世田谷区のマンション市場を徹底解説
「世田谷区のマンションを購入したいけど、エリアごとの特徴や価格相場がよく分からない」と感じる方は少なくありません。世田谷区は東京23区の中でも面積が広く、エリアによって価格帯や住環境が大きく異なります。
この記事では、世田谷区のマンション市場の現状、エリア別の価格相場と特徴、購入・売却時のポイントを、国土交通省や警視庁の公式情報を元に解説します。
初めて世田谷区で不動産を購入・売却する方でも、エリアごとの違いを理解し、自分に合った物件を選べるようになります。
この記事のポイント
- 世田谷区は人口約90万人の大規模住宅地で、23区内で4位の治安の良さを誇る
- 2024年Q1時点で70㎡の平均価格は約7,304万円、過去3年で8.05%上昇
- 人気エリアは二子玉川、駒沢、成城、下北沢、桜新町など、駅近や大型商業施設の開発により資産価値が維持されやすい
- 購入時は駅からの距離、新築vs中古の選択、住環境の確認、資産価値の見通しを検討すべき
- 売却時はエリアによる価格差の把握、リノベーション済み物件の需要、複数社での査定、売却タイミングがポイント
1. 世田谷区のマンション市場の現状と魅力
(1) 人口約90万人の大規模住宅地
世田谷区の公式統計によると、世田谷区の人口は約90万人で、東京23区内でも最大級の住宅地です。区内には主要駅として下北沢、三軒茶屋、経堂、二子玉川などがあり、住環境の良さから幅広い世代に人気があります。
(2) 23区内で4位の治安の良さ
警視庁の犯罪発生状況データによると、世田谷区は東京23区内で4位の治安の良さを誇ります。24時間青色パトロールカーやカメラ設置など防犯対策が充実しており、子育て世帯にも安心の環境です。
(3) 8つの私鉄路線(JR・地下鉄は通っていない)
世田谷区には小田急線、東急田園都市線、京王線など8つの私鉄路線が通っており、横浜・八王子方面へのアクセスも良好です。ただし、JR線や地下鉄は通っていないため、都心へのアクセスは私鉄に限定される点に注意が必要です。
2019年3月に小田急線の複々線化が完了し、朝の通勤ラッシュが大幅に緩和されたことで、小田急線沿線エリアの利便性が向上しています。
2. 世田谷区マンションの価格相場(2024年版)
(1) 70㎡で平均7,304万円(2024年Q1時点)
2024年Q1時点で、世田谷区の中古マンション価格は70㎡あたり平均7,304万円です。1㎡あたりの平均価格は94万9,017円で、東京23区内でも中〜高価格帯に位置します。
(2) 間取り別の価格(1LDK 5,870万円、2LDK 7,825万円、3LDK 8,160万円)
間取り別の平均価格は以下の通りです。
| 間取り | 平均価格 | 備考 |
|---|---|---|
| 1K | 約2,177万円 | 単身者向け |
| 1LDK | 約5,870万円 | 単身〜カップル向け |
| 2LDK | 約7,825万円 | 小家族向け |
| 3LDK | 約8,160万円 | ファミリー向け |
新築マンションの場合、3LDK 70㎡超で8,000万円台からが目安です。
(3) 価格推移(過去3年で8.05%上昇、2024年Q1は前年比3.16%減)
世田谷区の中古マンション価格は、過去3年間で8.05%上昇しています。ただし、2024年Q1は前年比3.16%減と、短期的には調整局面に入っています。長期的には上昇傾向にありますが、エリアや物件により変動するため、購入・売却のタイミングは市況を見極めることが重要です。
3. エリア別の特徴と人気エリア
(1) 二子玉川・用賀・等々力(二子玉川ライズ開発による人気上昇)
二子玉川エリアは、2011年に開業した二子玉川ライズ(大規模複合施設)を中心に、ショッピングモール・オフィス・住宅が集積しています。駅近物件は資産価値が高く、再開発により人気が再上昇しています。用賀・等々力も同様に落ち着いた住環境が魅力です。
(2) 駒沢・深沢(駒沢公園周辺の良好な住環境)
