松山市の不動産市場が注目される理由
愛媛県松山市での不動産購入を検討している方にとって、価格相場やエリア特性の理解は重要です。この記事では、松山市の不動産市場の最新動向、価格相場、エリア別の特性、物件選びのポイントを解説します。
この記事のポイント
- 松山市は四国最大の都市で、JR松山駅周辺は大規模再開発が進行中
- 2024年Q1の土地取引価格は前年比+28.03%と大幅上昇
- マンション売却は2月~3月が繁忙期で、高値・早期売却が可能
- 築5~10年の駅近マンションは2000万円台から、築15年以上のバス便3LDKは1000万円台
- 複数の不動産会社による無料査定を活用し、相場を把握することが重要
松山市は四国最大の都市(人口約50万人)で、以下の理由から不動産市場が注目されています。
注目される理由:
- JR松山駅周辺の大規模再開発: 駅前再開発により利便性が向上し、マンション価格が上昇傾向
- 交通アクセスの良さ: 松山空港、伊予鉄道、JR予讃線により四国内外へのアクセスが良好
- 温暖な気候: 年間を通じて温暖で、移住先として人気
- 歴史・文化: 道後温泉、松山城など観光資源が豊富
- 生活利便性: 商業施設、医療施設、教育機関が充実
これらの要因により、松山市は転勤・Uターン・移住先として選ばれています。
松山市の不動産価格相場(マンション・戸建て・土地)
松山市の不動産価格相場を、マンション・土地・賃貸の3つに分けて解説します。
(1) マンション価格相場(築年数・立地別)
松山市のマンション価格は、築年数・立地により大きく変動します。
築年数別の価格相場:
| 築年数 | 立地 | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 5~10年 | 駅近(徒歩10分以内) | 2000万円台~ | 新しく設備が充実 |
| 15年以上 | バス便 | 1000万円台(3LDK) | 価格を抑えられる |
| ワンルーム・1K・1DK | 駅近・バス便混在 | 500万円以下も多数 | 投資用・単身向け |
(参考: SUUMO松山市)
間取り別の価格相場:
- 3LDK~5LDK(ファミリー向け): 約2000万円
- 中古マンション中央値: 1600万円(築25年・70m²)
(参考: HOME4U)
価格動向:
- マンション売却価格は前年同期比で約6.67%上昇(2024年時点)
(2) 土地価格相場(公示地価と実勢価格の違い)
松山市の土地価格は、公示地価と実勢価格で異なります。
公示地価と実勢価格の比較:
| 指標 | 価格(坪単価) | 調査時点 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 公示地価(2025年) | 43万3353円/坪 | 2025年1月1日 | 国土交通省が公表 |
| 実勢価格(2024年Q1) | 34万6872円/坪 | 2024年1~3月 | 実際の取引価格 |
| SUUMO平均 | 26万円/坪 | 2024年 | ポータルサイトの平均 |
(参考: 土地代データ)
公示地価と実勢価格の違い:
- 公示地価: 国土交通省が毎年1月1日時点で公表する標準価格(取引の目安)
- 実勢価格: 実際の不動産取引で成立した価格(公示地価より低い場合が多い)
価格動向:
- 2024年Q1の実勢価格は前年比+28.03%と大幅上昇
- 松山市の土地価格は2019年比で+7.1%上昇(5年前比では-1.0%)
(3) 賃貸相場(ワンルーム・2LDK・3LDK別)
松山市の賃貸相場は以下の通りです。
間取り別の家賃相場:
| 間取り | 家賃相場 | 対象 |
|---|---|---|
| ワンルーム | 3~4万円 | 単身者 |
| 2K・2LDK | 4~6万円 | カップル・小家族 |
