石垣島・石垣市の不動産市場の特徴
石垣島への移住やリゾート物件の購入を検討する際、「不動産の相場はどれくらいか」「物件が見つかりにくいと聞くが本当か」と不安を感じる方は少なくありません。石垣島・石垣市の不動産市場は、観光客と移住者の増加により独特の特性を持っています。
この記事では、石垣島・石垣市の不動産市場の特徴、価格相場、エリア別の特性、物件探しの方法、移住時の注意点を解説します。公的データや地元の不動産情報をもとに、石垣島での不動産探しで成功するためのポイントを提供します。
この記事のポイント
- 石垣島は2013年の新空港開港以来、観光客と移住者が増加し、空き物件が慢性的に不足している
- 2024年第1四半期の土地価格は平均3.5万円/m²(坪単価11.5万円)で、前年比+1.96%と上昇傾向
- 賃貸の家賃相場は本土並みかそれ以上に高く、ワンルーム6.5万円、1LDK 11.3万円、2LDK 12.1万円が目安
- 礼金なし、駐車場無料、更新料なしの物件が多いのが石垣島のメリット
- 石垣市は移住支援金の対象外(2024年時点)で、医療施設が少なく、大型の虫が多いため、移住前に現地確認が重要
石垣島・石垣市の不動産市場の特徴
(1) 移住者増加による物件不足
石垣島は移住希望者が多く、空き物件が慢性的に不足しています。特に築浅の戸建ては移住者に人気が高く、不動産会社に物件情報が出た瞬間に埋まってしまうことが珍しくありません。
物件不足の背景:
- 2013年の新空港開港以来、観光客と移住者が増加
- 賃貸の空室率が低いまま推移
- 物件供給が需要に追いついていない
そのため、物件情報を頻繁にチェックすることが重要です。
(2) 2013年新空港開港以降の市場変化
2013年3月、石垣島に新空港(南ぬ島石垣空港)が開港しました。これにより、観光客が大幅に増加し、不動産市場も活性化しました。
市場変化の主なポイント:
- 観光客数の増加により、リゾート物件や投資用物件の需要が拡大
- 移住者の増加により、居住用物件の需要が増加
- 土地価格が上昇傾向に転じた
(3) 賃貸市場の特徴(礼金なし、更新料なし等)
石垣島の賃貸市場には、本土と異なる特徴があります。
石垣島の賃貸のメリット:
- 礼金なしの物件が多い
- 駐車場1-2台無料の物件が多い
- 更新料なしの物件が多い
これらは、離島の慣習として定着しています。
石垣島の不動産相場と価格推移
(1) 土地価格の推移(2024年第1四半期)
石垣市の土地価格は、2013年の新空港開港以来、上昇傾向が続いています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均土地価格(2024年Q1) | 3.5万円/m² |
| 坪単価 | 11.5万円 |
| 前年比 | +1.96% |
(出典: 土地代データ「石垣市の土地価格相場」)
公示地価・基準地価のデータによると、石垣市の土地価格は堅調に推移しています。
(2) 賃貸の家賃相場(ワンルーム、1LDK、2LDK)
石垣島の賃貸の家賃相場は、離島としては高く、本土並みかそれ以上の水準です。
| 間取り | 家賃相場 |
|---|---|
| ワンルーム | 6.5万円 |
| 1LDK | 11.3万円 |
| 2LDK | 12.1万円 |
| 平均(全体) | 4-6.5万円 |
(出典: 複住スタイル「石垣島移住の現実」)
物件不足により、家賃は高止まりしています。
(3) 売買物件の価格帯
売買物件の価格帯は、エリアや物件の種類により大きく異なります。
一般的な価格帯の例:
- 築浅の戸建て(市街地): 2,000万円~3,500万円程度
- 古民家: 500万円~1,500万円程度(ただし大規模な修繕が必要な場合が多い)
- リゾートエリアの土地: 坪単価15万円~30万円程度
価格は立地や築年数により変動するため、複数の物件を比較検討することが重要です。
エリア別の特性と人気地区
(1) 南部地区(市場エリア)の特徴
**南部地区(市場エリア)**は、初めての移住者におすすめのエリアです。
メリット:
- スーパー、コンビニ、病院が揃っており、生活しやすい
- 行政機関や金融機関が集中している
- 公共交通機関(路線バス等)が比較的充実
デメリット:
- 家賃・物件価格が他エリアより高め
- 観光客が多く、繁忙期は混雑する
(2) リゾートエリアの特徴
リゾートエリア(川平、白保等)は、海が近く自然豊かなエリアです。
メリット:
- 美しい海や自然環境を楽しめる
- 静かで落ち着いた環境
- リゾート物件やセカンドハウスに適している
デメリット:
- スーパーや病院が少なく、生活には車が必須
- 物件価格が高い(リゾート需要により)
- インフラが市街地より限定的
