一戸建てベランダ防水工事の費用相場|種類別の価格と業者選びのポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/12

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ベランダ防水工事が必要な理由と劣化のサイン

一戸建てのベランダは、雨風や紫外線に常にさらされているため、防水層が経年劣化します。防水工事を怠ると、雨漏りが発生し、家全体に水が浸入して大規模な修繕が必要になる可能性があります。

この記事では、ベランダ防水工事の費用相場、防水方法の種類、業者選びのポイント、DIYの可否を、最新の情報を元に解説します。

初めて防水工事を検討する方でも、適切な費用と方法を正確に把握できるようになります。

この記事のポイント

  • ベランダ防水工事の費用相場は10㎡で3.5万円〜10万円、総額15〜30万円が一般的
  • FRP防水が木造2階建て住宅で最も一般的(強度が高く軽量)
  • 防水層の寿命は10〜15年、トップコートは3〜5年ごとに塗り直しが必要
  • DIYはトップコート塗装のみ可能、防水層の工事は専門業者に依頼必須
  • 業者選びは3社以上から見積もりを取り、施工実績と説明の有無を確認

(1) 防水工事を怠るリスク(雨漏り・建物の耐久性低下)

ベランダの防水工事を怠ると、以下のリスクが発生します:

  • 雨漏り: 防水層が劣化すると、雨水がベランダ下の部屋に浸入します
  • 建物の耐久性低下: 水が浸入すると、木材や鉄筋が腐食し、建物の寿命が縮みます
  • カビ・シロアリの発生: 湿気が増えると、カビやシロアリが発生するリスクが高まります
  • 大規模修繕: 放置すると、下地から補修が必要になり、費用が50万円を超えることもあります

定期的なメンテナンスで、これらのリスクを回避できます。

(2) 劣化のサイン(ひび割れ・浮き・膨れ・色褪せ・チョーキング等)

ベストリニューアルの解説によると、以下の劣化サインが見られたら、防水工事を検討してください:

劣化サイン 内容
ひび割れ 防水層まで達している可能性がある
浮き・膨れ 防水層と下地の密着性が低下している
色褪せ 紫外線でトップコートが劣化している
チョーキング 塗装表面に粉状の物質が現れる
排水能力の低下 排水溝が詰まり、水が溜まる
ベランダ下の雨染み すでに雨漏りが発生している

これらのサインが1つでも見られたら、早めに業者に相談しましょう。

(3) メンテナンスの時期(防水層10〜15年、トップコート3〜5年)

防水工事のメンテナンス時期は以下の通りです:

  • 防水層: 10〜15年が寿命の目安(施工方法や環境により異なる)
  • トップコート: 3〜5年ごとに塗り直しが必要(防水層の寿命を延ばす)

トップコートを定期的に塗り直すことで、防水層の劣化を遅らせ、大規模な工事を先延ばしにできます。

ベランダ防水の種類と特徴

一戸建てのベランダ防水には、主に以下の3種類があります。

(1) FRP防水(繊維強化プラスチック)

特徴:

  • 最も一般的: 木造2階建て住宅のベランダで広く採用されている
  • 強度が高い: 繊維強化プラスチックを使用し、耐久性が高い
  • 軽量: 建物への負荷が少ない
  • 乾燥が早い: 施工後すぐに歩行可能

費用: 1㎡あたり6,000〜10,000円

耐用年数: 10〜12年

メリット:

  • 施工が早い(1〜2日程度)
  • 強度が高く、物を置いても傷つきにくい

デメリット:

  • ひび割れが発生しやすい(定期的なトップコート塗り直しが必要)
  • 施工時に臭いが発生する

(2) ウレタン防水(密着工法・通気緩衝工法)

特徴:

  • 複雑な形状に対応: 液体状のため、複雑な形状のベランダにも施工可能
  • 2つの工法: 密着工法(下地に直接密着)と通気緩衝工法(通気層を設ける)がある

費用: 10㎡で45,000〜88,000円

耐用年数: 10〜15年

メリット:

  • 複雑な形状にも対応できる
  • 継ぎ目がなく、美しい仕上がり

デメリット:

  • 施工に時間がかかる(乾燥に2〜3日必要)
  • 定期的なトップコート塗り直しが必要

(3) シート防水(合成ゴム・塩ビシート)

特徴:

