品川区の中古戸建て市場の特徴
品川区で中古戸建ての購入を検討する際、「エリア別の価格相場は?」「築年数による価格差は?」「子育て環境は整っているか?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、品川区の中古戸建て価格相場、エリア別の特徴、築年数別の価格帯、購入時のチェックポイントを、不動産情報サイトのデータを元に解説します。
特定エリアを推奨するのではなく、各エリアの特徴を公平に提示します。
この記事のポイント
- 品川区の中古戸建て平均価格は2025年時点で9,564万円、前年比5.7%上昇と価格上昇傾向
- 城南五山(東五反田・北品川・上大崎)は高級住宅地、大井・大崎・武蔵小山は交通・生活利便性が高い
- 築20-30年物件はリノベーション前提で価格を抑えられる、築40年以上は旧耐震基準に注意
- 中古戸建て購入時はホームインスペクション(住宅診断)で建物状態を確認し、耐震性・修繕費用を把握すべき
(1) 品川区の住環境(オフィス街・湾岸エリア・歴史的住宅街の混在)
品川区は、オフィス街・湾岸エリア・歴史的住宅街が混在する多様な住環境が特徴です。
品川区の主なエリア:
- オフィス街: 大井町・大崎・西五反田等、企業の本社やオフィスが集中
- 湾岸エリア: 東品川・勝島等、臨海副都心に隣接
- 歴史的住宅街: 城南五山(東五反田・北品川・上大崎)、高級住宅地として有名
- 商店街エリア: 戸越銀座・武蔵小山商店街等、関東屈指の商店街が充実
エリアにより住環境・価格帯が大きく異なるため、目的に応じた選択が重要です。
(2) 中古戸建ての供給状況(90件程度、エリアにより偏りあり)
SUUMOによると、品川区の中古戸建ては約90件が掲載されています(2025年時点)。
供給状況の特徴:
- 戸越・中延・西大井・旗の台・武蔵小山に一戸建てが多い
- オフィス街エリア(勝島・西五反田・東品川)は一戸建てが少なく、選択肢が限られる
- 人気エリア(大井・大崎・武蔵小山)は物件の動きが早い
物件が少ないエリアでは、希望条件に合う物件が見つかるまで時間がかかる場合があります。
(3) 価格トレンド(2025年平均9,564万円、前年比5.7%上昇)
ホームズによると、品川区の中古戸建て平均取引価格は2025年時点で9,564万円、前年比5.7%上昇しています。
価格上昇の背景:
- 都心へのアクセスが良く、リモートワークが普及した影響で住環境重視の購入者が増加
- 子育て支援制度が充実しており、子育て世帯に人気
- 供給が限られているため、需要が価格を押し上げている
今後も価格上昇が続く可能性がありますが、市場動向により変動する点に注意が必要です。
品川区の中古戸建て価格相場(2025年)
(1) 平均取引価格(9,564万円)
品川区の中古戸建ての平均取引価格は9,564万円です。
参考データ:
- 平均価格: 9,564万円(2025年)
- 前年比: +5.7%
- 価格帯: 2,980万円〜1億7,500万円
この平均価格は、エリア・築年数・間取り・建物状態を含めた全体の平均であり、個別物件により大きく異なります。
(2) 価格帯の幅(2,980万円〜1億7,500万円)
アットホームによると、品川区の中古戸建ての価格帯は2,980万円〜1億7,500万円と非常に幅広いです。
価格帯の分布:
- 2,980万円〜5,000万円: 築40年以上の旧耐震基準物件、小規模物件
- 5,000万円〜8,000万円: 築20-30年の標準的な物件
- 8,000万円〜1億円: 築10年未満の築浅物件、好立地物件
- 1億円以上: 城南五山等の高級住宅地、広い敷地面積
予算に応じて、築年数や立地条件を柔軟に検討する必要があります。
(3) 価格を決める要因(立地・築年数・間取り・建物状態)
中古戸建ての価格を決める主な要因は以下のとおりです。
| 要因 | 影響 |
