目黒区の中古戸建て市場の現状と特徴
目黒区で中古戸建ての購入を検討しているけれど、「価格相場はどのくらいなのか」「どのエリアが住みやすいのか」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、目黒区の中古戸建ての価格相場、エリアごとの特徴、物件選びのチェックポイントを、不動産ポータルサイトのデータと公的情報を元に解説します。
初めて中古戸建てを購入する方でも、必要な情報を正確に把握し、安心して物件選びができるようになります。
この記事のポイント
- 目黒区の中古戸建ては約9,980万円~2億9,800万円の幅があり、エリアや築年数により大きく異なる
- 自由が丘、中目黒、学芸大学、都立大学など東急沿線の駅周辺が人気エリア
- 築年数は1981年6月以降の新耐震基準物件を選ぶことが重要
- 建物の状態確認(基礎、雨漏り、シロアリ被害)とホームインスペクションの活用が必須
(1) 価格帯の幅(約4,000万円~2億円超)
目黒区の中古戸建ては、立地や築年数、建物の状態により価格帯が大きく異なります。
2024年時点の市場データによると、以下のような価格帯が見られます。
| 価格帯 | 物件例 |
|---|---|
| 約1億円前後 | 下目黒4丁目: 9,980万円、2LDK、72.36㎡ |
| 約2億円~3億円 | 上目黒5丁目: 2億9,800万円、2LDK、144.91㎡ |
| 4,000万円~2億円超 | エリア・築年数により幅広い |
(出典: 野村不動産)
(2) 物件数と供給状況(221件掲載、2024年時点)
2024年時点で、SUUMOでは目黒区の中古一戸建てが221件掲載されています。
物件数は時期により変動しますが、目黒区は都内でも人気の高いエリアのため、常に一定数の物件が市場に出回っています。
物件検索のポイント:
- SUUMO、HOME'S等の複数ポータルサイトで横断検索
- 三井のリハウス、東急リバブル、野村不動産など大手複数社で比較
- 駅近物件(駅徒歩10分圏内)は人気が高いため早めの検討が必要
(3) 交通アクセスの良さ(複数路線利用可能)
目黒区では以下の複数路線が利用可能で、都心へのアクセスが良好です(東急リバブル、野村不動産等の情報による)。
- 東急東横線(渋谷、横浜方面)
- 東急大井町線(大井町方面)
- 東急目黒線(目黒、武蔵小杉方面)
- 東急田園都市線(渋谷、二子玉川方面)
- 京王井の頭線(渋谷、吉祥寺方面)
- 東京メトロ日比谷線(銀座、上野方面)
複数路線が利用できるため、通勤や通学の選択肢が広がります。
目黒区のエリア別価格相場と住環境
(1) 人気エリア(自由が丘、中目黒、学芸大学、都立大学)
目黒区内では、以下の東急沿線の駅周辺が人気エリアとして知られています。
| エリア | 主要駅 | 特徴 |
|---|---|---|
| 自由が丘 | 東急東横線・大井町線 | 衣類や雑貨の店舗が住宅街に点在、おしゃれな街並み |
| 中目黒 | 東急東横線・東京メトロ日比谷線 | 目黒川沿いのカフェや店舗、桜の名所 |
| 学芸大学 | 東急東横線 | 教育環境が充実、商店街が活発 |
| 都立大学 | 東急東横線 | 落ち着いた住宅街、商店街が活発 |
(出典: 東急リバブル)
これらのエリアは資産価値が維持されやすい特徴があります。
(2) エリア別の特徴(自由が丘の雑貨街、中目黒の目黒川沿い)
自由が丘:
- 衣類や雑貨の店舗が住宅街に点在
- おしゃれなカフェやレストランが多数
- 女性に人気の高いエリア
中目黒:
- 目黒川沿いにおしゃれなカフェや店舗が並ぶ
- 春は桜の名所として賑わう
- 都心へのアクセスが良好
目黒区全体:
- 江戸時代からの大名屋敷跡があり格式高い雰囲気
- 林試の森公園など緑も豊富
- 閑静な住宅街が多い
(3) 具体的な価格例(下目黒4丁目9,980万円、上目黒5丁目2億9,800万円)
2024年の具体的な物件価格例は以下の通りです。
| エリア | 価格 | 間取り | 延床面積 | 築年 |
|---|---|---|---|---|
| 下目黒4丁目 | 9,980万円 | 2LDK | 72.36㎡ | 2005年前後 |
| 上目黒5丁目 | 2億9,800万円 | 2LDK | 144.91㎡ | 2005年前後 |
(出典: 野村不動産)
エリアや敷地面積により価格差が大きいため、予算に合わせた物件選びが重要です。
中古戸建て購入時の重要チェックポイント
(1) 築年数と耐震基準(1981年6月以降の新耐震基準)
中古戸建て購入時に最も重要なのが、築年数と耐震基準です。
