湘南エリアとは
湘南エリア(藤沢・茅ヶ崎・鎌倉等)への移住や不動産購入を検討する際、「どのエリアが住みやすいのか」「海の近くの暮らしはどんなメリット・デメリットがあるのか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、湘南エリアの定義、エリア別の価格相場と特徴、メリット・デメリット、購入時の注意点(塩害・津波リスク・ハザードマップの確認方法)を解説します。
湘南での暮らしが自分に合っているかどうかを判断できるようになります。
この記事のポイント
- 湘南エリアは藤沢・茅ヶ崎・鎌倉・逗子・葉山・平塚等を含み、東京まで45〜60分のアクセス
- 辻堂(藤沢市)は「住みたい街ランキング2022」で1位、商業施設と海が近い利便性で人気
- 海から5km圏内は塩害の影響を受けやすく、外壁・車・自転車・エアコン室外機の劣化が早い
- 津波リスクは国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で浸水想定区域・避難経路を確認できる
- 塩害・湿度・夏季の混雑など実際に住んでみないとわからない点が多いため、まず賃貸で体験することを推奨
1. 湘南エリアとは
(1) 湘南エリアの範囲(藤沢・茅ヶ崎・鎌倉・逗子・葉山・平塚等)
「湘南」とは神奈川県の相模湾沿岸地域を指す地域的な呼称で、明確な行政区画ではありません。
一般的には、藤沢市、茅ヶ崎市、鎌倉市、逗子市、葉山町、平塚市等が含まれます。
(2) 東京へのアクセス(45〜60分)
JR東海道線・湘南新宿ライン・小田急線を利用して、東京(品川・新宿)まで約45〜60分でアクセスできます。
海の近くの暮らしと東京へのアクセス性を両立できる点が、湘南エリアの大きな魅力です。
(3) 人気の理由
湘南エリアは、美しい海、リゾート的雰囲気、マリンスポーツ、移住者の多さ(排他性が少ない)、子育て支援(藤沢市は待機児童ゼロを達成)などが人気の理由です。
2. エリア別の価格相場と特徴(藤沢・茅ヶ崎・鎌倉等)
(1) 藤沢(辻堂)の価格相場と特徴
価格相場(土地): 2,337万〜3,765万円(2025年時点)
特徴:
- 辻堂駅周辺はテラスモール湘南、辻堂海浜公園があり「住みたい街ランキング2022」で1位を獲得
- 藤沢市は2021年4月1日時点で待機児童ゼロを達成し、子育て世帯に人気
(2) 茅ヶ崎の価格相場と特徴
価格相場(土地): 2,337万〜3,765万円(2025年時点)
特徴:
- 落ち着いた住宅街、サザンオールスターズの聖地として知られる
- 海の近くでありながら、静かな住環境を求める層に人気
(3) 鎌倉の価格相場と特徴
価格相場: 高額物件が多い(土地価格は藤沢・茅ヶ崎より高め)
特徴:
- 古都としての歴史・文化、観光地としての知名度
- 駅周辺は観光客で混雑するが、住宅街は静か
(4) 逗子・葉山の価格相場と特徴
価格相場: 高額物件が多い(特に葉山は別荘地として人気)
特徴:
- 逗子は駅周辺の商業施設が充実、葉山は高級住宅街・別荘地
(5) 平塚の価格相場と特徴
価格相場: 藤沢・茅ヶ崎より低め
特徴:
- 価格を抑えつつ湘南エリアに住める
- 商業施設が充実し、生活利便性が高い
3. 湘南で暮らすメリット
(1) 美しい海とリゾート的雰囲気
目の前に広がる相模湾の景色、海辺の散歩、サーフィン・ヨットなどのマリンスポーツが日常的に楽しめます。
リゾート地でありながら生活圏として機能しているため、リラックスした暮らしと利便性を両立できます。
(2) マリンスポーツが年中楽しめる
サーフィン、SUP、ヨット、ウィンドサーフィンなど、年間を通してマリンスポーツを楽しめます。
海が近い環境で育った子供たちは、自然と親しむ経験を積むことができます。
(3) 移住者が多く排他性が少ない
湘南エリアは古くから移住者が多く、排他的な雰囲気が少ないとされています。
