マンションリフォームの制限|専有部分と共用部分の違いを解説

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公開日: 2026/1/15

結論:専有部分か共用部分かで3分判定

マンションリフォームで最初に確認すべきは「リフォームしたい場所が専有部分か共用部分か」です。この判定によって、そもそもリフォームが可能かどうかが決まります。

判定の基本ルール

  • 専有部分 → リフォーム可能(ただし管理規約の確認が必要)
  • 共用部分 → 原則リフォーム不可

専有部分とは、壁・床・天井の内側の空間を指します。具体的には、室内の床材、壁紙、キッチン、浴室、トイレなどが該当します。

一方、共用部分とは、マンションの住民全員が共同で所有・使用する部分です。玄関扉の外側、窓、バルコニー、廊下、エレベーターなどが該当します。

まずは結論(専有部分ならこの流れ、共用部分なら代替策)

専有部分のリフォームを検討している場合

  1. 管理規約を確認する
  2. 管理組合に工事申請を提出する
  3. 承認を得てから着工する

この流れで進めれば、専有部分のリフォームは基本的に可能です。ただし、管理規約によっては床材の遮音等級や工事可能時間帯など、細かい制限がある場合があります。

共用部分のリフォームを検討している場合

共用部分は個人でのリフォームができません。窓の断熱性能を上げたい、玄関扉を交換したいといった希望がある場合は、管理組合に要望を出し、マンション全体での改修を検討してもらう形になります。

判断に迷う場合

マンションリフォームの制限は物件ごとに異なるため、自分で判断が難しいケースも多いです。複数のリフォーム会社に相談すれば、管理規約の制限を考慮した提案を受けることができます。

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判定の前提(管理規約と構造の確認が必要)

リフォーム可否を正確に判断するためには、以下の項目を事前に確認する必要があります。

管理規約の確認方法

管理規約は、マンション購入時に受け取った書類に含まれているはずです。見当たらない場合は、管理組合または管理会社に問い合わせれば、写しを取り寄せることができます。

管理規約には、リフォームに関する制限が記載されています。床材の遮音等級、工事可能な曜日・時間帯、事前申請の手続きなど、必ず確認しておきましょう。

構造の確認

マンションの構造によって、リフォームの自由度が変わります。

  • ラーメン構造(柱と梁で建物を支える):間取り変更の自由度が比較的高い
  • 壁式構造(壁で建物を支える):撤去できない壁が多く、間取り変更が制限される

構造は図面で確認できますが、わからない場合はリフォーム会社に現地調査を依頼すれば判断してもらえます。

かんたん条件診断(どこまでリフォームできる?)

以下のチェックリストで、自分のマンションでどこまでリフォーム可能かを診断してみましょう。

専有部分(リフォーム可能な範囲)チェックリスト

  • 室内の床材(フローリング、カーペット等)
  • 室内の壁(クロス、塗装等)
  • 室内の天井(クロス、照明等)
  • キッチン設備
  • 浴室設備
  • トイレ設備
  • 洗面台
  • 室内ドア
  • 収納(クローゼット等)

共用部分(リフォーム不可の範囲)チェックリスト

  • 玄関扉の外側
  • 窓(サッシ、ガラス)
  • バルコニー
  • 廊下・階段
  • エレベーター
  • 外壁
  • 屋上

共用部分に該当する箇所は、個人でのリフォームができないと理解しておきましょう。

必須に見える条件(でも実はケースで変わる)

一見厳しく見える制限でも、条件次第で対応可能なケースがあります。

高層マンション(31m超)の内装制限

高さ31mを超えるマンションでは、建築基準法の内装制限が適用され、天井は準不燃材以上の使用が求められます。ただし、スプリンクラーなどの自動消火設備が設置されている場合は、この制限が緩和されることがあります。

オープンキッチンの準不燃材制限

オープンLDKでガスコンロを設置する場合、壁や天井に準不燃材料が必要になることがあります。しかし、キッチンとリビングの間に50cm以上の垂れ壁(準不燃材料)を設けることで、制限範囲をキッチン部分のみに限定できる場合があります。

床材の防音制限

多くのマンションでは、管理規約で床材の遮音等級(L値)が定められています。例えば「L-45以上」という制限がある場合、その等級を満たすフローリング材を選べば施工可能です。カーペットの方がフローリングより遮音性が高いとされているため、規約によってはカーペットのみ可という場合もあります。