新耐震基準(1981年6月1日以降):
- 震度6強~7程度の地震でも倒壊しない基準
- 2005年前後の物件例が多い
旧耐震基準(1981年5月31日以前):
- 新耐震基準より基準が緩い
- 耐震診断や補強工事が必要な場合がある
重要: 1981年6月以降の新耐震基準物件を選ぶことを強く推奨します。旧耐震基準の物件を購入する場合は、耐震診断や補強工事の費用を事前に見積もる必要があります。
(2) 建物状態の確認(基礎のひび割れ、雨漏り、シロアリ被害)
中古戸建ては、以下の建物状態を必ず確認してください。
確認項目:
- 基礎のひび割れや傾き: 構造的な問題がないか
- 雨漏りの痕跡: 天井や壁にシミがないか
- シロアリ被害: 床下や柱に被害がないか
- 給排水設備: 配管の老朽化がないか
ホームインスペクション(住宅診断): 専門家(ホームインスペクター、建築士等)に依頼して、建物の劣化状況や欠陥の有無を調査・診断することを推奨します。費用は5万円~10万円程度が目安です。
(3) 再建築可能性と建築基準法への適合性
中古戸建て購入時には、以下の法的確認も必要です。
確認項目:
- 再建築可能性: 接道義務(建築基準法で定められた道路への接道要件)を満たしているか
- 建築基準法への適合性: 違法建築でないか、容積率・建蔽率を満たしているか
- 土地の境界確定: 隣地との境界が明確になっているか
詳細は宅地建物取引士や建築士への相談を推奨します。
目黒区の中古戸建て:購入の流れと必要費用
(1) 物件検索と複数社比較(SUUMO、HOME'S、大手不動産会社)
物件検索は以下の方法で行います。
ポータルサイト:
大手不動産会社:
複数社で比較検討することで、より多くの物件情報にアクセスできます。
(2) 仲介手数料と諸費用(物件価格の3%+6万円+消費税が上限)
中古戸建て購入時には、以下の諸費用が発生します。
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格の3%+6万円+消費税(上限) |
| 登記費用 | 10万円~30万円 |
| 固定資産税・都市計画税 | 日割り精算 |
| 火災保険 | 10万円~30万円(10年一括払い) |
| 印紙税 | 1万円~6万円(売買契約書・住宅ローン契約書) |
(出典: 国土交通省)
諸費用は物件価格の5~10%が目安です。
(3) リフォーム・修繕費用の見積もり
中古戸建てはリフォーム・修繕が必要な場合が多いため、事前に見積もりを取得してください。
リフォーム費用の目安:
- 内装リフォーム(壁紙、床等): 100万円~300万円
- 水回りリフォーム(キッチン、浴室、トイレ): 200万円~500万円
- 外壁塗装: 100万円~200万円
- 耐震補強工事: 150万円~300万円
リフォーム費用も購入予算に含めて計画してください。
物件選びの注意点とよくある失敗例
(1) 駅近物件(駅徒歩10分圏内)の人気と早期検討の必要性
駅近物件(駅徒歩10分圏内)は人気が高く、市場に出るとすぐに売れてしまうことが多いです。
対策:
- 物件情報を毎日チェック
- 不動産会社に希望条件を登録し、新着物件の通知を受ける
- 内覧可能になったらすぐに予約
(2) ホームインスペクションの活用
中古戸建て購入時には、ホームインスペクション(住宅診断)を活用することを強く推奨します。
メリット:
- 建物の劣化状況や欠陥の有無を専門家が客観的に診断
- 購入後のトラブルを回避
- リフォーム費用の正確な見積もりが可能
費用は5万円~10万円程度ですが、購入後の予期しない修繕費用を考えると、非常に有益な投資です。
(3) 専門家(宅建士、建築士)への相談の重要性
以下の点については、専門家への相談を推奨します。
- 宅地建物取引士: 重要事項説明、契約内容の確認、再建築可能性の確認
- 建築士: 建物の構造的な問題、耐震性の評価、リフォーム計画
- 税理士: 不動産取得税、固定資産税、住宅ローン控除等の税務相談
まとめ:目黒区で中古戸建てを選ぶ際のチェックリスト
目黒区の中古戸建ては約9,980万円~2億9,800万円の幅があり、エリアや築年数により大きく異なります。自由が丘、中目黒、学芸大学、都立大学など東急沿線の駅周辺が人気エリアです。
物件選びでは、築年数(1981年6月以降の新耐震基準)、建物の状態確認(基礎、雨漏り、シロアリ被害)、再建築可能性を必ずチェックしてください。ホームインスペクションの活用や専門家(宅建士、建築士)への相談も重要です。
複数の不動産会社で比較検討し、諸費用やリフォーム費用も含めた総額で判断しましょう。詳細は国土交通省の公式サイトでご確認ください。