  • 大規模な屋上向け: 合成ゴムや塩ビシートを使った防水方法
  • 一戸建てのベランダでは少ない: 主にマンションや商業施設の屋上で使用

費用: 1㎡あたり4,000〜8,000円

耐用年数: 10〜20年

メリット:

  • 耐用年数が長い
  • 軽量で建物への負荷が少ない

デメリット:

  • 複雑な形状には不向き
  • 継ぎ目が目立つ

(4) 各防水方法のメリット・デメリット比較

ゆうこナビの比較によると、以下のように選ぶのが適切です:

防水方法 適した物件 メリット デメリット
FRP防水 木造2階建て住宅 強度が高く軽量、乾燥が早い ひび割れしやすい
ウレタン防水 複雑な形状のベランダ 継ぎ目がない、美しい仕上がり 施工に時間がかかる
シート防水 大規模な屋上 耐用年数が長い 複雑な形状に不向き

物件の状態や用途に応じて、適切な防水方法を選びましょう。

ベランダ防水工事の費用相場

ベランダ防水工事の費用相場を、防水方法別に解説します。

(1) 防水方法別の費用(FRP・ウレタン・シート)

SUUMOの調査によると、2025年時点のベランダ防水工事の費用相場は以下の通りです:

防水方法 費用(10㎡あたり) 1㎡あたり
FRP防水 60,000〜100,000円 6,000〜10,000円
ウレタン防水 45,000〜88,000円 4,500〜8,800円
シート防水 40,000〜80,000円 4,000〜8,000円

総額の目安: 15〜30万円が一般的です(10〜20㎡のベランダを想定)。

(2) 総額の目安(15〜30万円)

くらしのマーケットの解説によると、一般的なベランダ(10〜20㎡)の防水工事の総額は以下の通りです:

  • 標準的な工事: 15〜30万円
  • 下地から補修する場合: 50万円超

費用は施工面積、防水方法、下地の状態により大きく変動します。あくまで目安としてご参照ください。

(3) 足場代・下地補修費用

ベランダ防水工事には、以下の追加費用が発生する場合があります:

  • 足場代: 2階以上のベランダで3〜10万円程度(安全確保のため必要)
  • 下地補修費用: ひび割れや浮きが激しい場合、下地から補修が必要(10〜30万円)

見積もり時に、これらの追加費用を確認してください。

(4) 外壁塗装との同時施工のメリット

外壁塗装とベランダ防水工事を同時に行うと、足場代を節約できます。

例えば、外壁塗装の足場代が15万円、ベランダ防水工事の足場代が5万円の場合、同時施工で足場代を1回分(15万円)に抑えられます。

外壁塗装のタイミング(10〜15年ごと)とベランダ防水工事のタイミングが重なる場合は、同時施工を検討しましょう。

業者選びのポイントと見積もり比較

ベランダ防水工事の業者選びは、施工品質とコストに大きく影響します。

(1) 複数社からの見積もり(3社以上)

ベランダ防水工事は3社以上から見積もりを取ることが重要です。

複数社を比較することで:

  • 適正価格を把握できる
  • 施工内容の違いを理解できる
  • 悪質な業者を見極められる

見積もりは無料で依頼できるため、手間を惜しまず比較しましょう。

(2) 施工実績と説明の有無

信頼できる業者は、以下の点を満たしています:

  • 施工実績が豊富: ホームページや口コミで確認できる
  • 欠点も説明する: メリットだけでなく、デメリットや注意点も説明する
  • 質問に丁寧に答える: 専門用語をわかりやすく説明してくれる

「安さだけ」をアピールする業者は避け、説明が丁寧な業者を選びましょう。

(3) 各工程の写真撮影の依頼

手抜き工事を防止するため、各工程の写真を撮ってもらうことをお勧めします。

撮影してもらうべき工程:

  • 下地処理(ひび割れ補修、清掃等)
  • 防水層の施工
  • トップコートの塗装

写真があれば、施工品質を確認でき、将来のメンテナンス時にも役立ちます。

(4) 登録事業者の確認方法

国土交通省の住宅リフォーム事業者団体登録制度で、登録事業者を確認できます。

登録事業者は、一定の基準を満たしているため、安心して依頼できます。

DIYでの防水工事の可否と注意点

DIYでベランダ防水工事を行うことは可能でしょうか?

