不動産看板の種類・法規制・効果的な活用方法を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/4

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不動産看板の役割と集客効果

不動産の売却・賃貸を検討する際、看板の活用は重要な集客手段の一つです。オープンハウス・入居者募集・テナント募集など、目的に応じて様々な種類の看板があり、適切に設置することで広告効果を高められます。

この記事では、不動産看板の種類、設置時の法規制(屋外広告物法・道路交通法・建築基準法等)、効果的なデザインと設置方法、トラブル回避の注意点を解説します。不動産業者や物件所有者が適切に看板を活用し、集客力を高めるための判断材料を提供します。

この記事のポイント

  • 不動産看板には、のぼり旗・プレート看板・A型看板・垂れ幕等、設置場所と目的に応じた多様な種類がある
  • 看板設置には屋外広告物法・道路交通法・建築基準法・各自治体の条例による規制があり、無許可設置は撤去命令や罰則の対象となる
  • 効果的なデザインは、シンプルで大胆なデザイン・大きな文字・配色の工夫により遠くからの視認性を高める
  • 設置場所は目線の高さにすることで、歩行者・ドライバー双方の視認性が向上する
  • 建物所有者・管理会社の許可取得、安全対策(おもりで固定・悪天候時の撤去)の実施が重要

(1) 不動産看板が集客に果たす役割

不動産看板は、物件の存在を通行人やドライバーに知らせる重要な広告媒体です。インターネット広告が主流となった現在でも、地域密着型の集客手段として効果を発揮します。

主な役割は以下の通りです。

  • 物件の認知拡大: 通行人やドライバーに物件の存在を知らせる
  • オープンハウスの案内: イベント開催日時を告知し、来場者を誘導する
  • 信頼性の向上: 会社名・免許番号を表示し、正規の不動産業者であることを示す

(2) 設置場所と目的に応じた選び方

看板の種類は、設置場所と目的に応じて選びます。

設置場所 適した看板 主な目的
物件前の歩道 のぼり旗、A型看板 オープンハウス案内、入居者募集
建物の外壁 プレート看板 管理物件・会社名表示
大型物件の正面 垂れ幕・横断幕 分譲地・テナント募集の訴求

設置場所と目的に応じた看板選びにより、最大の広告効果を発揮します。

不動産看板の主な種類と用途

(1) のぼり旗(オープンハウス・入居者募集)

のぼり旗は、縦長の旗状の広告物で、オープンハウスや入居者募集などに使用されます。設置が簡単で、風になびくため遠くからでも目立ちやすい特徴があります。

主な用途:

  • オープンハウスの開催告知
  • 入居者募集の訴求
  • 新築分譲地の案内

メリット:

  • 設置・撤去が簡単
  • 風になびいて目立つ
  • コストが比較的安い

注意点:

  • 風で倒れたり飛ばされたりしないよう、おもりで固定する必要がある
  • 悪天候時には撤去することで事故を防止できる

(2) プレート看板(管理物件・会社名表示)

プレート看板は、金属・アクリル等の板状の看板で、管理物件や会社名の表示に使用されます。耐久性が高く、長期間設置する場合に適しています。

主な用途:

  • 管理物件の表示
  • 会社名・免許番号の表示
  • 駐車場の管理者情報

メリット:

  • 耐久性が高い
  • 高級感のあるデザインが可能(アクリル板等)
  • 長期間設置できる

注意点:

  • 建物の外壁や共用部分に設置する場合、建物所有者や管理会社の許可が必要

(3) A型看板(オープンハウス案内)

A型看板は、A字型の置き看板で、歩道に設置してオープンハウス等の案内に使用されます。両面に情報を掲載できるため、歩行者の視認性が高い特徴があります。

主な用途:

  • オープンハウスの開催日時・場所の案内
  • 店舗営業中の表示
  • イベント告知

メリット:

  • 両面に情報を掲載できる
  • 歩行者の視認性が高い
  • 設置・撤去が簡単

注意点:

