1. 戸建て賃貸とは｜検討前に知っておくべきこと
戸建て賃貸は、一戸建て住宅を賃貸借契約により借りる住まいの形態です。マンションやアパートと比べて、広々とした空間やプライバシーの確保、ペット飼育のしやすさなどのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
この記事では、戸建て賃貸の主なデメリット7つを詳しく解説し、アパート・マンションとの違い、デメリットへの対処法、向いている人・向いていない人、物件選びのポイントを、UR賃貸住宅やSUUMOなどの信頼できる情報源を元に解説します。
戸建て賃貸を検討している方が、後悔しない住まい選びをするために、メリット・デメリットの両面を理解できる内容になっています。
この記事のポイント
- 戸建て賃貸は賃料が資産にならないため、長期的には購入と比べて経済的なメリットが少ない
- 物件数が少なく、古い物件・設備が多いため、希望に合う物件を見つけるのが難しい
- セキュリティ対策や庭の手入れが自己管理となり、維持費・管理費用が高くなりやすい
- 定期借家契約の場合、契約期間満了後に更新できず退去が必要になる
- 騒音トラブルが少ない、広々とした間取り、ペット飼育可能などのメリットもあるため、自分の状況に合わせて判断することが重要
2. 戸建て賃貸の7つのデメリット
(1) 賃料が資産にならない
戸建て賃貸の最も大きなデメリットは、賃料が資産にならない点です。マンションやアパートと同様、戸建て賃貸でも、毎月支払う家賃は大家への賃料であり、長期的に払い続けても自分の資産にはなりません。
購入した場合は、住宅ローンの返済が資産形成につながりますが、賃貸の場合は完全な支出となります。特にファミリー層で長期的に住む予定がある場合、購入と比較して経済的なメリットが少ない点は慎重に検討すべきです。
(2) 物件数が少なく選択肢が限られる
戸建て賃貸は、SUUMOによると、マンションやアパートに比べて物件数が少なく、選択肢が限られます。特に都市部では、賃貸用の戸建て物件が少ないため、希望するエリアで理想の物件を見つけるのが難しい場合があります。
また、物件数が少ないため、家賃交渉の余地も少なく、相場よりも高い賃料を支払うことになる可能性もあります。
(3) 古い物件・設備が多い
戸建て賃貸の多くは、築年数が経過した物件や、設備が古いものが多い傾向があります。すまい教科書によると、古い設備（エアコン、給湯器等）は電気代が高くなる可能性があるため、設備の年式を事前に確認することが重要です。
新築や築浅の戸建て賃貸は少なく、見つかったとしても家賃が高額になることが多いため、予算とのバランスを考える必要があります。
(4) セキュリティ対策が自己管理
戸建て賃貸では、マンションのようなオートロックや管理人による見回りがないため、セキュリティ対策が自己管理となります。SUUMOによると、防犯サービスやセンサーライト、防犯カメラの設置費用は入居者負担となる場合が多く、初期費用や維持費がかかります。
特に人通りの少ないエリアでは、防犯対策を強化する必要があり、費用面での負担が大きくなることがあります。
(5) 庭の手入れが必要
戸建て賃貸で庭がある場合、草むしり・落ち葉掃除等の日常管理は入居者の責任となります。すまい教科書によると、庭の管理を怠ると善管注意義務違反とみなされ、修繕費用を請求される可能性があります。
善管注意義務とは、賃借人が物件を善良な管理者として注意して使用する義務のことで、庭の手入れもこれに含まれます。庭の管理が負担になる場合は、庭のない物件を選ぶことも検討しましょう。
(6) 光熱費が高くなりやすい
戸建て賃貸は、マンション・アパートに比べて床面積が広いため、冷暖房費や水道光熱費が高くなりやすい傾向があります。特に古い設備のエアコンは電気代が高くなるため、設備の年式を確認し、可能であれば新しい設備に交換してもらうことを検討しましょう。
また、戸建ては断熱性能が低い物件も多く、冬場の暖房費が高額になることがあります。
(7) 定期借家契約のリスク
戸建て賃貸では、定期借家契約となっている物件もあります。定期借家契約は、契約期間満了後に更新がない契約で、普通借家契約とは異なり、期間満了時に必ず退去が必要です。すまい教科書によると、定期借家契約の場合、更新できずに退去が必要になるため、契約形態を事前に確認することが重要です。
長期的に住む予定がある場合は、普通借家契約の物件を選ぶことをおすすめします。
3. アパート・マンションとの比較
(1) 騒音・プライバシーの違い
戸建て賃貸の最大のメリットは、騒音トラブルが少ない点です。UR賃貸住宅によると、戸建て賃貸は隣人との壁が共有されていないため、上下左右の騒音を気にする必要がありません。
特に子育て世帯や楽器演奏をする方にとっては、大きなメリットとなります。
(2) 管理負担と費用の違い
一方で、戸建て賃貸は管理負担が大きいという点でアパート・マンションと異なります。HOME4Uによると、管理費用は家賃の5〜10%が相場で、戸建ては管理が複雑なため10%程度になることもあります。
マンション・アパートでは共用部分の管理は管理会社が行いますが、戸建ては庭の手入れやセキュリティ対策など、すべて入居者の責任となるため、時間的・経済的な負担が大きくなります。
4. デメリットへの対処法
(1) 設備の年式と電気代の確認
戸建て賃貸を選ぶ際は、設備の年式を事前に確認し、古い設備（エアコン、給湯器等）がある場合は、電気代が高くなる可能性を考慮しましょう。可能であれば、設備の交換を大家に依頼することも検討してください。
また、内覧時に断熱性能や光熱費の目安を確認し、予算内に収まるかを判断することが重要です。
(2) 契約形態（普通借家・定期借家）の確認
戸建て賃貸を契約する前に、契約形態が普通借家契約か定期借家契約かを必ず確認しましょう。長期的に住む予定がある場合は、普通借家契約の物件を選ぶことをおすすめします。
契約形態や契約期間について不明な点がある場合は、専門家（宅地建物取引士等）に相談することを推奨します。
5. 戸建て賃貸が向いている人・向いていない人
(1) 向いている人（子育て世帯・ペット飼育者等）
戸建て賃貸は、以下のような方に向いています。
- 子育て世帯: 騒音を気にせず子どもを育てられる
- ペット飼育者: ペット可の物件が多く、庭で遊ばせることができる
- 広々とした間取りを求める方: マンション・アパートよりも床面積が広い
- プライバシーを重視する方: 隣人との距離が離れている
(2) 向いていない人
一方で、以下のような方には向いていません。
- 管理負担を避けたい方: 庭の手入れやセキュリティ対策が自己管理
- 光熱費を抑えたい方: 床面積が広く、冷暖房費が高くなりやすい
- 物件の選択肢を重視する方: 物件数が少なく、希望の物件を見つけにくい
6. まとめ：戸建て賃貸の物件選びのポイント
戸建て賃貸は、広々とした間取りやプライバシーの確保、ペット飼育のしやすさなどのメリットがある一方で、賃料が資産にならない、物件数が少ない、管理負担が大きいなどのデメリットもあります。
物件を選ぶ際は、設備の年式、契約形態（普通借家・定期借家）、光熱費の目安、庭の管理負担などを事前に確認し、自分の状況に合った物件を選ぶことが重要です。
戸建て賃貸のメリット・デメリットを理解した上で、信頼できる不動産会社や専門家に相談しながら、後悔しない住まい選びをしましょう。