藤沢市・茅ヶ崎市等の自治体は移住相談窓口を設けており、移住者をサポートしています。
(4) 子育て支援(藤沢市は待機児童ゼロ)
藤沢市は2021年4月1日時点で待機児童ゼロを達成し、子育て世帯に人気です。
保育所の充実、公園・海浜公園等の遊び場、教育環境の整備が進んでいます。
4. 湘南で暮らすデメリット(塩害・津波・渋滞等)
(1) 塩害の影響(海から5km圏内)
海から5km圏内(一部は5km以上)は塩害の影響を受けやすく、金属製品のサビ、外壁の劣化が進みます。
塩害の具体的な影響:
- 自転車・車のサビが進みやすい
- エアコン室外機・給湯器の劣化が早い
- 洗濯物が塩分でベタベタ、基本は室内干し
- シーリングファンが1年でサビる実例もある
(2) 津波リスク
相模湾沿岸は津波浸水想定区域に指定されているエリアがあります。
購入前に、自治体のハザードマップで浸水深・避難経路・避難ビルを確認することが必須です。
(3) 夏季の観光客・渋滞
夏季は海岸周辺が観光客で混雑し、渋滞が発生しやすくなります。
生活道路にも影響が出るため、シーズン中に現地を訪れて体験することを推奨します。
(4) 湿度が高く洗濯物が乾きにくい
海沿いは湿度が高く、洗濯物が乾きにくい、カビが発生しやすいなどの生活面の不便があります。
除湿機・浴室乾燥機の活用が必要です。
(5) 台風時の被害リスク
台風時は強風により窓ガラスが割れると海水が流入するリスクがあります。
雨戸・シャッターの設置、台風前の対策が重要です。
5. 購入時の注意点とハザードマップの確認方法
(1) 塩害対策(フッ素塗料・樹脂サイディング外壁)
塩害対策には、フッ素塗料や樹脂サイディング外壁が有効です。
対策方法:
- フッ素塗料: 耐久性が高く塩害に強い。耐用年数が長いためメンテナンス回数を減らせる
- 樹脂サイディング外壁: 塩化ビニル樹脂を使用した外壁材。耐久性に優れ塩害に強い
- 定期的な水洗い: 外壁・窓・車・自転車・エアコン室外機などの定期的な水洗いで塩分を除去
(2) 津波ハザードマップの確認方法
国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で津波浸水想定区域を確認できます。
また、各自治体(藤沢市、茅ヶ崎市等)のウェブサイトで詳細なハザードマップが公開されています。
(3) 避難経路・避難ビルの確認
津波浸水想定区域内の物件は、避難経路・避難ビルの位置を確認してください。
自宅から徒歩で何分で避難ビルに到達できるかをシミュレーションすることが重要です。
(4) 物件の海からの距離確認
購入前に、物件の海からの距離を確認してください。
海から5km圏内は塩害の影響を受けやすいため、対策が必要です。
(5) 台風対策(雨戸・シャッター設置)
海沿いの物件は、台風時の強風・飛来物に備えて雨戸・シャッターの設置が推奨されます。
窓ガラスが割れると海水が流入するリスクがあるため、事前対策が重要です。
6. まとめ:湘南エリアが向いている人・向かない人
湘南エリアは、美しい海、リゾート的雰囲気、東京へのアクセス性を兼ね備えた人気エリアです。藤沢(辻堂)、茅ヶ崎、鎌倉、逗子、葉山、平塚など、エリアごとに価格帯・特徴が異なります。
一方で、塩害(海から5km圏内)、津波リスク、夏季の観光客・渋滞、湿度の高さ、台風被害などのデメリットもあります。
湘南エリアが向いている人:
- マリンスポーツが好き、海の近くで暮らしたい
- リゾート的雰囲気と東京へのアクセス性を両立したい
- 塩害・湿度・台風対策を理解し、維持費を負担できる
湘南エリアが向かない人:
- 塩害・湿度・台風リスクを受け入れられない
- 夏季の観光客・渋滞が生活の負担になる
- 津波リスクを避けたい
塩害・湿度・夏季の混雑など、実際に住んでみないとわからない点が多いため、まず賃貸で1〜2年住んでみることをおすすめします。購入前に、地域の不動産会社・建築士に相談し、ハザードマップ・塩害対策を確認してください。