  • 公道にはみ出して設置すると道路法・道路交通法違反となる可能性がある
  • 歩行者の通行の妨げにならないよう配置する

(4) 垂れ幕・横断幕(大型物件の訴求)

垂れ幕・横断幕は、大型の布製広告物で、分譲地やテナント募集など大型物件の訴求に使用されます。遠くからでも目立ち、広範囲に情報を伝えられます。

主な用途:

  • 分譲地の大規模告知
  • テナント募集の訴求
  • 大型物件の売却情報

メリット:

  • 遠くからでも目立つ
  • 広範囲に情報を伝えられる
  • 大型物件の訴求に効果的

注意点:

  • 風で飛ばされないよう、しっかり固定する必要がある
  • 高さ4m以上の看板は建築基準法の適用対象となる場合がある

(5) 売物件・入居者募集・テナント募集看板

売物件・入居者募集・テナント募集看板は、それぞれの目的に特化した看板で、物件の基本情報(価格・間取り・連絡先等)を掲載します。

主な用途:

  • 売物件の価格・間取り・連絡先の表示
  • 入居者募集の条件(家賃・敷金・礼金等)
  • テナント募集の条件(賃料・面積・業種等)

メリット:

  • 目的に特化した情報を提供できる
  • 通行人が物件情報を一目で把握できる

注意点:

  • 宅地建物取引業法・景品表示法により、「格安」「必ず」等の断定表現は優良誤認表示として禁止されている

看板設置の法規制とルール

(1) 屋外広告物法と自治体条例

屋外広告物法は、屋外広告物の設置場所・サイズ・デザインを規制する法律で、自治体ごとに条例が定められています。看板設置には自治体への届出・許可が必要な場合があり、無許可設置は撤去命令や罰則の対象となる可能性があります。

主な規制内容:

  • 風景地区・禁止区域: 景観保護のため看板設置が禁止される区域
  • サイズ制限: 一定のサイズを超える看板は許可が必要
  • 色彩制限: 景観に配慮した色彩の使用が求められる場合がある

看板設置前に、該当自治体の屋外広告物条例を確認することが必須です。

(参照: 不動産会社のミカタ「代表的な看板10種類と設置時に注意すべきルール」

(2) 道路交通法・道路法(公道はみ出し禁止)

道路交通法は、道路上の交通安全を確保するための法律で、看板が公道にはみ出す場合は違反となります。また、道路法により、道路占用許可が必要な場合があります。

主な規制内容:

  • 公道はみ出し禁止: A型看板等が歩道にはみ出すと違反
  • 道路占用許可: 道路上に看板を設置する場合は許可が必要

歩行者の通行の妨げにならないよう、看板の配置を慎重に検討します。

(参照: 三和サインワークス「看板設置の法律や注意すべきポイント」

(3) 建築基準法(高さ4m以上の看板)

建築基準法は、建築物の安全性を確保するための法律で、高さ4m以上の看板、防火地域の建物屋上の3m以上の看板は適用対象となります。この場合、建築士による構造計算や確認申請が必要です。

主な規制内容:

  • 高さ4m以上の看板: 確認申請が必要
  • 防火地域の建物屋上の3m以上の看板: 確認申請が必要

大型看板を設置する場合は、専門家(建築士)への相談を推奨します。

(4) 宅地建物取引業法・景品表示法(誇大広告の禁止)

宅地建物取引業法は、不動産業を規制する法律で、誇大広告の禁止・重要事項の明示等が規定されています。また、景品表示法により、「格安」「必ず」等の断定表現は優良誤認表示として禁止されています。

禁止される表現例:

  • 「格安」「激安」(根拠のない価格訴求)
  • 「必ず値上がりする」(断定的判断の提供)
  • 「業界No.1」(根拠のない最上級表現)

