葛西で中古戸建てが選ばれる理由
東京都江戸川区の葛西エリアで中古戸建ての購入を検討している方にとって、「価格相場はどれくらいか」「築年数や耐震性は大丈夫か」という疑問は切実です。
この記事では、葛西の中古戸建て市場の価格相場、エリアの魅力、購入の流れ、諸費用・税金、物件選びの注意点を、国土交通省や国税庁の公式データを元に解説します。
初めて中古戸建てを購入する方でも、資金計画から物件選びまで、全体像を把握できるようになります。
この記事のポイント
- 葛西駅周辺の中古戸建ては平均約5,870万円、価格帯1,480万円〜6,380万円と幅広い
- 東京メトロ東西線で大手町まで直通約16分、都心アクセスが良好なベッドタウン
- 1981年6月以前の物件は旧耐震基準のため、耐震診断・ホームインスペクションを推奨
- 手付金(物件価格の5〜10%)と仲介手数料(物件価格×3%+6万円+消費税)を準備
- 中古住宅でも住宅ローン控除の適用が可能な場合がある
(1) 新築に比べて価格を抑えられるメリット
中古戸建ては、新築に比べて価格が抑えられる点が最大の魅力です。葛西エリアでは築年数や土地面積により価格が大きく異なりますが、同じ広さの新築と比較すると2〜4割程度安く購入できる傾向があります。
建物の資産価値は築年数とともに減少しますが、土地の価値は立地により維持されることが多く、コストパフォーマンスの良い選択肢となります。
(2) 東京メトロ東西線で大手町へ直通約16分
葛西駅は東京メトロ東西線の駅で、大手町駅まで直通約16分、日本橋駅まで約12分と、都心へのアクセスが良好です。1日約11万人が利用する主要駅で、通勤・通学の利便性が高いエリアです。
(3) コストパフォーマンスの良いベッドタウン
葛西は都心に近く、住宅価格は都心部よりも抑えられているため、ファミリー層に人気のベッドタウンです。24時間営業のスーパーマーケットや大型商業施設、葛西臨海公園などの自然環境も整っており、生活の利便性と快適性を両立できます。
葛西の中古戸建て価格相場と築年数別の傾向
(1) 価格帯の目安(1,480万円〜6,380万円)
葛西駅周辺の中古戸建ての価格帯は1,480万円〜6,380万円と幅広く、築年数・土地面積・駅距離により大きく異なります。築40年以上の物件は1,000万円台から購入できる場合もあり、リフォーム費用を含めても新築より安く抑えられることがあります。
一方、築10年以内の比較的新しい物件や、駅徒歩5分以内の好立地物件は5,000万円〜6,000万円台で取引されることが多い傾向です。
(2) 平均価格と土地面積(約5,870万円/100㎡)
2025年時点で、葛西駅周辺の中古戸建ての平均価格は約5,870万円(100㎡換算)です。よく取引される物件は土地面積70㎡程度、駅徒歩11分程度の立地です。
これは江戸川区全体の相場とほぼ同水準で、東京23区内では比較的手頃な価格帯と言えます。
(3) 築年数別の価格差と耐震基準の違い
築年数は価格に大きく影響します。特に1981年6月を境に、建築基準法の耐震基準が旧耐震から新耐震に変更されているため、以下の違いがあります。
| 築年数 | 耐震基準 | 価格帯の傾向 |
|---|---|---|
| 築10年以内 | 新耐震基準 | 5,000万円〜6,380万円 |
| 築20〜30年 | 新耐震基準 | 3,500万円〜5,000万円 |
| 築40年以上 | 旧耐震基準 | 1,480万円〜3,000万円 |
1981年5月以前に建築された物件は旧耐震基準(震度5程度で倒壊しない設計)のため、購入前に耐震診断を実施し、必要に応じて耐震補強を行うことを推奨します。
(4) 駅距離による価格変動(平均駅徒歩11分)
駅からの距離も価格に影響します。駅徒歩5分以内の物件は駅徒歩15分以上の物件と比べて1〜2割程度高くなる傾向があります。ただし、バス便でも周辺環境が良好な物件は、駅近物件と同等の資産価値を維持できる場合もあります。
葛西エリアの住環境と生活利便性
(1) 24時間営業スーパーなど買い物利便性
葛西駅周辺には24時間営業のスーパーマーケットや大型ショッピングセンターが複数あり、共働き世帯でも時間を気にせず買い物ができる環境です。西葛西駅も徒歩圏内にあるため、複数の商業施設を利用できます。
(2) 葛西臨海公園など自然環境
葛西臨海公園は都内有数の大型公園で、週末には家族連れで賑わいます。水族館や観覧車もあり、子育て世帯にとって魅力的な環境です。荒川や中川などの河川も近く、ジョギングや散歩に適した自然環境が整っています。
(3) 共働き世帯でも生活しやすい環境
東京メトロ東西線は都心への通勤・通学に便利で、保育園や小学校も複数あります。24時間営業の施設が多く、帰宅時間が遅くなっても生活に困りません。