(3) 農村部の特徴
農村部(伊原間、野底等)は、のどかな田園風景が広がるエリアです。
メリット:
- 家賃・物件価格が比較的安い
- 自然に囲まれた静かな環境
- 広い土地を確保しやすい
デメリット:
- スーパーや病院が遠く、生活には車が必須
- 公共交通機関がほぼない
- 物件数が少ない
石垣島での物件探しの方法
(1) 地元不動産会社の活用(八重山住宅サービス等)
石垣島の地元不動産会社を活用することで、地域に特化した物件情報を得られます。
主な地元不動産会社:
- 八重山住宅サービス: 石垣島の地元不動産会社。賃貸・売買・アパート管理を取り扱う(公式サイト: https://www.yjs.ne.jp/)
地元不動産会社は、ポータルサイトに掲載されていない物件情報を持っている場合があります。
(2) 不動産ポータルサイトの活用(うちなーらいふ、SUUMO等)
不動産ポータルサイトを活用することで、広範囲の物件情報を比較検討できます。
主な不動産ポータルサイト:
- うちなーらいふ: 沖縄専門の不動産ポータルサイト(公式サイト: https://www.e-uchina.net/cms/ishigaki_all/)
- SUUMO 石垣市版: 大手不動産ポータルサイト(公式サイト: https://suumo.jp/okinawa/sc_ishigaki/)
ポータルサイトは、物件の写真や間取り、設備情報を詳しく確認できるのがメリットです。
(3) 物件情報の頻繁なチェックの重要性
石垣島は物件数が少なく競争が激しいため、物件情報を頻繁にチェックする必要があります。
具体的な方法:
- 地元不動産会社や不動産ポータルサイトを毎日チェックする
- 新着物件のメール通知機能を活用する
- 複数の不動産会社に物件探しを依頼する
築浅の戸建ては特に競争が激しく、タイミングを逃すと次の物件が見つかるまで時間がかかることがあります。
石垣島移住と不動産購入の注意点
(1) 移住支援金の対象外(2024年時点)
石垣市は、移住支援金(最大100万円)の対象外です(2024年時点)。
多くの地方自治体が移住者に支援金を支給していますが、石垣市は対象外のため、他の自治体のような手厚い補助は受けられません。移住費用は自己負担で準備する必要があります。
(2) 医療施設の限定性
石垣島は医療施設が少なく、専門的な治療や無痛分娩は本島や本土への移動が必要です。
主な医療施設:
- 沖縄県立八重山病院(総合病院)
- 一般診療所(内科、小児科等)
持病がある方や、専門的な治療が必要な方は、医療環境を事前に確認することをおすすめします。
(3) 大型の虫(ムカデ、サソリ等)への対策
石垣島には、本土には見られない大型の虫(ムカデ、サソリ、大型ゴキブリ等)が多く生息しています。
対策:
- 虫除けスプレー、蚊取り線香、虫除けネットを常備
- 家の隙間を塞ぐ(虫の侵入を防ぐ)
- 定期的に害虫駆除業者に依頼
虫が苦手な人には厳しい環境のため、移住前に現地確認することをおすすめします。
(4) 古民家の害虫被害・シロアリ被害リスク
古民家は、害虫被害やシロアリ被害が多く、大規模な修繕が必要な場合が多いです。
古民家購入時の注意点:
- シロアリ被害の有無を専門業者に確認してもらう
- 修繕費用の見積もりを取る(DIYレベルでは対応できないことが多い)
- 購入後の定期的なメンテナンスを計画する
古民家は魅力的ですが、想定外の修繕費用が発生するリスクがあります。
(5) リゾートバイトや体験ツアーで現地確認を
移住前に、リゾートバイト(リゾバ)や体験ツアーに参加して現地の生活を確かめることを推奨します。
リゾートバイトのメリット:
- 短期間働きながら生活体験ができる
- 地元の人との交流で情報収集ができる
- 移住前に気候や環境を確認できる
石垣市の公式移住定住応援サイト(https://ishigaki-ijyu.com/migrate)では、移住までの流れや現地の生活情報を提供しています。
まとめ:石垣島の不動産探しで成功するために
石垣島・石垣市の不動産市場は、2013年の新空港開港以来、観光客と移住者の増加により活性化しています。土地価格は上昇傾向で、賃貸の家賃相場は本土並みかそれ以上に高い水準です。
物件探しは、地元不動産会社(八重山住宅サービス等)や不動産ポータルサイト(うちなーらいふ、SUUMO等)を活用し、物件情報を頻繁にチェックすることが重要です。築浅の戸建ては競争が激しく、タイミングを逃さないことが成功の鍵です。
移住時の注意点として、石垣市は移住支援金の対象外(2024年時点)であり、医療施設が少なく、大型の虫が多い環境です。移住前にリゾートバイトや体験ツアーで現地確認することをおすすめします。最終的な判断は、現地調査の上、専門家に相談してください。
