4LDKマンションが注目される理由
「広めのマンションが欲しいが、4LDKは本当に必要なのか」「4LDKマンションの価格相場はいくらなのか」と悩んでいるファミリー層も多いのではないでしょうか。
この記事では、4LDKマンションの特徴、価格相場、メリット・デメリット、物件選びのポイントを、市場データや専門家の意見を元に詳しく解説します。
子育て中や今後出産予定のファミリー層が、自分たちに合った間取りを選ぶための判断材料として、実務的な情報を提供します。
この記事のポイント
- 4LDKマンションは80㎡以上の広さが多く、3~5人程度のファミリー層に最適で、夫婦の寝室、子供部屋2つ、テレワーク専用スペースなどを確保できる
- 2024年1~3月の全国平均価格は3,451万円、東京23区の新築は平均8,607万円(2021年9月時点のデータ、現在は変動している可能性あり)と、エリアにより価格差が大きい
- 管理費は月1.5~2.5万円、修繕積立金は月1.5~2万円と、専有面積が広い分、維持費も高額になる
- 少子化の影響で4LDKの需要は減少傾向だが、駅徒歩圏内で生活利便性の高い立地なら売却・賃貸しやすい
- 将来の家族構成の変化を考慮し、本当に4LDKが必要か慎重に判断することが重要
4LDKマンションの基礎知識
(1) 4LDKの定義と標準的な専有面積
4LDKとは、リビング・ダイニング・キッチン(LDK)に加えて、4つの独立した居室を持つ間取りです。
専有面積は80㎡以上が一般的で、100㎡を超える物件も多く見られます。
専有面積とは:マンション住戸の居住部分の面積で、専有面積が広いほど管理費・修繕積立金が高額になります。
(2) 適した世帯人数とライフスタイル
4LDKマンションは、3~5人程度のファミリー層に最適です。
具体的な使い方の例:
- 夫婦の寝室(主寝室8帖以上+ウォークインクローゼット)
- 子供部屋2つ(それぞれ6帖程度)
- テレワーク専用スペースまたは多目的スペース(6帖程度)
テレワークの普及により、リビングや寝室とは別に専用のワークスペースを確保したいというニーズが高まっています。
(3) 主な間取りタイプと特徴
4LDKの主な間取りタイプは以下の通りです。
| 間取りタイプ | 特徴 | メリット |
|---|---|---|
| 横並び型 | 多くの部屋がバルコニーに面する | リビングと個室の両方で快適性が高い、通風・採光が良好 |
| 角部屋型 | マンションの角に位置する | 通風・採光が良好、プライバシーが確保しやすい |
| トイレ2つ型 | トイレが2つある住戸 | マンションでは珍しく、ファミリー向けに便利 |
横並び型は、リビングだけでなく個室も日当たりが良く、ファミリー層に人気のタイプです。
(4) 3LDKとの違い
3LDKと4LDKの主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 3LDK | 4LDK |
|---|---|---|
| 居室数 | 3つ | 4つ |
| 専有面積 | 60~80㎡程度 | 80㎡以上 |
| 適した世帯人数 | 2~4人 | 3~5人 |
| 価格 | 低め | 高め |
| 管理費・修繕積立金 | 低め | 高め |
3LDKでも子供2人のファミリーには十分な場合が多く、4LDKは子供部屋をそれぞれ確保したい、またはテレワークスペースが必要な場合に適しています。
価格相場とエリア別比較
(1) 全国平均の価格相場(2024年最新データ)
2024年1~3月に日本全国で売買された4LDKマンションの平均価格は3,451万円です。
これは執筆時点(2024-2025年)のデータであり、最新の価格相場は国土交通省の不動産取引価格情報で確認できます。
(2) 東京23区・大阪市・名古屋市の比較
エリアにより価格相場は大きく異なります。
| エリア | 4LDK新築マンションの価格目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 東京23区 | 8,607万円(2021年9月時点、現在は変動している可能性あり)~1億円以上 | 都心部は1億円超も多い |
| 大阪市 | 5,000~8,000万円 | 東京より低めだが、人気エリアは高額 |
| 名古屋市 | 4,000~6,000万円 | 東京・大阪より低め |
東京23区では、駅近や人気エリアの新築4LDKマンションは1億円以上することも珍しくありません。なお、上記の東京23区のデータは2021年9月時点のもので、不動産価格は変動が大きいため、最新の価格は不動産ポータルサイトや不動産会社で確認することをおすすめします。
(3) 新築と中古の価格差
新築と中古の価格差は、エリアや築年数により大きく異なります。
一般的に、中古マンションは新築に比べて2~5割程度安く購入できる場合が多いです。
築10~20年の中古4LDKマンションであれば、新築の半額程度で購入できるケースもあります。
(4) 管理費・修繕積立金の目安
80㎡超の4LDKマンションの場合、維持費の目安は以下の通りです。
| 費用項目 | 月額の目安 | 年額の目安 |
|---|---|---|
| 管理費 | 1.5~2.5万円 | 18~30万円 |
| 修繕積立金 | 1.5~2万円 | 18~24万円 |
