松戸の中古戸建て市場の特徴
千葉県松戸市で中古戸建ての購入を検討する際、「どの程度の価格が妥当なのか」「東京へのアクセスと住環境のバランスはどうか」と疑問に感じる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、松戸の中古戸建て市場の特徴、エリア別価格相場、購入時の注意点、土地価格動向を、国土交通省「不動産情報ライブラリ」等の公的データを元に解説します。
松戸市の複数路線利用可能な交通利便性や、購入時に確認すべき具体的なポイントを理解することで、納得のいく物件選びができるようになります。
この記事のポイント
- 松戸市の中古戸建ては2,399万円~4,999万円が中心で、平均取引価格は3,511万円(2025年、前年比-11.7%)
- SUUMO431件、ちんたいスタイル450件など物件数が豊富で選択肢が多い
- 常磐線・新京成線・武蔵野線等の複数路線が利用でき、東京へのアクセスが便利
- 築10年超の物件は約60%が修繕必要箇所あり(千葉大学データ)、インスペクション実施が必須
- 2025年の平均取引価格は-11.7%下落したが、2024年Q1の土地価格は+24.15%上昇と変動が大きい
(1) 複数路線利用可能(常磐線・新京成線・武蔵野線等)
松戸市は、JR常磐線、新京成線、JR武蔵野線等の複数路線が利用でき、交通利便性が高いエリアです。
JR常磐線では上野・東京方面へのアクセスが便利で、通勤・通学に適しています。新京成線は市内の移動に便利で、JR武蔵野線は埼玉方面へのアクセスも可能です。
(2) 東京へのアクセスと住環境のバランス
松戸市は東京都心へのアクセスが良好でありながら、千葉県の住環境を享受できるバランスの取れたエリアです。
30-40代の子育て世帯や通勤者から人気があり、東京へのアクセスと住環境のバランスを重視する方に適しています。
松戸市の中古戸建相場と価格帯
(1) 価格帯:2,399万円~4,999万円が中心
三井のリハウスのデータでは、松戸市の中古戸建ては2,399万円~4,999万円の価格帯が中心となっています。
立地(駅からの距離)、築年数、建物の状態、土地面積等により価格は大きく変動します。
(2) 平均取引価格:3,511万円(2025年、前年比-11.7%)
松戸市の中古戸建の平均取引価格は3,511万円(2025年)で、前年比-11.7%と下落しています。
不動産市況の調整局面で価格が下がっており、購入しやすい市場環境となっています。
(3) 築年数別の価格(築2年4,680万円、築4年3,880万円等)
LIFULL HOME'Sのデータでは、築年数別の価格は以下の通りです。
- 築2年:4,680万円
- 築4年:3,880万円
新築に近い物件は4,000万円台後半、築年数が経過するにつれて価格が下がる傾向にあります。
(4) 物件数:SUUMO431件、ちんたいスタイル450件、センチュリー2178件
2024年時点で、SUUMOに431件、ちんたいスタイルに450件、センチュリー21に78件など、複数の不動産ポータルサイトに多数の物件が掲載されています。
物件数が豊富で選択肢が多く、価格相場を比較しやすいエリアです。
松戸の中古戸建ての探し方と主要エリア
(1) 複数の不動産ポータル(SUUMO、HOME'S、アットホーム等)の活用
物件検索では、SUUMO、HOME'S、アットホーム等の複数ポータルサイトを併用して比較検討することが推奨されます。
各サイトで掲載物件が異なるため、網羅的に情報を集めることで、価格相場や希望条件に合う物件を見つけやすくなります。
(2) 主要エリア:松戸、北松戸、馬橋、新松戸、北小金駅周辺
松戸市の主要エリアは、JR常磐線の以下の駅周辺です。
- 松戸駅:市の中心部で商業施設が充実
- 北松戸駅:閑静な住宅街
- 馬橋駅:新京成線も利用可能
- 新松戸駅:武蔵野線も利用可能で交通利便性が高い
- 北小金駅:落ち着いた住環境
エリアにより価格帯や住環境が異なるため、実際に現地を訪れて雰囲気を確認することを推奨します。
(3) 地域密着の不動産会社(センチュリー21共栄土地、しかや不動産等)の活用
センチュリー21共栄土地等の地域密着の不動産会社を活用すると、地域の詳細情報や掘り出し物件が見つかる可能性があります。
創業50年の実績があり、松戸・柏・流山エリアに特化した情報提供が期待できます。
(4) 国土交通省「不動産情報ライブラリ」で実取引価格を確認
国土交通省「不動産情報ライブラリ」(2024年4月公開)では、実際の不動産取引価格データ約547万件(2025年3月末時点)が公開されています。
松戸市の詳細な取引価格データが取得でき、公的機関のデータとして信頼性が高いため、価格相場の目安として活用できます。
中古戸建て購入時の注意点
