ゲーミングマンションとは?ゲーマー・配信者向け賃貸の新しい形
ゲーム配信やeスポーツが盛んになる中、「深夜に大声を出しても大丈夫な環境が欲しい」「ラグのない高速インターネットが必要」と感じるゲーマーは少なくありません。通常の賃貸マンションでは、隣人トラブルやインターネット回線の不安定さがネックになります。
そこで注目されているのが、ゲーミングマンションです。高い防音性能と最大10Gbpsの高速インターネットを備えた、ゲーマー・配信者向けの賃貸マンションで、24時間ゲーム配信・動画配信が可能な環境が整っています。
この記事では、ゲーミングマンションの設備内容、メリット・デメリット、家賃相場、人気物件、選び方のポイントを、株式会社リブランやeルーム等の公式情報を元に解説します。20-30代のゲーマーや配信者が、自分に最適な住環境を選べるようガイドします。
この記事のポイント
- ゲーミングマンションは防音性能と高速インターネットに特化した賃貸マンションで、24時間配信が可能
- 最大10Gbpsの高速インターネット、「ジェットエンジン級の声でも隣室にほとんど聞こえない」防音性能を備える
- 家賃は17万6,000円~23万5,000円(リブラン)、月額3.9万円~でゲーミングPC付き物件もある(eルーム)
- 物件数は限られており、東京都内(世田谷区桜上水、大田区山王等)を中心に展開
- 予算が合わない場合は、通常の物件で光回線(有線接続)とRC造(鉄筋コンクリート造)を選ぶ選択肢もある
ゲーミングマンションの設備と特徴:防音性能・高速インターネット・専用設備
ゲーミングマンションの最大の特徴は、ゲーム配信に特化した設備が標準装備されていることです。ここでは、具体的な設備内容と通常の賃貸マンションとの違いを解説します。
(1) 最大10Gbpsの高速インターネット:回線ガチャなし
株式会社リブラン公式サイトによると、ゲーミングマンションには最大10Gbpsの高速インターネットが標準装備されています。通常の光回線(1Gbps)の10倍の速度で、「回線ガチャ」のリスクがありません。
賃貸マンションでは、同じ建物内で多くの住人が同時にインターネットを使うと回線速度が低下する「回線ガチャ」が問題になります。ゲーミングマンションでは、高速回線が専用で提供されるため、ラグのない安定した配信環境が実現できます。
(2) 防音設備:ジェットエンジン級の声でも隣室にほとんど聞こえない
ITmedia NEWSの内見レポートによると、ゲーミングマンションでは「ジェットエンジン級の声」でも隣室にほとんど聞こえない防音性能が実現されています。
2024年9月の東京ゲームショウ2024では、4日間で1,360名が「声量チャレンジ」に参加し、実際の防音性能を体験しました。通常の賃貸マンションでは深夜の配信が難しいですが、ゲーミングマンションでは24時間いつでも配信が可能です。
(3) 専用設備:天井ダクトレール、ピクチャーレール、フラッシュライト、200V電源等
ゲーミングマンションには、配信環境を整えるための専用設備が標準装備されています。
| 設備 | 内容 |
|---|---|
| 天井ダクトレール | 照明やマイク等の配信機材を自由に配置できる |
| ピクチャーレール | 壁を傷つけずにモニターやポスターを掛けられる |
| フラッシュライト | 来客通知をライトで知らせる(配信中に音で邪魔しない) |
| 200V電源 | 高性能なゲーミングPCやサーバーに対応 |
| 換気システム | 長時間の配信でも快適な室温を保つ |
(4) 通常の賃貸マンションとの違い:RC造と防音性能の比較
SUUMOによると、一般的な賃貸マンションでゲーム配信をする場合、鉄筋コンクリート造(RC造)であることが最低条件です。木造や軽量鉄骨造では防音性が不十分で、深夜の配信で隣人トラブルのリスクがあります。
ゲーミングマンションは、RC造を基本とし、さらに特別な防音設備を施しているため、通常のRC造マンションよりも格段に防音性能が高くなっています。
メリット:24時間配信可能・回線ガチャなし・快適なゲーム環境
ゲーミングマンションに住むメリットを、具体的に見ていきましょう。
(1) 24時間ゲーム配信・動画配信が可能
最大のメリットは、時間を気にせず配信できることです。通常の賃貸マンションでは、深夜の大声や機材の音が隣人トラブルの原因になりますが、ゲーミングマンションでは防音性能が高いため、24時間いつでも配信が可能です。
(2) 安定した高速インターネット(10Gbps)でラグなし
最大10Gbpsの高速インターネットが標準装備されているため、回線速度の不安定さに悩まされることがありません。ゲーム配信では、映像のアップロードと同時にゲームのダウンロードが発生するため、高速回線は必須です。
