戸建て売却が難しいと感じる前に知っておきたいこと
「戸建て売却は難しい」と聞いて不安を感じている方は少なくありません。確かに、マンションと比較して売却に時間がかかる傾向があります。
この記事では、戸建て売却が難しいと言われる理由、売れない戸建ての特徴、売却を成功させるための具体的な対策を、国土交通省の統計データや不動産業界の調査レポートを元に解説します。
戸建て売却を検討している方が、適切な判断材料を得て、成功に導くための実践的な知識を提供します。
この記事のポイント
- 木造戸建ては築10年で資産価値が約半分に下がり、マンションより資産価値の低下が早い
- 売却期間はマンション3ヶ月に対し、戸建ては6ヶ月以上かかることもある
- 売り出し価格が相場より高いと売れ残り、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要(3社以上推奨)
- ホームインスペクション(建物診断)や住宅瑕疵保険を活用すると、買い手の不安を和らげられる
- 物件の不具合を隠すと契約不適合責任で賠償請求されるリスクがあるため、正直に開示することが重要
戸建て売却が難しいと言われる理由|マンションとの比較
戸建て売却がマンションより難しいと言われる理由は、主に以下の3点です。
(1) 資産価値の低下が早い(木造戸建ては築10年で約半分に)
木造戸建ては築10年で資産価値が約半分、築20年で10%程度まで下がると言われています。マンションと比較して、資産価値の低下が早いことが、売却を難しくする大きな要因です。
国土交通省の「不動産価格指数」によると、戸建ての価格推移はマンションより変動が大きく、築年数による価値の減少幅も大きい傾向があります。
(2) 新築信仰の影響(中古戸建てより新築志向が強い)
日本では新築志向が強く、中古戸建てよりも新築を好む傾向があります。特に戸建ては「一生に一度の買い物」と考える人が多く、新築に対する根強い信仰が中古戸建ての売却を難しくしています。
マンションは立地や管理状況を重視する購入者が多いため、中古でも売却しやすい傾向がありますが、戸建ては「新築で建てたい」と考える層が一定数存在します。
(3) 売却期間が長い(マンション3ヶ月に対し、戸建ては6ヶ月以上)
HOME4Uによると、戸建ての売却期間は売り出しから引き渡しまで3〜6ヶ月が目安です。マンションの売却期間が3ヶ月程度であることを考えると、戸建ては売却に時間がかかる傾向があります。
ただし、2024年の調査では首都圏で中古戸建ての成約率が中古マンションを5.7ポイント上回るなど、エリアにより状況は異なります。
売れない戸建ての特徴と改善策
売れない戸建てには、以下のような特徴があります。
(1) 売り出し価格が相場より高い(適正価格の設定方法)
売り出し価格が相場より高いと、買い手が見つからず売れ残ります。逆に、相場より安すぎると後悔することになります。適正価格の設定が重要です。
適正価格の調べ方:
- 複数の不動産会社に査定を依頼(3社以上推奨)
- 近隣の類似物件の成約価格を調べる
- イエウール等のポータルサイトで相場を確認
2024年の戸建て平均価格は3,948万円で、直近10年間で最も高い水準です。低金利が継続しており、急な価格下落は考えづらい状況ですが、地域や築年数により大きく異なるため、必ず複数の査定を比較してください。
(2) 物件の状態が悪い(ホームインスペクション・住宅瑕疵保険の活用)
物件の状態が悪いと、買い手が不安を感じて購入を見送る可能性があります。以下の方法で買い手の不安を和らげることができます。
| 対策 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| ホームインスペクション | 建物の専門家が状態を診断 | 買い手が物件の品質を確認できる |
| 住宅瑕疵保険 | 売却後の欠陥保証を付ける | 買い手が安心して購入できる |
| 清掃・整理整頓 | 内覧時の印象を良くする | 買い手の購買意欲を高める |
ホームインスペクションや住宅瑕疵保険は、リフォームよりコストを抑えながら、買い手の不安を和らげる効果があります。
(3) 立地・アクセスの問題(対策とアピールポイント)
