桑名市の土地購入が注目される理由
桑名市で土地購入を検討している方は、「価格相場はいくらか」「名古屋への通勤は可能か」「水害リスクはないか」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では、桑名市の土地価格相場、エリア別の特徴、購入時の注意点を、三重県公式サイトや国土交通省土地総合情報システムの公式データを元に解説します。
初めて土地を購入する方でも、桑名市の土地市場を正確に把握し、最適なエリアを選択できるようになります。
この記事のポイント
- 桑名市全体の土地価格相場は坪単価17.4万円が目安(2024年時点)
- 桑名駅周辺は坪単価33.8万円と市内平均の約2倍で、名古屋通勤圏として人気
- 実際の取引価格は坪単価10.4万円(2024年Q1)と売り出し価格より大幅に低い傾向
- 木曽三川流域のため水害リスクがあり、ハザードマップの確認が必須
- 土地区画整理事業により整備された分譲地が多く存在
桑名市の土地価格相場と動向
(1) 公示地価・基準地価の推移(2024~2025年)
桑名市の基準地価(都道府県が毎年7月1日時点で調査・公表する標準的な土地の価格)は、三重県の令和6年地価調査によると、2024年時点で坪単価21.8万円(前年比+0.43%)となっています。
一方、住宅地と商業地で動向が分かれており、以下のような特徴があります。
| 用途地域 | 2024年基準地価 | 前年比 |
|---|---|---|
| 住宅地 | 坪単価約20万円 | -0.5%程度 |
| 商業地 | 坪単価約30万円 | +1.37% |
(出典: 三重県「令和6年地価調査」)
商業地は前年比+1.37%と上昇している一方、住宅地は下落傾向にあります。
(2) 実際の取引価格と売り出し価格の差
国土交通省土地総合情報システムのデータによると、2024年第1四半期の実際の取引価格は坪単価10.4万円(前年比-28.93%)と、基準地価(坪単価21.8万円)や売り出し価格(坪単価17.4万円)と大きな差があります。
2025年の実際の取引価格は坪単価10.3万円(前年比-41.6%)とさらに下落しており、注意が必要です。
重要なポイント:
- 売り出し価格と実際の取引価格に大きな差がある
- 複数の取引事例を確認し、相場を把握することが重要
- 価格交渉の余地が大きい可能性がある
(3) 住宅地と商業地の価格動向の違い
住宅地の土地価格は2024~2025年にかけて大幅に下落している一方、商業地は堅調に推移しています。
この要因として、以下が考えられます。
- 住宅地: 人口減少・新築住宅需要の減少
- 商業地: 名古屋通勤圏としての利便性、桑名駅周辺の商業需要
短期的な資産価値上昇を期待する場合、住宅地での土地購入は慎重な判断が必要です。
エリア別の土地価格と特徴(桑名駅周辺・多度・長島)
(1) 桑名駅周辺の土地価格と利便性(名古屋通勤圏)
桑名駅周辺の土地価格相場は、坪単価33.8万円と市内平均の約2倍の価格帯です。
桑名駅周辺のメリット:
- 名古屋まで近鉄特急で約20分、JR快速で約30分
- 駅前に商業施設・医療機関が充実
- 通勤・通学の利便性が高い
桑名駅周辺のデメリット:
- 市内で最も土地価格が高い
- 土地の供給が限られている
- 建築条件付き土地が多い
名古屋への通勤を前提とする場合、桑名駅周辺は有力な選択肢となります。
(2) 郊外エリアの土地価格と特徴
桑名市の郊外エリア(多度地区・長島地区等)は、駅から離れるほど土地価格が下がる傾向があります。
| エリア | 坪単価目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 多度地区 | 10~15万円 | 自然環境が良好、養老山地に近い |
| 長島地区 | 8~12万円 | 木曽三川に囲まれた地域、水害リスクに注意 |
| その他郊外 | 5~10万円 | 駅距離が遠いが土地面積を広く確保可能 |
郊外エリアは、広い土地を確保したい方や、自然環境を重視する方に適しています。
(3) 土地区画整理事業による整備済み分譲地
桑名市公式サイトによると、桑名市内では39の土地区画整理事業が完了しており、整備された分譲地が多く存在します。