| 3LDK | 5~7万円 | ファミリー |
(参考: SUUMO愛媛県松山市の不動産会社)
賃貸需要の特徴:
- 松山駅周辺: 賃貸需要が高く、家賃相場も高め
- 郊外: 賃料が低い傾向(3LDKで5万円以下も)
エリア別の特性と価格帯(JR松山駅周辺・道後・郊外)
松山市のエリア別の特性と価格帯を解説します。
(1) JR松山駅周辺の再開発と価格上昇トレンド
JR松山駅周辺の特徴:
- 大規模再開発: 駅前再開発により商業施設・オフィスビルが整備され、利便性が向上
- 交通アクセス: JR予讃線、伊予鉄道の接続駅で、四国内外へのアクセスが良好
- 価格動向: 再開発により不動産価格が上昇傾向(特にマンション)
価格帯:
- マンション: 2000万円台~(駅近・築浅物件)
- 土地: 公示地価より高めの実勢価格が多い
メリット:
- 将来性が高く、資産価値の上昇が期待できる
- 通勤・通学の利便性が高い
デメリット:
- 価格が高め(郊外と比較して)
- 開発中のエリアは騒音・工事の影響がある場合も
(2) 道後エリアの特性と住環境
道後エリアの特徴:
- 観光地: 道後温泉を中心とした観光地で、歴史的な街並みが魅力
- 住環境: 落ち着いた住宅地と観光地が混在
- 交通: 伊予鉄道市内線(路面電車)で松山市駅まで約20分
価格帯:
- マンション: 1500万円~2000万円台(中古・築年数により変動)
- 土地: 観光地周辺は高め、住宅地は標準的
メリット:
- 歴史・文化を感じられる環境
- 温泉施設が近く、観光客との交流も楽しめる
デメリット:
- 観光地周辺は騒音・混雑のリスク(特に週末・祝日)
- 駐車場の確保が困難な場合がある
(3) 郊外エリアの価格帯と賃貸需要
郊外エリアの特徴:
- 価格: 市中心部より低価格(土地・マンション・賃貸すべて)
- 環境: 自然豊かで、静かな住環境
- 交通: バス便が中心、駅から離れている
価格帯:
- マンション: 1000万円台(築15年以上・3LDK)
- 土地: 坪20万円台~(市中心部の半額以下も)
- 賃貸: 3LDKで5万円以下も多数
メリット:
- 価格を抑えられる(購入・賃貸ともに)
- 駐車場付きの物件が多い(車必須)
デメリット:
- 通勤・通学に時間がかかる(車が必須)
- 賃貸需要が市中心部より低い(将来賃貸に出す場合のリスク)
松山市で不動産を購入する際のポイントと注意点
松山市で不動産を購入する際のチェックポイントを解説します。
(1) 複数社の無料査定で相場を把握する方法
不動産の相場を把握するには、複数の不動産会社による無料査定を活用することが重要です。
複数社査定のメリット:
- 相場を正確に把握: 1社だけでは相場が正確にわからない
- 高値売却の可能性: 複数社を比較することで、最も高い査定額を提示した会社を選べる
- 営業姿勢の比較: 各社の対応・提案内容を比較できる
おすすめの査定方法:
- 一括査定サイト: LIFULL HOME'S、HOME4U等のサイトで複数社に一括依頼
- 地元不動産会社: 松山市に詳しい地元の不動産会社(89社が登録、参考: SUUMO)
(2) 築年数・駅距離・立地条件による価格変動
不動産価格は、築年数・駅距離・立地条件により大きく変動します。
築年数の影響:
| 築年数 | 価格への影響 |
|---|---|
| 5~10年 | 新しく設備が充実、価格は高め |
| 15年以上 | 価格が下がるが、リフォームで快適に |
| 25年以上 | 大幅に価格が下がる(中央値1600万円) |
駅距離の影響:
- 徒歩10分以内: 価格が高い(2000万円台~)
- バス便: 価格が低い(1000万円台~)
立地条件の影響:
- JR松山駅周辺: 再開発で価格上昇中
- 道後エリア: 観光地周辺は高め、住宅地は標準的
- 郊外: 低価格(市中心部の半額以下も)