|---|---|
| 立地 | 駅からの距離、商業施設の近さ、学区 |
| 築年数 | 築10年未満は高価格、築40年以上は低価格 |
| 間取り | 3LDK以上が一般的、4LDK以上は高価格 |
| 建物状態 | リノベーション済み物件は高価格、要修繕物件は低価格 |
| 敷地面積 | 広い敷地は高価格、狭小地は低価格 |
これらの要因を総合的に判断し、優先順位を明確にすることが重要です。
エリア別の価格相場と特徴
(1) 城南五山(東五反田・北品川・上大崎)の高級住宅地
TOKYO @ 14区によると、品川区の城南五山(東五反田・北品川・上大崎・池田山・島津山)は高級住宅地として有名です。
城南五山の特徴:
- 高台に位置し、閑静な住宅街
- 大使館や企業の社宅が多く、治安が良い
- 価格帯は1億円以上が中心
- 資産価値が高く、将来的な売却時も高値が期待できる
高級住宅地のため、予算が潤沢な購入者向けです。
(2) 人気エリア(大井・大崎・武蔵小山)の交通利便性
大井・大崎・武蔵小山は交通利便性が高く、人気のエリアです。
人気エリアの特徴:
- 大井町駅: JR京浜東北線・東急大井町線・りんかい線の3路線が利用可能、都心へのアクセス良好
- 大崎駅: JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線が利用可能、主要駅へ乗り換えなし
- 武蔵小山駅: 東急目黒線、目黒駅から4分、渋谷駅から11分
交通利便性が高いため、価格帯は8,000万円〜1億円程度が中心です。
(3) 商店街エリア(戸越銀座・武蔵小山商店街)の生活利便性
戸越銀座・武蔵小山商店街は関東屈指の商店街で、生活利便性が高いエリアです。
商店街エリアの特徴:
- 戸越銀座商店街: 全長約1.3km、約400店舗、関東で最も長い商店街の一つ
- 武蔵小山商店街: 約250店舗、アーケード付きで雨の日も快適
- 日常の買い物に便利、地域コミュニティが活発
商店街エリアは価格帯が6,000万円〜9,000万円程度で、比較的手頃な価格帯で購入できます。
(4) オフィス街エリア(勝島・西五反田・東品川)の物件少ない注意点
オフィス街エリア(勝島・西五反田・東品川)は一戸建てが少なく、選択肢が限られます。
オフィス街エリアの特徴:
- 企業のオフィスが多く、マンションが中心
- 一戸建ての供給が少ない
- 商業施設は充実しているが、閑静な住宅街は少ない
一戸建てを希望する場合は、他のエリアを検討することを推奨します。
築年数別の価格帯と購入判断
(1) 築浅物件(築10年未満)の価格帯と特徴
築10年未満の築浅物件は、価格が高いですが修繕費用が少なく安心です。
築浅物件の特徴:
- 価格帯: 1億円以上
- メリット: 修繕費用が少ない、新耐震基準・省エネ基準に適合
- デメリット: 価格が高い、物件数が少ない
予算に余裕がある場合は、築浅物件が安心です。
(2) 築20-30年物件の価格帯とリノベーション前提の購入
築20-30年物件は、リノベーション前提で価格を抑えられます。
築20-30年物件の特徴:
- 価格帯: 6,000万円〜8,000万円
- メリット: 価格が手頃、リノベーションで新築同様にできる
- デメリット: リノベーション費用(500万円〜1,500万円)が別途必要
リノベーション前提の購入は、予算を抑えつつ理想の住環境を実現できます。
(3) 旧耐震基準(築40年以上)の注意点
築40年以上の物件は、旧耐震基準(1981年5月以前)の可能性があります。
旧耐震基準の注意点:
- 1981年6月以降が新耐震基準、それ以前が旧耐震基準
- 旧耐震基準は大地震時の倒壊リスクが高い
- 耐震診断・耐震補強が必要な場合がある(費用100万円〜300万円)
旧耐震基準の物件は、ホームインスペクション(住宅診断)で耐震性を確認してください。
(4) 築年数と修繕費用の関係