| 合計 | 3~4.5万円 | 36~54万円 |
管理費とは:マンションの共用部分の維持管理にかかる費用で、専有面積に応じて毎月支払います。
修繕積立金とは:マンションの大規模修繕に備えて毎月積み立てる費用で、専有面積が広いほど高額になります。
これらの金額は物件により異なるため、あくまで目安として参考にしてください。
メリット・デメリットの詳細
(1) 4LDKマンションのメリット
4LDKマンションの主なメリットは以下の通りです。
- 広々とした居住空間:家族全員が個室を持て、プライバシーを確保しやすい
- テレワーク専用スペース:リビングや寝室とは別に、専用のワークスペースを確保できる
- 優れた周辺環境:ファミリー向けマンションは、スーパー・病院・学校などが近くにあることが多い
- 設備の充実:広い物件は、トイレ2つ、ウォークインクローゼット、収納スペースなど設備が充実していることが多い
(2) 4LDKマンションのデメリット
一方で、以下のようなデメリットや注意点もあります。
- 価格が高い:2LDKや3LDKと比べて購入価格が高く、住宅ローンの返済負担が大きい
- 将来部屋が余る可能性:子供が成人して独立すると、4部屋は不要になる場合が多い
- 売却・賃貸が困難な場合がある:少子化の影響で4LDKの需要は減少傾向にあり、多くの人には4部屋は不要
- 維持費が高い:管理費・修繕積立金が高額で、掃除の手間、光熱費もかさむ
- 1部屋あたりの面積が小さくなりがち:部屋数が増えることで、1部屋あたりの広さが狭くなる場合がある
(3) 将来の売却・賃貸のしやすさ
少子化の影響で、4LDKマンションの流通戸数は3LDKより少なく、需要が減少傾向にあります。
しかし、以下の条件を満たす物件は、将来の売却・賃貸がしやすくなります。
- 駅徒歩圏内(駅徒歩10分以内)
- 生活利便性が高い(スーパー・病院・学校が近い)
- 築年数が浅い(築10~20年以内)
- 周辺環境が良好(治安、騒音、日当たり)
立地・築年数・周辺環境により異なるため、一概に「4LDKは売れない」とは言えません。
物件選びのポイントと注意点
(1) 家族構成と将来設計から考える
4LDKが本当に必要か、将来の家族構成の変化を考慮して判断することが重要です。
検討ポイント:
- 現在の家族人数と今後の出産予定
- 子供が成人して独立するまでの期間
- テレワークスペースが必要か
- 親との同居の可能性
将来的に部屋が余る可能性がある場合は、3LDKで十分なケースも多いです。
(2) 立地選びのポイント(駅徒歩・生活利便性)
将来の売却を考慮し、以下のような立地を選ぶことをおすすめします。
- 駅徒歩圏内(駅徒歩10分以内が理想)
- 生活利便性が高い(スーパー・病院・学校が徒歩圏内)
- 治安が良い(夜間も安全に帰宅できる)
- 通勤・通学に便利(主要駅へのアクセスが良い)
立地は後から変更できないため、最優先で検討すべき要素です。
(3) 日当たり・風通しの確認方法
4LDKは部屋数が多いため、採光・換気の工夫が必要です。
確認ポイント:
- 南向き・東向きの部屋が多いか
- バルコニーに面する部屋が多いか(横並び型が有利)
- 角部屋かどうか(通風・採光が良好)
- LDKの位置(隣接する部屋が少ないと静か)
内覧時に、各部屋の日当たり、風通しを実際に確認することが重要です。
(4) 横並び型など間取りタイプの選び方
間取りタイプにより、快適性が大きく異なります。
おすすめの間取りタイプ:
- 横並び型:リビングと個室の両方で快適性が高い
- 角部屋型:通風・採光が良好
- LDKが隣接する部屋の少ない位置にある:生活音が届きにくい
間取り図を確認し、自分たちのライフスタイルに合ったタイプを選びましょう。
(5) 維持費の負担を見極める
管理費・修繕積立金は、毎月の固定費として長期間支払う必要があります。
維持費の確認ポイント:
- 管理費・修繕積立金の月額
- 将来の修繕積立金の値上がりの可能性
- その他の費用(駐車場代、駐輪場代等)
住宅ローンの返済額に加えて、維持費を含めた資金計画を立てることが重要です。
ファイナンシャルプランナーや宅地建物取引士に相談し、無理のない返済計画を立てましょう。
まとめ:ライフステージ別の選び方
4LDKマンションは、3~5人程度のファミリー層に最適で、夫婦の寝室、子供部屋2つ、テレワーク専用スペースなどを確保できる広々とした居住空間が魅力です。一方、価格が高く、管理費・修繕積立金も高額になるため、将来の家族構成の変化を考慮して慎重に判断することが重要です。
少子化の影響で4LDKの需要は減少傾向ですが、駅徒歩圏内で生活利便性の高い立地なら、将来の売却・賃貸もしやすくなります。
ライフステージ別の選び方:
| ライフステージ | おすすめの間取り | 理由 |
|---|---|---|
| 夫婦のみ、または子供1人 | 2LDK~3LDK | 4LDKは広すぎる可能性が高い |
| 子供2人、テレワークスペース必要 | 3LDK~4LDK | 4LDKなら各自の個室とワークスペースを確保可能 |
| 子供3人以上、または親との同居 | 4LDK以上 | 4LDKが適切 |
自分たちの現在の家族構成だけでなく、将来の変化も見据えて間取りを選ぶことをおすすめします。
複数の不動産会社に相談し、自分に合った物件を見つけましょう。