駅から遠い、周辺環境が悪いなど、立地・アクセスに問題がある場合は、以下のアピールポイントを強調してください。
- 静かな住環境: 駅から離れていても、閑静な住宅地としての価値
- 敷地面積の広さ: マンションにはない、庭やガレージの魅力
- リフォームの自由度: 戸建てならではのカスタマイズ性
立地は変えられませんが、アピール方法を工夫することで、特定の層(子育て世帯、ペット飼育希望者等)に訴求できます。
戸建て売却を成功させるための具体的対策
戸建て売却を成功させるための具体的な対策は以下の通りです。
(1) 複数の不動産会社に査定を依頼(3社以上推奨)
複数の不動産会社に査定を依頼し、適正価格を見極めることが重要です。1社だけの査定では、相場より高すぎたり安すぎたりする可能性があります。
査定依頼のポイント:
- 大手不動産会社と地域密着型の両方に依頼
- 査定の根拠を詳しく聞く
- 売却実績(成約率、平均売却期間等)を確認
(2) 物件の不具合を隠さず開示(契約不適合責任の回避)
物件の不具合を隠して売却すると、契約不適合責任で賠償請求されるリスクがあります。雨漏り、シロアリ被害、設備の故障など、知っている問題は正直に開示してください。
契約不適合責任とは、売主が物件の問題点を隠して売却した場合に生じる責任で、損害賠償、代金減額、契約解除等を請求される可能性があります。
(3) 売却スケジュールに余裕を持つ(3〜6ヶ月が目安)
戸建ての売却は3〜6ヶ月かかるため、スケジュールに余裕を持つことが重要です。急いで売却しようとすると、価格を下げざるを得なくなり、損をする可能性があります。
売却スケジュールの例:
- 査定依頼・不動産会社選び(1ヶ月)
- 売り出し・内覧対応(2〜4ヶ月)
- 買い手との交渉・契約(1ヶ月)
- 引き渡し準備・決済(1ヶ月)
急ぎで売却したい場合は、買取(不動産会社に直接買い取ってもらう方法)も検討してください。買取は短期間で売却できますが、価格は市場価格の70〜80%程度になることが多いです。
戸建て売却でよくある失敗事例と回避方法
戸建て売却でよくある失敗事例と、その回避方法を解説します。
(1) 不動産会社選びの失敗(信頼できる業者の見極め方)
不動産会社選びを誤ると、売却期間が長引いたり、適正価格で売れなかったりします。以下のポイントで信頼できる業者を見極めてください。
信頼できる不動産会社の見極め方:
- 宅地建物取引業の免許を確認
- 売却実績(成約件数、平均売却期間等)を聞く
- 担当者の対応(レスポンスの速さ、説明の丁寧さ)を確認
- 複数社を比較し、相性の良い業者を選ぶ
(2) 価格設定の失敗(高すぎると売れ残り、安すぎると後悔)
価格設定を誤ると、以下の問題が発生します。
| 価格設定 | 問題 | 対策 |
|---|---|---|
| 高すぎる | 売れ残り、値下げを繰り返す | 複数社の査定を比較し、適正価格を見極める |
| 安すぎる | 後悔、本来得られる利益を失う | 相場を調べ、焦らず適正価格で売り出す |
(3) スケジュールに余裕がなかった失敗(急ぎは買取も検討)
スケジュールに余裕がないと、焦って価格を下げたり、不利な条件で契約したりする可能性があります。
急ぎで売却したい場合:
- 買取(不動産会社に直接買い取ってもらう方法)を検討
- 買取は短期間で売却できるが、価格は市場価格の70〜80%程度
- 仲介と買取を比較し、自分の状況に合った方法を選ぶ
まとめ:戸建て売却を成功させるために
戸建て売却が難しいと言われる理由は、資産価値の低下が早い、新築信仰の影響、売却期間が長いことです。売れない戸建ては、売り出し価格が相場より高い、物件の状態が悪い、立地・アクセスに問題があるなどの特徴があります。
売却を成功させるためには、複数の不動産会社に査定を依頼(3社以上推奨)し、物件の不具合を隠さず開示し、売却スケジュールに余裕を持つことが重要です。ホームインスペクションや住宅瑕疵保険を活用することで、買い手の不安を和らげられます。
よくある失敗事例(不動産会社選び、価格設定、スケジュール)を参考に、信頼できる宅地建物取引士や税理士に相談しながら、適切な売却計画を立てましょう。


