葉山町の不動産市場完全ガイド|価格相場・人気エリア・別荘地としての魅力

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/30

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葉山の不動産市場の注目度と本記事の目的

神奈川県三浦郡葉山町は、明治時代から続く別荘地として知られ、温暖な気候と美しい海・山の景観で人気の高級住宅地エリアです。コロナ禍以降のリモートワーク普及により、東京から葉山への移住を検討する方が急増しています。

この記事では、葉山町の不動産市場の特徴、2024年の価格相場、人気エリア、別荘地としての魅力、購入時の注意点を解説します。葉山での不動産購入が自分のライフスタイルに合うかどうかを判断できます。

葉山の地価データは国土交通省が公表する公示地価・基準地価を基に分析しており、近隣エリア(鎌倉・逗子)との比較も含めて客観的な情報を提供します。

この記事のポイント

  • 葉山は明治時代から続く別荘地で、温暖な気候と海・山の景観が魅力
  • 2024年の基準地価は坪単価54万円(前年比+5.83%)、中古マンション平均価格は5,997万円
  • 鎌倉市の地価は葉山の約2倍、逗子市は葉山より約40%高く、葉山は比較的手頃な価格
  • コロナ禍以降の地価上昇(約50%)、賃貸物件不足(半年~1年待ち)が課題
  • 海が見える物件は希少性が高く、山側の物件は比較的安価で海へのアクセスも良好

葉山町の地域特性と不動産市場の概要

(1) 葉山町の歴史(明治時代からの別荘地)

葉山町は、明治20年代(1887年頃)に外国人外交官・医師が温暖な気候と美しい景観に惹かれて別荘地としたのが始まりです。

歴史的背景

  • 明治時代: 外国人外交官・医師が避暑地として利用
  • 大正時代: 皇室の御用邸が建設され、高級住宅地としてのブランド確立
  • 昭和時代: 政財界の要人・文化人の別荘地として発展
  • 平成・令和時代: リモートワーク普及で移住先として再注目

約130年以上の歴史を持つ別荘地文化が、葉山の不動産市場の基盤となっています。

(2) 温暖な気候と海・山の自然環境

葉山町は海と山に囲まれた「冬暖かく夏涼しい」温暖な気候が特徴です。

地理的特徴

項目 内容
位置 神奈川県三浦半島の北西部
面積 約17㎢(小規模な町)
海岸線 相模湾に面した約7kmの海岸線
三浦半島の丘陵地帯(標高100~200m程度)
気候 年間平均気温15~16℃、温暖な海洋性気候

自然環境の魅力

  • 森戸海岸、一色海岸、長者ヶ崎などの美しいビーチ
  • 山と海の両方を楽しめる環境
  • 湘南エリアの一角として、マリンスポーツ・海水浴に適した立地

(3) 皇室ゆかりの地としてのブランド力

葉山町には葉山御用邸があり、皇室ゆかりの地としてのブランド力があります。

ブランド力の影響

  • 高級住宅地としてのイメージ確立
  • 治安・住環境の良さへの信頼
  • 景観保全への意識が高い

このブランド力が、土地所有者が売りたがらない傾向や、地価の安定性につながっています。

(4) 東京へのアクセスと移住先としての人気

葉山町は東京都心から約60~80km、車で約1時間半、電車で約1時間半の距離にあります。

アクセス方法

交通手段 所要時間 ルート
電車 約1時間半 JR横須賀線 逗子駅 → バス15~25分
約1時間半 横浜横須賀道路 逗子IC → 国道134号

移住先としての人気

  • リモートワークの普及により、東京通勤の必要性が減少
  • 週末だけ東京に通勤するスタイルが可能
  • 自然環境と都市部へのアクセスを両立できる立地

コロナ禍以降、逗子・葉山・鎌倉エリアへの移住希望者が急増し、地価が約50%上昇しています(2024年時点)。

葉山の不動産価格相場と市場動向(2024年)

(1) 基準地価・公示地価の推移(2024年)

葉山町の2024年の地価は、以下のように推移しています。

2024年の地価データ

項目 価格(㎡単価) 価格(坪単価) 前年比
基準地価 16万4,257円/㎡ 54万2,998円/坪 +5.83%
公示地価 15万7,464円/㎡ 52万0,543円/坪 +4.57%