よくある勘違い条件

マンションリフォームでは、以下のような勘違いがトラブルの原因になることがあります。

勘違い1:玄関扉・窓・バルコニーは自分のもの

玄関扉の外側、窓、バルコニーは共用部分です。「自分の部屋に面しているから専有部分」と思い込みやすいですが、実際には個人でリフォームすることはできません。窓の内側にインナーサッシを追加するなど、専有部分内での対応が必要です。

勘違い2:専有部分なら何でもできる

専有部分であっても、管理規約で制限される場合があります。床材の遮音等級、工事可能時間帯、事前申請の手続きなど、規約を確認せずに工事を始めるとトラブルになる恐れがあります。

勘違い3:間取り変更や水回り移動は自由にできる

間取り変更は構造によって制限されます。また、水回りの移動は配管勾配の制約があり、パイプスペース(PS)の位置から大きく動かせないケースが多いです。さらに、主要構造部に影響するリフォームや増築は区分所有法で禁止されています。

条件別のおすすめパターン

読者の状況に応じた最適な進め方を紹介します。

管理規約の制限が厳しい場合

管理規約で制限が多いマンションでも、制限内でできる範囲を最大化する方法があります。

対応策1:管理規約に適合した材料を選ぶ

床材の遮音等級が指定されている場合は、その等級を満たす製品を選びます。L-45以上という制限であれば、L-45対応のフローリング材が各メーカーから販売されています。

対応策2:複数社に相談して提案を比較

マンションリフォームの経験が豊富な業者は、管理規約の制限を考慮した提案ができます。複数社に相談することで、制限内でも希望に近いプランを見つけやすくなります。

間取り変更や水回り移動を希望する場合

大規模なリフォームを検討している場合は、以下の点を確認してください。

構造による制限

  • ラーメン構造:間取り変更の自由度が比較的高い
  • 壁式構造:撤去できない壁が多く、大幅な間取り変更は難しい

水回り移動の制限

水回りの移動は、配管勾配の制約で制限されることが多いです。排水管は一定の勾配が必要なため、パイプスペース(PS)の位置から離れるほど床を上げる必要があり、天井高が低くなるなどの問題が生じます。

法的な制限

主要構造部(柱、梁、床、壁など)に影響するリフォームや増築は、区分所有法で禁止されています。

高層階(31m超)の内装制限がある場合

高層マンションでは、建築基準法による内装制限が適用される場合があります。

具体的な制限内容

高さ31mを超えるマンションでは、天井に準不燃材以上の使用が求められます。これは火災時の延焼を防ぐための規定です。

対処法1:スプリンクラーで適用除外

スプリンクラーなどの自動消火設備が設置されている場合は、内装制限が緩和されることがあります。マンションの設備状況を確認してみましょう。

対処法2:垂れ壁で制限範囲を限定

オープンキッチンでガスコンロを使用する場合、キッチンとリビングの間に50cm以上の垂れ壁(準不燃材料)を設けることで、内装制限の適用範囲をキッチン部分のみに限定できる場合があります。

当てはまらない場合の代替案

希望するリフォームが制限で実現できない場合の代替案を紹介します。

管理組合への事前申請・承認で対応

制限がある場合でも、管理組合に申請して承認を得れば実施できるケースがあります。

工事申請の流れ

  1. 管理規約でリフォームに関する規定を確認
  2. 必要書類(工事計画書、図面、施工業者情報等)を準備
  3. 管理組合に申請書を提出
  4. 理事会での審議・承認
  5. 近隣住民への説明(騒音・工事期間等)
  6. 承認後に着工

申請なしで工事を行うと、管理組合や近隣住民とのトラブルになる恐れがあります。必ず承認を得てから着工しましょう。

設備更新・部分リフォームで対応

間取り変更などができない場合でも、設備更新や部分リフォームで住まいの快適性を向上させることができます。

具体例

  • キッチン・浴室・トイレの設備交換
  • クロスの張替えで雰囲気を一新
  • 床材の張替え(管理規約の遮音等級を満たす製品で)
  • 収納の追加・改善
  • 照明器具の交換