築年数が古いほど、修繕費用が増加します。
| 築年数 | 主な修繕箇所 | 修繕費用の目安 |
|---|---|---|
| 築10年未満 | ほぼ不要 | 0円〜50万円 |
| 築10-20年 | 外壁塗装、屋根補修 | 100万円〜300万円 |
| 築20-30年 | 水回り(キッチン・浴室)、内装 | 300万円〜800万円 |
| 築30-40年 | 給排水管、電気配線、断熱材 | 500万円〜1,500万円 |
| 築40年以上 | 耐震補強、全面リノベーション | 1,000万円以上 |
購入前にホームインスペクションで建物状態を確認し、修繕費用を見積もることを推奨します。
中古戸建て購入時のチェックポイント
(1) ホームインスペクション(住宅診断)の実施
ホームインスペクション(住宅診断)は、建築士等の専門家が建物の劣化状況・欠陥の有無を調査するサービスです。
ホームインスペクションのメリット:
- 建物の状態を客観的に把握できる
- 購入後のトラブル(雨漏り、シロアリ被害等)を事前に防げる
- 修繕費用の目安を把握できる
費用は5万円〜10万円程度ですが、購入後のトラブルを考えると安い投資です。
(2) 耐震性の確認(旧耐震 vs 新耐震)
耐震性の確認は、中古戸建て購入時の最重要ポイントです。
耐震基準の違い:
- 旧耐震基準(1981年5月以前): 震度5程度の地震で倒壊しない基準
- 新耐震基準(1981年6月以降): 震度6強〜7の地震で倒壊しない基準
旧耐震基準の物件は、耐震診断を実施し、必要に応じて耐震補強を行ってください。
(3) リノベーション費用の目安(築年数別)
リノベーション費用は、築年数・工事内容により異なります。
リノベーション費用の目安:
- 水回り刷新(キッチン・浴室・トイレ): 300万円〜500万円
- 内装刷新(床・壁・天井): 200万円〜400万円
- 外壁塗装・屋根補修: 150万円〜300万円
- 耐震補強: 100万円〜300万円
- 全面リノベーション: 1,000万円〜2,000万円
購入前にリノベーション業者に見積もりを依頼し、総額を把握してください。
(4) 子育て支援制度(待機児童0人、産後ドゥーラ助成等)
ママソレによると、品川区は子育て支援制度が充実しています。
品川区の子育て支援制度:
- 待機児童数: 令和4年に0人まで減少
- 産後ドゥーラ助成: 産後の家事・育児支援に最大45万円の助成
- 保育園: 認可保育園が多く、入園しやすい
- 親子で過ごせるスポット: しながわ水族館、戸越公園等
子育て世帯にとって魅力的な環境です。
(5) 治安・住環境の確認(品川区は23区中6位)
品川区の治安は、東京23区中6位で良好です。
治安の状況:
- 犯罪認知件数が少なく、安心して暮らせる
- 防犯カメラの設置が進んでいる
- 地域コミュニティが活発で、見守り体制が整っている
治安の良さも、品川区が人気の理由の一つです。
まとめ:品川区の中古戸建て購入判断のポイント
品川区の中古戸建て平均価格は2025年時点で9,564万円、前年比5.7%上昇と価格上昇傾向にあります。城南五山(東五反田・北品川・上大崎)は高級住宅地で1億円以上、大井・大崎・武蔵小山は交通・生活利便性が高く8,000万円〜1億円程度が中心です。
築20-30年物件はリノベーション前提で6,000万円〜8,000万円程度で購入でき、リノベーション費用(500万円〜1,500万円)を含めても新築より安価です。築40年以上は旧耐震基準に注意し、耐震診断・耐震補強が必要な場合があります。
中古戸建て購入時は、ホームインスペクション(住宅診断)で建物状態を確認し、耐震性・修繕費用を把握してください。品川区は待機児童0人、子育て支援充実、治安も良好で、子育て世帯にとって魅力的な環境です。専門家(建築士、ホームインスペクター)に相談しながら、ご自身のライフプランに合った物件を選びましょう。
