法人土地建物基本調査とは?調査内容と活用方法を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/13

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法人土地建物基本調査とは?回答義務と活用方法を解説

法人宛てに「法人土地建物基本調査」の調査票が送付されてきた場合、「回答は義務なのか」「無視したらどうなるのか」と悩んでいる経営者・経理担当者は少なくありません。

この記事では、法人土地建物基本調査の目的、調査項目、回答義務と罰則、調査結果の活用方法を、公式データを元に解説します。この調査は統計法に基づく基幹統計調査のため、報告義務があり、拒否すれば最大50万円の罰金が科される可能性があります。

実務担当者が調査の概要と対応方法を正確に把握できるようになります。

この記事のポイント

  • 法人土地建物基本調査は国土交通省が5年ごとに実施する基幹統計調査で、統計法に基づく報告義務がある
  • 調査対象法人は統計的手法により約51万法人が選定され、調査票が送付される
  • 土地・建物を所有していない場合でも、調査票が送付された法人は回答が必要
  • 報告拒否や虚偽報告には統計法第61条により最大50万円の罰金が科される可能性がある

法人土地建物基本調査とは

法人土地建物基本調査は、国土交通省が実施する統計調査です。

法人土地建物基本調査の定義

法人土地建物基本調査は、法人の土地・建物の所有及び利用状況を総合的に把握するための統計調査です。国土政策の立案、不動産市場の分析等に活用されます。

調査の実施頻度と実施主体(国土交通省)

この調査は、国土交通省が5年ごとに実施しています。最近では、以下の年に実施されています。

  • 平成30年(2018年)調査
  • 令和5年(2023年)調査

令和5年調査の速報は、令和6年(2024年)12月23日に公表されました

統計法に基づく基幹統計調査

この調査は、統計法に基づく基幹統計調査です。

基幹統計調査とは、国の行政機関が作成する統計のうち、特に重要な統計を作成するための調査で、報告義務があります。基幹統計調査に指定された調査は、調査対象者に回答義務が生じます。

調査の概要と目的

調査の対象、目的、期間について解説します。

調査対象(統計的手法により約51万法人を選定)

調査対象は、全国の法人のうち、統計的手法により無作為抽出された約51万法人です。調査票が送付された法人は、調査対象として選定されたことになります。

調査対象の選定方法:

  • 統計的手法により無作為抽出
  • 特定の業種や規模に限定されない
  • 法人登記情報等を元に選定

調査の目的(土地・建物の所有及び利用状況の把握)

この調査の目的は、以下の通りです。

  1. 法人の土地・建物の所有状況を把握
  2. 土地・建物の利用状況を把握
  3. 低・未利用地の実態を把握
  4. 国土政策・不動産政策の立案に活用

調査結果は、国土交通省の政策立案、不動産市場の分析、自治体の都市計画等に活用されます。

調査期間(7月~9月頃の3ヶ月間)

調査期間は、通常7月~9月頃の3ヶ月間です。この期間内に、インターネット回答または郵送で回答する必要があります。

調査項目と回答方法

調査項目と回答方法について解説します。

調査項目(土地・建物の所有状況、利用状況等)

主な調査項目は以下の通りです。

土地に関する項目:

  • 所有している土地の所在地・面積
  • 土地の利用状況(事業用、賃貸用、低・未利用地等)
  • 5年前との比較(取得・売却等)

建物に関する項目:

  • 所有している建物の所在地・延べ床面積
  • 建物の利用状況(事業用、賃貸用、空き家等)
  • 5年前との比較(新築・取壊し等)

低・未利用地に関する項目:

  • 低・未利用地の有無
  • 低・未利用地の利用予定

回答方法(インターネット回答または郵送)

回答方法は、以下の2種類があります。

  1. インターネット回答:調査票に記載されたIDとパスワードを使ってオンラインで回答
  2. 郵送回答:調査票に記入して返送

インターネット回答が推奨されており、回答が簡便です。

土地・建物を所有していない場合の回答

重要:土地・建物を所有していない場合でも、調査票が送付された法人は回答が必要です。

「土地・建物を所有していない」旨を回答することで、調査への協力義務を果たしたことになります。

回答義務と罰則

回答義務と罰則について、統計法の規定を解説します。

統計法に基づく報告義務

法人土地建物基本調査は、統計法に基づく基幹統計調査のため、調査対象者には報告義務があります。

統計法では、基幹統計調査の対象者は「報告を求められたときは、これを拒み、又は虚偽の報告をしてはならない」と規定されています(統計法第13条)。

報告義務の免除事由はありません:

  • 多忙である
  • 調査の必要性を感じない
  • 過去に回答したことがない

これらの理由は、報告義務の免除事由にはなりません。

罰則規定(統計法第61条:最大50万円の罰金)

統計法第61条では、以下の行為に対して罰則が規定されています。

罰則対象の行為:

  • 報告を拒むこと
  • 虚偽の報告をすること

罰則の内容:

  • 50万円以下の罰金

統計法の条文で正確な規定を確認できます。

実際の罰則適用事例と注意点

実際の罰則適用事例: 実際に罰則が適用された事例は公表されておらず、確認できていません。

注意点:

  • 罰則適用事例がないからといって、報告義務がないわけではない
  • 統計法に基づく報告義務があることに変わりはない
  • 個別の対応については、顧問弁護士や専門家への相談を推奨

調査結果の活用方法

調査結果の公表時期と活用方法について解説します。

調査結果の公表時期(調査実施の翌年12月頃)

調査結果は、調査実施の翌年12月頃に速報として公表されます。

:

  • 令和5年(2023年)調査 → 令和6年(2024年)12月23日に速報公表

確定値は、速報公表の数ヶ月後に公表されます。

過去の調査結果(平成30年:法人所有地の7割が低・未利用地)

過去の調査結果からは、以下のような傾向が明らかになっています。

平成30年(2018年)調査の主な結果:

  • 法人所有地の7割が「5年前から低・未利用地」のまま
  • 低・未利用地の今後の利用予定は「特に予定なし」が最多
  • 土地の有効活用が進んでいない実態が浮き彫りに

この結果を受けて、国土交通省は土地の有効活用促進政策を進めています。

政府統計ポータル(e-Stat)でのデータ公開

過去の調査結果は、政府統計の総合窓口(e-Stat)で公開されています。

e-Statで確認できる情報:

  • 過去の調査結果データ
  • 全国及び都道府県別のデータ
  • エクセル・CSV形式でダウンロード可能

不動産市場の分析、投資判断、経営計画の立案等に活用できます。

まとめ:実務担当者向けポイント

法人土地建物基本調査は、国土交通省が5年ごとに実施する基幹統計調査で、統計法に基づく報告義務があります。調査対象法人は統計的手法により約51万法人が選定され、調査票が送付されます。

実務担当者が押さえるべきポイント:

  1. 報告義務: 統計法に基づく報告義務があり、多忙等の理由は免除事由にならない
  2. 罰則: 報告拒否や虚偽報告には最大50万円の罰金が科される可能性がある
  3. 土地・建物なしの場合: 所有していない場合でも、その旨を回答する必要がある
  4. 回答方法: インターネット回答または郵送で回答可能
  5. 調査期間: 通常7月~9月頃の3ヶ月間

調査票が送付された場合は、期限内に正確に回答することが重要です。不明点がある場合は、調査票に記載された問い合わせ先に確認するか、顧問弁護士や専門家に相談しましょう。

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よくある質問

Q1回答は義務なのか?

A1はい、法人土地建物基本調査は統計法に基づく基幹統計調査のため、調査対象者には報告義務があります。統計法第13条では「報告を求められたときは、これを拒み、又は虚偽の報告をしてはならない」と規定されています。多忙である、調査の必要性を感じない、過去に回答したことがない等の理由は、報告義務の免除事由にはなりません。調査票が送付された法人は、期限内に正確に回答する必要があります。

Q2罰則はあるのか?無視したらどうなる?

A2統計法第61条により、報告を拒んだり、虚偽の報告をした場合、50万円以下の罰金が科される可能性があります。ただし、実際に罰則が適用された事例は公表されておらず、確認できていません。罰則適用事例がないからといって、報告義務がないわけではなく、統計法に基づく報告義務があることに変わりはありません。個別の対応については、顧問弁護士や専門家への相談を推奨します。

Q3土地・建物を所有していない場合も回答が必要か?

A3はい、必要です。法人土地建物基本調査では、調査票が送付された法人は、土地・建物を所有していない場合でも、その旨を回答する必要があります。「土地・建物を所有していない」と回答することで、調査への協力義務を果たしたことになります。回答方法はインターネット回答または郵送で可能で、インターネット回答が推奨されています。不明点がある場合は、調査票に記載された問い合わせ先に確認しましょう。

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Room Match編集部

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