葉山で戸建てを購入する魅力とは
葉山は、海と山に囲まれた自然豊かな高級住宅地として知られています。「海を眺めながらの暮らし」に憧れる方にとって、魅力的な選択肢です。
しかし、価格水準や交通アクセス、海沿い特有のリスクについて、事前に把握しておくべきことも多くあります。
この記事では、葉山の戸建て価格相場、エリア別の特徴、海沿い物件のリスクと維持コストを、国土交通省の取引価格データをもとに解説します。
この記事のポイント
- 葉山の戸建て相場は新築で4,000万円台後半〜8,000万円台、中古で1,000万円台〜1億円超と幅広い
- 坪単価は約115万円で、直近3年間で約27.7%上昇と資産性が高い
- 海沿い物件は塩害・津波リスクの確認が必要
- バス便が中心のため、車があった方が便利なエリア
葉山の戸建て価格相場【2025年最新】
新築・中古の価格帯と坪単価
2025年時点の葉山町の戸建て価格相場は以下の通りです。
| 物件種別 | 価格帯の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 新築戸建て | 4,000万円台後半〜8,000万円台 | 2025年築物件が複数供給中 |
| 中古戸建て | 1,000万円台〜1億円超 | 立地・築年数により大きな差 |
| 土地のみ | 坪単価74〜115万円程度 | 面積140㎡以上が多い |
(出典: 国土交通省 不動産取引価格情報をもとに作成)
売却価格の中央値は約5,000万円、建物面積の中央値は約111㎡となっています。オーシャンビューや高台の物件は希少性が高く、相場より高めに設定される傾向があります。
価格推移と将来性(直近3年間の上昇傾向)
葉山町の戸建て価格は、直近3年間で約27.7%上昇しています。10年後の予測でも+2.8%と堅調な推移が見込まれています。
価格上昇の背景
- リモートワークの普及による郊外需要の増加
- 海沿いリゾート感のある立地への憧れ
- オーシャンビュー物件の希少性
ただし、不動産価格は市場動向により変動するため、購入時点での相場確認が重要です。
エリア別の特徴と価格差
海岸沿い・オーシャンビュー物件の希少性
葉山の海岸沿い、特に森戸海岸や一色海岸周辺のオーシャンビュー物件は、非常に希少です。
- 価格帯: 8,000万円〜1億円超が中心
- 特徴: 眺望・リゾート感が魅力
- 注意点: 塩害・津波リスクの確認が必要
海が見える物件は数が限られているため、希望条件を満たす物件が出たら早めに検討することが重要です。
高台物件と山側エリアの特徴
高台や山側のエリアは、海岸沿いに比べて価格が抑えめで、災害リスクも低い傾向があります。
| エリア | 価格帯の傾向 | 特徴 |
|---|---|---|
| 海岸沿い | 高め(8,000万円〜) | 眺望良好、塩害リスクあり |
| 高台 | 中〜高(5,000〜8,000万円) | 災害リスク低、眺望あり |
| 山側 | 抑えめ(3,000〜6,000万円) | 自然豊か、交通の便に注意 |
高台物件は、海を眺められつつ津波リスクが低いため、バランスを重視する方におすすめです。
駅・バス停からのアクセスと価格の関係
葉山町は鉄道駅がなく、逗子駅または逗子葉山駅(京急線)からバスでのアクセスが基本です。
- 逗子駅・逗子葉山駅周辺: バス便が多く、価格も高め
- バス停から離れたエリア: 価格は抑えめだが、車がないと不便
都心へは車で約1時間の立地です。日常の買い物や通勤を考えると、車があった方が便利なエリアです。
海沿い物件のリスクと維持コスト
塩害による建物・設備への影響
海沿いの物件では、塩害による建物や設備の劣化が発生しやすくなります。
塩害の影響を受けやすい箇所
- 外壁・屋根の塗装(通常より早く劣化)
- エアコンの室外機(腐食しやすい)
- 金属製の門扉・フェンス・車
- 窓ガラス・サッシ
塩害対策として、塩害仕様の設備を選ぶ、定期的な水洗いを行う、塗装のメンテナンスサイクルを短くするなどの対策が必要です。
津波・高潮リスクとハザードマップ確認
葉山町の海岸沿いエリアは、津波・高潮のリスクがあります。購入前に葉山町のハザードマップを必ず確認してください。
確認すべきハザードマップ
- 津波浸水想定区域
- 高潮浸水想定区域
- 土砂災害警戒区域
高台の物件は津波リスクが低く、災害への備えを重視する方に適しています。
維持管理コストの目安
海沿い物件は、内陸部の物件に比べて維持管理コストが高くなる傾向があります。
| 項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 外壁塗装 | 10〜15年ごとに100〜200万円 | 塩害地域は短いサイクルで |
| エアコン室外機交換 | 10年ごとに15〜30万円 | 塩害仕様推奨 |
| 窓・サッシの修繕 | 必要に応じて10〜50万円 | 腐食の程度による |
中古物件を購入する場合は、これらの維持コストを含めた総予算を検討することが重要です。
戸建て購入時のチェックポイント
建物診断(ホームインスペクション)の重要性
中古戸建てを購入する際は、専門家による建物診断(ホームインスペクション)を依頼することをおすすめします。
建物診断で確認できること
- 構造体の劣化状況
- 雨漏り・シロアリ被害の有無
- 設備(給排水・電気)の状態
- 塩害による劣化の程度
費用は5〜10万円程度ですが、購入後のトラブルを防ぐために重要な投資です。
リフォーム費用を含めた総予算の検討
中古物件を購入する場合、物件価格に加えてリフォーム費用が発生する可能性があります。
リフォーム費用の目安
- 水回り全面リフォーム: 200〜400万円
- 外壁・屋根塗装: 100〜200万円
- 内装リフォーム: 100〜300万円
- フルリノベーション: 1,000万円以上
物件価格だけでなく、リフォーム費用・諸費用を含めた総予算で検討しましょう。
まとめ:葉山での理想の暮らしを実現するために
葉山の戸建ては、海と山に囲まれた自然豊かな環境で暮らせる魅力があります。価格は直近3年間で約27.7%上昇しており、資産性の高いエリアです。
一方で、交通アクセスはバス便が中心で車が必要なこと、海沿い物件は塩害・津波リスクへの備えが必要なことを理解しておく必要があります。
中古物件を検討する場合は、建物診断を依頼し、リフォーム費用を含めた総予算で判断することが重要です。複数の不動産会社に相談し、ハザードマップの確認と現地見学を重ねた上で、ご自身のライフスタイルに合った物件を選びましょう。