(出典: 国土交通省の公示地価・基準地価データ)

地価上昇の背景

  • コロナ禍のリモートワーク普及による移住希望者の増加
  • 都心から離れた海沿いエリアへの需要拡大
  • 葉山のブランド力と供給不足

地価は2024年時点で前年比+5%以上の上昇を続けており、今後も堅調に推移する可能性があります。

(2) 近隣エリア(鎌倉・逗子)との価格比較

葉山町の地価を近隣エリアと比較すると、以下のようになります。

2024年基準地価の比較

エリア 基準地価(㎡単価) 基準地価(坪単価) 葉山との比較
葉山町 16万4,257円/㎡ 54万2,998円/坪 基準
逗子市 22万7,777円/㎡ 75万2,975円/坪 約1.4倍
鎌倉市 32万8,192円/㎡ 108万4,602円/坪 約2倍

(出典: 国土交通省の基準地価データ)

価格差の理由

  • 鎌倉市: 世界遺産候補・観光地としてのブランド力、駅前の商業施設充実
  • 逗子市: 駅(逗子駅・逗子葉山駅)へのアクセスが良い、鎌倉と葉山の中間エリア
  • 葉山町: 駅がなくバス利用が必須、商業施設が少ない

葉山は鎌倉・逗子と比べて比較的手頃な価格で海沿いエリアに住める選択肢として注目されています。

(3) 中古マンションの平均価格(5,997万円)

葉山町の中古マンション市場は以下のような状況です。

2024年12月時点のデータ

項目 価格
中古マンション平均売買価格 5,997万円
平米単価 67万円/㎡
物件数 51件(SUUMO掲載)

価格帯の例

  • 2LDK・91.80㎡: 3,880万円
  • リノベーション済み物件: 3,990万円
  • 3LDK・80㎡以上: 4,000~6,000万円

マンションは戸建てと比べて比較的手頃な価格で購入できるため、初めて葉山に住む方や別荘として利用する方に人気です。

(4) 別荘購入の相場(土地購入+建築で3~5億円)

葉山で別荘を建てる場合の相場は以下のようになります。

新築別荘の相場

項目 費用
土地購入(150坪) 約8,000万円~1億5,000万円
建築費用(高級仕様) 約2,000万円~3,000万円
合計 約3~5億円

中古別荘+リノベーションの相場

項目 費用
中古物件購入 1,500万円~4,000万円
リノベーション費用 500万円~1,000万円
合計 約2,000~5,000万円

中古物件を購入してリノベーションする方が、新築より約半額で済む場合があります。

(5) コロナ禍以降の地価上昇(約50%)

コロナ禍以降、葉山の地価は約50%上昇しています。

上昇の背景

  • リモートワークの普及により、東京通勤の必要性が減少
  • 都心から離れた海沿いエリアへの移住希望者が急増
  • 逗子・葉山・鎌倉エリアは移住先として人気が集中

影響

  • 賃貸物件が半年~1年待ちになるほど競争激化
  • 売買物件の供給不足(土地所有者が売りたがらない)
  • 以前より購入ハードルが高くなっている

この上昇は一時的な要因の可能性もあり、将来的に調整される可能性があるため、長期的な視点での判断が重要です。

葉山の人気エリアと別荘地としての魅力

(1) 一色・堀内・長者ヶ崎の特徴

葉山町内の主要エリアは以下のように分類されます。

一色エリア

特徴 内容
海岸 一色海岸(湘南を代表する美しいビーチ)
雰囲気 高級住宅地、別荘地として最も人気
価格 葉山町内で最も高額
アクセス 逗子駅からバス15~20分

堀内エリア

特徴 内容
海岸 森戸海岸(葉山エリア唯一のゆったりとした雰囲気)
雰囲気 落ち着いた住宅地、飲食店・カフェが充実
価格 一色より比較的手頃
アクセス 逗子駅からバス10~15分

