木造一戸建てのアスベスト:調査方法と対策・リスク管理

著者: Room Match編集部公開日: 2026/1/3

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木造一戸建てのアスベスト:リスクと調査の重要性

(1) 2006年以前に建築された木造一戸建てはアスベスト使用の可能性が高い

中古の木造一戸建てを購入する際、「アスベストは含まれているか」「健康リスクはあるか」と不安に思う方は少なくありません。

厚生労働省によると、2006年9月以前に着工された建築物はアスベスト使用の可能性があり、特に1960年〜90年代の木造住宅で広く使用されていました。

この記事では、木造一戸建てのアスベストの使用箇所、健康リスク、調査方法と費用、除去・対策の流れを、公的機関の情報を元に解説します。

この記事のポイント

  • 2006年以前建築の木造一戸建てはアスベスト使用の可能性が高い(化粧スレート・サイディング等)
  • 通常使用では健康被害はないが、破損・露出時は飛散リスクあり
  • 2022年4月から調査義務化、2023年10月から有資格者による調査が必須
  • 調査費用は事前調査20,000〜50,000円、分析1検体11,400〜20,000円、除去は100㎡で200〜600万円

アスベストとは:健康リスクと使用禁止の経緯

(1) アスベスト(石綿)の特性:耐熱性・耐久性に優れる天然の鉱物繊維

アスベスト(石綿)は天然の鉱物繊維で、耐熱性・耐久性・絶縁性に優れ、1960年〜90年代に建材として広く使用されました。

(2) 健康リスク:長期的に吸い込むと肺がん・中皮腫のリスク

厚生労働省「アスベスト(石綿)に関するQ&A」によると、アスベスト繊維を長期的に吸い込むと、肺がん・中皮腫・石綿肺等の健康被害のリスクがあります。

ただし、通常使用では建材に固定されているため飛散せず、健康被害は発生しません。破損・露出時に飛散リスクが生じます。

(3) 2006年に使用禁止、1960年〜90年代に広く使用された経緯

国土交通省によると、アスベストは段階的に使用が制限され、2006年9月に全面禁止となりました。

2006年9月以前に着工された建築物は、アスベスト含有建材が使用されている可能性があります。

木造住宅での使用箇所:化粧スレート・サイディング・煙突材

(1) 化粧スレート(屋根材):2004年以前の製品にアスベスト含有の可能性

西日本アスベスト調査センターによると、木造一戸建てでアスベストが使用される主な箇所は以下の通りです。

使用箇所 詳細
化粧スレート(屋根材) セメントと石綿を混ぜた屋根材。2004年以前の製品にアスベスト含有の可能性
サイディング(外壁材) 窯業系サイディングにアスベスト含有の可能性
煙突材 断熱・耐熱性を高めるために使用
断熱材 天井裏・壁内部に使用される場合あり

(2) サイディング(外壁材):窯業系サイディングにアスベスト含有の可能性

サイディングは外壁に使用される板状の建材で、窯業系サイディングにアスベストが含まれる場合があります。

(3) 煙突材・断熱材・内装材での使用

煙突材、天井裏・壁内部の断熱材、一部の内装材にもアスベストが使用されている可能性があります。

(4) 発じん性レベル3(低危険度)が多いが、飛散対策は必須

木造一戸建てのアスベストは**発じん性レベル3(低危険度)**が多く、吹付け材(発じん性レベル1)に比べて飛散しにくいですが、解体・リフォーム時の飛散対策は必須です。

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アスベスト調査の方法と費用:義務化された調査の流れ

(1) 2022年4月から解体・大規模リフォーム前の調査が義務化

大気汚染防止法の改正により、2022年4月から解体・大規模リフォーム前のアスベスト調査が義務化されました。

(2) 2023年10月から有資格者による専門的な調査が必須、違反時は30万円以下の罰金

2023年10月からは、建築物石綿含有建材調査者等の有資格者による専門的な調査が必須となり、違反時は30万円以下の罰金が科されます。

(3) 調査費用の相場:事前調査20,000円〜50,000円、分析費用1検体11,400円〜20,000円

解体工事.comによると、アスベスト調査費用の相場は以下の通りです。

項目 費用相場
事前調査(現地確認) 20,000円〜50,000円
分析費用(1検体あたり) 11,400円〜20,000円
定性分析 含有率0.1重量%超の確認
定量分析 含有量の詳細分析

(4) 定性分析・定量分析の違いとアスベスト分析にかかる期間(1〜2週間)

定性分析はアスベストの含有率が0.1重量%を超えているかを確認する方法、定量分析はどのくらい含まれているかを詳細に調査する方法です。

アスベスト分析には1〜2週間かかるため、工事スケジュールに余裕を持つ必要があります。

(5) 自治体の補助金制度(工事前に確認推奨)