看板に掲載する情報は、正確かつ客観的な内容にする必要があります。

(5) 建物所有者・管理会社の許可取得

建物の外壁や共用部分に看板を設置する場合、建物所有者や管理会社の許可が必須です。無断設置はトラブルの原因となり、撤去を求められる可能性があります。

許可取得の手順:

  1. 建物所有者・管理会社に看板設置の意向を伝える
  2. 看板のデザイン・サイズ・設置場所を提示
  3. 書面で許可を取得

許可を得ることで、トラブルを未然に防ぎます。

(参照: リドックス「無断でテナントが看板を設置した場合などの看板トラブルへの対応方法」

効果的な看板デザインと設置方法

(1) デザインのポイント(フォント・文字サイズ・配色)

効果的な看板デザインは、遠くから見やすいシンプルで大胆なデザインが基本です。以下のポイントを押さえることで、視認性が向上します。

デザインのポイント:

要素 推奨 理由
フォント ゴシック体 太くて読みやすい
文字サイズ 大きめ(遠くから見える) 視認性向上
配色 コントラストが高い組み合わせ 目立ちやすい
情報量 必要最小限 一目で理解できる

配色の例:

  • 白地に黒文字(高コントラスト)
  • 青地に白文字(清潔感)
  • 赤地に白文字(目立つ、注意喚起)

(参照: 大栄グループ「プロが教える!おしゃれな不動産看板で集客力をアップするコツ」

(2) 視認性を高める設置場所(目線の高さ)

看板の設置場所は、目線の高さにすることで歩行者・ドライバー双方の視認性が向上します。

設置場所の目安:

  • 歩行者向け: 地上1.5-2m(目線の高さ)
  • ドライバー向け: 地上2-3m(車内からの視線)

設置場所を慎重に検討することで、広告効果が最大化されます。

(3) 素材の選び方(アクリル・金属・布等)

看板の素材は、設置場所と目的に応じて選びます。

素材 特徴 適した用途
アクリル 高級感、耐久性高い プレート看板、会社名表示
金属 耐久性高い、重厚感 管理物件の看板
軽量、設置簡単 のぼり旗、垂れ幕
プラスチック コストが安い 一時的な看板

2024年はアクリル板看板など高級感のある素材が人気で、プレミアムな印象を与えられます。

(4) 遠くから見やすいシンプルで大胆なデザイン

狭い空間では、シンプルで大胆なデザイン・大きな文字・配色の工夫により、遠くからの視認性が高まります。

シンプルなデザインの例:

  • 情報を絞る: 「売地」「入居者募集」など最小限の情報
  • 大きな文字: 遠くから読める文字サイズ
  • 高コントラスト: 白地に黒文字、または青地に白文字

過度な装飾は避け、一目で理解できるデザインを心がけます。

看板設置時の注意点とトラブル回避策

(1) 無許可設置のリスク(撤去命令・罰則)

無許可で看板を設置すると、撤去命令や罰則の対象となる可能性があります。屋外広告物法違反の場合、罰金や行政処分が科される場合があります。

無許可設置のリスク:

  • 撤去命令(自治体からの命令)
  • 罰金(数万円〜数十万円)
  • 行政処分(宅地建物取引業の免許停止等)

看板設置前に、必ず自治体への確認を行います。

(参照: 太陽住宅グループ「不動産買取での看板の違反リスクと設置ルール」

(2) 風景地区・禁止区域の確認

風景地区や禁止区域への看板設置は法令違反となるため、設置前に自治体への確認が不可欠です。

確認すべき区域:

  • 風景地区: 景観保護のため看板設置が制限される区域
  • 禁止区域: 看板設置が全面的に禁止される区域(公園、学校周辺等)

該当自治体の屋外広告物条例で、風景地区・禁止区域を確認します。

(3) 安全対策(おもりで固定・悪天候時の撤去)

看板の倒れや飛散により事故が発生した場合、設置者の責任となる可能性があるため、安全対策の実施を推奨します。

安全対策の例:

  • おもりで固定: のぼり旗・A型看板は必ずおもりで固定
  • 悪天候時の撤去: 台風・強風時には一時撤去
  • 定期点検: 看板の破損・劣化を定期的に確認

安全対策を徹底することで、事故リスクを最小限に抑えます。

(4) 捨て看板の問題と違法設置の回避

捨て看板とは、公道や他人の土地に無許可で設置される違法な看板のことです。捨て看板は景観を損ね、撤去費用も発生するため、社会問題となっています。

違法設置の回避方法:

  • 土地所有者の許可を必ず取得
  • 公道への無断設置を避ける
  • 自治体の許可を取得

適切な手続きを踏むことで、違法設置を回避し、信頼性の高い広告活動を行います。

(参照: LIFULL HOME'S「捨て看板はなぜ減らない? 違反屋外広告物の現状と対策」

まとめ:適切な看板活用で集客力を高めるポイント

不動産看板には、のぼり旗・プレート看板・A型看板・垂れ幕等、設置場所と目的に応じた多様な種類があります。看板設置には屋外広告物法・道路交通法・建築基準法・各自治体の条例による規制があり、無許可設置は撤去命令や罰則の対象となるため、設置前に必ず自治体への確認を行うことが重要です。

効果的なデザインは、シンプルで大胆なデザイン・大きな文字・配色の工夫により遠くからの視認性を高めます。設置場所は目線の高さにすることで、歩行者・ドライバー双方の視認性が向上し、広告効果が最大化されます。

建物所有者・管理会社の許可取得、安全対策(おもりで固定・悪天候時の撤去)の実施、違法設置(捨て看板)の回避により、トラブルを未然に防ぎます。適切な手続きと工夫により、看板を効果的に活用し、集客力を高めることができます。詳細は、自治体の担当部署や宅地建物取引士への相談を推奨します。

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よくある質問

Q1不動産看板にはどんな種類がありますか?

A1主な種類は、のぼり旗(縦長の旗状広告でオープンハウス・入居者募集に使用)、プレート看板(金属・アクリル等の板状で管理物件・会社名表示に使用)、A型看板(A字型の置き看板で歩道設置のオープンハウス案内に使用)、垂れ幕・横断幕(大型の布製広告で分譲地・テナント募集の訴求に使用)、売物件・入居者募集・テナント募集看板などです。設置場所と目的に応じて最大の広告効果を発揮するものを選びます。

Q2看板設置に許可は必要ですか?

A2屋外広告物法により自治体への届出・許可が必要な場合があります。道路法(道路占用許可)、建築基準法(高さ4m以上の看板)、各自治体の条例も適用されます。無許可設置は撤去命令や罰則(罰金・行政処分)の対象となるため、設置前に必ず該当自治体の屋外広告物条例を確認することが必須です。建物の外壁や共用部分に設置する場合は、建物所有者や管理会社の許可も必要です。

Q3効果的な看板デザインのコツは何ですか?

A3遠くから見やすいシンプルで大胆なデザインが基本です。フォントはゴシック体、文字サイズは大きめ、配色は高コントラスト(白地に黒文字、青地に白文字等)が推奨されます。情報量は必要最小限にし、一目で理解できるデザインを心がけます。設置場所は目線の高さ(歩行者向けは地上1.5-2m、ドライバー向けは地上2-3m)にすることで、視認性が向上し、広告効果が最大化されます。

Q4看板設置でトラブルを避けるにはどうすればよいですか?

A4以下の点を実施します。(1)建物所有者・管理会社の許可取得(書面で許可を得る)、(2)法規制の遵守(屋外広告物法・道路交通法・建築基準法・宅地建物取引業法・景品表示法)、(3)安全対策(おもりで固定・悪天候時の撤去・定期点検)、(4)風景地区や禁止区域への設置は法令違反となるため事前確認が不可欠、(5)捨て看板(違法設置)を避けるため土地所有者の許可を必ず取得します。適切な手続きを踏むことで、トラブルを未然に防ぎます。

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Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

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