長者ヶ崎エリア

特徴 内容
海岸 長者ヶ崎海岸(夕日が美しい絶景スポット)
雰囲気 海沿いの静かな住宅地
価格 葉山町内では比較的手頃
アクセス 逗子駅からバス20~25分

(2) 森戸海岸エリアの魅力

森戸海岸(堀内エリア)は葉山エリア唯一のゆったりとした雰囲気のビーチとして人気です。

森戸海岸の特徴

  • 砂浜が広く、混雑が少ない
  • 夕日が美しい絶景スポット
  • 周辺に飲食店・カフェが充実
  • マリンスポーツに適した環境

周辺環境

  • 森戸神社: 歴史ある神社(源頼朝ゆかりの地)
  • 葉山マリーナ: ヨットハーバー
  • カフェ・レストラン: 海を眺めながら食事ができる店が多数

(3) 海が見える物件の希少性

葉山では海が見える物件は限られており、好立地の海岸線でも海が見えない物件があります

理由

  • 海岸線の最前列は既に建物が建っており、後列からは見えない
  • 傾斜地の高台にある物件でないと海が見えない
  • 海が見える物件は希少性が高く、価格も高額

海が見える物件の相場

  • 土地: 坪単価100万円以上(葉山平均の約2倍)
  • 中古戸建て: 1億円以上
  • マンション: 7,000万円以上

(4) 山側の物件と海へのアクセス

山側の物件は比較的安価で、海へのアクセスも良好です。

山側の物件のメリット

  • 海側より坪単価が30~50%安い
  • 森や緑に囲まれた静かな環境
  • 車で5~10分程度で海に行ける

山側の物件のデメリット

  • 傾斜地が多く、階段・坂道が多い
  • 日当たりが悪い物件もある
  • 海の景観は望めない

海が見える物件にこだわらなければ、山側の物件で費用を抑えつつ葉山の自然を楽しめます。

葉山の不動産購入時の注意点とリスク

(1) 地価上昇と賃貸物件不足(半年~1年待ち)

コロナ禍以降、葉山の不動産市場は以下の課題を抱えています。

地価上昇のペース

  • 2024年の基準地価: 前年比+5.83%
  • コロナ禍以降の累計上昇率: 約50%

賃貸物件不足の深刻化

  • 賃貸物件が半年~1年待ちになるケースがある
  • 移住希望者の急増により需要が供給を大幅に上回る
  • 賃料も上昇傾向

購入を検討する場合、早めの行動が重要です。

(2) 土地所有者が売りたがらない傾向

葉山エリアでは土地所有者が売りたがらない傾向があります。

理由

  • 皇室ゆかりの地としてのブランド力への愛着
  • 別荘地として長年利用している家族の思い入れ
  • 地価上昇により、売却せずに保有する方が有利と判断

影響

  • 売買物件の供給不足
  • 希望する立地・条件の物件が見つかりにくい
  • 物件探しに時間がかかる

地元密着型の不動産会社(はやま不動産など)と長期的な関係を築くことで、非公開物件の情報を得られる可能性があります。

(3) 公示地価と土地取引価格の乖離

葉山では公示地価と実際の土地取引価格に乖離があります。

2024年のデータ

項目 価格 前年比
公示地価 坪単価52万円 +4.57%
土地取引価格相場 データにより異なる -5.3%(弱含み)

乖離の理由

  • 公示地価は「標準的な土地」の価格(実際の取引価格とは異なる)
  • 実勢価格は立地・条件により大きく変動
  • 需給バランスの影響を受けやすい

購入前に、複数の不動産会社から査定を取り、実勢価格を確認してください。

(4) 別荘地特有の維持コストとインフラ

別荘地では通常の住宅より維持コストが高い場合があります。

維持コスト

項目 内容
管理費 別荘地の共用部分の管理費(月数万円)
庭の手入れ 広い敷地の庭木剪定・草刈り(年数十万円)
空き家管理 別荘として利用する場合、定期的な換気・清掃が必要
固定資産税 土地・建物の固定資産税(年数十万円~)

インフラの注意点

  • 上下水道: 一部地域では浄化槽を使用
  • ガス: 都市ガス未整備の地域があり、プロパンガスが必要
  • 商業施設: スーパー・病院が少なく、車での移動が必須

(5) 塩害・台風リスクと海沿い物件の注意点

海沿いの物件では塩害・台風リスクがあります。

塩害のリスク

  • 外壁・屋根・金属部分の劣化が早い
  • 定期的なメンテナンス(塗装・防錆処理)が必要
  • メンテナンス費用が通常の住宅より高額

台風のリスク

  • 強風による建物損傷
  • 高潮・波浪による浸水リスク
  • 災害保険の保険料が高額になる場合がある

国土交通省のハザードマップポータルサイトで、津波・高潮のリスクを事前に確認してください。

まとめ:葉山の不動産購入の判断基準

葉山町は明治時代から続く別荘地で、温暖な気候と海・山の景観が魅力の高級住宅地エリアです。2024年の基準地価は坪単価54万円(前年比+5.83%)、中古マンション平均価格は5,997万円で、鎌倉・逗子と比べて比較的手頃な価格です。