土地区画整理事業のメリット:
- 道路・上下水道等のインフラが整備済み
- 区画が整然としており、建築しやすい
- 住環境が良好
分譲地を購入する場合、用途地域や建築条件を確認することが重要です。
桑名市で土地を購入する際の注意点
(1) 用途地域と建築条件の確認
土地を購入する際は、用途地域と建築条件を必ず確認してください。
用途地域とは: 都市計画法で定められた土地の用途制限。住居系・商業系・工業系等に分類され、建築できる建物の種類が制限されます。
建築条件付き土地とは: 一定期間内に指定の建築会社で建物を建てることを条件に販売される土地。施工会社の選択肢が限定されます。
建築条件なしの土地を希望する場合、物件情報で明確に確認することが重要です。
(2) 水害リスクとハザードマップの確認(木曽三川流域)
桑名市は木曽川・長良川・揖斐川(木曽三川)に囲まれた地域で、水害リスクがあります。
水害リスク対策:
- 桑名市のハザードマップで浸水想定区域を確認
- 地盤高・過去の浸水履歴を確認
- 必要に応じて地盤改良・盛土を検討
特に長島地区など木曽三川に近い地域では、ハザードマップの確認が必須です。
(3) 売り出し価格と実際の取引価格の比較
前述のとおり、桑名市では売り出し価格と実際の取引価格に大きな差があります。
価格確認のポイント:
- 国土交通省土地総合情報システムで周辺の取引事例を確認
- 複数の不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME'S、アットホーム等)で相場を比較
- 地元の不動産業者に実際の取引価格を確認
価格交渉の材料として、周辺の取引事例を把握しておくことが重要です。
土地購入の流れと諸費用
(1) 土地購入の基本的な流れ
土地購入は、以下の流れで進みます。
- 情報収集・物件探し: 不動産ポータルサイト、地元業者で物件を探す
- 現地確認: 用途地域、周辺環境、ハザードマップを確認
- 購入申込・価格交渉: 購入意思を伝え、価格交渉を行う
- 重要事項説明: 宅地建物取引士から重要事項の説明を受ける
- 売買契約: 契約書に署名・捺印し、手付金を支払う
- 決済・引渡し: 残代金を支払い、土地の所有権を移転
専門家(宅地建物取引士、司法書士等)のサポートを受けながら進めることが重要です。
(2) 諸費用の内訳(登記費用・仲介手数料・税金)
土地購入時には、土地代金以外に以下の諸費用がかかります。
| 項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 土地価格の3%+6万円+消費税 | 仲介業者を通す場合 |
| 登記費用(登録免許税) | 固定資産税評価額の2% | 所有権移転登記 |
| 司法書士費用 | 5~10万円 | 登記手続きを依頼する場合 |
| 不動産取得税 | 固定資産税評価額の3% | 土地取得後に課税 |
| 印紙税 | 1~3万円 | 売買契約書に貼付 |
諸費用は土地価格の5~10%程度が目安です。詳細は国税庁公式サイトでご確認ください。
(3) 物件の探し方(大手ポータルvs地元業者)
桑名市の土地物件は、大手ポータルサイトと地元業者の両方で探すことができます。
大手ポータルサイト(SUUMO、HOME'S、アットホーム等):
- メリット: 物件数が多い(133~231件)、条件検索が便利
- デメリット: 地元の非公開物件が少ない
地元不動産業者:
- メリット: 地域に密着した情報、非公開物件の紹介
- デメリット: 物件数が限定的
両方を活用し、複数の選択肢を比較することが重要です。
まとめ:桑名市で最適な土地を見つける方法
桑名市の土地価格相場は、市全体で坪単価17.4万円、桑名駅周辺で坪単価33.8万円が目安です。ただし、実際の取引価格は坪単価10.4万円と売り出し価格より大幅に低い傾向があり、複数の取引事例を確認することが重要です。
桑名駅周辺は名古屋通勤圏として人気がありますが、郊外エリアでは広い土地を確保できます。木曽三川流域のため水害リスクがあり、ハザードマップの確認が必須です。
信頼できる不動産業者や宅地建物取引士に相談しながら、用途地域・建築条件・価格相場を慎重に確認し、最適な土地を見つけましょう。