(3) 松山市の交通アクセスと生活利便性のチェックポイント
物件選びでは、交通アクセスと生活利便性を確認することが重要です。
交通アクセスのチェックポイント:
- 鉄道: JR松山駅、伊予鉄道の駅までの距離・所要時間
- 路面電車: 伊予鉄道市内線(路面電車)の停留所までの距離
- バス: バス停までの距離、運行頻度
- 松山空港: 空港までのアクセス(車で約15分)
生活利便性のチェックポイント:
- 商業施設: スーパー、コンビニ、ショッピングモールまでの距離
- 医療施設: 病院、クリニックまでの距離
- 教育機関: 保育園、小学校、中学校までの距離
- 公園: 子育て世帯は公園の有無を確認
売却時期と諸費用・税金の基礎知識
不動産を売却する際の適切な時期と諸費用・税金について解説します。
(1) 売却に適した時期(2月~3月の繁忙期)
マンション売却に適した時期は、2月~3月の繁忙期です。
繁忙期のメリット:
- 需要増加: 転勤・進学シーズンにより購入希望者が増える
- 高値売却: 需要増加により、相場より高値で売却できる可能性
- 早期売却: 購入希望者が多いため、早期に売却できる可能性
(参考: HOME4U)
その他の時期:
- 9月~11月: 転勤シーズンの第2ピーク
- 夏・冬: 需要が減少するため、価格が下がる傾向
(2) 仲介手数料の上限(物件価格の3%+6万円+消費税)
不動産会社に支払う仲介手数料の上限は、以下の通りです。
仲介手数料の上限:
- 物件価格が400万円超の場合: 物件価格の3%+6万円+消費税
計算例(物件価格2000万円の場合):
- 仲介手数料 = 2000万円 × 3% + 6万円 = 66万円
- 消費税込み = 66万円 × 1.1 = 72万6000円
この上限を超える請求は宅地建物取引業法違反となり違法です。
(3) 媒介契約の種類(専属専任・専任・一般)
不動産会社に売却を依頼する際の媒介契約には、3種類あります。
媒介契約の種類:
| 契約種類 | 複数社への依頼 | 自己発見取引 | レインズ登録 | 報告義務 |
|---|---|---|---|---|
| 専属専任 | 不可(1社のみ) | 不可 | 5日以内 | 週1回以上 |
| 専任 | 不可(1社のみ) | 可 | 7日以内 | 2週に1回以上 |
| 一般 | 可(複数社) | 可 | 任意 | 任意 |
選び方:
- 専属専任・専任: 1社に専念してもらいたい、手厚いサポートを期待する場合
- 一般: 複数社に依頼して幅広く買主を探したい場合
まとめ:松山市での不動産購入・売却の次のアクション
松山市の不動産市場は、JR松山駅周辺の再開発により注目されています。土地価格は前年比+28.03%と大幅上昇し、マンション価格も上昇傾向にあります。
不動産購入・売却を検討する際の次のアクションは以下の通りです。
購入を検討する場合:
- 複数社の無料査定: LIFULL HOME'S、HOME4U等で相場を把握
- エリア選定: JR松山駅周辺(将来性重視)、道後(歴史・文化重視)、郊外(価格重視)から選択
- 現地調査: 交通アクセス、生活利便性、周辺環境を現地で確認
- 専門家への相談: 宅地建物取引士、不動産会社に相談して詳細を確認
売却を検討する場合:
- 売却時期: 2月~3月の繁忙期を狙う
- 複数社査定: 複数の不動産会社に査定を依頼して高値売却を目指す
- 媒介契約の選択: 専属専任・専任・一般から自身に合った契約を選択
- 諸費用の確認: 仲介手数料の上限(物件価格の3%+6万円+消費税)を確認
松山市の不動産市場は、地域・時期により価格が大きく変動します。執筆時点(2025年)のデータであり、最新情報は公式サイトや不動産会社で確認してください。信頼できる不動産会社や専門家に相談しながら、納得のいく取引を進めましょう。