コロナ禍以降のリモートワーク普及により、東京から葉山への移住希望者が急増し、地価が約50%上昇、賃貸物件が半年~1年待ちになるなど競争が激化しています。海が見える物件は希少性が高く高額ですが、山側の物件は比較的安価で海へのアクセスも良好です。

購入前に、地価上昇トレンド、土地所有者が売りたがらない傾向、公示地価と実勢価格の乖離、別荘地特有の維持コスト、塩害・台風リスクを確認してください。

宅地建物取引士や不動産鑑定士などの専門家に相談し、長期的な視点で葉山での暮らしが自分のライフスタイルに合うかどうかを慎重に判断しましょう。

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よくある質問

Q1葉山の不動産相場は2024年現在いくらですか?

A12024年の葉山町の基準地価は16万4,257円/㎡(坪単価54万2,998円/坪)で、前年比+5.83%上昇しています。中古マンションの平均売買価格は5,997万円(67万円/㎡)です。別荘を建てる場合、土地購入(150坪)+建築費用で総額3~5億円が相場、中古別荘購入+リノベーションの場合は2,000~5,000万円が目安です。コロナ禍以降の地価上昇(約50%)により、以前より購入ハードルが高くなっています。詳細は国土交通省の公示地価データをご確認ください。

Q2葉山と鎌倉・逗子の地価はどう違いますか?

A22024年の基準地価を比較すると、鎌倉市は32万8,192円/㎡(坪単価108万4,602円/坪)で葉山の約2倍、逗子市は22万7,777円/㎡(坪単価75万2,975円/坪)で葉山より約40%高くなっています。鎌倉は世界遺産候補・観光地としてのブランド力、逗子は駅へのアクセスが良いことが価格差の理由です。葉山は駅がなくバス利用が必須、商業施設が少ないため、比較的手頃な価格で海沿いエリアに住める選択肢として注目されています。

Q3葉山に移住するメリット・デメリットは何ですか?

A3メリットは、海と山に囲まれた「冬暖かく夏涼しい」温暖な気候、美しい海・山の自然環境、皇室ゆかりの地としてのブランド力、東京都心から電車・車で約1時間半のアクセスの良さです。リモートワークの普及により、自然環境と都市部へのアクセスを両立できる立地として人気です。デメリットは、コロナ禍以降の地価上昇(約50%)、賃貸物件不足(半年~1年待ち)、土地所有者が売りたがらない傾向、駅がなくバス利用が必須、商業施設が少ないことです。専門家への相談を推奨します。

Q4葉山の海が見える物件は多いですか?

A4海が見える物件は限られており、好立地の海岸線でも海が見えない物件があります。海岸線の最前列は既に建物が建っており、後列からは見えません。傾斜地の高台にある物件でないと海が見えないため、希少性が高く価格も高額です。海が見える物件の相場は、土地が坪単価100万円以上(葉山平均の約2倍)、中古戸建てが1億円以上、マンションが7,000万円以上となります。山側の物件は海側より坪単価が30~50%安く、車で5~10分程度で海に行けるため、海の景観にこだわらなければ費用を抑えられます。

Q5葉山の不動産購入時の注意点は何ですか?

A5地価上昇トレンド(コロナ禍以降約50%上昇)が一時的な要因の可能性があり、将来的に調整されるリスクを考慮してください。賃貸物件不足(半年~1年待ち)、土地所有者が売りたがらない傾向により、物件探しに時間がかかる可能性があります。公示地価と実際の土地取引価格に乖離があるため、複数の不動産会社から査定を取り実勢価格を確認してください。別荘地特有の維持コスト(管理費・庭の手入れ・固定資産税)、塩害・台風リスク(外壁・屋根の劣化、メンテナンス費用高額化)も確認すべきです。国土交通省のハザードマップで津波・高潮リスクを確認し、宅地建物取引士や不動産鑑定士に相談してください。

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Room Match編集部

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