自治体によってはアスベスト調査費用や除去費用の補助金制度があります。工事前に確認することを推奨します。

アスベスト除去・対策と費用:発じん性レベル別の処理方法

(1) 発じん性(飛散性)レベル1〜3の分類と費用の違い

アスベストの飛散しやすさは発じん性レベルで分類されます。

レベル 建材の種類 飛散リスク 木造住宅での使用
レベル1 吹付け材 まれ
レベル2 保温材・断熱材 煙突等に使用
レベル3 成形板(スレート・サイディング) 多い

木造一戸建てはレベル3が多いため、危険度は低いですが、解体・リフォーム時の飛散対策は必須です。

(2) 除去費用の相場:処理面積100㎡で200万円〜600万円、レベルにより変動

クラッソーネによると、アスベスト除去費用は処理面積100㎡で200万円〜600万円が相場です。

発じん性レベルが高いほど、飛散防止対策が複雑になり、費用が高額になります。

(3) 除去・封じ込め・囲い込みの3つの対策方法

アスベスト対策には以下の3つの方法があります。

対策方法 内容 メリット・デメリット
除去 アスベストを完全に取り除く 根本的な解決だが高額
封じ込め 薬剤で固定し飛散を防ぐ 除去より安価だが将来再処理が必要
囲い込み 板材等で覆い飛散を防ぐ 最も安価だが将来再処理が必要

(4) 工事スケジュールに余裕を持つ重要性(分析に1〜2週間、工事に追加時間)

アスベスト分析に1〜2週間、除去工事に追加時間がかかるため、解体・リフォームのスケジュールに余裕を持つことが重要です。

(5) 専門業者選びのポイントと資格確認

アスベスト調査・除去は専門業者に依頼してください。建築物石綿含有建材調査者等の資格を持つ業者を選ぶことを推奨します。

まとめ:木造一戸建てのアスベスト対策と専門家への相談

2006年以前に建築された木造一戸建てはアスベスト使用の可能性が高く、化粧スレート(屋根材)やサイディング(外壁材)に含まれる場合があります。

通常使用では健康被害はありませんが、破損・露出時は飛散リスクがあります。2022年4月から調査が義務化され、2023年10月から有資格者による専門的な調査が必須となりました。

調査費用は事前調査20,000〜50,000円、分析1検体11,400〜20,000円、除去費用は100㎡で200〜600万円が相場です。解体・リフォーム前に専門業者(建築士、アスベスト調査機関等)に相談し、適切な対策を行ってください。

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よくある質問

Q1木造一戸建てのアスベストの健康リスクはどのくらいですか?

A1通常使用では建材に固定されているため健康被害はありませんが、破損・露出時は飛散リスクがあります。厚生労働省によると、アスベスト繊維を長期的に吸い込むと肺がん・中皮腫・石綿肺等の健康被害のリスクがあるため、破損時は速やかに専門家(建築士、アスベスト調査機関等)に相談してください。

Q2アスベスト調査の費用はいくらですか?

A2事前調査(現地確認)は20,000円〜50,000円、分析費用は1検体あたり11,400円〜20,000円が相場です。定性分析はアスベストの含有率0.1重量%超の確認、定量分析は含有量の詳細分析です。アスベスト分析には1〜2週間かかるため、工事スケジュールに余裕を持つ必要があります。自治体によっては補助金制度があるため、工事前に確認することを推奨します。

Q3アスベスト除去の費用はいくらですか?

A3処理面積100㎡で200万円〜600万円が相場です。発じん性レベル(飛散しやすさ)により費用が大きく変動します。木造一戸建てはレベル3(成形板:化粧スレート・サイディング)が多く危険度は低いですが、解体・リフォーム時の飛散対策は必須です。除去・封じ込め・囲い込みの3つの対策方法があり、除去が最も根本的な解決ですが高額です。

Q4築年数とアスベストの関係は?

A42006年9月以前に着工された建築物はアスベスト含有建材使用の可能性があり、調査対象となります。特に1960年〜90年代の木造住宅で広く使用され、2004年以前の化粧スレート(屋根材)やサイディング(外壁材)にアスベスト含有の可能性があります。中古の木造一戸建てを購入する際は、築年数を確認し、専門業者に調査を依頼してください。

Q5アスベスト調査は法的義務ですか?

A52022年4月から大気汚染防止法の改正により、解体・大規模リフォーム前のアスベスト調査が義務化されました。2023年10月からは建築物石綿含有建材調査者等の有資格者による専門的な調査が必須となり、違反時は30万円以下の罰金が科されます。調査結果は都道府県等への届出が必要です。

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