広島の不動産市場とは|中四国地方の中核都市としての特徴
広島県で不動産の購入や売却を検討する際、「価格相場はいくらか」「どのエリアが人気なのか」「今後の市場動向はどうなるか」と迷う方は少なくありません。
この記事では、広島県の不動産価格相場、人気エリアの特徴、2024~2025年の市場動向を、公的統計や市場データを元に解説します。
広島県への転勤・Uターン・移住を検討している方でも、自分に合った不動産取引の判断ができるようになります。
この記事のポイント
- 広島県の2025年公示地価平均は17万0465円/㎡(前年比+1.70%上昇)
- 広島市の新築マンション平均価格は約4,300万円(2023年、8年間で350万円以上上昇)
- 人気エリアは広島市中区(紙屋町・白島)、南区(広島駅周辺)、西区(住宅地)
- オフィス市場の空室率3.3%(2024年12月期)と低く、商業エリアの需要が高い
- 2025年3月にJR広島駅ビル「ミナモア」開業予定で、駅周辺の資産価値向上が期待される
広島の不動産市場動向|2024~2025年の価格推移
(1) 2025年の公示地価|広島県平均17万0465円/㎡(前年比+1.70%)
広島県の2025年の公示地価平均は17万0465円/㎡で、前年比+1.70%上昇しました。
公示地価とは、国土交通省が毎年公表する、標準地の1月1日時点の価格(1㎡あたり)です。
広島県は中四国地方の中核都市として、地価の上昇傾向が続いています。
(2) 広島市の地価|31万1371円/㎡(県内最高値)
広島市の公示地価平均は31万1371円/㎡で、広島県内で最高値を記録しています。
広島市は県内の経済・商業の中心地であり、不動産需要が集中しています。
(3) 商業地・住宅地ともに上昇傾向
広島県内では、商業地・住宅地ともに地価の上昇傾向が続いています。
特に広島市中区の紙屋町・白島エリアは前年比0~3%上昇しており、商業地としての活況が続いています。
(4) オフィス市場の活況|空室率3.3%(2024年12月期)
広島市のオフィス市場は活況を呈しています。
2024年12月期のオフィス空室率は3.3%で、需要が高い状態が続いています。
空室率とは、オフィスビルなどの空室割合です。低いほど需要が高いことを示します。
想定成約賃料は11,960円/坪と前期から0.2%上昇し、最高値を更新しています。
広島の不動産価格相場|マンション・戸建て・土地の価格帯
(1) 新築マンション|平均価格約4,300万円(2023年、8年間で350万円以上上昇)
広島市の新築マンション平均価格は約4,300万円(2023年)です。
8年間で350万円以上の価格上昇を示しており、資産価値が高まっています。
新築マンションの価格上昇の背景には、建築コストの上昇、再開発による需要増加、低金利環境などがあります。
(2) 中古マンション|広島市内の価格相場
中古マンションの価格は、築年数・立地・設備により大きく異なります。
一般的に新築より割安ですが、築浅の人気エリアの物件は新築に近い価格帯になる場合もあります。
詳細な価格相場は、不動産ポータルサイトや宅地建物取引士への相談で確認することを推奨します。
(3) マンション価格の9年間推移|43%上昇
広島県のマンション価格は、9年間で43%上昇しています。
これは全国的な不動産価格上昇のトレンドに加え、広島市の再開発や経済成長が背景にあります。
(4) 5年連続で最高値更新中(過熱感への注意)
広島市の新築マンション価格は5年連続で最高値を更新していますが、過熱感には注意が必要です。
2025年問題(団塊世代の後期高齢者入り)により、将来的な価格下落リスクも一部の専門家から指摘されています。
購入時期の判断は、個別の事情に応じて慎重に行う必要があります。
広島の人気エリア比較|広島市中区・南区・西区
(1) 中区|紙屋町・白島エリアの商業地(前年比0~3%上昇)
広島市中区は、紙屋町・白島エリアを中心に商業地として活況です。
地価は前年比0~3%上昇しており、オフィス需要や商業施設の集積が進んでいます。
商業エリアの収益物件需要が高く、投資対象としても注目されています。
(2) 南区|広島駅周辺の再開発エリア
広島市南区は、JR広島駅周辺の再開発が進行中です。
2025年3月には、JR広島駅ビルに商業施設「ミナモア」が開業予定で、駅周辺の不動産価値が上昇中です。
明治安田生命広島ビルなど、大規模再開発プロジェクトが2025年に竣工予定です。
(3) 西区|住宅地としての人気
広島市西区は、住宅地として人気のエリアです。
市中心部へのアクセスが良く、生活利便性が高いため、ファミリー層に支持されています。
(4) JR広島駅ビル「ミナモア」開業予定(2025年3月)
2025年3月、JR広島駅ビルに商業施設「ミナモア」が開業予定です。
これにより、広島駅周辺の不動産価値が一層高まることが期待されています。
再開発エリアは、既存の市街地を計画的に整備し、土地の高度利用や都市機能の更新を図るものです。
広島で不動産を購入・売却する際のポイント|再開発エリアと将来性
(1) 再開発プロジェクト|JR広島駅ビル、明治安田生命広島ビル(2025年竣工予定)
広島市では、複数の大規模再開発プロジェクトが進行中です。
- JR広島駅ビル「ミナモア」:2025年3月開業予定
- 明治安田生命広島ビル:2025年竣工予定
これらの再開発により、周辺エリアの資産価値向上が期待されます。
ただし、再開発プロジェクトの完成時期は計画段階のものであり、変更の可能性があります。
(2) 新幹線アクセスの利便性|山陽新幹線の主要駅
JR広島駅は山陽新幹線の主要駅で、岡山・大阪・博多方面へのアクセスが良好です。
新幹線通勤を検討している場合、広島駅周辺の不動産は有力な選択肢となります。
ただし、通勤時間・費用は勤務地により異なるため、事前に試算することを推奨します。
(3) 2025年問題のリスク|将来的な価格下落の可能性
2025年問題とは、団塊世代(1947~1949年生まれ)が後期高齢者(75歳以上)に入ることです。
これにより、将来的な不動産の供給過多や価格下落の可能性が一部の専門家から指摘されています。
ただし、これは長期的な見通しであり、短期的な市場動向は不確実です。
(4) ハザードマップの確認|土砂災害・洪水リスクの把握
広島市は土砂災害・洪水のハザードマップを公開しています。
不動産購入前に必ず確認することを推奨します。
特に山間部や河川沿いの物件は注意が必要です。災害リスクは資産価値にも影響します。
まとめ|広島の不動産取引で押さえるべきポイント
広島県の不動産市場は、2024~2025年にかけて価格上昇傾向が続いています。
公示地価は前年比+1.70%上昇、新築マンション平均価格は約4,300万円(2023年、8年間で350万円以上上昇)が目安です。
人気エリアは広島市中区(紙屋町・白島)、南区(広島駅周辺)、西区(住宅地)で、再開発による資産価値向上が期待されています。
ただし、5年連続で最高値更新中のため過熱感への注意、2025年問題による将来的な価格下落リスク、ハザードマップでの災害リスク確認が重要です。
不動産購入・売却は個別の状況により適否が異なるため、信頼できる宅地建物取引士やファイナンシャルプランナーに相談しながら、無理のない資金計画を立てましょう。