(3) 隣人トラブルのリスクがない
同じゲーミングマンションに住む隣人も、ゲーマーや配信者である可能性が高いため、お互いの生活スタイルを理解し合えます。深夜の配信で苦情を言われる心配がありません。
(4) 配信環境が整っているため初期費用を抑えられる
eルームのように、ゲーミングPC・モニター・デスク・チェアが付いた物件では、初期費用を抑えて配信を始められます。高性能なゲーミングPCを購入すると数十万円かかりますが、設備付き物件なら月額費用に含まれます。
デメリット:家賃の高さ・物件数の限定・立地の制約
ゲーミングマンションにはデメリットもあります。住み始める前に、以下の点を確認しましょう。
(1) 家賃が高額:17万6,000円~23万5,000円(リブラン)
PR TIMESによると、リブランの最新物件「ミュージションplus大森山王」の家賃は17万6,000円~23万5,000円です。一般的な賃貸マンションより高額で、東京都内のワンルーム平均家賃(7-10万円程度)の2倍以上になります。
(2) 物件数が限られており、希望エリアで空室がない可能性
2024年時点で、リブランは3物件を展開していますが、物件数は限られています。2024年3月時点で、世田谷桜上水物件では24戸中15戸が入居済みとなっており、人気物件では空室待ちの可能性があります。
(3) 東京都内中心で地方に物件が少ない
現在、ゲーミングマンションは東京都内(世田谷区桜上水、大田区山王等)を中心に展開しています。今後、仙台や大阪等にも類似物件が登場する可能性がありますが、地方都市ではまだ選択肢が少ない状況です。
(4) 設備が充実している分、コストがかかる
防音設備、高速インターネット、専用設備など、通常の賃貸マンションにはない設備が整っている分、家賃が高くなります。予算が合わない場合は、通常の物件で光回線(有線接続)とRC造を選ぶ選択肢も検討しましょう。
人気物件紹介と家賃相場:リブラン・eルーム等の比較
ゲーミングマンションの具体的な物件と家賃相場を紹介します。
(1) リブラン「ミュージションplus」シリーズ:世田谷区桜上水・大田区山王等(17万6,000円~23万5,000円)
株式会社リブランが運営する「ミュージションplus」シリーズは、ゲーミングマンションの代表的なブランドです。2024年時点で、以下の3物件を展開しています。
| 物件名 | 所在地 | 最寄り駅 | 家賃目安 |
|---|---|---|---|
| ミュージションplus桜上水 | 世田谷区桜上水 | 京王線桜上水駅 | 17万6,000円~ |
| ミュージションplus大森山王 | 大田区山王 | JR大森駅徒歩3分 | 17万6,000円~23万5,000円 |
最新物件「ミュージションplus大森山王」は2024年9月に竣工し、10月27日から一般入居受付が開始されました。
(2) eルーム:月額3.9万円~でゲーミングPC・設備付き
eルーム公式サイトによると、eルームは月額3.9万円~でゲーミングPC・モニター・デスク・チェアが付いた物件を提供しています。リブランよりも低価格帯で、初期費用を抑えたいゲーマーに適しています。
(3) 東京建物「Brillia ist 池尻大橋」:GameWithと協力してゲーミングルーム設計
2025年2月には、東京建物が「Brillia ist 池尻大橋」でGameWithと協力してゲーミングルームを設計しました。大手デベロッパーもゲーミング物件に参入しており、今後さらに選択肢が増える可能性があります。
(4) 2024年の最新物件:ミュージションplus大森山王(2024年10月入居受付開始)
2024年9月に竣工した「ミュージションplus大森山王」は、最新の防音技術と設備を備えています。東京ゲームショウ2024で4日間1,360名が「声量チャレンジ」に参加し、防音性能を体験しました。
まとめ:ゲーミングマンションの選び方と通常の賃貸との使い分け
ゲーミングマンションは、防音性能と高速インターネットに特化した賃貸マンションで、24時間ゲーム配信が可能な環境が整っています。家賃は17万6,000円~23万5,000円(リブラン)と高額ですが、隣人トラブルのリスクがなく、安定した配信環境を求める方には最適です。
予算が合わない場合は、eルーム(月額3.9万円~)で設備付き物件を選ぶか、通常の賃貸物件で光回線(有線接続)とRC造(鉄筋コンクリート造)を選ぶ選択肢もあります。
物件数は限られており、人気物件では空室待ちの可能性があるため、入居を検討している方は早めに公式サイトで最新情報を確認しましょう。あなたに最適な住環境を選んで、快適なゲーム配信ライフを実現してください。
