固定資産税の基準日を理解する重要性
固定資産税を納める際、「基準日はいつか」「年の途中で売買した場合の税金は誰が払うのか」と疑問に感じる方は少なくありません。固定資産税には「賦課期日」と呼ばれる基準日があり、この日の所有者に1年度分の税金が課税されます。また、不動産売買時には日割り精算が行われますが、起算日が1月1日と4月1日の2通りあるため注意が必要です。
この記事では、総務省・各自治体の公式情報を元に、固定資産税の基準日(賦課期日)、評価替えの仕組み、売買時の精算方法を解説します。
不動産売買や保有時の固定資産税について、正確に理解できるようになります。
この記事のポイント
- 固定資産税の基準日(賦課期日)は毎年1月1日で、この日の所有者が納税義務者
- 1月2日以降に所有権が変わっても納税義務者は変更されない
- 売買時は商習慣として売主と買主で日割り精算が行われる
- 精算の起算日は1月1日または4月1日のいずれかが一般的
- 起算日により精算額が変わるため、売買契約書で明確化が必要
固定資産税の基準日(賦課期日)とは
毎年1月1日が基準日(賦課期日)
静岡市公式によると、固定資産税の基準日(賦課期日)は毎年1月1日です。
基準日の意味:
- 納税義務者を決定する日
- 課税対象の固定資産を確定する日
- 1年度分の税額を決定する基準日
1月1日時点の所有者が納税義務者
1月1日時点で不動産を所有している人が、その年度(4月〜翌年3月)の固定資産税を納める義務があります。
納税義務者の決定方法:
- 1月1日0時時点で登記簿に記載されている所有者
- 所有権移転登記が完了していない場合でも、売買契約が成立していれば実質的な所有者
1月2日以降の所有権移転の扱い
1月2日以降に所有権が移転しても、その年度の納税義務者は変わりません。
具体例:
- 1月1日: Aさんが所有 → Aさんが納税義務者
- 1月2日: Bさんに所有権移転 → Aさんが納税義務者(変更なし)
- 翌年4月: Aさんが納税義務者として1年度分の税金を納める
1月2日以降の売買では、翌年度から買主が納税義務者になります。
年税としての課税の仕組み
固定資産税は年税として課税されます。
年税の特徴:
- 1年度分の税金を一括で課税
- 月割の取り扱いがない
- 納付は年4回(6月・9月・12月・2月)に分割可能
固定資産税の評価替えと基準日
3年ごとの評価替えの仕組み
固定資産税の評価額は、3年ごとに評価替えが行われます。
評価替えの目的:
- 土地・建物の価格変動を反映
- 適正な課税額の維持
- 全国の固定資産の評価を統一
評価替え年度:
- 2024年度(令和6年度)
- 2027年度(令和9年度)
- 2030年度(令和12年度)
評価替えの基準日
評価替えの基準日は、評価替え年度の前年1月1日です。
2024年度評価替えの例:
- 基準日: 2023年1月1日
- 評価替え年度: 2024年度(令和6年度)
- 適用期間: 2024年度〜2026年度(3年間)
特例・減免の適用基準日
住宅用地の特例や減免措置も、毎年1月1日が適用基準日です。
主な特例・減免:
- 住宅用地の特例: 1月1日時点で住宅が建っている土地
- 新築住宅の減額: 新築後3年間(マンションは5年間)
- 耐震改修の減額: 改修完了後1年間
売買時の固定資産税と基準日
1月1日の所有者が全額納税
法律上は、1月1日の所有者が1年度分の固定資産税を全額納税します。
例:
- 1月1日: Aさんが所有
- 7月1日: Bさんに売却
- 納税義務: Aさんが1年度分(4月〜翌年3月)の税金を納める
この場合、Bさんは法律上の納税義務がありません。
年の途中で売却した場合の扱い
年の途中で売却した場合でも、納税義務者は変更されません。
売主の負担:
- 1月1日の所有者として1年度分の税金を納める
- 納税通知書は売主宛に送付される
買主の負担:
- 法律上の納税義務はない
- ただし、実務では日割り精算が行われる(後述)
商習慣としての日割り精算
実務では、売主と買主で日割り精算を行うのが一般的です。
日割り精算の仕組み:
- 売買契約時に精算方法を合意
- 起算日から引渡日までを売主負担、引渡日以降を買主負担
- 精算金は売買代金に加算または減算
売買契約書での明記の重要性
日割り精算は商習慣であり、法的義務ではありません。
売買契約書に明記すべき事項:
- 固定資産税の精算方法
- 起算日(1月1日または4月1日)
- 精算金の受渡し方法
売買契約書で明確化していない場合、トラブルになる可能性があります。
固定資産税の起算日と日割り精算
起算日は1月1日と4月1日の2通り
日割り精算の起算日は、1月1日と4月1日の2通りがあります。
起算日の意味:
- 日割り精算の開始日
- 起算日により精算額が変わる
地域による起算日の違い(東日本1月1日・西日本4月1日が一般的)
起算日は地域により異なります。
一般的な傾向:
- 東日本: 1月1日が起算日(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県等)
- 西日本: 4月1日が起算日(大阪府・兵庫県・京都府・福岡県等)
ただし、地域や取引により異なるため、売買契約時に必ず確認してください。
日割り精算の計算方法
日割り精算は、以下の計算式で行います。
計算式:
売主負担額 = 年税額 × 起算日〜引渡日前日の日数 ÷ 365日
買主負担額 = 年税額 × 引渡日〜年末の日数 ÷ 365日
具体例(起算日1月1日、引渡日7月1日、年税額10万円):
売主負担額 = 10万円 × 181日 ÷ 365日 = 49,589円
買主負担額 = 10万円 × 184日 ÷ 365日 = 50,411円
起算日による精算額の違い
起算日が1月1日か4月1日かで、精算額が大きく変わります。
例(引渡日7月1日、年税額10万円):
| 起算日 | 売主負担額 | 買主負担額 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 1月1日 | 49,589円 | 50,411円 | - |
| 4月1日 | 24,658円 | 75,342円 | 24,931円 |
起算日により約2.5万円の差が生じるため、売買契約時に必ず確認してください。
まとめ:基準日で注意すべきポイント
固定資産税の基準日(賦課期日)は毎年1月1日で、この日の所有者が1年度分の税金を納める義務があります。1月2日以降に所有権が移転しても納税義務者は変更されず、翌年度から買主が納税義務者になります。
固定資産税は年税として課税され、月割の取り扱いがありません。評価替えは3年ごとに行われ、評価替え年度の前年1月1日が基準日です。住宅用地の特例や減免措置も毎年1月1日が適用基準日です。
年の途中で売買した場合、法律上は1月1日の所有者が全額納税しますが、実務では売主と買主で日割り精算を行うのが一般的です。日割り精算の起算日は1月1日と4月1日の2通りがあり、東日本は1月1日、西日本は4月1日が一般的ですが、地域や取引により異なります。
起算日により精算額が大きく変わるため、売買契約書で精算方法・起算日を明記してください。日割り精算は商習慣であり法的義務ではないため、契約書で明確化することが重要です。詳細は税理士または宅地建物取引士にご相談ください。