(1) インスペクション(建物状況調査)の実施必須
インスペクション(建物状況調査)は、建築士等の専門家が建物の劣化状況や不具合を調査するもので、中古戸建購入時は必須です。
特に築年数が古い物件は、構造・設備の劣化状況を専門家に確認してもらい、購入後のトラブルを未然に防ぐことが重要です。
(2) 築10年超の物件は約60%が修繕必要(千葉大学データ)
ポラスの調査によると、千葉大学のデータでは、築10年超の物件は約60%が修繕必要箇所ありとされています。
築年数が古い物件は、修繕費用を含めた資金計画を立てることが必須です。修繕費用は数百万円かかる場合もあるため、インスペクション結果を元に見積もりを取りましょう。
(3) 旧耐震基準(1981年5月以前)の確認
1981年6月1日を境に建築基準法の耐震基準が改正されました。
- 旧耐震基準(1981年5月以前):震度5強程度の地震で倒壊しない設計
- 新耐震基準(1981年6月以降):震度6強~7の地震でも倒壊しない設計
旧耐震基準の物件は耐震改修が必要になる可能性が高く、専門家への相談が必須です。
(4) 2000年以前の建物は地盤調査義務なし:建物の傾きに注意
2000年から新築戸建の地盤調査が義務化されましたが、それ以前の建物は地盤調査が未実施の可能性があります。
地盤沈下による建物の傾きに注意が必要で、内覧時に傾きがある場合は購入を避けることを推奨します。傾きの確認は、ビー玉を転がす等の簡易的な方法でも可能です。
(5) 建ぺい率・容積率の建築基準法適合性
建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)・容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)が建築基準法に違反していないか確認してください。
違反建築は住宅ローンが組めない、将来売却できない等のリスクがあります。
(6) 修繕費用を含めた資金計画の重要性
中古戸建ての購入では、物件価格だけでなく修繕費用を含めた総合的な資金計画を立てる必要があります。
築10年超の物件は約60%が修繕必要箇所ありのため、インスペクション結果を元に修繕見積もりを取り、資金計画を立てましょう。
松戸市の土地価格動向と購入タイミング
(1) 2025年の平均取引価格:3,511万円(前年比-11.7%下落)
松戸市の中古戸建の平均取引価格は3,511万円(2025年)で、前年比-11.7%と下落しています。
不動産市況の調整局面で価格が下がっており、購入しやすい市場環境となっています。
(2) 2024年Q1の土地価格:平米21.04万円(坪69.6万円、前年比+24.15%上昇)
土地代データによると、2024年第1四半期の土地価格は平米21.04万円(坪69.6万円)で、前年比+24.15%と大幅に上昇しています。
土地価格は上昇傾向にあり、建物価格の下落と土地価格の上昇が同時に進んでいます。
(3) 価格変動の背景と購入タイミングの見極め
松戸市の不動産価格は、2025年の平均取引価格が-11.7%下落したものの、2024年Q1の土地価格は+24.15%上昇と変動が大きいです。
建物価格の下落と土地価格の上昇が同時に進んでおり、購入タイミングの見極めが重要です。将来の価格動向は市場状況により変動するため、不動産会社や宅建士への相談を推奨します。
松戸の中古戸建て購入を成功させるポイント
松戸市の中古戸建て購入を成功させるには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 複数の不動産ポータルと国土交通省の実取引価格データを活用して、価格相場を正確に把握する
- **インスペクション(建物状況調査)**を必ず実施し、建物の状態を専門家に確認してもらう
- 築10年超の物件は約60%が修繕必要のため、修繕費用を含めた資金計画を立てる
- 旧耐震基準か新耐震基準かを確認し、必要に応じて耐震改修費用を見積もる
- 2000年以前の建物は地盤調査義務なしのため、建物の傾きを確認する
- 地域密着の不動産会社を活用し、地域の詳細情報や掘り出し物件を探す
まとめ
松戸市の中古戸建ては、2,399万円~4,999万円の価格帯が中心で、平均取引価格は3,511万円(2025年、前年比-11.7%)です。物件数が豊富で選択肢が多く、価格相場を比較しやすいエリアとなっています。
常磐線・新京成線・武蔵野線等の複数路線が利用でき、東京へのアクセスと住環境のバランスが取れている点が特徴です。
購入時には、インスペクション実施、築10年超の物件の修繕費用確認、旧耐震基準の確認、2000年以前の建物の地盤沈下リスク確認等、複数のチェックポイントを押さえることが重要です。
信頼できる不動産会社や宅建士に相談しながら、納得のいく物件選びを進めましょう。