中古戸建て購入の流れと物件選びのポイント
(1) 物件探しから契約までのステップ(数ヶ月〜1年)
中古戸建ての購入には、物件探しから引き渡しまで数ヶ月〜1年程度かかることが一般的です。以下のステップで進めます。
- 予算と希望条件の整理
- 不動産会社への相談・物件探し
- 住宅ローン事前審査
- 物件の内覧・現地確認
- 購入申し込み・売買契約
- 住宅ローン本審査・ホームインスペクション
- 決済・引き渡し
(2) 住宅ローン事前審査の重要性
住宅ローン事前審査を早めに済ませておくと、契約がスムーズに進みます。事前審査では借入可能額が分かるため、予算の目安を立てやすくなります。事前審査は通常1週間程度で結果が出ます。
(3) ホームインスペクション(建物診断)の活用
ホームインスペクションとは、専門家(住宅診断士)による建物の調査です。中古住宅は目に見えない欠陥(雨漏り、シロアリ被害、基礎のひび割れ等)を抱えている可能性があるため、購入前に実施することを推奨します。
費用は5〜6万円程度で、購入後のトラブルを防ぐ効果があります。
(4) 1981年以前の旧耐震基準物件の確認方法
1981年6月以前に建築確認を受けた建物は旧耐震基準のため、耐震性能が新耐震基準に比べて劣る可能性があります。購入を検討する場合は、以下を確認しましょう。
- 建築確認日(登記簿謄本または建築確認済証で確認)
- 耐震診断の有無(自治体の補助制度がある場合も)
- 耐震補強工事の実施履歴
耐震診断・耐震補強工事には費用がかかりますが、自治体により補助制度がある場合があるため、江戸川区の制度を確認することを推奨します。
諸費用・税金と中古住宅特有の注意点
(1) 手付金(物件価格の5〜10%)と諸費用の内訳
中古戸建て購入時には、物件価格以外に以下の諸費用が必要です。
| 項目 | 内容 | 目安額 |
|---|---|---|
| 手付金 | 契約時に売主へ支払う | 物件価格の5〜10% |
| 仲介手数料 | 不動産会社へ支払う | 物件価格×3%+6万円+消費税 |
| 登記費用 | 登録免許税・司法書士報酬 | 30〜50万円 |
| 不動産取得税 | 都道府県へ支払う | 固定資産税評価額の3%(軽減措置あり) |
| 火災保険 | 10年一括払い | 20〜30万円 |
| ホームインスペクション | 建物診断 | 5〜6万円 |
諸費用は物件価格の6〜10%程度が目安です。
(2) 仲介手数料の計算(物件価格×3%+6万円+消費税)
仲介手数料は法律で上限が定められており、物件価格×3%+6万円+消費税が上限額です。例えば、物件価格5,000万円の場合、以下のように計算されます。
5,000万円 × 3% + 6万円 = 156万円 156万円 × 1.10(消費税) = 171.6万円
仲介手数料は高額になるため、事前に不動産会社に確認しましょう。
(3) 住宅ローン控除の適用要件(中古住宅の場合)
中古住宅でも一定の要件を満たせば、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けられる場合があります。国税庁によると、主な要件は以下の通りです。
- 床面積が50㎡以上(合計所得金額1,000万円以下の場合は40㎡以上)
- 築年数が木造の場合20年以内、耐火建築物の場合25年以内(または新耐震基準適合証明あり)
- 住宅ローンの借入期間が10年以上
詳細は税理士や税務署にご確認ください。
(4) 耐震診断・耐震補強費用の目安
旧耐震基準の建物を購入する場合、耐震診断・耐震補強費用が別途必要になることがあります。
- 耐震診断: 10〜20万円程度
- 耐震補強工事: 100〜300万円程度(建物の状態により大きく異なる)
江戸川区では耐震診断・耐震補強工事に対する補助制度がある場合があるため、区のホームページで最新情報を確認しましょう。
まとめ:葛西で理想の中古戸建てを見つけるために
葛西エリアの中古戸建ては、平均約5,870万円、価格帯1,480万円〜6,380万円と幅広く、築年数や駅距離により選択肢が豊富です。都心へのアクセスが良好で、生活利便性も高いため、コストパフォーマンスに優れたベッドタウンと言えます。
中古住宅購入では、住宅ローン事前審査を早めに済ませ、ホームインスペクションで建物の状態を確認することが重要です。特に1981年6月以前の旧耐震基準の建物は、耐震診断・耐震補強を検討しましょう。
諸費用(手付金・仲介手数料・登記費用・税金等)を含めた資金計画を立て、信頼できる不動産会社や専門家に相談しながら、理想の中古戸建てを見つけてください。
