観の色彩・素材・形状の制限)、屋外広告物の設置制限が厳格に定められています。低層住居地域では高さ10mまたは12mの制限があり、建てられる建物の階数や外観デザインに制約が生じる場合があります。土地購入前に京都市都市計画課や景観課への確認が必須です。

Q4用途地域による建築制限はどうなっていますか?

A4京都市には12種類の用途地域が指定されており、各地域で建築物の用途・容積率・建ぺい率・高さに制限があります。第1種低層住居専用地域は低層住宅の環境を保護するため高さ10mまたは12mの制限があり、第1種中高層住居専用地域は中高層住宅の環境を保護します。京都市都市計画情報検索ポータルサイトで確認することをおすすめします。

Q5中心部と郊外でどれくらい価格差がありますか?

A5中心部(京都河原町駅周辺)は4,958,250円/㎡、郊外(追分駅周辺)は71,560円/㎡と約69倍の価格差があります。中心部は坪単価200〜500万円程度で交通利便性と商業施設の充実が魅力、北部(左京区・北区)は坪単価100〜200万円程度で閑静な住宅街と教育環境が良好、南部(伏見区・南区)は坪単価50〜100万円程度で広い土地を確保できる点が魅力です。利便性と価格のバランスを考慮したエリア選びが重要です。

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Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

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