間取りを変えなくても、設備やインテリアを一新することで、住み心地は大きく改善できます。

現状維持・住み替えが合理的なケース

場合によっては、リフォームより住み替えの方が合理的なケースもあります。

リフォームより住み替えを検討すべきケース

  • 希望の間取り変更が構造上どうしても実現できない
  • リフォーム費用が、中古マンション購入+リノベーション費用を上回る
  • 築年数が古く、耐震性能に不安がある
  • 設備配管の老朽化が進み、大規模な更新が必要

大規模なリフォームを検討している場合は、住み替えとの費用比較も検討材料に入れておくとよいでしょう。

注意点(管理規約・法令は変わる可能性あり)

リフォーム計画を立てる際は、以下の変動要素に注意してください。

管理規約は改定される可能性がある

管理規約は、管理組合の総会決議で改定されることがあります。過去の規約を参考にしていると、最新の内容と異なる場合があるため、リフォーム検討時には最新版を確認しましょう。

建築基準法の内装制限は地域・建物で異なる

内装制限の適用範囲は、建物の高さや用途、地域によって異なります。自分のマンションにどの制限が適用されるかは、施工業者や建築士に確認するのが確実です。

最新情報は管理組合と施工業者に確認

インターネット上の情報は必ずしも最新・正確とは限りません。実際にリフォームを進める際は、管理組合と施工業者の両方に確認を取ることをおすすめします。

まとめ:マンションリフォームの次の一手

記事の要点を整理します。

Step1:管理規約を確認する

最初に管理規約を取り寄せ、リフォームに関する制限(床材の遮音等級、工事可能時間帯、事前申請手続き等)を把握しましょう。

Step2:専有部分か共用部分かを判定する

リフォームしたい箇所が専有部分なら進められます。共用部分の場合は、管理組合への要望や専有部分内での代替策を検討しましょう。

Step3:複数社に相談して制限内での提案を比較する

マンションリフォームの経験豊富な業者に相談すれば、管理規約の制限を考慮した提案を受けられます。複数社を比較することで、制限内でも希望に近いプランを見つけやすくなります。

マンションリフォームは制限が多いように感じますが、制限を理解した上で計画を立てれば、満足度の高いリフォームが実現できます。まずは複数のリフォーム会社に相談し、自分のマンションでどこまでできるか確認してみることをおすすめします。

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よくある質問

Q1マンションでリフォームできない場所はどこですか?

A1共用部分(玄関扉の外側、窓、バルコニー、廊下、エレベーター等)は個人でのリフォームができません。これらは「自分の部屋に面している」場合でも共用部分として扱われます。専有部分(壁・床・天井の内側)であっても、管理規約で床材の遮音等級や工事可能時間帯などの制限がある場合があるため、事前に確認が必要です。

Q2マンションで間取り変更はできますか?

A2構造によります。ラーメン構造(柱と梁で支える)のマンションは比較的自由に間取り変更が可能ですが、壁式構造(壁で支える)のマンションは撤去できない壁が多く制限されます。また、水回りの移動は配管勾配の制約があり、パイプスペースの位置から大きく動かせない場合があります。主要構造部に影響する工事は区分所有法で禁止されています。

Q3マンションリフォームで管理組合への申請は必要ですか?

A3必要です。リフォーム前に管理組合に工事計画書や図面などを提出し、承認を得てから着工する必要があります。申請なしで工事を行うと、管理組合や近隣住民とのトラブルになる恐れがあります。必要書類や申請の流れは管理規約で確認してください。

Q4高層マンション(31m超)の内装制限とは何ですか?

A4高さ31mを超えるマンションでは建築基準法の内装制限が適用され、天井は準不燃材以上の使用が求められます。これは火災時の延焼を防ぐための規定です。ただし、スプリンクラーなどの自動消火設備が設置されている場合は適用除外となる場合があります。詳細はマンションの設備状況を確認してください。

Q5床材の防音性能の制限とは何ですか?

A5多くのマンションでは管理規約で床材の遮音等級(L値)が定められています。例えば「L-45以上」という制限がある場合、その等級を満たすフローリング材しか使用できません。カーペットの方がフローリングより遮音性が高いとされており、規約によってはカーペット以外は不可という場合もあります。床材選びの際は管理規約を確認してください。