駒沢エリアは駒沢公園周辺の緑豊かな環境が特徴で、ファミリー層に人気があります。東急田園都市線で渋谷へのアクセスも良好で、住宅地としての落ち着きと都心への利便性を両立しています。
(3) 成城(高級住宅地、小田急線複々線化で利便性向上)
成城は世田谷区を代表する高級住宅地で、閑静な住環境が魅力です。2019年の小田急線複々線化により、朝の通勤ラッシュが大幅に緩和され、利便性が向上しました。マンション価格は高めですが、資産価値が維持されやすいエリアです。
(4) 下北沢・三軒茶屋(若者に人気、商業施設充実)
下北沢・三軒茶屋は若者に人気のエリアで、商業施設や飲食店が充実しています。文化的な雰囲気があり、単身者やカップルに好まれます。駅近物件は需要が高く、賃貸需要も見込めます。
(5) 桜新町・経堂(住宅地としての落ち着き)
桜新町・経堂は住宅地としての落ち着きがあり、子育て世帯に人気です。駅周辺には商店街があり、日常生活の利便性も確保されています。価格は比較的抑えめで、コストパフォーマンスの良いエリアです。
4. 世田谷区でマンション購入する際のポイント
(1) 駅からの距離と利便性(私鉄のみで都心へのアクセス)
世田谷区はJR線や地下鉄が通っていないため、駅からの距離と私鉄路線の利便性が重要です。駅徒歩10分以内の物件は資産価値が保ちやすく、将来の売却時にも有利です。通勤・通学の利便性を考慮して、路線を選びましょう。
(2) 新築vs中古の選択(新築3LDK 70㎡超で8,000万円台から)
新築マンションは価格が高い一方、最新の設備や保証が付きます。中古マンションは価格が抑えられ、立地の選択肢も広がります。リノベーション済み中古物件の需要が高まっており、自分のライフスタイルに合わせて選択しましょう。
(3) 住環境の確認(治安、教育環境、商業施設)
世田谷区は治安が良いエリアが多いですが、エリアにより差があります。購入前に現地を訪れ、周辺の治安、教育環境(学校・保育園)、商業施設(スーパー・病院)を確認しましょう。
(4) 資産価値の見通し(人気エリアは維持されやすい)
二子玉川、駒沢、成城など人気エリアは、駅近や大型商業施設の開発により資産価値が維持されやすいです。ただし、将来の価格は保証されないため、「あくまで過去のデータに基づく一般的な傾向」として理解し、専門家(不動産鑑定士等)への相談を推奨します。
5. 世田谷区でマンション売却する際のポイント
(1) エリアによる価格差を把握する
世田谷区はエリアにより価格差が大きいため、自分の物件がどのエリアに該当するかを把握しましょう。人気エリア(二子玉川、駒沢、成城等)であれば、高値での売却が期待できます。
(2) リノベーション済み物件の需要が高い
リノベーション済み物件は需要が高く、売却時に有利です。築年数が古くても、内装や設備を更新していれば、購入希望者の関心を引きやすくなります。
(3) 複数社で査定を取る(相場観の把握)
売却価格を決める際は、複数の不動産会社で査定を取り、相場観を把握しましょう。1社だけの査定では適正価格が分かりにくいため、3社以上の比較を推奨します。
(4) 売却タイミング(市況を見極める)
世田谷区のマンション価格は長期的には上昇傾向ですが、短期的には変動します。市況を見極め、売却タイミングを検討しましょう。急いで売る必要がない場合は、価格が上昇する時期を待つのも一つの選択肢です。
6. まとめ:世田谷区のマンション市場の今後の見通し
世田谷区のマンション市場は、過去3年で8.05%上昇しており、長期的には上昇傾向にあります。ただし、2024年Q1は前年比3.16%減と、短期的には調整局面に入っています。
エリアにより価格帯や住環境が大きく異なるため、購入・売却時は現地確認と専門家への相談が重要です。人気エリア(二子玉川、駒沢、成城、下北沢、桜新町等)は、駅近や大型商業施設の開発により資産価値が維持されやすい傾向にあります。
購入・売却にあたっては、不動産鑑定士や宅地建物取引士など専門家への相談も検討してください。正確な情報を元に、無理のない資金計画を立てましょう。