(1) DIY可能な範囲(トップコート塗装のみ)

防水コネクトの解説によると、DIYはトップコート塗装のみ可能です。

防水層の工事は、専門的な知識と技術が必要なため、専門業者に依頼してください。

DIYで可能な作業:

  • トップコートの塗り直し
  • 小さなひび割れの補修(応急処置のみ)

業者に依頼すべき作業:

  • 防水層の全面更新
  • 下地補修
  • 大規模なひび割れの補修

(2) DIYのリスク(密着性が低い・失敗リスク)

屋根マルの警告によると、DIYは以下のリスクがあります:

  • 密着性が低い: 素人が塗装すると、密着性が低く、1年程度で剥がれる可能性がある
  • 失敗リスク: 下地処理が不十分だと、防水効果が得られない
  • 再工事のコスト: 失敗すると、再工事が必要になり、余計にコストがかかる

すでに雨漏りしている場合は、DIY不可です。専門業者に依頼してください。

(3) 業者に依頼すべき範囲(防水層の工事)

防水層の工事は、必ず専門業者に依頼してください

防水層の施工は、以下の理由から専門業者に任せるべきです:

  • 専門的な知識と技術が必要
  • 施工不良は雨漏りの原因になる
  • 保証が付く(業者の施工は10年保証等が一般的)

(4) DIYと業者費用の比較

トップコート塗装のDIYと業者費用を比較すると:

項目 DIY 業者
費用(10㎡) 1.5〜1.8万円(工具込み) 3〜7万円
密着性 低い(1年程度で剥がれる可能性) 高い(3〜5年持つ)
保証 なし あり(業者により異なる)

DIYは費用が業者の50〜80%程度に抑えられますが、失敗リスクと密着性の低さを考慮すると、業者に依頼する方が安全です。

まとめ:ベランダ防水工事で押さえるべきポイント

ベランダ防水工事の費用相場は、10㎡で3.5万円〜10万円、総額15〜30万円が一般的です。FRP防水が木造2階建て住宅で最も一般的で、強度が高く軽量です。

防水層の寿命は10〜15年、トップコートは3〜5年ごとに塗り直しが必要です。劣化サイン(ひび割れ、浮き・膨れ、色褪せ、チョーキング等)が見られたら、早めに業者に相談してください。

DIYはトップコート塗装のみ可能ですが、密着性が低く1年程度で剥がれる可能性があります。防水層の工事は専門業者に依頼し、3社以上から見積もりを取って比較しましょう。施工実績と説明の有無を確認し、各工程の写真を撮ってもらうことで、手抜き工事を防止できます。

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よくある質問

Q1ベランダ防水工事の費用相場はいくらですか?

A1ベランダ防水工事の費用相場は、10㎡で3.5万円〜10万円程度です。総額は15〜30万円が一般的ですが、下地から補修する場合は50万円を超えることもあります。2階以上のベランダは足場代が別途3〜10万円程度必要です。費用は施工面積、防水方法、下地の状態により変動するため、複数社から見積もりを取って比較してください。

Q2どの防水方法が良いですか?

A2FRP防水が木造2階建て住宅で最も一般的です。強度が高く軽量で、乾燥が早いため、施工後すぐに歩行できます。ウレタン防水は複雑な形状のベランダに対応可能で、継ぎ目がなく美しい仕上がりです。シート防水は大規模な屋上向けで、一戸建てのベランダでは少ないです。物件の状態や用途に応じて選びましょう。

Q3防水層の寿命はどれくらいですか?

A3防水層の寿命は10〜15年が目安です。トップコートは3〜5年ごとに塗り直しが必要で、定期的なメンテナンスで防水層の寿命を延ばせます。劣化サイン(ひび割れ、浮き・膨れ、色褪せ、チョーキング等)が見られたら、早めに業者に相談してください。放置すると雨漏りや建物の耐久性低下につながります。

Q4DIYでベランダ防水はできますか?

A4DIYはトップコート塗装のみ可能です。防水層の工事は専門業者に依頼してください。DIYは密着性が低く、1年程度で剥がれる可能性があります。費用は業者の50〜80%程度に抑えられますが、失敗リスクが高いため、専門業者に依頼する方が安全です。すでに雨漏りしている場合は、DIY不可です。

Q5業者選びのポイントは何ですか?

A5業者選びは3社以上から見積もりを取り、施工実績と欠点の説明の有無を確認してください。信頼できる業者は、メリットだけでなくデメリットも説明し、質問に丁寧に答えます。各工程の写真を撮ってもらい、手抜き工事を防止しましょう。国土交通省の住宅リフォーム事業者団体登録制度で登録事業者を確認するのも有効です。

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Room Match編集部

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